- FE聖戦の系譜第三世代以降、聖戦続編を構想スレ
96 :セーナ[sage]:2011/09/15(木) 01:52:14.14 ID:tRI/VJbh - セーナ「歴代とのお約束キャラ比較。」
主人公 セーナは女性主人公形で魔法剣士系女ロードの珍しい存在。 クラスロードマスターはマスターナイトのロード版。 娘エレナは同じ魔法剣士系女ロードタイプ ヴァナヘイムの女帝でライバルヒロインのニーナ女帝 セリス世代では悲劇のセリスの異母妹で初恋の人、ティナが 同じタイプに入る。 リーベリア大陸ではレダ王族のティーエ、ティーネ、が近いたいぷ。 外伝のセリカの強化形のイメージ、更にティナ除き、魔法が光系魔法が得意、 しかし、セーナ、エレナの場合は闇因子があるため、ルートにより闇の因子のロプトウスが覚醒する イベントがある。 魔導士系女ロードのミカヤや剣だけの女ロードのエイリークとは 魔法、剣、両方の神器使うのが最大の違い。 ユグドラル大陸のシアルフィ系のティナ、セーナ、エレナは蒼髪の 伝統を守っている。
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97 :セーナ[sage]:2011/09/15(木) 02:08:54.70 ID:tRI/VJbh - 主人公
男子型 シグルド二世……男子型サブ主人公だが最後がイケメン敵になってしまう。 アルド……………FE正統派皇子主人公のイメージだが、サブ主人公に とどまりそう、セリス皇帝の再来のイメージでファルシオンも使える正統派なのに。 エレナもファルシオン使える資格あるし。 ハルトムート……ヘクトル系主人公に近い性格でややズレている。 更にティルフィング、エッケザックス……。 ルーファス……影を次ぐ者で、ややロード候補では弱いイメージがする。 リーベリアでは、リュナン、ローラン、アルク、 アカネイアでは、ロイト ヴァナヘイムでは、フリオール 以上が男子型ロード。
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98 :セーナ[sage]:2011/09/15(木) 07:58:18.36 ID:tRI/VJbh - セーナ「エバンス大戦の想定MAP」
ハイライン城……セーナ軍(自軍青) (今回の第三世代では、ハイライン港、街含、セーナ軍はリーベリア大陸から ガルダ島経由して、ハイライン港からユグドラル大陸に上陸) ノディオン城……アグストリア軍(指揮官エルトシャン二世、中立軍) 野戦陣地…………セーナ軍(自軍青) ヴェルダン国境……ヴェルダン軍(指揮官レスター、敵軍赤) エバンス城…………ヴェルダン軍(敵軍赤) ジェノア城…………ヴェルダン軍(敵軍赤) マーファ城…………ヴェルダン軍(敵軍赤) ヴェルダン城………ヴェルダン軍本城(敵軍赤) 旗……セーナ軍 双龍旗、 ヴェルダン軍 双斧旗
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99 :セーナ[sage]:2011/09/15(木) 08:28:22.05 ID:tRI/VJbh - エバンス大戦
セーナ軍……(自軍青) 指揮官セーナ皇女 指揮官☆5 以下、セーナ直属近衛兵アルバトロス グリューゲル軍(カイン、アベル、ボルス、ミカ、ゲイン、客将アレス、リュート 、ルカ、他含) 天馬騎士団 レイラ天馬騎士団 指揮官レイラ(ファルコンナイト) 指揮官☆3 副官リーネ(ファルコンナイト) 以下ペガサスナイト隊 サーシャ天馬騎士団(リーベリア大陸ウエルト王国から参戦) 指揮官サーシャ(ファルコンナイト) 指揮官☆4 以下ペガサスナイト隊 ヴェルダン軍……(敵軍赤) 指揮官レスター 指揮官☆5(マスターナイト) (エーディン=ジャムカの息子でヴェルダン王国最後の国王) オルテガ(ジェネシスの父、マシーナリー) ☆2 エンドール(ウォーリア)☆2 レジーク(スナイパー、レスターの息子)☆2 後方ヴェルダン城 守備レジーナ(アーチナイト、レスターの娘)
