- カティア萌えスレ 新婚13日目
143 :それも名無しだ[sage]:2010/01/07(木) 02:56:47 ID:eA8bUt05 - いつも通りの年末年始なら、大掃除はそこそこ、年賀状はメールで済ませ、
カップの年越しそばを食って初詣に行く。今まではそんなところで終わっていたもんだ。 しかし、「そんなのだめですよ統夜!」の一言もあり、大掃除は念入りにやったし、 年賀状なんてのもホント久しぶりに書いた。おせち作りで暮れていく年末なんて、初めてだ。 当然というか何というか、正月イベントとしてあまり行かなかったところにまで 出かけたりするわけで、まあ充実していると言えないことも、ない。 そんなわけで、いま俺の目の前、正確に言えば某百貨店内のベンチの上には、 結構な数の買い物袋が鎮座している。俺はその山を慎重にどかし、座る場所を 確保すると、ついさっき買ってきた3個入りたい焼きから1個を失敬し、 そいつを二つに割って横にいる結構疲れた様子の相棒に渡した。 「ほれ、半分こだ。2人には一個ずつ残しとこう。」 「む、すまないな、紫雲。」 俺たちは、初売りセール作戦に参加した、物資警護、兼運搬要員というわけだ。
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144 :それも名無しだ[sage]:2010/01/07(木) 03:00:04 ID:eA8bUt05 - 「ありがたいが、この時間の間食は夕食に響きそうなのだが・・・」
「作戦はまだ終わっていないぞ、軍曹。むしろこいつらを家に持って帰るのが 本番だから、補給をしておいても損はないはずだ。」 なるほどな、と言うと相良宗介はたい焼きのしっぽの部分を食い始めた。そこまで あんこがしっかり入っていることは、以前ウチの居候たちと買ったときに確認済みだ。 と、携帯の着信音が響く。デフォルトの無機質な着信音は、相良の携帯だ。 「相良だ。・・・了解した。では、ポイントタンゴ・キロ・ブラボーで落ち合おう。 こちらももうすぐ終わると思う。・・・ああ、では。」 「・・・どうしたんだ?」 「マジンガーチームから連絡だ。首尾良く物資確保に成功したらしい。」 タンゴ・キロ・ブラボーってどこだよ、とか言いながら、そういえば時間限定セールとかが バッティングしていることから、戦力を二手に分ける相談をしていたことを思い出した。ウチのダイニングルームで。 おかげさんで昼飯が食いにくかったのなんの。 さやかさんや千鳥さん、それにウチの三人娘は、去年一年間のバイト代やら小遣いやらを結集し、 この一瞬に、この刹那に、この雲耀のきらめきにすべてを託して「戦い」とやらに挑むのだそうな。 「一年の決算は元旦に在りだよ、統夜!」 とか何とかテニアが言っていたが、それはいろいろと大変間違っていると思います、はい。 話し合いの結果、マジンガーチームには我が家の赤毛大食い娘と金髪超甘党娘が ついて行くことにあいなった。・・・向こうはお菓子やら食い物ばかりなんである。 服や小物類の福袋が多いこっちには、カティアに千鳥さん。それに俺たち。合計四名だ。
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145 :それも名無しだ[sage]:2010/01/07(木) 03:03:00 ID:eA8bUt05 - また携帯の着信音。この音は俺の携帯。かけてきた人も特定可能。
「どうした?・・・わかった。すぐ行く。」 彼女からの着信音だけは別にしている。たい焼きの頭の部分を急いで片付けると、俺は立ち上がった。 「紫雲、どこへ行く?」 「カティアんところ。俺に手伝ってほしいってさ。すまんが相良、荷物見張っててくれるか?」 「了解した。民兵の一人たりとも近付けさせはしない。まかせてくれ。」 「・・・いや、普通でいいからさ、普通で。」 買い物袋の山の見張りを再び相良に任せて、俺は彼女の待つ階へと足を向けた。 まったく、相良にしろカティアも、2人してとてもまじめなんだが、 「なるほど、理解した」とか、「わかりました、統夜!」とか何とか言って たまに起こすとんでもないことで振り回されるんだよな。 ・・・いや、相良の場合は「たまに」なんてもんじゃないし、「とんでもない」の規模が違うんだが。 とかなんとかどうでもいいことを考えているうちに我が家のお姉さんの姿が見えてきた。 とうやー、と、こっちに向かって小走りに駆け寄ってくる。あれ、千鳥さんの姿が見えないが。 「待たせた。カティア、千鳥さんは?」 「先に行ってます。何でも、少しでも早い順番に並ぶには、ポジショニングが大事だとかで・・・」 「・・・気合い入ってるなぁ。」 ここの福袋は値段の割にはお得だとかで、千鳥さんがエキサイトしていたのを思い出す。 物品調達で興奮するというのは、よくわからん。とは相良の談で、それには俺も少し賛成できる。 何だってそんなに買い物が好きなのかね、女子って。
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146 :それも名無しだ[sage]:2010/01/07(木) 03:06:21 ID:eA8bUt05 - そうこうしてるうちに、店内放送が聞こえる。時間限定、福袋の販売開始。周りの客も動き出した。
横を見ると、カティアはきょろきょろと周りを見回している。どうしたんだ? 「いいのか?行かなくて。」 「ええ、あの福袋はかなめさんが狙ってたものでしたから。」 んじゃ何を手伝うんだ?と思っていたら、急に死角の、陳列棚の間まで引っ張って行かれる。 「な、なんだなんだ急に、どうしッ!?」 「♪」 時間にしてたったの3秒ぐらい、だったのだか。 「・・・統夜、あんこの味がします。」 「たい焼き買ってあるから、一個ずつ。・・・じゃなくて、なんつーか、ホンと勘弁してください、カティアさん」 だって、二人っきりなんてずっとなかったんですもん。と言いながら頬をぷう、とふくらませるのは反則だ。 さらにその状態での上目遣いはよく訓練された反則だ。 「それに大丈夫、誰も見てないことは確認済みです。」 周囲を確認してたのはそういうことだったか。いやいやいや、 「そおいふ事ぢゃなくてですね・・・」 そういえば、クリスマスからこちら、二人っきりの時間なんて取れなかったんだよなぁ。 いや、というか、そういう事じゃないような気もしなくもなくもないんだが。 とりあえず千鳥さんと合流するまでに時間がほしいと思ったが、向こうから戦利品を掲げて颯爽とやってくる 彼女の姿が見えた。さて、この真っ赤になっているであろう顔色の理由をどう説明しよう?
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147 :FRONT TOWARD ENEMY[sage]:2010/01/07(木) 03:08:15 ID:eA8bUt05 - 「・・・相良、周りを取り囲んでいるのは、まさか全弾持って行け!のアレか・・・?」
「肯定だ。このM18クレイモアならば、複数の敵性脅威に対しての面的制圧が可能だ。」 「買い物袋を守るために指向性地雷を仕掛ける人がどこにいるんですか・・・。」 「こんな危険なもん回収しろ。今すぐ。」 「いや、問題ないぞ。リモコン起爆オンリーで、しかも中身は減装爆薬とゴム製ベアリングに 変更済みだ。当たってもせいぜい気絶する程度」 「あんたが気を失えッ!!」 どっかから取り出したハリセンで相良が宙を舞った。さすが千鳥さん、お見事。
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148 :それも名無しだ[sage]:2010/01/07(木) 03:10:39 ID:eA8bUt05 - 以上、遅すぎた正月ネタ。
一日に書いたんだが大規模規制に巻き込まれてこのざまだよ。 だがわたしはあやまらない。
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