トップページ > ロボットゲー > 2010年12月13日 > /yQLeRew

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それも名無しだ
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目

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ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
62 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:08:11 ID:/yQLeRew
 【カノウ家】
マーズ「なー、カノウ兄弟のおかーさんとふたりきりでクリスマスを過ごす予定のほーさー」
ミナト「うるせえ! そんな予定はねえよ!」
マーズ「そろそろカンネンして、お宅の妹とフラグ建てさせろよー」
ミナト「お前もなかなか諦めねえな」
マーズ「おれはあれだよ、『不屈』とか持ってるジシンあるよ」
ミナト「べつにお前、友達なら中学生たちとつるんだりしてんじゃねえか」
マーズ「おれはっ! 同年代のトモダチが欲しーの!
 幼女! 幼女! 幼女!」
ミナト「幼女幼女連呼するやつを妹と会わせられるか」
マーズ「なーおい、妹なんて、知らねーうちにアニキばなれしてくもんなんだよ。
 どーせ手放すんなら、甲斐性のある相手に託すほーがいーと思うなー。
 おれはそー思うなー」
ミナト「ちょくちょく危ないお兄さんがたとトラブるやつとつるませられるか。
 うちの妹、まだ10歳だぞ」
マーズ「おれなんか三歳だぞ!」
ミナト「じゃあ全然同年代じゃねえじゃねえか!」
マーズ「ガチの三歳児なんざー会話成立しねーじゃねーか!
 会話の通じる幼女! 幼女! 幼女!」
ミナト「お前、幼女って言葉が気に入ってるだけなんじゃねえの」

 プルルルル。。。

マーズ「ちっ、仕事だ。
 いーか、おれぁーおやじと違ってハンパなフラグ建てたりしねーんだからなっ!」
ミナト「あー、はいはい、仕事がんばってこい」

 ピンポーン

ラーナ「こんにちは。
 カノウ兄弟の、お母さんとミッテ先生に挟まれたクリスマスを送る予定のほうのひと」
ミナト「送らねえよ!?
 俺のクリスマスはAKB48のイベント会場にあるって前世から決まってんだよ!」
ラーナ「マナさん、といいましたか。
 お宅の妹さん、どこにいるのか教えてくれませんか?」
ミナト「なんだよ、入れ替わり立ち替わり。
 あいつに頼まれたんじゃねえだろうな」
ラーナ「頼まれてませんけど、
 あんなに会いたがってるんだから会わせてあげるくらいいいじゃないですか」
ミナト「はぁ、あのな、うちの妹、まだ10歳なんだよ」
ラーナ「わたしは14歳です」
ミナト「すっごくフツーの子なんだよ。
 成績は中の下っていうか、ちょっとトロくて運動は苦手っていうか、
 そんなだから、この町はちょっと危険過ぎて田舎に疎開させてるんだよ」
ラーナ「いわゆる、チャオズは置いてきた。
 ハッキリいってこの戦いにはついてこれそうもない、ということですね」
ミナト「ひとの妹つかまえてチャオズ呼ばわりもどうかと思うけどな」
ラーナ「べつにロボくんは妹さんに危害を加えようとしているんじゃないじゃないですか。
 仮にそんなことを考えていても、ロボット三原則があるから手出し出来ません」
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
63 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:09:04 ID:/yQLeRew
ミナト「あのな、うちの妹、基本フツーの子なんだけど、
 フツーよりちょっとかなり怖がりなんだよ。
 ドラクエのモンスターでも怖がるレベル。
 あの仮設5号機を擬人化し損ねたような四本脚と遭遇してみろ。
 火が点いたように泣き出すぞ。
 そんで、あいつはあいつで、ロボのくせにいっちょまえに傷付いたりするんだろ。
 会わせないほうがいいんだよ」

ラーナ「当人がいないところで、そんな判断を下してしまうのはどうでしょう」
ミナト「どうでしょうったってなあ、どっちも子供なんだし」
ラーナ「だからわたしが事前に行って、
 ちょっと見た目がジョージ秋山とAのほうの藤子不二雄先生をごっちゃにしたような外見だけど、
 決して危険はないと説明してあげたらいいんじゃないでしょうか」
ミナト「理屈でわかっててもどうにもなんないことってあると思うぞ」
ラーナ「真摯に話せば通じると思います」
ミナト「だから相手は10歳児なんだってば」
ラーナ「チェーンソーをちらつかせながらこんこんと説得すればわかってくれると思います」
ミナト「うん、それはな、脅迫っていうんだ」
ラーナ「妹さんの居場所を教えてください」
ミナト「教えません!」
ラーナ「ぶぅ」

