- 上海アリス幻樂団 Part60
699 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/16(水) 03:28:06 ID:zuWGFrwe - じゃあオレはレミリア同様、人の生き血をすすりたい。
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740 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/16(水) 19:04:47 ID:zuWGFrwe - ―ある夜のこと。
いつもならどんなに遅くとも2時までには眠ってしまう私だったが、その日に限っては4時を回っても眠つけなかった。 「…こうなったら朝まで過ごすか。」 例え眠れたとしても寝るには中途半端な時間しかなかったので、ビールでも飲んで妖々夢をすることにした。 「フフン、酒が入るとすぐ死にやがる。まあ、朝になったらシャワーでも浴びて飛ばすか。」 画面の中の霊夢も千鳥足だ。弾に寄り添うようにして死んでいく。 「参ったな…藍でお終いか?」 そう思った瞬間、電源が落ちて画面が真っ暗になった。 「な、なに!?」 気がつくと後ろに置いてあったビールも中身がなくなっていた。 ―不意に暗闇が怖くなったオレは朝になるのを待って、さっきのことを会社の同僚に話した。 同僚「お前、txtに書いてあるのを読まなかったのか?『呪われてても責任は負いません』って。」 「いや、でも電源ごと落ちるのはないだろ!しかも後ろのビールがなくなってたんだぜ?」
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742 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/16(水) 19:25:32 ID:zuWGFrwe - 同僚「さあな。お前が飲んだんじゃないのか?パッチぐらい当てろよ。」
…こいつは7年前から東方をやってたぐらいだから、有名なバグなら知ってるんじゃないかと思ったが駄目だった。 結局、その日は普通に帰って風呂に入り、飯を食べて寝ることになった。 しかし、夜中に目が覚めてしまった。再び寝付こうとしても眠くなる気配がこない。なんだか、部屋の空気が澱んでるような感じだ。 仕方がない、今日もビールでも飲むかと思って冷蔵庫を開けてみると1本もなくなってた。 「あれ、1本ぐらいはあったような…」 愚痴っていると、急に後ろに気配を感じた。切ってあるはずのテレビの電源がついて、ザーッと音がなっている。 「!!!!!!!」 そんな、呪いのビデオなんて見てないはずなのに、見てないはずなのに、後ろから何かがペタリ、ペタリ、と近付いてきてる…
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748 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/16(水) 22:07:16 ID:zuWGFrwe - ―ハッとして目が覚めた。
…朝だ。どうやらひどい夢を見ていたらしい。時計を見ると既に8時を過ぎている。急いで会社に行くと、そこにはツノを生やした上司がニヤニヤしながら待っていた。 ―昼休み、同僚の奴がオレに声をかけてきた。 「朝の課長はすごかったなぁ。お前何かあったの?」 同僚もニヤニヤ顔だったので、昨日のことを話してやった。 「お前、とり憑かれてるんじゃないの?ほら、もこたんのパゼストバイフェニックス、いいよなあ。替わってくれないか?」 「馬鹿!昨日のはそんなもんじゃなかったんだぞ!お前……」 「分かった分かった、スマンな。で、どうしてそうなったんだ。」 「そんなの知らないよ。ただ、おとつい妖々夢が落ちてパソコンを修理に出してから毎日こうなんだ。」 「…それだ!たぶん。お前の部屋にでる幽霊か何かはパソコンで東方が出来ないんで怒ってるんだ!」 ―そう言われてみればそうだ。オレは、同僚からノートPCを借りて帰り、身体中に経文を書いて見つからないように観察することにした。 もちろん、ビールも買って。
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754 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/16(水) 22:38:08 ID:zuWGFrwe - 飯を食い、風呂に入って十分に乾かしてから水性ペンで全身に般若心経を書く。
―「心霊現象」が起きるのは夜中の2時以降になってからなので、それまでに用意をしておけば良いだろうと思ってた。 だが0時ちょうど、家の電話が鳴りだした。 まさか、と思った。呼び出し音は途中で切れることなく、出るのを待っているかのように鳴っている。恐る恐る受話器をとると 「私、メ リ ー さん。今、あなたのおうちに向かってるところなの。」 「……お前は黙ってろ。」 「すまんすまんwwwもう襲われてるんじゃないかと思ってな。」 ―こいつは一体、どういう神経をしているのか。タチが悪いので明日、会社で会ったらフルボッコにしてやろうと思った。 「…で、もうでたのか?」 「まだだよ!!ふざけんな。」 「そうか、じゃあもこたんが出てきたら押さえつけておいてくれ。すぐに愛の告白に行くから。」 「お 前 は ク ソ し て と っ と と 寝 ろ !」 オレはそう言うとすぐに電話を切ったが、奴のおかげで少し気が楽になった。 そして、2時がきた。
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758 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/16(水) 23:06:15 ID:zuWGFrwe - 部屋の中の空気が次第に澱んでくる。
用意は万端だ。ビールも完備してある。後は平然を装うために布団を敷いて、片隅で見守ることにした。 ―2時。部屋の明りが落ち、テレビの電源がついた。 5分ぐらいはただただ砂荒らしがでてるだけだったが、しばらくすると画面の中からまず手が出て、薄い色の装束の格好をした女のようなものが出てきた。 ―もちろん、暗い部屋の中での出来事なので、オレからすれば絶句に耐えないものである。 女はいつもと違い、辺りを見回しているのでたぶん向こうからは見えてないのだろうが、声を上げたりして見つからないように必死にこらえた。 女はオレがいないのを確認すると冷蔵庫へ向かい、ビールを何本も取り出して次々と飲んでいった。 10本あったのがすぐになくなっていく。女は1つ、2つと数えながら満足感に浸っているらしい。 やがて最後の1本を手にとると、同僚のノートPCに向かっていった。 オレのは〇芝、同僚のはソ〇ー製という違いこそあったが、女は慣れた手付きで起動していった。
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764 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2008/01/16(水) 23:37:17 ID:zuWGFrwe - ―だが思いがけないことが起きた。
立ち上がったと思ったら大音量で「おにいちゃん、だ〜い好きっ!」と鳴って、女がそれにビクリとなったのだ。 オレも同僚の趣味それ自体には驚いたが、魑魅魍魎さえも驚かせてしまった事には驚愕した。 あいつこそが本当の化け物なのか、とさえ思った。 ―だが、相手は尋常ではない何かだ。ここで感づかれたらそれこそ殺されるのではないかと思って、必死に息を殺す事にした。 女はデスクトップ上のアイコンから妖々夢を立ち上げてやり始めた。だが酒が入ってるにも関わらず、女はルナをどんどん進めていく。 「…アイツはなんて下手なのかしら。酒が入っただけで私の霊夢をあっさり死なせてしまうなんて…」 かすかだが、女はくぐもった声でブツブツ喋った。 ―なるほど、この女は東方の上手い下手を除けばオレと行動がほとんど同調しているから居憑いたのか。 だが、それが分かっただけで顔などは相変わらず分からなかった。髪が長過ぎるせいで、依然として不気味さは保たれていた。 不意にオレはある過ちに気付いてしまった。 経文を書き忘れていた箇所があったのを…
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