- Ruina 廃都の物語 七十四世 [無断転載禁止]©2ch.net
927 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/08/06(土) 08:27:58.68 ID:njmj0Ofd - タイタス一世の朝は早い。
「まぁ好きではじめた野望ですから」 最近は良い子孫が生まれないと口をこぼした まず、白子族の入念なチェックから始まる。 「やっぱり一番うれしいのは引取手からの感謝の手紙ね、この仕事やっててよかったなと」 「毎世代毎世代性格と能力が違う。機械では出来ない」 今日は納品日 彼は赤ん坊をカゴに詰め、大河へと向かった 基本的な形は決まっているが、最近の時代の嗜好に合わせ 多種多様なものを作らなければいけないのが辛いところ、と彼は語る。 「やっぱ夜の仕事はキツイね、愚痴ってもしかたないんだけどさ(笑)」 「でも自分が選んだ道だからね。後悔はしてないよ」 「このタイタスはダメだ。ほら、すぐにやられてしまう」 彼の目にかかれば、見るだけで出来不出来が分かってしまう。 技術立国アルケア、ここにあり。 今、一番の問題は後継者不足であるという 仕込みに満足できないとその代の育成をやめてしまうという 数千年前は何十もの属国が軒を連ねたこの国だが 今では再興を目指すのは彼一人になってしまった 問題は夜這いをかけて感触を確かめるのに、15年はかかると、匠は語る 「自分が気持ちよいのももちろんだけど、 使ってくれる人はもっと気持ちよくないといけないね」 「もちろん出来上がった物は一つ一つ私自身で(憑依して)試しています」
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