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100 :セーナ[sage]:2011/09/15(木) 08:34:54.76 ID:tRI/VJbh - レスター以下他ヴェルダン軍武将、兵隊
(ウォーリア、アクスファイター、スナイパー、ボウファイター、 アーチャー、マシーナリー、フォーレスト、ハンター、 バーサーカー、他部隊MOB武将も含む)
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101 :セーナ[sage]:2011/09/15(木) 08:51:31.23 ID:tRI/VJbh - エバンス、そこはアグストリアとグランベルを結ぶ中継点として栄えたヴェルダンの都市である。
数十年前、時の英雄シグルドがこの地を治め、ヴェルダンにて出会ったディアドラと契りを交わした地としても有名である。 そして今、奇しくもシグルドの孫セーナと、シグルドの息子セリスを幼少から支えてきた名将レスターがぶつかろうとしている。 レスターはアグストリアを睨みつけるようにして国境のヴェルダン側に布陣し、 セーナ率いるグリューゲルはそれに対峙するようにアグストリア側に到着して布陣している。 その遥か後方のノディオンには中立を表明しているはずのエルトシャン2世がアグストリア軍の残り全軍を率いて、不気味な沈黙を守っている。 セーナは薄々と彼の意図を察していたものの、一方の大将レスターには全く読めていなかった。 というよりはそこまで目を配る余裕がなかったのかもしれない。 仮にもリーベリアで何十万のゾーア軍を退けてきたセーナを相手に、やはり心のどこかに不安があったのである。 そして目の前のセーナ軍の様相がいつにも増しておかしかった・・・。 ヴェルダン軍伝令「レスター国王殿下、反逆者セーナ皇女様が陣形を整えました。」 レスター(偃月の陣形・・・全騎馬部隊・・・どういうことだ?!そんな単純なわけがない!)
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102 :助けて!名無しさん![sage]:2011/09/15(木) 08:59:01.28 ID:tRI/VJbh - アグストリア家の影の支援を得て、本物の故郷グランベルへ向けて東上するセーナたちグリューゲル。
そんな彼女たちに立ちはだかるのがセリス挙兵時から彼と共にいた解放軍の勇者の1人で、 今はヴェルダン王となっているレスター。 彼はヴェルダン全軍を率いて、すでにヴェルダンの要衝エバンスの地に布陣している。 セーナの最初の試練として、彼女の祖父シグルドが初めて城主を務めたこの地で、 セリスの譜代レスターと、シグルドの衣鉢を継いだセーナが激突する。
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103 :助けて!名無しさん![sage]:2011/09/15(木) 09:05:25.80 ID:tRI/VJbh - アベルが指揮するカイン・アベル隊はヴェルダン軍右翼に斬り込んだ。
中央への攻撃を予測し、薄くなっていた右翼は瞬く間にグリューゲル最強騎馬部隊に蹂躙された。 やがて体勢を取り戻して、反撃しようとした時にはすでに離脱していた。 中央から駆けつけた部隊はあまりの速さに唖然としたが、彼らはまた駆けることになる。 カイン・アベル隊に後続していたボルス隊が中央に切り込んだのだ。 総合力のカイン・アベル隊に対して、破壊力のボルス隊である。 瞬く間に中央部隊が血の海と化した。 そして先程右翼に駆けつけた部隊が戻ってきた頃にはボルス隊もまた戦線を離脱していた。 だが時は待ってくれない。 さっき右翼にあたったばかりのカイン・アベル隊が左翼に攻撃を仕掛けたのだ。 