 【カノウ家前】
ラーナ「強情な非モテです。非モテになるのもやむなしと頷かざるを得ません」
ランル「あの、ラーナちゃん?」
ラーナ「なんです?」
ランル「よかの?」
ラーナ「なにがです」
ランル「だっ、だって、その、ロボットくんとマナちゃんて子が会っちゃったら、
 ロボットくん、その子のこと好きになっちゃうかもしれんとよ?」
ラーナ「はぁ、まぁ、そうなるかもしれませんね」
ランル「そっ、それでよかの?」
ラーナ「なんです、ランルさんにしては煮え切らない物言いですね」
ランル「だって、その、あのぅ、ラーナちゃんは、
 ロボットくんのこと、その、す、好きなんと違うの?」
ラーナ「まあ、好きか嫌いかでいえば好きですけど、
 ランルさんがエルオーブイイー的な意味でいってるなら、それはどうなんでしょう」
ランル「どうって」
ラーナ「わたしがロボくんと呼んでいるとおり、あの子はロボットですよ。
 繁殖する必要がないんです。
 だから繁殖のために恋愛感情を持つことはありません」
ランル「それは、そうかもしれんけど、ラーナちゃんは」
ラーナ「わたしがあの子に持っている感情は、
 妬みと僻みと尊敬と、コンプレックスと、そういうグチャグチャです。
 だってあの子は、あんなにちっちゃいのに、ひとりで商売をして生きているんですよ。
 わたしたちなんて、ただの中学生じゃないですか」
ランル「そりゃ、まあ、すごか子だとは思うけど、
 あんま手放しで誉められる子でもないと思うっちゃ。
 見た目以前に、がめついし、喋り方も品がなかし、そのへんのもの拾って食べたりするし」
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
64 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:09:57 ID:/yQLeRew
ラーナ「まあそういう子です。あの子もちょっと偽悪的ですしね。
 でもあの子は、あんなに頑張ってるのに、あんまり報われてないんです。
 事務所に帰っても家族はいないし、いつもひとりです。
 せいぜい聖闘士星矢のオモチャかDVD眺めるくらいしか楽しみがないんですよ。
 せめてわたしくらい、誉めてあげたっていいじゃないですか」
ランル「でも、女の子紹介するっていうのは」
ラーナ「欲しいものとかありますかって聞いたら、
 最上重工のオモチャ部門と答える子に、お金で買えるもの渡して喜ばれると思いますか」
ランル「でも、だって」
ラーナ「なんでランルさんが必死な感じなんですか」
ランル「それじゃラーナちゃんが」

ミスティリカ「つまり寝取られ希望ということですね、モントーヤさん!」
ランル「あんたなに聞いちょったの!?」
ミスティリカ「その心意気に打たれました!」
ランル「あんたどっから現れよったの!? ねえ、ねえっ!?」
ミスティリカ「ちょっと待っていてくださいね」

 ガラッ

ミスティリカ「あなたのリアル妹を紹介してください、カノウ兄弟の陵辱童貞なほうさん!」
ミナト「絶対にイヤだし、兄貴だって陵辱童貞なんて切ってねえよ!」

 ピシャッ

ミスティリカ「ふふ、計画通りです」
ランル「なんの意味があったの!? ねえ、なんの意味があったの!?」
ミスティリカ「まあ見ていてください」

 プルルルル。。。
ミナト『もしもし、ああ、兄ちゃんだけど』

ミスティリカ「感度良好です!」
ランル「盗聴器・・・・・・! あの一瞬で・・・・・・!」
ラーナ「不安を煽って、電話をさせる計画だったのですね」

ミナト『うん? べつに用ってわけじゃねえんだけど。
 ちょっと心配になってな。なんか変わったことねえか?
 ああ、そんならべつにいいんだ。
 じゃ、年末年始は家族でそっち行くから』

ミスティリカ「プッシュ音から番号を特定して・・・・・・と」

 プルルルル。。。
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
65 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:11:13 ID:/yQLeRew
ミスティリカ「もしもし、ああ、久しぶり。
 わたし、この間地元に帰ってきて。
 あれ、いやだ、あなた娘さん?
 あらあら、声そっくりね。全然分からなかったわ。
 いまいくつになるの? そう、わたし、あなたが赤ちゃんのころに会ったことあるのよ。
 覚えてる? そう、それであなたったら」

