- 【コープス】持田由香萌えスレ4【見えないもん】
569 :長くなった上にあゆみ暴走気味に…(1/5)[sage]:2011/07/09(土) 23:41:18.02 ID:yXqz/QUz0 - ひのえ「今日も暑いですね…」
ひのえ「………(ぶるっ)」 ひのえ「お茶を飲み過ぎたようです…」 ひのえ「今はあゆみさんもいますし、実験はやめておきましょう」 ひのえはトイレに向かいました。 ひのえはあゆみの部屋の前に差しかかりました。 ドアが開いていたのでふと中を覗いてみると… あゆみが黒魔術の儀式の準備をしていました。 しかもあゆみは、この暑いのに冬用の服を着ていました。 ひのえ「あゆみさん」 あゆみ「あ、お姉ちゃん」 ひのえ「どうしたんです?その格好…」 ひのえ「それに、また黒魔術の準備をしているようですけど…」 あゆみ「うん。暑いから、室温を下げる黒魔術を試してみるの」 ひのえ「(この前の事で懲りてないんですね…)」 あゆみ「今度のは安全だよ。室温を0度まで下げる魔術だから」 ひのえ「0度?」 あゆみ「古い魔術書でボロボロだから読みにくいけど」 あゆみ「『絶対に零度まで下がる。絶対に零度未満にはさすがに下がらない』 あゆみ「…って書いてあるみたいなの」 あゆみ「0度はちょっと寒そうだけど、ちょっとの間なら危険はないでしょ?」 あゆみ「念のため、こうして冬用の服も着たし」 ひのえ「そうですね。それだけ着込んでいれば…」 あゆみ「準備でーきたっと。お姉ちゃんも一緒に涼もうよ」 ひのえ「今の私の服装だと、0度は寒すぎますよ」 ひのえ「今はちょっと用もあるので、後で涼みに来ますね」 あゆみ「うん。分かった。楽しみにしてて」 ひのえはあゆみの部屋を出ました。
|
- 【コープス】持田由香萌えスレ4【見えないもん】
570 :(2/5)[sage]:2011/07/09(土) 23:43:06.86 ID:yXqz/QUz0 - ひのえはそのままトイレに向かいかけ…ふと、足を止めました。
『絶対に零度未満にはさすがに下がらない』 その不自然な文章が、ひのえの頭に引っかかっていました。 ひのえ「その魔術書はボロボロで読みにくかったと…」 ひのえ「あゆみさん、もしかして魔術書の内容を読み違えているのでは…」 ひのえは、あゆみが言っていた内容を頭の中で繰り返してみました。 『絶対に零度まで下がる。絶対に零度未満にはさすがに下がらない』 『絶対、零度まで下がる。絶対、零度未満にはさすがに下がらない』 ひのえ「………!」 『絶対零度まで下がる。絶対零度未満にはさすがに下がらない』 ひのえ「…もしかして、原文はこうだったのでは!」 ひのえが原文の内容に思い至ったその時。 あゆみの部屋のドアから、触れただけで痛みを感じるほど強い冷気が漏れ出てきました…。 ……………… 季節外れのストーブの前で、あゆみが震えていました。 ひのえが安堵した様子で見守っています。 あゆみ「あうあう……寒いぃ……冷たいぃ……」 ひのえ「よかったです…まだ氷点下60度程度までしか下がってなくて」 あゆみ「ううぅ……よくない……寒気が止まんない……はくしゅん!」 ひのえ「止まりかけていた心臓を再び動かすのと」 ひのえ「手足などの壊死を防ぐので魔力が尽きてしまったのです…」 ひのえ「まだ寒気が残ってて動くこともできないでしょうけど」 ひのえ「今はこれ以上回復させてあげることができません」 ひのえ「魔力が回復するまでしばらく待ってください…」 あゆみ「ぶるぶる……うん……」
|
- 【コープス】持田由香萌えスレ4【見えないもん】
571 :(3/5)[sage]:2011/07/09(土) 23:44:43.81 ID:yXqz/QUz0 - ひのえ「……!(びくっ)」
ひのえは急に脚が震えたかと思うと、その場に座り込んでしまいました。 あゆみ「ど、どうしたの!?」 ひのえ「忘れてました…私、お手洗いに行きたかったのです…ずっと」 あゆみ「そ、そうだったの?早く行って!私はもう大丈夫だよ」 ひのえ「それが…」 ひのえは困ったように自分の手を見ました。 あゆみ「お姉ちゃん、手が…!」 あゆみは、凍傷で痛々しく変色したひのえの手に気付きました。 ひのえ「急を要する事態でしたので、手を防護する余裕がありませんでした」 ひのえ「それに、私自身の治療に魔力を割く余裕もなくて…」 あゆみ「その手じゃ…何も触れないよね…」 ひのえ「そうですね…何も触ってなくても痛むぐらいですから…」 あゆみはトイレでする一連の動作を思い浮かべました。 手が使えなければ、そのほとんどが不可能です。 それ以前に、手が使えなければ今の状態から立ち上がることもできません。 あゆみ「そんな…どうしよう…」 ひのえ「魔力が回復するのを…待つしかないです」 あゆみ「でもお姉ちゃん、それまで…我慢できるの?」 ひのえ「………」 ひのえは答えませんでしたが、その悲しげな表情から彼女の見解は明らかでした…。