愚痴を言いながらも彼らは左翼に駆けつける。 しかしやはり空手形に終わったばかりか、さらに中央部隊が後続から猛烈な攻撃を受けているという報せを受けて座り込んだ。 果たして彼らはセーナ軍と一戦もせずに終わる事になった・・・。 さて全体の戦況はと言えば、 変則車懸かりを行って右翼と左翼に斬り込んだカイン・アベル隊の活躍でヴェルダン軍を散々に翻弄して、 後続のボルス隊以下が中央部を豪快に切り崩していく。 カイン・アベル隊の効果が薄れた頃に第二の変則車懸かりが発動する。ミカ・ゲイン隊が仕掛けたのだ。 彼らはもちろん騎馬部隊になっているが、全くぎこちなさを見ることはなく見事に敵勢を翻弄していく。 そしてその後続が中央を引き剥がしにかかる。 グリューゲル全部隊が一回りしただけでヴェルダン軍の重厚な陣はすでに中央部で裂け目が入っている。 ここにじっくり休養したカイン・アベル隊が突っ込む。 前の変則車懸かりを想定してさらに中央部を薄くしたが、これがセーナの仕掛けた罠である。 カイン・アベル隊は今度は真っ直ぐに中央部に斬り込んだ。 予想外の事態に混乱も起き始め、ついにカイン・アベル隊が重厚な陣に楔を打ち込んだ。 こうなれば彼らの独壇場である。 ボルスがその楔をさらに強烈に叩き込んで、後続もさらに打ち込んでいく。 そしてミカ・ゲイン隊が変則車懸かりで中央から敵勢を散らして、ついに後続の部隊がヴェルダン軍を分断した。
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104 :助けて!名無しさん![sage]:2011/09/15(木) 09:09:52.25 ID:tRI/VJbh - その瞬間を逃さずにセーナ直属の精鋭アルバトロスが動き出す。
リーベリアの戦いでは伝令役に終始して華々しい戦いをしていない部隊だが、 一騎当千の猛者ばかりで構成されているためにわずか200名といえどもかなりの破壊力を持っている。 それがグリューゲルが作った穴をすり抜けて、一気にレスター本陣に斬り込んでいた。 この頃になると、車懸かりの弱点である側面を守っていたサーシャとレイラの両天馬騎士団も攻撃をはじめてセーナ軍は総攻撃に移った。 車懸かりを解いたグリューゲル各部隊は火の出るような猛攻を加えて、 自分たちがこじ開けた穴を閉じないように奮闘した。 そしてアルバトロスもまたグリューゲルに負けてなるじとレスター本陣に猛攻を仕掛けた。 彼らの意気を感じたセーナも久々に前線に出て、ライトニングを放っては彼らを援護していた。 主従一緒の猛攻にさしもの勇将レスターはついに追い込まれた。 まだ圧倒的多数を誇ってはいるものの、それぞれで分断されているだけでなく肝心の本隊がすでに壊滅しているのだ。 もはや彼に残された命令は1つしかなかった。 レスター本陣撃破後のセリフ レスター「全軍、退け!」 これで40万を誇ったヴェルダン軍は瓦解した。 退却には殿を置くのが必定だが、 ヴェルダン軍にはレスター以外に武勇の士はいなく結局バラバラのままで退却した。 そしてこれが被害をさらに甚大にしていく。 セーナの迅速な命令ですぐに追撃に入ったグリューゲルとアルバトロスは徹底的にヴェルダン軍を打ち崩した。 レスターはその激しさにエバンスを打ち捨てて、ジェノアからも撤退して、そのままマーファまで引き返す事にした。 セーナ軍の追撃はエバンスの手前まで繰り返され、わずか1万たらずの兵で5万近くのヴェルダン兵を討ち取り、負傷者もそれに匹敵するほどだったという。
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105 :助けて!名無しさん![sage]:2011/09/15(木) 10:01:26.21 ID:tRI/VJbh - だがエバンス大戦はまだまだ続く。