ランル「あんひとぁなんばいっちょるとね」
ラーナ「さあ」
ミスティリカ「会話の内容自体に意味はありませんよ。
 通話を長引かせて、その間にウィルコムのGPSサービスを使って、と」
ランル「ストーカーっちゃ。ガチのストーカーの手口っちゃ」
ミスティリカ「わたしだって、電話番号さえわかれば住所特定できちゃいますよ、モントーヤさん!」

ランル「ラーナちゃん、あたし、あんまあのひとと付き合っちゃいけんって
 お母しゃんから言われちょるんだけど」
ラーナ「ミスティリカさんはためになることをたくさん教えてくれる、
 とても頼りになるひとです」
ランル「健全な生活を送る上で、いっさい必要なかことばっか教えてくれる気がするけん」
ミスティリカ「住所が割れましたよ。秋田の田舎です。
 どうやらお母さん方の親戚に預けられているようですね」
ラーナ「すぐに向かいましょう。旅費なら、解体業で稼いだ分があります」
ミスティリカ「わたしはどうしようかしら。
 最近ゼフィア先輩がパチンコ打たないから、貯金が余ってるんですよね」
ランル「あ、あたしはお金とかないから」
ラーナ「わたしたちって、まだ子供料金で乗れると思うんです」
ミスティリカ「ウフフ、交通システムを陵辱するなんて、なかなか最低の屑の発想ね」
ランル「ラーナちゃん? なんであたしの袖つかんどるの! ねえ!?」

 【秋田の無人駅】
ミスティリカ「無人駅に着いたぞ!」
ラーナ「バスは・・・・・・、2時間に1本しか出ていませんね。
 待っているのも面倒です。歩いていきましょうか」
ランル「なんであたしが」

 【雪道】

 シャク シャク シャク シャク

ランル「へくちっ、あたし、基本暑いところで暮らしてたから、
 寒かとこは苦手っちゃ」
ミスティリカ「こういう寒村では、
 新婚初夜の嫁を村で共有するという風習があるそうですね。
 ああ、なんて卑しい集落なのかしら」
ラーナ「調べてみたところ、いまから行くトオミネ家は、
 無職のお嫁さんの本家筋に当たる家で、
 このあたりでは地主として昔からそこそこ栄えていたそうです」
ミスティリカ「そういう家の出だから、無職の夫を抱える度量があったのね。
 ああ、やっぱり男は無職に限るわ」
ラーナ「わたしは普通に働き者が好きですけれど」
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
66 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:12:57 ID:/yQLeRew
ミスティリカ「あら、男でありながら稼ぎひとつなく、
 忸怩たる思いを抱きながらも現状を打破するだけの行動力も決断力もなく、
 日々積み重なっていく劣等感を劣情に変換し、
 朝に昼に晩に叩きつけてくるその心情たるや、想像しただけで眼鏡曇るじゃない」
ランル「この自然溢れる景色を前にして、心洗われるとかそういうことはなかですか」
ラーナ「それで、ランルさんはどういうタイプが好きなんですか」
ランル「恋バナ? いまのは恋バナだったん!?」
ミスティリカ「やっぱり、収入のないひとのほうが好きですよね?」
ランル「あっ、あたしはっ、そういう、収入のこととか、よくわからんけん、
 ただ、一緒に笑ったりとか、そゆのが、好きだと思うけん」
ラーナ「気に入りました。うちに来てミヅルをファックしていいですよ」
ランル「なんでっちゃあっ!?」
ミスティリカ「気に入りました。
 このペニバン付けてランさんをファックしてきていいですよ」
ランル「あんたなに持ち歩いてるっちゃ!?」
ラーナ「かの、世界的に有名な14歳、綾波レイはこんなことをいっています。
 レッツファック」
ランル「綾波レイはそんなこといわんちゃ!」

