- エーベルージュを語るスレ 3年目
662 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 15:29:58.43 ID:1V5GBoi1 - age
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663 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 15:45:11.58 ID:1V5GBoi1 - 校門を出る時に、二人でトリフェルズ魔法学園の校舎を眺めていた。
長い時間だったような気もするし、短い時間だったような気もする。 そんな生活を送った校舎、校庭などの思い出の場所を名残惜しそうに見つめていた。 いずれ、切なさを覚え胸を痛めるであろう過去に変わる場所を。 そんな場所と時間には、もう二度と戻れないのを、俺は実感していた。 手に持っている卒業証書が、学校との決別を促しているような気がして少し憎らしくさえ思えた。
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664 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 15:47:26.71 ID:1V5GBoi1 - 「いろいろ‥‥‥あったよね‥‥‥」
ノイシュが、校舎を見つめながら、小さくつぶやいた。 「そうだな‥‥いろいろあった‥‥」 俺も校舎を見ながら、そう答えた。 あの窓から、四季に変わる街を見下ろした事もある。 あの場所で、寝ころんで空を見上げた事もある。 その隣には、いつも一緒に居てくれた人がいた。 今横に居てくれる人がそうだ。 俺は横に居るノイシュを見た。 ノイシュはいつのまにか俺を見ていた。 目と目が合うその瞬間、言葉はいらなかった。 ノイシュは小さく笑った。 涙の跡が、俺にはとてもいとおしく感じられた。 「俺達さ‥‥‥‥」 「なに?」 「忘れないよな。ここを。ここでの事を」 「‥‥‥うん、忘れないよ。いつまでも」
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665 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 15:50:21.42 ID:1V5GBoi1 - 再び、俺達は校舎を見つめた。
どちらからともなく、手を求め合い、握りあっていた。 雪の降る聖夜に、寒い手が温もりを求めようとした事もある。 熱かった夏の夜に、かすかに小指が触れ合って、ドキっとした事もある。 いつも俺達の手は遠かった。触れ合うほどに近くにあったのに。 だけど、今は違う‥‥
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- センチメンタルグラフティ総合35代目
587 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 15:53:23.00 ID:1V5GBoi1 - 秋も深まったある日。
窓を開ければ、入ってくるのは夜の涼しい風。 風鈴が、時たま音を立てる。 虫の声とのハーモニーにはほど遠いが、秋の音には変わらないのかもしれない。 −土曜・夜− 「ごめんなさい‥‥‥その日はちょっと用事があるの‥‥」 ある意味で、わかっていた答えが返ってきた。 電話の向こうで、 ほのかがどんな顔をしているのか、俺にはわからない。 確認の為の電話だった。 こんな電話をする自分が、つくづくイヤになる。
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- センチメンタルグラフティ総合35代目
588 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 15:55:23.93 ID:1V5GBoi1 - 「あ‥‥い、いや。いいよ別に」
嘘の言葉。 いつわりの笑顔。 自分でも情けなくなるほどの笑顔。 電話の向こうには届かない笑顔。 「また今度‥‥‥今度一緒に出かけましょう。きっとよ」 今度っていつだろう。 今度があるのだろうか。 今度という言葉は、もしかして無理して使っているんじゃないだろうか。 「‥‥今度か」 「うん‥‥」
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589 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 15:57:52.46 ID:1V5GBoi1 - 今、聞いてみたかった。「なんの用事?」と。
だが、それを聞く事ができなかった。 もし、俺の知っている事と違う事を言われたら‥‥‥つまり、嘘をつかれたら俺はその時どうすればいいのだろう。 俺が知っている本当の事を ほのかに告げたら、 ほのかはなんて答えるだろう。 「ま、まあしょうがないか‥‥‥それじゃまた今度ね」 「‥‥‥」 返ってきたのは無言の返事だった。 「 ほのか?」 「あ‥‥うん、なに?」 「どうしたの?」 「う、ううん‥‥」 「そっか」
