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幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6
名無しくん、、、好きです。。。
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971 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:06:36 ID:pvEpvyUu
虫の音一つしない静寂の夜。
 全ての生きとし生ける者達が消えてしまったかのように辺りは静まり返っている。
 そんな中、わたし――羽藤桂と碧ちゃんはシャベルを使って黙々と土を掘り返していた。
 こんな夜更けに穴を掘る女の子二人、どう見たって尋常じゃない光景。
 普段の時なら財宝探し?それとももしかして死体でも埋めに?と、
 悪趣味な冗談でも一つ陽子ちゃんあたりに飛ばされそうなのだけど―――

 わたしは背後にちらりと視線を移す。
 男の子のようにボーイッシュな風貌の女の子が静かに横たわっている。
 ――菊地真。
 真ちゃんはまるで眠ってるかのようで、
 体を揺さぶれば今すぐにでも起きてきそうで、
 でも彼女はもう二度と覚めない眠りについていた。
 たった二時間ぐらい前まで元気にしていた真ちゃん。
 今はもう何も言わない冷たい身体で息をしていなかった。


 また、たいせつなひとが、いなくなってしまった――――


 真ちゃんはわたし達が寝ている間に何者かによって殺されてしまった。
 たった一時間の見張りの最中に。
 外傷はまったくなくて、半分になってしまったサクヤさんとは違ってきれいな身体のままだった。

 アルちゃんは姿を消したユメイさんを探している。
 彼女は大人しく待ってろと言っていたけど、真ちゃんをそのままにしておくのが嫌だった。
 せめてもの弔いを。
 遺体を野晒しにするのは忍びない、せめて土に還してあげよう。
 お坊さんのように読経の一つ上げられないけど真ちゃんを悼む感情さえあれば真ちゃんだって満足して――

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974 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:08:13 ID:pvEpvyUu
 
 ――そんなわけない。
 こんなところで死んで満足して逝けるわけない。
 誰もが生きて帰りたい、こんなところで死ぬわけにはいかない。
 真ちゃんの無念の想いが心を締め付ける。
 でもわたしにできることはこうして彼女を弔ってやることしかできないのが悔しかった。
 あの時起きていれば真ちゃんは死なずにすんだ。
 ううん、今さらそんな事を後悔することなんて詮の無い事なんて頭では理性ではわかってる。
 でも理性ではどうにもできない心のもやもやがわたしを縛り付ける。

 そういうわけでわたしと碧ちゃんは真ちゃんを連れてある場所にやってきた。
 わたし達がいた民家から眼と鼻の先、少しだけ土が盛り上がっている場所。
 りのちゃんが眠る場所。
 ここなら真ちゃんも寂しい思いをしないはず――

 真ちゃんをおぶっているのはわたしである。
 最初に彼女をおぶろうとしていたのは碧ちゃんだったのだけど、
 足元がふらついていてどう見ても無理して担いでるって感じだった。
 別に真ちゃんが重いわけでない。
 微妙に体格は違えどわたしと碧ちゃんと真ちゃんの身長はほとんど同じ。
 だからそれを抱えようとすることに無理があるのは当然だった。

 真ちゃんからはまだほのかに温かみを遺した体温が服越しにわたしの背中に伝わっていた。
 今にも起きそうな寝顔。
 うなじにかかる髪の毛のこそばゆい感覚。
 わたしは真ちゃんの感触を背中に感じながら歩いていた。

 そして今に至る―――


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975 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:08:58 ID:pvEpvyUu

 
 ◆ ◆ ◆


 わたし達はりのちゃんのお墓の隣に穴を掘っていた。
 人一人分が収まる穴を掘るという作業は思いのほか重労働である。
 本当はりのちゃんと一緒に埋葬してあげたいのだけど、二人が入る穴を掘るのは時間的にも体力的にも余裕はなかった。
 仕方なくわたし達はりのちゃんのお墓の隣に真ちゃんのお墓を掘っている。
 なるべく野犬に掘り返されないように深めに掘っているため余計に骨が折れる。
 額に流れる一筋の汗を拭いつつも手を動かすことをやめず作業を続ける。
 碧ちゃんも汗だくになりながらも手を止めず穴を掘り続けていた。

「こんなもんかなー……こんだけ掘ったら掘り返されることもないわね」
 ある程度掘り進めたところで碧ちゃんが声を上げる。
「ごめん桂ちゃん、真ちゃんをお願い」
 わたしはこくんと頷き穴から這い出る。それと同時に碧ちゃんも穴から出る。
 わたしは穴の外で横たわっている真ちゃんをお姫様だっこのように抱え上げた。
 だらりと真ちゃんの腕と頭が垂れ下がる。
 彼女の亡骸は拍子抜けするほど軽くて冷たくなっていた。

 わたしはそのままで真ちゃんを抱えた体勢のまま、すたっと軽快に飛び降りる。
 サクヤさんの血を受け継いだわたしにとって、人一人抱えたまま飛び降りるなんて簡単なことだった。
 望んでこの身体と成ったとは言え、それがわたしが人でなくなった事を如実に物語っていることに一抹の寂しさを感じていた。
 この身は枯れず、育たず悠久の時を刻み続ける。
 例えこの島から生きて出られたとしてもわたしに流れる徴は二度と消えはしない。
 何十年かして陽子ちゃんやお凛さんがおばあちゃんになって天寿を全うしてもわたしはこの姿のまま。