 ガサッ

ランル「ひゃっ、なにっちゃ?」
擬態獣「ギャオオオォォォ!」

ランル「なんで擬態獣が!?」
ラーナ「田舎ですからね。牛とか熊とか擬態獣くらい出るでしょう」
ランル「疎開先でこれって、この世界はどんだけ危険に満ちあふれてるっちゃ!?」
ミスティリカ「擬態獣はそこはかとなく再生能力を持っています。
 手足をやってもあんまり意味がないので、
 頭を優先的に潰してください」
ラーナ「わたしはチェーンソーとドライバーを持ち歩いていますが、そちらは」
ミスティリカ「わたしはペティ・ナイフとマドラーを数本」
ランル「あの、あたし、月刊少年ガンガンしか」
ラーナ「十分対抗できますね」
ランル「待つっちゃぁーっ! どう考えても、あたしの装備だけ貧弱すぎるっちゃぁっ!」
ラーナ「仕方ありません。わたしが電車の中で呼んでいたヤングガンガンを進呈しましょう」
ランル「驚くほど焼け石に水っちゃ!」
ラーナ「『咲-saki-』って、なんで不定期掲載なんでしょう」
ランル「知らんちゃ!」
ラーナ「6体いますから、1人2体ずつ分担しましょう」
ランル「分担もちょっと考えて欲しかぁーっ!」

 10分経過

ランル「はぁっ、はぁっ」
ラーナ「意外と出来るものですね」
ミスティリカ「まさかヤングガンガンがコンボ武器だったなんて、
 ダンナーベースもつかんでいない情報ですね」
ランル「きつかったっちゃ、メチャクチャきつかったっちゃ」
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
67 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:14:09 ID:/yQLeRew
ラーナ「この擬態獣、どうしましょうか」
ミスティリカ「道路に転がしておくのも邪魔だし、煮ちゃいましょうか」
ラーナ「いいですね、わたしが解体しましょう」
ミスティリカ「わたし、飯ごう持ってきてるんです」
ランル「あのぅ」
ラーナ「手ぶらで行くのもなんだし、お味噌はマナさんへのお土産にしましょう」
ミスティリカ「ランルさん、悪いけど、そこの川で水を汲んできてくださる?」
ランル「その飯ごう、ペニバンとおなじ鞄に入れてあったんじゃ・・・・・・」

 【トオミネ家前】
ミスティリカ「トオミネ家に着いたぞ!」
ランル「いちいちいわんでよかですよ」
ラーナ「ランルさん、呼び鈴押してきてください」
ランル「え、ラーナちゃんが行けばよくなか?」

 ばんっ
 ブロロロロロ

ランル「なんぞね、いまのクルマ」
ラーナ「スーパーの閉店時間が近いんじゃないですか。
 田舎だから早くに閉まってしまうんでしょう」

 ぴんぽーん

ランル「あれ? 出ないっちゃ」
ミスティリカ「あれ、門の鍵があいてますよ?」
ランル「だからって勝手に入んのは・・・・・・」

使用人「うぅ・・・・・・」
ランル「ちょっと、どうしたっちゃ!?」
使用人「男たちが突然やってきて・・・・・・、お、お嬢様を・・・・・・」
ランル「まさか、誘拐!?」
ラーナ「ミナキ・カノウさんといえば、いい歳してフリーターの夫を抱え、
 3人の子供を養える程度には特許料を取っている方です。
 このとおりご本家はお屋敷だし、不埒な考えを持つ人がいてもおかしくはありません」
ランル「なに落ち着いてるっちゃ! けっ、ケーサツ!」
ラーナ「こんな田舎で、警察が駆けつけるまでどれだけかかるんですか」
ランル「でっ、でもっ」
ミスティリカ「ああ、齢10歳で拉致監禁調教のフルコースを体験出来るなんて、
 カノウさんちの末っ子はなんて羨ましいんでしょう」
ランル「いっ、一刻も早く追わんと!」
ラーナ「ナンバーもわからないのに、どうしろというんですか」
ミスティリカ「さっきのクルマ、後ろの方に5とか3とか2とか並んでいましたけれど、
 それは些細なことですよね?」
ランル「ナンバー覚えちょったなら早くいうっちゃ!」
ラーナ「はぁ、この家、クルマありますか?」
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
68 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:15:25 ID:/yQLeRew
 ブロロロロ

ランル「見えた! あのナンバーっちゃ!」
ラーナ「雪道に車輪跡が残っていたのが幸いでしたね」
ランル「早く回り込んでっ!」
ラーナ「道路の幅が足りません。ちょっと、あのクルマの動き停められますか」
ミスティリカ「んーっと、じゃあ後ろから車輪にナイフ当ててみますけど」
ラーナ「ランルさん、ちょっとハンドルお願いします」
ランル「わっ、ちょっと!」

 ちゅいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんっ!