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590 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 15:59:49.84 ID:1V5GBoi1 - 一言一言の間にどんな意味があるのか、俺がいくら考えても出てこなかった。
「‥‥‥‥‥‥ね」 ひとことだけ、ポツっと聞こえてきた。 うっかりしていたら、聞き逃してしまうほど小さな声だ。 「‥‥なに?」 俺は、すでに自分で自分の会話内容さえつかめていない状況だ。 声も、もしかしたら機械のように抑揚がないかもしれない。 なぜそうなのか、 ほのかが気づく筈もないとわかっていながら、どこかで「どうしたの?」と聞いて欲しかった自分が居た。 「‥‥ご、ごめんなさい‥‥‥なんでもないの」 「そっか‥‥」
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591 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 16:01:13.93 ID:1V5GBoi1 - 何を言おうとしていたのか、俺には考える余裕なんて無かった。
それ以上話す気力がなくなっていた俺は、先に電話の終わりを告げた。 「それじゃ、また」 「うん‥‥それじゃ」 電話は先に俺が置いた。 いつもなら、少しだけ間があるのだが、なんとなく ほのかと話すのが辛かったからだ。 確かな物が何もない今、こんな気持ちになるのは、俺の勝手なのはわかっている。 俺は俺の世界があるし。 ほのかにも ほのかの世界がある。 お互いそれに干渉する訳にはいかない。 ほのかの行動は ほのかで決める事だ。俺が決める事でもない。 ましてや、そんな立場でもない。 俺はほのかにとって───────
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158 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 20:46:51.33 ID:1V5GBoi1 - Canvas SS 瑠璃子の恋
「大輔・・・」 「ん、 どうした瑠璃子先輩?」 大輔の名前を口に出すと胸の動機が激しくなり頬も赤く染まっていくのが解る。 「大輔・・・私、私もう駄目、自分の気持ちが抑えられないの!」 そう言って私は大輔の胸に飛び込んだ。 戸惑いながらも大輔は私をしっかりと支えてくれる。 顔を上げ、大輔の顔を見つめると私は自分の気持ちを告白した。 「私、大輔のこと・・・好きよ」 「瑠璃子先輩・・・」 大輔の顔がゆっくりと近づいて来るのに会わせて、私も瞼を静かに閉じていく。 何も聞こえない・・・何も見えない・・・でも大輔の鼓動が感じられる。 私の唇に大輔の息が掛かる。 そして・・・。
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159 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 20:48:42.00 ID:1V5GBoi1 - 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ〜!!」
「はぁはぁはぁはぁはぁ・・・」 な、な、なんて夢なのよ!? よりにもよって・・・何で私があいつに告白しなきゃなんないのよ!? あまつさえ、あいつとキスなんて・・・。 無意識に自分の唇に指を当てていることに気がつくと、慌てて離す。
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160 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 20:51:01.16 ID:1V5GBoi1 - エーベルージュSS 二人の写真
校門を出る時に、二人でトリフェルズ魔法学園の校舎を眺めていた。 長い時間だったような気もするし、短い時間だったような気もする。 そんな生活を送った校舎、校庭などの思い出の場所を名残惜しそうに見つめていた。 いずれ、切なさを覚え胸を痛めるであろう過去に変わる場所を。 そんな場所と時間には、もう二度と戻れないのを、俺は実感していた。 手に持っている卒業証書が、学校との決別を促しているような気がして少し憎らしくさえ思えた。
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161 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 20:53:35.12 ID:1V5GBoi1 - 「いろいろ‥‥‥あったよね‥‥‥」