すぐにセーナは勝った勢いでエバンス城を取り囲んだ。 ここに篭城するのは名もない武将だが、さすがにエバンスの留守を任されただけあって骨がありセーナの降伏勧告を頑として聞かなかった。 確かにヴェルダン軍は大敗したが、エバンス東にはマリク派筆頭のユングヴィがあるのである。 今こそエッダに向かっているものの数日中に来るだろうという希望的観測があったため、セーナの勧告を即座に蹴ったのだ。 ついでにエバンスに篭城しているのはセーナ軍と同じ1万。 エバンスの城の規模からすれば明らかに物足りない数だが、そこから考えるとレスターが先程の野戦にどれだけ力を入れていたのかがよくわかる。 とはいえ、そういう感慨に浸っているときではない。 いつまたレスターが体勢を立て直して逆襲に転じてくるのかがわからないのだ。 大打撃を与えたとはいえ、未だに大軍を有しているのは事実である。 しかも今度は復仇の念を誓って、猛烈に仕掛けてくるだろう。 そしてエッダに篭城しているオイフェたちも気になる。 だからこのエバンス城は早急に落とす必要があるのだ。 次の日からセーナ軍はいつもの慎重さを捨てて、猛烈に攻め上げた。 さすがに弓の名家ユングヴィの分家だけあって弓の扱いは長けているのでサーシャとレイラの天馬騎士団は第一線から退き、 先日の戦いまでの疲労をなくすことにした。 野戦に絶対的な力を持つグリューゲルだが、スーパーオールラウンダーだけあって篭城戦でもその強さは揺るがない。 次々とエバンス城の拠点を落としていき、いよいよ残すはキープ(天守)のみ。 エバンス大戦はまもなく終わりを迎える、衝撃的な結末で・・・。
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106 :フィリップ[sage]:2011/09/15(木) 18:30:06.77 ID:tRI/VJbh - フィリップ王「次は南北トラキア連邦の交渉決裂イベントとトラキア軍参戦MAP」
時はまた少しさかのぼる。マリクがバーハラにてセーナに対して挙兵してまもなく、 トラキア連邦の首府ミーズにて南部トラキア王国の新国王フィリップ、北部トラキア連合の盟主代理キュアン2世、 そして連邦盟主アルテナと娘ミントが集まった。数日経っても挙兵する気配のない北部トラキア連合の姿勢に業を煮やしたフィリップが呼びかけ、 これに連邦盟主アルテナと娘ミントが同調したため今回の緊急会議が催されたのだ。 この会議にはこの4人だけでなく、自由都市ターラのリノアン司教、北部トラキア連合を支える各地域の国王や、 南部からも前国王アリオーンらも参加しており何年かぶりにこれだけの人数が揃ったのも歴史の浅い連邦としてでも珍しいことであった。 果たしてこの大会議は新国王になってから外交デビューするフィリップの怒号から始まった。 彼は北部連合の諸侯らを睨み付けて叫んだ。 フィリップ「こんな場でいきなりになるが、何ゆえに北の諸侯らは戦支度をしないのか?」 こういう正式な場とはいえ、荒い言葉遣いをするフィリップに北部連合の諸侯は鼻白んだ。 とりわけ盟主レンスターと並ぶ発言力を持つマンスター国王イルグは逆にフィリップを睨み返す有様だった。 北と南の反発、それはフィリップの祖父トラバントの時代から特に激化していたが、セリス解放戦争後からはその様相もいささか事情が異なっていた。
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107 :フィリップ[sage]:2011/09/15(木) 19:55:24.18 ID:tRI/VJbh - セーナの祖父シグルドが活躍していた頃のトラキア半島は南のトラキア王国を率いていた当時の国王トラバントが肥沃の地であった北の地、