誘拐犯A「な、なんだぁっ!」
誘拐犯B「急にクルマが」
誘拐犯A「バラバラにぃ・・・・・・っ!」

ラーナ「マナさん、いないようですね」
誘拐犯A「ば、バーカ! 俺たちゃただのシンガリよ!」
誘拐犯B「ガキなら、とっくにアジトに・・・・・・!」

 どすっ

誘拐犯A「は・・・・・・?」
ミスティリカ「見えますか? 肺と腎臓の隙間に刃が滑り込んでるでしょう。
 ほら、ナイフがビックンビックンいやらしく動いてる。
 これ、上と下とどっちに動かしたらいいのかしら」
誘拐犯A「だっ、駄目だっ! どっちにも動かしたら駄目だっ!」
ラーナ「そっちのそのひとはどうしましょうか。
 ねえ、腎臓って、ふたつもあったらウザいと思いませんか?」
誘拐犯B「思わないっ! 必要っ、腎臓は2つ必要っ!」
ミスティリカ「楽しい宴会でしたね」
誘拐犯B「なんで過去形なんだっ! よせっ、近づくなっ!」
ランル「あのぅ、身の安全を考えるんなら、
 早いとこマナしゃんの居場所を話したほうがよかですよ?」

誘拐犯A「あっ、ああ! ガキなら、ほら、そこの角反対側に曲がって、3つめの曲がり角を右に!」
誘拐犯B「潰れた工場があって、その中にいるよ!」
誘拐犯A「ほ、ほら、話したろ? だから早く病院に」
ラーナ「ウソをついていないとも限りません。
 真偽がわかるまで、そこの木に縛り付けておきましょう」
誘拐犯A「ウソなんてついてねえよぉ!」
ラーナ「せっかくヤングガンガンもあることだし、
 『咲-saki-』のコスプレをしてもらった上で縛り付けておきましょう」
誘拐犯A「やめろぉーっ!」
誘拐犯B「こっ、こんな雪道で『咲-saki-』のコスプレなんてさせられたらっ!」
誘拐犯A「だっ、第一衣装がねえじゃねえかっ!」
ラーナ「ああ、なるほど。
 では、咲と原村さんが仮眠室で仮眠を取っていたときの格好を再現してもらいましょう」
ミスティリカ「ああ、布団の横にスカートが畳まれてたあのシーン」
誘拐犯A「よせぇぇぇーっ!」
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
69 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:16:07 ID:/yQLeRew
 【廃工場】
ミスティリカ「廃工場に着いたぞ!」
ランル「それはもうよかですから」

 パァン!

ランル「は?」
ラーナ「ランルさん?」
ランル「あ、あれ」

 どさっ

ラーナ「ランルさん、ランルさん!」
誘拐犯C「よーし、そこまでだ。お前ら、そこで手を挙げろ」
誘拐犯D「あいつら、連絡がつかねえと思ったら妙なのに捕まりやがって」
誘拐犯C「で、お前らなんなの」
ラーナ「っ」

 ダンッ!

誘拐犯C「な、なんだこいつっ! 銃が見えねえのかっ!?」
ラーナ「ランルさんを撃ったな! 解体してやる!
 『咲-saki-』のコスプレをさせた上で、あばら骨を一本ずつへし折って引きずり出してやる!」
誘拐犯C「チェーンソーを下ろせ! ほ、ほんとに撃つぞ、このっ!」
ラーナ「ああ、まずはその右腕がいりませんか!」
誘拐犯C「ひっ」

ランル「いかんちゃ! ラーナちゃん!」

ラーナ「は?」
ランル「そんな、おっかないことばっかいってちゃいかんちゃ。
 ラーナちゃん、ちゃんとかわいか女の子なのに・・・・・・」
ラーナ「ランルさん、どうして」
ランル「さすが月刊少年ガンガンっちゃ! 9mm弾くらいじゃビクともしないとね!」