|
- 【コープス】持田由香萌えスレ4【見えないもん】
572 :(4/5)[sage]:2011/07/09(土) 23:46:32.40 ID:yXqz/QUz0 - ひのえを、容赦なく尿意の波が何度も襲います。
ひのえはおしっこを我慢する純粋な苦痛と、人前でおしっこを我慢し続ける恥ずかしさの 両方に苛まれていました。 あゆみはそんなひのえをどきどきしながら見ていました。 あゆみ「(今の状況…正直言って嬉しい。憧れてた。でも…)」 今のひのえの危機の原因は自分にあること、そして、 そのことによる罪悪感を、さすがのあゆみも強く感じていました。 あゆみ「(私のせいでお姉ちゃん、こんなに苦しんでるんだよ。何とかしなきゃ…)」 しかし、助けようにも、あゆみもまた寒気のせいでまともに動けませんでした。 あゆみはただ、どきどきしながら見ていることしかできなかったのです…。 やがて…何度目かの強い波が襲った時。 ひのえ「(おなかが…破裂しそうです。もう…耐えられません…)」 ひのえ「(おもらし、しちゃうんですね…あゆみさんの前で…)」 ひのえ「(人に見られるのは、もっと慣れてからにしたかったです…)」 ひのえの表情についに諦めの色が浮かび…大粒の涙が頬を伝って落ちました。 …ぽたっ。 ひのえの涙が床で弾けた瞬間…あゆみの心の中で何かが燃え上がりました。 あゆみ「(お姉ちゃん…助けたい!お姉ちゃん!)」 ひのえ「あゆみさん…ごめんなさい…もう……」 ひのえが涙声で言いかけた、その時。 あゆみ「んんっ………えーいっ!」 あゆみは全身の寒気を振り払い、一息に立ち上がりました。 ひのえはびっくりした様子で、力強く立つあゆみを見上げていました。 ひのえ「あゆみさん…動けるの…ですか?」 幸いなことに、ひのえはびっくりしたことで波が一時引いたようです。 あゆみ「なんか分かんないけど、力が湧いてきて動けたの」 あゆみ「ヒロインの涙で復活する主人公って、こんな感じなのかな…」 あゆみ「とにかくお姉ちゃん!トイレ行こ!支えるから!手の代わりもするから!」
|
- 【コープス】持田由香萌えスレ4【見えないもん】
573 :(5/5)[sage]:2011/07/09(土) 23:51:01.94 ID:yXqz/QUz0 - ………………
ひのえとあゆみが一緒にトイレから出てきました。 ひのえ「………」 ひのえは恥ずかしくて何も言えないようです。顔もかなり赤いです。 あゆみ「あ、安心して。何も見ないようにしてたから!」 あゆみ「聞くのとか、触るのとかはちょっと不可抗力だったけど…」 ひのえ「………」 ひのえの顔がもっと赤くなりました。 手が使えるものなら、両手で顔を覆っていたことでしょう。 あゆみ「…大丈夫!何も恥ずかしいことない!」 あゆみ「お姉ちゃん!かわいかったから!」 あゆみ「おしっこ我慢してる時も!私が手伝ってる時も!」 あゆみ「美さえ感じた!録画しときたかったぐらいだよ!」 あゆみ「だからそんなに恥ずかしがらないで!ね!」 ひのえ「………(汗)」 ひのえ「(あゆみさん、暴走しかけてます…)」 ひのえ「(私が恥ずかしがってるせいですね…しっかりしないと)」 ひのえは無理して何とか気を取り直しました。 顔はまだ赤かったですが、普段の落ち着いた表情に戻っていました。 ひのえ「あまりに恥ずかしかったもので…ご心配をおかけしました」 ひのえ「ありがとうございます。本当に助かりました」 あゆみ「ううん…助けてもらったのは私だし…いっぱい迷惑かけてごめんね」 ひのえ「迷惑なんて思ってませんよ」 ひのえ「でも、度々今回のようなことがあったら」 ひのえ「私の拙い力だといつも助けられるとは限りません」 ひのえ「未知の魔術を使うときは、もう少し慎重になってください」 あゆみ「うん。気をつけるよ」 きっぱりと頷いたあゆみに、ひのえは微笑みました。 (おわり)
|