ノイシュが、校舎を見つめながら、小さくつぶやいた。 「そうだな‥‥いろいろあった‥‥」 俺も校舎を見ながら、そう答えた。 あの窓から、四季に変わる街を見下ろした事もある。 あの場所で、寝ころんで空を見上げた事もある。 その隣には、いつも一緒に居てくれた人がいた。 今横に居てくれる人がそうだ。 俺は横に居るノイシュを見た。 ノイシュはいつのまにか俺を見ていた。 目と目が合うその瞬間、言葉はいらなかった。 ノイシュは小さく笑った。
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162 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 20:55:17.00 ID:1V5GBoi1 - 涙の跡が、俺にはとてもいとおしく感じられた。
「俺達さ‥‥‥‥」 「なに?」 「忘れないよな。ここを。ここでの事を」 「‥‥‥うん、忘れないよ。いつまでも」 再び、俺達は校舎を見つめた。 どちらからともなく、手を求め合い、握りあっていた。 雪の降る聖夜に、寒い手が温もりを求めようとした事もある。 熱かった夏の夜に、かすかに小指が触れ合って、ドキっとした事もある。 いつも俺達の手は遠かった。触れ合うほどに近くにあったのに。 だけど、今は違う‥‥
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163 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 20:56:25.89 ID:1V5GBoi1 - センチメンタルグラフティ2 SS 嫉妬
秋も深まったある日。 窓を開ければ、入ってくるのは夜の涼しい風。 風鈴が、時たま音を立てる。 虫の声とのハーモニーにはほど遠いが、秋の音には変わらないのかもしれない。 −土曜・夜− 「ごめんなさい‥‥‥その日はちょっと用事があるの‥‥」 ある意味で、わかっていた答えが返ってきた。 電話の向こうで、 ほのかがどんな顔をしているのか、俺にはわからない。 確認の為の電話だった。 こんな電話をする自分が、つくづくイヤになる。
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164 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 20:58:28.67 ID:1V5GBoi1 - 「あ‥‥い、いや。いいよ別に」
嘘の言葉。 いつわりの笑顔。 自分でも情けなくなるほどの笑顔。 電話の向こうには届かない笑顔。 「また今度‥‥‥今度一緒に出かけましょう。きっとよ」 今度っていつだろう。 今度があるのだろうか。 今度という言葉は、もしかして無理して使っているんじゃないだろうか。 「‥‥今度か」 「うん‥‥」 今、聞いてみたかった。「なんの用事?」と。 だが、それを聞く事ができなかった。 もし、俺の知っている事と違う事を言われたら‥‥‥つまり、嘘をつかれたら俺はその時どうすればいいのだろう。 俺が知っている本当の事を ほのかに告げたら、 ほのかはなんて答えるだろう。
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165 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 20:59:45.17 ID:1V5GBoi1 - 「ま、まあしょうがないか‥‥‥それじゃまた今度ね」
「‥‥‥」 返ってきたのは無言の返事だった。 「 ほのか?」 「あ‥‥うん、なに?」 「どうしたの?」 「う、ううん‥‥」 「そっか」 一言一言の間にどんな意味があるのか、俺がいくら考えても出てこなかった。 「‥‥‥‥‥‥ね」 ひとことだけ、ポツっと聞こえてきた。 うっかりしていたら、聞き逃してしまうほど小さな声だ。 「‥‥なに?」 俺は、すでに自分で自分の会話内容さえつかめていない状況だ。 声も、もしかしたら機械のように抑揚がないかもしれない。 なぜそうなのか、 ほのかが気づく筈もないとわかっていながら、どこかで「どうしたの?」と聞いて欲しかった自分が居た。
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166 :名無しくん、、、好きです。。。[]:2011/07/24(日) 21:01:27.14 ID:1V5GBoi1 - 「‥‥ご、ごめんなさい‥‥‥なんでもないの」
「そっか‥‥」 何を言おうとしていたのか、俺には考える余裕なんて無かった。 それ以上話す気力がなくなっていた俺は、先に電話の終わりを告げた。 「それじゃ、また」 「うん‥‥それじゃ」 電話は先に俺が置いた。 いつもなら、少しだけ間があるのだが、なんとなく ほのかと話すのが辛かったからだ。 確かな物が何もない今、こんな気持ちになるのは、俺の勝手なのはわかっている。 俺は俺の世界があるし。 ほのかにも ほのかの世界がある。 お互いそれに干渉する訳にはいかない。 ほのかの行動は ほのかで決める事だ。俺が決める事でもない。 ましてや、そんな立場でもない。 俺はほのかにとって───────
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