つまりマンスター地方を求めて激しく戦火を交えていた。 これに敢然と立ち向かったのが北の守護者レンスター王国だった。 精鋭ランスリッターは他のマンスター諸国のコノート、アルスター、マンスターと共に奮闘し、幾度となくこれを跳ね返してきた。 やがてシグルドはグランベルから追われる立場となり、彼の義弟でありレンスター王子であったキュアンも彼を支援すべくかの地に向かった。 そしてそれをハイエナのように追っていたのがトラバントであった。 彼はキュアン率いるランスリッターが身動きのできなくなる広大な砂漠に入った時に後ろから襲い掛かり、 ついにはキュアンを討ち、彼の長女アルテナを奪ったのだ。 これでトラバント、いやトラキアの宿願が果たされたかと思いきや、 トラキア軍が体勢を立て直そうとしている間にシグルド軍を打ち破ったグランベル帝国軍が マンスター地方都市に雪崩れ込み、メルゲン谷の戦闘でトラキア軍がグランベル帝国軍に大敗し 講和条約でマンスター地方都市からの撤退とグランベルとの同盟を強制された。 グランベル帝国に北部トラキアマンスター地方を制圧されたトラキア王国はまた再び忍従の時を強いられることになる。 そしてトラキアの転機は20年後、シグルドの遺児セリスの蜂起によって訪れた。 電撃的にイザークを落とし、レンスター城を解放したキュアンの遺児リーフ率いるレンスターの残党と 合流した解放軍は瞬く間にフリージ家の手からマンスター地方を解放させた。 ここでトラバント、アリオーン親子はトラキア半島の覇権を賭けてセリス解放軍に挑むことになる。 しかしトラバントのあまりにも強引な手法にキュアンのもう一人の遺児で、トラバントによって育てられていたアルテナや、 トラキアの盾と称されていた名将ハンニバル(1世)らの離反にあい、国王トラバントは解放軍に討たれ、 王子アリオーンは一時行方不明となったことでトラキアは滅び、今度こそトラキア半島は統一されたはずだった。 しかしアリオーンは解放戦争末期にて再び現れた。 長年、妹として育ったアルテナと槍を交えるものの、 最後には彼女の決死の説得に折れて解放軍に下った。 果たしてトラキアは敗戦国と認められながらもアルテナの必死の交渉で今までの本領を安堵されることになり、 トラキア半島は南北それぞれに協調しあいながら生きていけるようにリーフの反対を押し切り連邦制として再始動した。
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108 :フィリップ[sage]:2011/09/15(木) 20:01:12.45 ID:tRI/VJbh - しかしトラキアの不運はまだ続く。
本領を安堵されたといってもトラキアは土地が痩せていて生産力の乏しい国、 とても自立した経済を維持することなど不可能だった。 そこでアリオーンは北部連合に救いを求めた。 北をまとめるリーフも即座に快諾し、毎日のように色々な物資がトラキア王国に送られていった。 しかしその援助も突如として止められることになる。 トラキアへの玄関を務めるマンスター王家がトラキアへの支援物資の供出を拒んだのだ。 なお北部トラキア連合の各王家はグランベル帝国が進行してくる以前にいた者たちの末裔によって治められていたが、 それだけに積年のトラキアに対する恨みも強い。 そしてその恨みからトラキアへの支援物資の8割強を占めていたマンスター家が支援を打ち切ったことでトラキア家は再び窮乏した。 もちろん他にも理由はある。 この当時、マンスター地方を未曾有の疫病と飢饉が襲っていたのだ。 これにより北部連合は大打撃を受けることになったのだが、 それでもマンスターはなんとか疫病と飢饉の被害は少なかったので十分トラキアへの支援はできる余力があったはずだが、 マンスター家はこれを理由付けにした。 これに憤ったアリオーンはすぐに盟主リーフに談判したが、果たして彼からの返答はなかった。 というのも先の疫病と飢饉の対策の陣頭指揮を執っていたのが紛れもなくリーフであり、 不幸なことに彼自身が疫病にかかりすでに連合の執政をとれなくなっていた。 辛うじて一命は取り留めたものの今に至って不自由な生活が続いている。 