- コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 31
589 :名無しくん、、、好きです。。。[sage]:2008/11/13(木) 23:09:36 ID:uggtvoUc - 23:15あたりから投下しようと思うのですが、どなたかいらっしゃいますかー?
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592 :(・∀・) ◆nJT0b6Jals [sage]:2008/11/13(木) 23:15:36 ID:uggtvoUc - (・∀・)つ|投下予告|
親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT #第2章後編。>>516 の続きです。引き続き鰤軍メイン #1期23話以降のネタバレを含みます。R2に繋げるため基本的なストーリーは変わりません #ナイトメアフレームについての激しい捏造があります #もうシリアスは疲れたよパトラッシュ 予告と終了あわせて9レスです。まったり支援願います。
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594 :(・∀・) ◆nJT0b6Jals [sage]:2008/11/13(木) 23:17:17 ID:uggtvoUc - 親衛隊篇アナザー/NO MATTER WHAT 2*ブラックリベリオン(後編)
今の攻防でお互いの実力は知れた。さすがはスザクに武術を教えた男だけあって、そう簡単に倒せる相手ではない。 ただ、僕の目的は負傷者が政庁に撤退する時間の確保。 致命打は必要ない。足止めし、あわよくば相手の動きを鈍らせるような一撃を加えるだけで充分。 そう狙いを決め、改めて月下に向かい合う。 《君が『もう1体の白兜』か》 オープンチャンネルで藤堂が呼びかけてきた。 《変わった経歴の持ち主らしいが、なぜブリタニアに与する》 おかしい、僕はロイドさんが作った偽造のIDを持っているが、そこには平凡な経歴しか載っていないはずだ。 それに僕の過去を知っている人はもう誰も生きていない。あの【契約者】を除いて。 だがこうやって時間を稼げるなら好都合だ。僕は藤堂との会話に乗ることにした。 「僕を知っているのか?」 《『興味深い男がいる』そうゼロが話していた。記憶がなく、正体不明の男がコーネリアの親衛隊にいると》 「…記憶は、戻った」 《何?》 「確かに僕は『今の』ブリタニアにも日本にも関わりはない。言うなれば過去の亡霊かな」 自嘲気味な気持ちがつい言葉に乗ってしまった。藤堂の声に熱がこもる。 《ではブリタニアで戦う理由は何だ?奴らの卑劣なやり方に何も感じないのか?拾われた恩義なのか?》 「今のブリタニアが正しいとは思っていない」
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596 :(・∀・) ◆nJT0b6Jals [sage]:2008/11/13(木) 23:19:07 ID:uggtvoUc - 僕は思う。
統治者として生き、その責任と誇りを体現するあの女性を。 その影で悩み、迷いながらも自分の道を歩み始めていた少女を。彼女を隣で支える白き騎士の姿も。 共に歩いていきたいと願った人たちを。 「でも僕は、行政特区日本の成立を心から望んでいた。そこから変えていけると信じた」 藤堂はしばらく沈黙した。 《…君の言葉は真であると信じよう。だが、今この場で相対したからには、お互い信じるものの為に戦うのみ》 カラーリングの違う同じタイプのナイトメアが2機、藤堂の側に現れる。しまった、増援か。 《参る!!》 藤堂ともう1機が左右から迫る。後から現れた2機目は僕の退路を断つような位置で控えていた。3機で来てくれれば 突破する隙も生まれようものの、ああやって見張られてては逃げようがない。 かと言って2機同時に相手をするのは自殺行為だ。僕はあえて藤堂機に向かって突っ込んでいく。廻転刃刀の突きに 対してスラッシュハーケンを合わせる。ハーケンごときじゃとても突きに対抗できるものじゃないけれど、動きを 一瞬遅らせるだけでいい。懐に入り込んでランスで腹部をなぎ払う。 しかしそれはあくまでフェイク!跳んで避ける藤堂機には目もくれず、背面に迫っていたヤツに対して振り向きざまに 突きを入れる。僕の狙いは始めからこっちだ。 「なっ!」 控えていたはずのもう1機の刃が僕を襲っていた。思わぬ方向からの斬撃に僕の反応が僅かにずれる。 刃を避けきれず、左肩のシールドパーツが持っていかれた。 腕の動作に支障はないが、左のファクトスフィアからの情報が途絶えている。控えてたヤツが戦闘に参加したってことは 退路が出来たんじゃないかと期待したけれど、今度は藤堂機がもう逃げ道を塞いでいる。
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598 :(・∀・) ◆nJT0b6Jals [sage]:2008/11/13(木) 23:21:11 ID:uggtvoUc - やれやれ、彼らはただの増援じゃない。機体性能の差を絶妙なコンビネーションで補っている。
