- †純白の花嫁 ビアンカ萌えスレ PART42†
384 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2011/08/30(火) 19:36:30.80 ID:JnmW+X9Q0 - 話豚切りすまん。
>>376の可愛い絵と>>375の吹き出したくなる絵 を見ながら、稚拙なSS書いてみたんだがちょっと話が 長くなり、数回に分けての投稿になると思うんだ。 場合によっては、途中で落としを止めて後日改めて落とし直し・・・ みたいな感じに。 途中日にちが開くと、見分けが付きにくくなるんで、今回はテンプレ通りの鳥 を付けようか・・・とも思ってる。 過去拙いSS落とさせて貰った時は「名無し」で落とさせては貰っていたんだが、 実際の所自分の実力は鳥付けてまでのSSでも無いし、過去そんなに鳥つけたSS職人さんが多く いた訳もなかったみたいなんで、鳥付けってどーなんだろーかと思ってさ。 意見聞かせてもらいたい。
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386 :名無したんはエロカワイイ[sage]:2011/08/30(火) 20:27:59.27 ID:JnmW+X9Q0 - >>385
>>384です、ありがとう。 >作品タイトル変わりに鳥みたいなのもありだし 随分気楽になりました。 自分が書く程度のSSで鳥とか、おこがまし過ぎるなぁ〜とか 思ってたんで。 鳥つけてSS落としたら宜しくです。
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390 : ◆DGptWEfSUdZm [sage]:2011/08/30(火) 22:22:59.94 ID:JnmW+X9Q0 - 鳥つけてみました。長くなってしまいましたがポツポツ落とします。
宜しくです。 収穫期に入ったとある晩夏の昼下がり、山深い辺境の城壁都市グランバニアでは、 国主催で賑やかなフェスティバルが開催されていた。 明るく思わず心が躍る華やかな音曲が城塞都市の広場に溢れかえり、日ごろ山国では 先ずお目にかかれない、国王家に招かれた一流の大道芸人や奇術師、普段はルドマン氏 所有のカジノ船で舞台を演じている優れた劇団の歌曲芝居もわざわざ招聘され、主役の カップルの悲恋に城下の娘達や奥さん連中はおろか、宮廷内の高貴な女性たちも目に 泪をためハンカチで拭う。 歌曲芝居が終わると今度は、港町ポートセルミで連夜開催されている、人気絶大なる トップ踊り子のノーラ嬢を擁した華麗で艶やかなレビューショーが繰り広げられ、 老若問わず男性陣はついうっかり、鼻の下を長ーく伸ばしてしまい連れてる女性は しかめっ面のまま横っ腹をチクリと爪でつねっていたりしていた。 石畳の城下通路には、近隣地域から集められた珍味や特産品が積み上げられ、売り子が 街に溢れかえる音曲に負けじと声を張り上げ客寄せをし、往来を歩いている祭り客は それに呼応して冷やかしと興味半分で屋台を覗き込む。威勢の良い売り口上と客の 値引き交渉を遠巻きで見ていた客は、思わず引き込まれるように二重三重の人垣を 作り益々往来が人や荷物で溢れかえる。 それらの楽しげな喧騒を、短い夏の日差しが強く照り返している王家のバルコニーから 眺めている二人の男性がいた。 「やはり開催して良かった・・・」 ウンウンと、ほくそ笑みを湛えながら満足気に頷き背後を見返したのは、前国王である オジロン閣下。その慈愛溢れる視線の先には、現国王で、偉大なる兄であり先々代国王 デュムパポスの遺児で甥子であるリュケイロム国王がいた。
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391 : ◆DGptWEfSUdZm [sage]:2011/08/30(火) 22:27:23.53 ID:JnmW+X9Q0 - 「国民の皆が楽しそうにしてくれているのは嬉しいんですが、そもそも僕の誕生日ごときで、
国を挙げてのフェスティバル開催って言うのがやはり・・・。 その・・・どうしても恐縮してしまうと言うか・・・」 頭をかきかき必死に抗弁する若い国王を睥睨し、内心はヤレヤレと思いつつもフンと心にも無い 強面の表情を必死で作りつつ若い国王をゆっくりと諭す。 「お前の誕生日だけではないのだぞ。国王聖誕祭と収穫祭を兼ねての宴なのだ。 未だ気が付かんのか。今日と言うそなたの生誕の日には二つの意味がある。 一つは我がグランバニアの未来への繁栄を託された、地上の救世主たる現国王の生誕日。 そして、もう一つは先々代の王妃にして国母であるそなたの母、われ等が敬愛してやまない マーサ殿が魔界の物達に連れ去られてしまった日。 わが国の最も喜ぶべき日と最も悲しむべき日の二つが入り混じった今日と言う日、魔界に 連れさらわれても尚、地上界の繁栄を願いながら独りで必死に魔王の手の侵食を押さえ込ん でいた、マーサ殿の尊い行為忘れんが為、そしてわが国の未来への繁栄を祈念しつつ現国王を ・・・」 オジロン閣下は甥子である、賢兄譲りの蓬髪の若き国王に心を込めて説いている間にふと、 生き生きとした碧い瞳をクルクル動かし、10才は過ぎた双子の母親には到底見えない、煌く ばかりの金紗の三つ編みの、これも若き国王妃の軽く拗ねた様な台詞を思いだした。 「まったくリュカったら!小難しい言葉が本っ当に苦手で、日ごろ大臣連中の上奏の言葉も意味も 良く判んないのに、判った顔をしたりして!」 説教を途中ですっかり諦め切ったオジロンは、何か言いたげにモジモジしているリュカの瞳を 見つめながら、ゆっくり静かに呟いた。
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392 : ◆DGptWEfSUdZm [sage]:2011/08/30(火) 22:33:34.56 ID:JnmW+X9Q0 -