この一件で北部連合の実権はレンスター家ではなく、 大領主であり、レンスターに次ぐ家格を誇る反トラキアの急先鋒たるマンスター家が舵を取ることとなったのだ。 今でこそリーフの長男キュアン2世の台頭でレンスターも発言力を取り戻したものの、連合発足ほどの圧倒的なものではない。 それゆえトラキア支援はそれ以降プッツリ切れてしまったままなのだ。 こうなるとトラキアはグランベルに助けを求めるしかなかった。 セリスはすぐに快諾し、トラキアのもう一つの隣国ミレトスと自由都市ターラを通じて莫大な支援物資を送り、 こうしてトラキアは窮地を突破した。 しかしこれらの件を通じてトラキア半島の北と南の溝が深まったのは言うまでもない。
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109 :フィリップ[sage]:2011/09/15(木) 20:25:48.77 ID:tRI/VJbh - フィリップの怒号にキュアン2世が冷静に応じた。
キュアン二世「今回の戦はマリク皇子とセーナ皇女の私闘と我々は判断する。よって無意味に私闘に加わり、民を泣かしてはならない。これが我々の意見です。」 とは言うものの、 コノート国王フェルグス、アルスター女王ミランダはどうやら納得していない表情をしているのがフィリップの目にもわかった。 この2王国はバルド同盟に参加させてくれたセーナに対して好意を抱いており、 できるならば彼女の傘下に入って戦いたいというのが彼らの心情だった。 しかも自分たちのトラキアへの仕打ちに同情にも似た感情を抱いているのも事実であった。 しかし発言力はレンスターとマンスターにある。 ここで足並みを乱せば、最悪の場合国が潰されることを薄々と感じていた彼らはフィリップに同調できなかったのだ。 これを本能的に察したフィリップは返した。 フィリップ「それは言葉としては格好良いかもしれないが、要は日和見ということではないのか?」 この時代、騎士道が浸透しているユグドラルにおいて日和見は裏切りの次に唾棄されるものとされている。 キュアン二世「どう思おうが結構、我々はこれ以上民を泣かせるようなことはできない。」 フィリップ「では今回の決断はシグルド(2世)殿らとの密約ですかな?」 ここでフィリップが仕掛けた。 この時点で中立を宣言しているのはエルトシャン2世のアグストリア(後にセーナ派に)、 シグルド2世の預かるヴェスティア、 シグルド2世の妻ナディアとその兄クリードの治めるイザーク、 そしてキュアン2世が事実上の盟主を務めるこの北部トラキア連合である。 そしてシグルド2世、エルトシャン2世、キュアン2世らは義兄弟であり、 これらが裏で繋がっているのは明確であろうが、フィリップがここを指摘したのだ。 もしYESと答えれば、キュアン2世は公私を混同していることになり、先ほどの「私闘」発言の意味があいまいになるのだ。 それを知っているのかキュアン2世はただ笑みを返すのみだった。 これにはさすがのフィリップも激した。 フィリップ「もはや結構、そなたらが動かないのならばこちらで勝手に戦ってきてやる!これ以上、議論していては我々も日和見扱いされてしまうからな!」 しかし何とかアルテナとミントが宥め、フィリップを落ち着かせた。 それからも連邦盟主アルテナと娘ミントが一生懸命に両者の間に入って、 どうにか歩調を合わせるべく調整しようとしたものの、やはり平行線をたどるだけだった。 会議は数時間にも及んだ。 やがて業を煮やしたのかキュアン2世が驚くべき言葉を残して席を発っていった。 キュアン2世「フィリップ王子、どうやら我々はやはりどこまでも同じ道を歩めないようですな。 そうなればこんなお飾りの同盟などあってないようなもの。 アルテナ殿、ミント殿、我々北部トラキア連合は南北トラキア同盟(トラキア連邦の基幹となっている同盟)を破棄させていただきます。」 それはセリスとリーフが苦心して作り上げた同盟をあっさりと破棄して、紛れもなくトラキア半島が一昔前の争乱状態に戻るということだ。 愕然としたアルテナとミントはすぐにキュアン2世を呼び返そうとしたが、それより早くフィリップが完全に沸騰してしまった。 椅子を弾き飛ばさんばかりに立ち上がり、キュアン2世とは逆の方向に去っていった。