 サクヤさんのいない世界にどれほどの意味が――――



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977 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:09:59 ID:pvEpvyUu

 だめ、そんなふうに考えたら。
 アルちゃんにまた怒られてしまう。
 アルちゃんだって長い時の中を歩んできた。
 たくさんの人と出会いと別れと繰り返してきた。
 自分と契約した数多のマスターの死を目の当たりにしてきた。
 だからこそ彼女の言葉は重く、わたしの軽率な行為を戒めてくれた。
 自分だけが不幸じゃない。

 だけど……
 サクヤさんの死という現実はわたしの心の奥底深くに昏く澱み続けるのだろう。
 気の遠くなるほどの時を生きて、わたしの心が野晒しの枯れ木のように乾いてしまっても決して――

「よい……しょっと」
 腕に抱えた真ちゃんを穴の底にそっと横たえる
 そしてわたしは穴の外へ。
 穴の外から見下ろすわたしの視線の先には両手を胸の前で組んで静かに眼を閉じたままの真ちゃんの姿がある。
 夜の闇に煌く金色の瞳を閉じてわたしは黙祷を捧げた。
 少しだけわたしの右腕が疼くのを感じながら。

 一分ほどそうしていただろうか、わたしは眼を開けて碧ちゃんの方を向いた。
 自然と碧ちゃんと視線が合う。
 わたし達は無言で頷き合いシャベルに手をかけた。

 真ちゃんの胸に、足に、手に降り積もる柔らかい土。
 傷一つない顔にも土は降り積もる。
 わたし達がシャベルを動かすたびに真ちゃんの身体は土に埋もれていった。

 盛り上がった二つの土。そこがりのちゃんと真ちゃんの墓標。
 いずれりのちゃんと真ちゃんの身体は土に還り、そこがかつて墓であったことも忘れ去られてゆく。
 それでもわたし達が生きている限り彼女が生きていたという事実はいつまでも残り続ける。

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979 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:10:40 ID:pvEpvyUu

 わたし達はあとどれほどの人の想いを背負って前に進まなければならないのだろう。
 ベクトルは違えどそれは呪いと同質の存在だ。
 投げ出してしまいたいほどにとてつもなく重い物。
 でもわたしは一人で背負ってるわけじゃない。
 一緒にその哀しみを分かち合える仲間がいるかぎり前を向いていられるのだから。

「帰ろっか……」
 碧ちゃんが星空を見上げ言った。
 彼女の視線は空に冷たく輝く月を見つめている。
 いや、正確には月の側の何も星が存在しない空を凝視していた。
「昨日よりも……明るい……か」
「碧ちゃん……?」
「あ、ごめんごめん。帰ろと言っておきながらあたしもなんかぼーっとしてたみたい。にゃはは」
 碧ちゃんはあえて明るい口調でそう言った。
 少しだけわたしの中で張り詰めていたものが和らいだ気がした。

 そしてわたし達は今一度二人が眠る墓標に黙祷をささげこの場を後にした。


 ◆ ◆ ◆


 ついさっきまでわたし達五人が身を潜めあっていた一軒家。
 だけど今はわたしと碧ちゃんしかいなかった。

 真ちゃんがいない。
 ユメイさんがいない。
 アルちゃんがいない。

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980 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:11:12 ID:pvEpvyUu

 二人しかいないそこは空虚な檻。
 世界はすりガラスから覗いたかのように曇り現実味を喪失している。
 ここに五人がいたなんて事が信じられないぐらいに部屋はがらんとしていた。

「アルちゃんはまだ戻っていないね……」
 わたしは部屋をぐるりと見渡して言った。
「ユメイさん……どこ行っちゃったの……」
「ユメイちゃん……」
 顔を見上げると碧ちゃんがひどく険しい顔をしていた。
 その顔はユメイさんが姿を消したことによる心配の表情とはまた別種の物だった。
「みどり……ちゃん?」
 その表情は怒り? 哀しみ?


 ユメイさんは―――――


「とりあえずアルちゃんが戻ってくるまでここにいよ。あたし何か飲み物淹れてくるね。
 桂ちゃんはコーヒー派? それとも紅茶派?」

 碧ちゃんの明るい声にわたしの心のもやもやが消えてゆく。
 そうだ色んなことがありすぎてわたしはちょっと参ってるだけなんだ。
 飲み物を飲んで気を落ち着かせよう。
「うーん……じゃあわたしコーヒーにするよ」
 空元気も元気のうち、できる限り明るい声でわたしは言った。
「あいよーっ」
 相変わらず明るい声で碧ちゃんは台所の奥に消えて行った。

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983 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:12:28 ID:pvEpvyUu