いや、補うどころか乗算の効果を挙げていると言ってもいいだろう。これが『奇跡の藤堂』とその懐刀たちの実力か。 もう充分に時間は稼いだが、今度は自分自身の脱出が難しくなってしまった。黒の騎士団のエース級3名を相手に とても無傷では済みそうにない。どこか冷静な頭に、ロイドさんとの会話が甦る。 「クラブの起動キーを渡す前にひとつ言っておきたいんだけどね」 「…自壊コードでしょうか」 「ご名答!どうしてそうだと思ったの?」 「わざわざスザクに聞かれないように話す内容なら、僕にとってマイナスの事だと思いました」 「ふふーん?やっぱりキミは勘がいい。じゃあ理由は話すまでもないかな?」 このクラブは試作機とは言えブリタニア最新技術の塊だ。敵に捕獲され、その技術を奪われる事態は避けなければいけない。 特派の機体がどんなに強力でもそう頻繁に実戦に投入されなかったり、形勢が不利になったらいち早く離脱したりするのは それなりの理由があるのだ。…もっともそれは本来の場合であって、今の特派が疎まれているのはデヴァイサーのスザクが 日本人であることが一番の理由である。 (コードを入力したら早く機体から離脱してね。キミ自身が一番重要な《パーツ》なんだから) 自壊コードを入力するとメインシステムの消去と共にコアルミナスに使われているサクラダイトが核融合反応を 引き起こし、機体を破壊する。それが最後の手段。 ──いや、まだ手は残っていた。僕は眼窩の奥底で紅い鳥が今にも羽ばたこうとしているのを感じる。 使うのか、あれを。自国の民を滅ぼし大切な人を死に追いやったギアスを。 ユフィを助けられなかったのに、自分だけが生き残るために使うのか!!
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600 :(・∀・) ◆nJT0b6Jals [sage]:2008/11/13(木) 23:23:22 ID:uggtvoUc - ふいに大量の熱反応をレーダーが感知した。
藤堂たちとの間を遮るようにミサイルが着弾する。包囲の一角に隙が出来たのを見逃さず、僕はアサルトライフルを 連射しながら突破を図った。追撃にきた相手の鼻先にハーケンをぶつけて怯ませ、安全圏まで距離をとる。 《隊長!ご無事ですか!》 第3分隊の数名が援護に戻ってきてくれたのだ。その中に1機、見慣れないグロースターがある。 「貴方は確かグラストンナイツの…」 《アルフレッド・G・ダールトンです。卿のお噂は父よりかねがね。もっと落ち着いた場所できちんと ご挨拶したかったのですが、こんな状況なので失礼します》 近々このエリアに配属されると聞いていたダールトン将軍の『息子』だった。 《コーネリア殿下がお呼びです。ひとまず政庁へお戻りを》 それ以上藤堂たちは追ってこなかった。 見逃してくれたのか、僕たちに構っている時間が無かったのかは、わからない。 政庁に戻る間中ずっと、あの紅い鳥が頭から離れず僕は自己嫌悪に陥っていた。 メカニックにエナジーフィラーの交換を指示し、僕はいったんクラブを降りる。 政庁内は戦場のようだった。ああ、比喩ではない。ここは戦場なのだ。 各ポイントの状況が刻々と伝えられてくる。 航空戦力はガウェインのハドロン砲によって一掃されてしまった。空からの支援は期待できない。 放送局はすべて黒の騎士団に押さえられている。湾岸施設・航空管制塔も制圧されたようだった。
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601 :(・∀・) ◆nJT0b6Jals [sage]:2008/11/13(木) 23:25:20 ID:uggtvoUc - 《学園地区、黒の騎士団によって占拠された模様》
届いたばかりの情報に驚く。アッシュフォード学園!?あそこには民間人しかいない。人質のつもりなのだろうか。 ミレイさんたち学園の皆の無事を、今の僕は祈ることしか出来ない。僕は歯がみをする思いでその報告を聞いた。 こんな時スザクがいてくれたら、と虚しく考える。 僕の生きた時代と違い、現代の戦争は1人の力が及ぶ範囲は限られている。全体を見る戦略に対し、その流れに 個の力で抗えるのは一部の局面だけだ。ブリタニア軍に一度も負けなかった藤堂鏡志朗がいても日本は負けた。 個人は英雄にはなれるが勝者にはなれない。 だが、スザクは違う。彼の力は戦略をひっくり返せる。 スザクと2人ならこの綿密に練られたゼロの戦略をうち破れる。 でもいま、僕の隣に彼はいない。 「コーネリア殿下!」 屋上庭園に向かう廊下の入り口で、やっと僕はコーネリア様を見つけた。 「ライか」 彼女にしては珍しく、何かを言いかけてまた口を閉じる。そして少し眉を寄せて呟いた。 「…酷い顔をしているな」 「は?」 「自覚がないのか。…まあ良い。ライ、お前はグラストンナイツと共にギルフォードをサポートしろ」 「イエス、ユア・ハイネス。殿下はどちらへ?」 「私は祭の準備だ」