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110 :セーナ[sage]:2011/09/15(木) 20:55:06.90 ID:tRI/VJbh - セーナ「北部トラキア連合四王国と新王国メルゲンについて。」
一部トラキア776外伝の設定も配慮し。 コノート王国国王にコノート王家の落胤の設定があるフェルグス。 アルスター王国はやはりアルスター王女ミランダが女王にふさわしいとの ヴェルトマー・フリージ家を預かる、アゼル達の意見でミランダが女王になった。 マンスター家だけはオリジナルのマンスター家の後裔を国王に就任させた。 かつて砂漠の民が統治していたメルゲンだけ、戦後新たにメルゲン王国が 建国され、王家は帝国時代北トラキアを統治していた フリージ家のイシュトー=ライザの遺児が、ヴェルトマー家のアゼル、サイアスの 意向でメルゲン王家に就任(左遷)させられた。 オリジナル武将、メルゲン王国女王 ステファニー……(父親イシュトー、母親ライザ) イシュトー=ライザの双子の遺児で兄はステファン 兄ステファンがサイアスによりメルゲン城からグランベル帝国フリージ家本国に 召喚されたため、妹のステファニーが初代メルゲン王国女王として就任。 セリス後継者戦争時、兄ステファンがマリク派についてしまうが 彼女は北部トラキア連合の一国として中立を守る。 戦後、マリク派についてしまい戦犯になった兄ステファンを庇い フリージ家当主でイシュタルの娘フィーリアに直訴して兄の存命とメルゲン王家復帰を 勝ちとるのに成功する。 その後北部トラキア連合は南トラキア王国にヴェスティア動乱後降伏するが 彼女は兄と共に新たな主君、トラキア家アリオーン、フィリップ、 トラキア連邦盟主家アルテナ、ミント、に家臣として仕えて歴史の表舞台から去る。
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111 :フィリップ[sage]:2011/09/15(木) 21:15:59.37 ID:tRI/VJbh - こうしてトラキア連邦は崩壊した。
トラキア王国のフィリップはすぐに王都に戻るや否や、準備していたトラキア軍全軍をグランベルに向けて出発させた。 しかしここでフィリップは一つの意趣返しを北部連合に向けて行った。 マリク派のもう一つの勢力ミレトス王国に入るのにその国境にある北部連合の一国メルゲン王国に無断進入したのだ。 メルゲン軍が怒って駆けつけた時にはすでにトラキア軍に去っており、 それを知ったメルゲン女王ステファニーはキュアン2世にトラキア侵攻を進言したが、すぐに否定された。 あくまで中立を貫く姿勢のようだが、それならそれで同盟を決裂させた理由がわからない。 それを知りたいがためにフィリップは発破をかけたのだが、キュアン2世はそれに乗らなかったわけだ。 ミレトス侵攻の橋頭堡となるペルルークを激しい戦闘の後に落としてからしばらくしてセーナからイード支援の要請があったフィリップは即座に父アリオーンに十万の兵を仕立ててイード砂漠に向かわせた。 このとき同じ轍を踏ませないように国境を固めていたメルゲン兵とアリオーン率いる兵が激突したのだが、 アリオーンはすぐに国境兵を蹴散らしてイードへと向かって行き、 マリアン率いるイード軍は討たれ、アリオーンは援軍としての役目を大いに果たした。 一方、ミレトスに侵攻したフィリップはいよいよマリクを熱烈に後援する地下組織クロノスと激突する。
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