「山岳国と言う厳しい環境下に置かれているわが国は、質素倹約を旨としており、日ごろは祭り らしい祭りは行ってはおらぬ。そして国民は皆忍耐強く聡明だ。 そして・・・決して忘れ去ってなどおらん・・・。 リュカ、お前を産み落としたまさにその当日、マーサ殿が魔界に連れさらわれてしまった悲劇を! そして、さらわれた王妃を取り戻さんがため、英俊な国王である兄上がほんの幼子であるそなたを 伴いサンチョを連れ、グランバニアを離れた事も・・・ 国王家の形式に則った荘厳な現国王の生誕祭を催しても、過去の悲劇を思い出し国民はどうしても 宴を楽しみ切れないだろう。 収穫祭も兼ね、華やかな演目や諸芸披露の場を開催する事で、少しでも暗くなる気持ちを国民には 忘れてもらおうと言う趣旨、お前には分からんかのぅ・・・」 憂いを帯びた声音で切々と説く、優しげな目元が今は亡き父親と大変似ているオジロンの視線を一身 に受け、リュカはようやく得心したのか、その魔物でさえも魅了してしまうと言うマーサ妃譲りの 瞳を真っ直ぐ叔父に向けた。 「分かりました。僕も今日の祭りを楽しむ事にします!」
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393 : ◆DGptWEfSUdZm [sage]:2011/08/30(火) 22:44:37.52 ID:JnmW+X9Q0 - 「ようやく分かってくれたかの!」
満面の笑顔を見せたオジロンは早速上機嫌になり、お茶目にも左目でリュカにウィンクしながら こう言った。 「そなたが好きな焼き菓子を、ドリスとポピーが二人で今この時間厨房で作っており、後小一時間 程度で焼き終わる様なのだ。 その間われ等二人も城下の広場へ向かい、今日の為にはるばる海の向こうから来た演目を観よう!」 城下で繰り広げられた華やかで摩訶不思議な演目や名物品販売の露天は、「又来年に」と言うことで、 名残惜しまれつつもその日の夕方迄で開きになった。 城内で開催されたリュカ誕生日の夕食会は来賓を全て断り、王妃ビアンカとその双子、そして オジロン一家とサンチョ、そして極少数の地縁者と、リュカ(とポピー)を慕う魔物達だけで、 贅は尽くさぬが心の籠もった料理が食卓に並べられ、高価な物ではないが贈り主がリュカの為を 思って選んだ(作った)、その贈り主(魔物)らしい誕生日祝いの贈り物が、一品一品、リュカ に一言告げられながら手渡された。 笑い声が絶えないその部屋は、大変和やかなものとなった。 星々が瞬きだし月が天上近く昇った頃には、身内だけの楽しいリュカ誕生の宴がお開きとなり、 決してメイド任せにはせず、魔物達も含めた出席者全員で(当然、現国王と前国王御手自らも) 手分けして食卓に並べられていた食器類を片付け、「おやすみなさい」とそれぞれの寝室に分かれて 下がった行った。
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394 : ◆DGptWEfSUdZm [sage]:2011/08/30(火) 22:49:39.02 ID:JnmW+X9Q0 - ネグリジェ姿でバスルームから戻り、ドレッサーに座ってベットに入る為の寝支度をしている
ビアンカは、そのドレッサーの大きな鏡越しに映った、部屋の片隅で何やら甕らしき物を荷造り している夫に気付いた。 「ねぇリュカ、何してるの?」 「えーと。。。」 ブラシを手にしたまま振り向いたビアンカは、戦闘時の雄雄しく逞しい顔つきとは真逆の、 到底子持ち男には絶対に見えない、無邪気にはにかんだ様な、魔物達からさえも慕われててしまう、 その、邪気の無い愛らしい笑顔を見せた夫に「ドキッ」っと、いつもながら、またしても ときめいてしまった。 ぼんやりと周囲を照らしている、寝台用の燭台の柔らかい光のお陰で、ほんのり頬を赤らめている ビアンカに気付く事無く、悪戯が見つかってしまいドギマギしている子供の様な表情を浮かべている リュカは、慌てて 「じ、人生のオマケ・・・ルラフェンの地酒なんだ。これ、以前サンチョがとても飲みたがってて・・・。 昨日の夜、名産博物館に展示していたのを取って来たんだ。 両親の縁が薄い僕がこうやって無事育ったのって、陰ひたななく、両親同様の愛情を注いでくれた サンチョのお陰だと思ってる。 僕たち二人が石化された間、サンチョは双子を育ててくれていた。 そして石の像として、金持ちの家の庭に横倒しで放置されてた僕を見つけてくれたのもサンチョ。 僕をこの世に送り出してくれた感謝すべき両親は天界から見守っていてはくれているけど、 今やもうこの世にはいない。 僕が生を受けたいう今日と言う日、この日だからこそ、両親に代わって幼い頃から僕に愛情を捧げて くれたサンチョに心から感謝したいんだ。 君や双子達、叔父一家や仲魔や国民たちと一緒に、幸せに無事この日を迎えることが出来ているのは、 やっぱりサンチョのお陰だと思っているんだ。」 リュカのサンチョへの深い愛情を改めて吐露され、ビアンカはその真っ直ぐなまでのリュカの心に 感動を受け胸が一気に熱くなった。 「うん!そのお酒をサンチョに飲ませて上げてね。私は先にベッドで休ませて貰ってるからね。」 瞳が潤んだビアンカは、優しくそうリュカに告げた。
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395 : ◆DGptWEfSUdZm [sage]:2011/08/30(火) 22:53:40.52 ID:JnmW+X9Q0 - 長々と読んで頂き、どうもありがとうです。
後日続きをうpする事があると思いますが、どうか宜しくです。
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