構成員D「はっ、早くそいつをはなせ! でねえと今度こそ!」
ランル「ラーナちゃん!」

 パァンッ!
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
70 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:17:16 ID:/yQLeRew
マーズ「あいてっ!」
構成員D「は?」
マーズ「ちっ、ヤスモンのタマぁ使いやがって。
 ちゃんと貫通させろよなー、ボケがぁー」
構成員D「な、なんだこいつ、脚が4本?」
マーズ「は、なんだよ。まだ撃つかい。いーよ、撃てよ。
 ゆっとくけど、おれを殺すなぁー、ちぃーっとホネだぞ。
 おれぁー『不屈』とか持ってんかんな」
構成員D「ひっ、ちっ、近づくなバケモノっ!
 おっ、俺のバックには」
マーズ「奥州パロスボ会がどーかしたかい」
構成員D「へ」
マーズ「おめー、あすこの木っ端構成員だろ。
 上のほーが急に経済ヤクザになっちまったもんだから、
 ケチなシノギが出来なくなって、上納金も払えなくなって、
 にっちもさっちもいかなくなって幼女誘拐やらかしたってか。
 どーせそのうちバカやらかすだろーから体よく破門しよーってハナシになってたのに、
 よりにもよってこんなことしでかしやがって」
誘拐犯D「な、なんで」
マーズ「だってよ、パロスボ会を経済ヤクザにしたの、おれだもん」
誘拐犯D「は?」

 ばんっ

組員A「いたぞっ!」
組員B「てめぇ、代紋に泥塗りやがって!」
組員C「マーズさん、大丈夫ですか!」
組員D「来いっ! 組のハジキまで持ちだしやがって!」
誘拐犯C「ちょ、ちょっと待てよ!」
誘拐犯D「どうなってんだよ、一体!」
マーズ「連れてきな。あー、いちおー、ひでーことすんじゃねーよとゆっとかぁー」
組員A「ご面倒おかけしました!」
マーズ「待ちな。『咲-saki-』のコスプレはしてもらおーか」
誘拐犯C「イヤだぁぁぁぁぁーっ!」

ミスティリカ「え、なに? 縛らないの? せっかく準備してたのにぃ〜」
マーズ「ねー、このひとぁー年長者としての自覚とか誇りとかそーゆーのねーの」
ゼオラとアラドの子供マダァー? 三十二代目
71 :それも名無しだ[sage]:2010/12/13(月) 22:18:21 ID:/yQLeRew
ラーナ「ロボくん」
マーズ「めんどーなことすんじゃねーよ」
ラーナ「知ってたんですね、この村の場所」
マーズ「そりゃ知ってんよ。ちっと調べりゃーわかるし。
 このあたりじゃートオミネってけっこー有名だし」
ラーナ「じゃあ、あのヤクザも」
マーズ「だってこの村、セキュリティあめーんだもん。
 こーゆー田舎じゃー、オマワリよりヤクザのほーが頼りになるし」
ラーナ「そこまでしておいて、なんでマナさんには会わないんですか」
マーズ「知らねーの? 妹を口説くにゃー、まず兄貴の了解得ねーといけねーんだよ。
 そーしねーと、さみしー兄貴はぼっちの宇宙船に引きこもって
 ミョーなロボ作り出しちゃうんだぞ」

ラーナ「ロボくん、わたしを引っぱたいてください」
マーズ「そこの変態! おめーか、ラーナちゃんにミョーなこと吹き込んだなぁー!」
ミスティリカ「あぁ、いの一番に疑惑を向けられるわたしって、なんて最低の屑なのかしら」
マーズ「キミもね、おれがロボット三原則積んでること知ってて」
ラーナ「あのとき、わたしは一瞬ためらいました」
マーズ「は?」
ラーナ「あのまま放っておけば、もうマナさんはロボくんと会うことはない。
 マナさんと会わせようとここまで来たのに、
 土壇場になるとそんなことを考えてしまうんです。
 わたしはそういう子なんです。
 卑しくて意地汚い、そういう子なんです」
マーズ「あー、そーだね、いやしくていじきたねーね」
ラーナ「ぐすっ」
マーズ「ニンゲンてなぁー、もともといやしくていじきたねーイキモノだろ。
 そーゆーの、おれぁーずいぶん見てきたんだ。
 いまさらカミングアウトされねーでもわかってらー」
ラーナ「そう、ですね」
マーズ「まったく、くだらねーことしてんじゃねーよ。
 キミの助けなんざーなくったって、おれぁー建ててーフラグは勝手に建てらぁー」
ラーナ「ロッ、ロボくんはいつもそうです!」
マーズ「ん?」
ラーナ「ひとりでずんずん先に行ってしまって!
 わっ、わたしはどうしたらいいんですか!
 わたしはなにをしたらいいんですかっ!
 なにをしたら、ロボくんは喜ぶんですかっ!」
マーズ「なにもよろこばねーよ。よけーなことすんじゃねー。
 おれぁーひとからなんかしてもらうの、あんま好きじゃねーし」


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