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603 :(・∀・) ◆nJT0b6Jals [sage]:2008/11/13(木) 23:27:02 ID:uggtvoUc - コーネリア様に命じられた通り一度は政庁防衛の配置についた僕だったが、やはりコーネリア様のお側に親衛隊が
誰1人ついていないのは不安に感じた。グラストンナイツも全員前線に出ている。どこかで防衛線を突破され、 政庁への侵入を許せば万が一のこともありえる。やはり戻ろうか。逡巡する僕に通信が入った。 《…ライか》 「その声は、ダールトン将軍!ご無事でしたか!!」 行政特区日本の式典会場で行方不明となっていたダールトン将軍だ。僕は目の前が明るくなる思いだった。 《…姫様は今いずこにおられる》 「コーネリア殿下は政庁内に…。将軍、もしや負傷されているのでは?!」 将軍の苦しそうな声色が心配になる。僕が到着した時には既に式典会場は黒の騎士団に制圧され、近寄れない状態だった。 あそこから脱出してきたのであれば怪我を負っていても不思議ではない。 《大事ない、貴公は引き続き政庁を守れ。姫様はこのダールトンが責任を持つ》 「イエス、マイ・ロード!殿下をお願いいたします!」 ダールトン将軍が戻ってきた。それだけで希望が持てる。 クラブは策敵能力に優れたレーダーを持っているので、政庁防衛における僕の役割は直接相手とやり合うより 敵の規模や位置を把握し、応対する指示を出すのが主だった。藤堂たちとの戦いで左のファクトスフィアは 壊れてしまったから、そちら側に関してはカメラの目視しかない。その視界の隅を一瞬、白い輝きが横切った。 「ランスロット?出撃していたのか」 広域レーダーで確認すると、ランスロットの識別番号を表す光点が急速に戦場を離れつつあった。 「スザク、いったいどこへ…?」 最後に別れた際の彼の様子が気になっていたので後を追いたかったが、持ち場を離れる訳にはいかない。 それにフロートユニットを外してしまっている。エナジーも残り少ない。 成す術なくランスロットが去った方向を見やった僕の目に一条の光が射し込む。 夜明けだ。
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604 :(・∀・) ◆nJT0b6Jals [sage]:2008/11/13(木) 23:29:22 ID:uggtvoUc - 戦闘が始まってから5時間が経過した。錯綜する通信の中に混じったある情報が僕の気を引く。
《ゼロとの連絡が取れない》 黒の騎士団のナイトメアはブリタニア軍から奪った物も多く含まれている。混乱の中、黒の騎士団の誰かが誤って オープンチャンネルを使って通信をしてしまったのだろうか。フェイクの可能性もあったが、この時間になって敵軍は 明らかに個々での応対を迫られているように見えた。もしこれがゼロの作戦だとしても、この最終局面では悪手でしかない。 「ギルフォード卿、敵の指揮系統に乱れがあるようです」 《ライもそう思うか。ここで攻勢に出れば亀裂を入れられるな》 「ええ、敵が再編成される前に叩くべきかと」 ギルフォード卿の決断は早かった。 《全軍突撃!反乱軍を一挙に粉砕する!!》 号令が響く。 ブリタニア軍の突撃を受け、浮き足立っていた黒の騎士団は脆くも崩れた。 政庁の包囲は崩れ、勢いはブリタニア軍に傾く。戦局は完全に決した。 その黒の騎士団の敗走を待っていたかのようにクラブのエナジーフィラーが尽きる。動かなくなったクラブのコックピットの中で 僕は深いため息をついた。力一杯握りすぎて固まった手を操縦桿から何とか引き剥がし、震える指でミレイさんの携帯に連絡を入れる。 何回かコールを繰り返し、僕が焦り出した頃になってようやく応答があった。 「もしもし、ミレイさん!?ライです。そちらの状況は?」 『ライ?こっちは無事。今はスザク君のところの…、なにか大きな航空艦に生徒を収容してもらったわ』 電話の向こうから(アヴァロンだよー)と、のんきに指摘する声が聞こえる。ロイドさんだ。 「良かった!そこなら安全だ。生徒会の皆も怪我はしていないか?」 『ルルーシュとナナリーは別の所にいるけど大丈夫、スザクくんが保護してくれているそうよ』 良かった。本当に良かった。 ホッとしたら力が抜けた。電話を切った僕はシートにもたれ、もう一度、それこそ肺が空っぽになりそうな程のため息をついた。 街の被害は計り知れない。両軍共に死傷者はかなりの数に上るだろう。それでも長い夜は終わったんだ。
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605 :(・∀・) ◆nJT0b6Jals [sage]:2008/11/13(木) 23:31:06 ID:uggtvoUc - #支援ありがとうございましたー(・∀・)2章終了。3章アッシュフォード学園編に続きます。やっとR2…
#この頃スザクがルルーシュを「保護」してる訳です。悲劇回避補正のまるで無いライでサーセン #軍人篇のライは隊長or後方支援型イメージ。ナイトメア無双はスザクに任せます #R2に繋げるためとは言え、このライはフラグをミスり杉
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