 しばらくして、湯気の立つコーヒーを煎れたカップを二つ持った碧ちゃんが戻ってきた。
「ま、インスタントだけどね。はいどぞー」
 わたしは碧ちゃんからカップを受け取った。
 香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。
 火傷をしないようにゆっくり啜ると、ほのかな甘味と苦味が口いっぱいに広がった。
 砂糖の甘さが疲れた身体と頭を癒してゆくのがはっきりとわかる。
「アルちゃん、ユメイさんを見つけてくれてるかな……」
「うん……まあ……今はアルちゃんに任せるしかないっしょ」
「…………」
 まただ。碧ちゃんの様子が不自然だ。
 ユメイさんの名前を出すと微妙に歯切れが悪くなる。

「そういえばさー桂ちゃんとユメイちゃんって知り合いなんだよね。ユメイちゃんってどんな人なの?」
「ふえ?」
 唐突にそんな話題を切り出されたせいでつい間抜けな声を出してしまう。

「いや、ほら今まで色んなことがありすぎたし……お互いの事を知る機会ってあんまなかったから、ね」
 碧ちゃんの言うことはもっともだった。
 確かに色んなことがありすぎてお互い簡単な情報交換しか出来ていなかった。
 だからわたしはユメイさんについて知ってる限りのことを教えることにした。

「わたしも詳しいことはよくわからないんだけど、ユメイさんはオハシラサマといって……わたしの実家の守り神みたいなものなのかな」
「守り神……ねえ。ということはアルちゃんみたいに大昔から生きてたりするの?」
「え、どうなんだろう……」
「いや、ユメイちゃんってアルちゃんと比べるとすごく垢抜けてると言うか……現代の人間ぽいと思わない?」
「あはは……確かに言われてみるとそうかも」
 碧ちゃんの言うとおりユメイさんは言葉遣いからしてわたし達と大差ないように思える。
 まあアルちゃんの場合は性格がそうさせているのかもしれないけど。
「アルちゃんが魔導書の精霊ならユメイさんは木の精霊ってことになるのかな」

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10 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:28:22 ID:pvEpvyUu
「木の精霊?」
「えとね……わたしの実家の近くにおっきな槐の木が生えていて―――」

 そう言った瞬間、わたしの思考に得体の知れないノイズのような物が走った。
 何かが引っかかる。
 何か忘れている。
 思考がまとまらない。
 それは深い海の底から沸き立つ泡のように浮かんでは消えてゆく。 
 断片的なイメージのみがバラバラのジグソーパズルのように脳裏に貼り付いている。

 あの夏の日。経観塚で起きた出来事。
 サクヤさんと烏月さんとわたしがそこに立っている。
 雪のように舞散る白い経観塚槐の花。
 満月を背に立つ大きな人影。
 その足元に胸から血を流して倒れ伏す男の子の身体。
 時代掛かった着物姿の男――全ての元凶たるまつろわぬ山の神の背後。

 何があった?
 あれは鬼神を大地に縫い止め封じる楔だったはず。
 サクヤさんの記憶を垣間見て知った封じの樹。
 強大すぎる神の力を長い時をかけて土に還すための装置。
 白い蝶のような花を咲かせる槐の木――オハシラサマの木はどうなっていた?

 ―――落雷に撃たれたかのように縦に真っ二つに裂けた槐の木がそこにあった。

「あ……」
「桂ちゃん?」

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13 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:28:54 ID:pvEpvyUu

 碧ちゃんが何か言っているけど何も聞こえない。
 わたしの意識はそこになく、あの日の出来事を幻視している。
 山の神――主が復活を果たしたことで槐の木は無残にも真っ二つに裂けてしまった。
 千年以上に渡って鬼神を封じ続けていたオハシラサマの木は役目を終えてしまった。
 ユメイさんの<<力>>はそれに依るもの、元を断たれてしまったユメイさんは――

 ――すでに<<力>>を失い消滅していた。

 どくん。
 心臓が一際鐘を鳴らす。
 違う、わたしが感じた違和感はそれじゃない。
 もっと、もっと根本的なところ。

 消滅したはずのユメイさんがここにいることは真ちゃんの仮説で説明がつく。
 この島には微妙に違う世界から連れてこられた人間がいる。
 真ちゃんとその知り合いであるやよいちゃんの認識のズレがそれの証明となっている。
 確かにわたしが知っていたユメイさんとこの島に連れて来られたユメイさんは違う人間なのかもしれない。
 でもそんなものは些末なことで、ユメイさんがユメイさんであることに変わりはない。

 じゃあこの違和感は何?
 かさぶたのように貼りつくそれを剥がそうと思考が廻る。
 だけどそのかさぶたの下はまだ血が止まっていない。
 無理矢理剥がせば赤い、赤い血が滲んでくる。
 思考と別のところで何かが警鐘を鳴らしている。

 ――やめて。

 そんな声も雲散霧消して聞こえなくなる。
 わたしはそっと記憶のかさぶたに手を触れ、一気に剥がした。

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16 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:30:06 ID:pvEpvyUu


 ――――どうしてわたしはオハシラサマの名前を知っている?
 ――――オハシラサマはいつユメイと名乗った?


 ああ、それが違和感の正体。
 サクヤさんから聞いた?
 違う。サクヤさんはオハシラサマを羽藤家の守り神のような物と説明したが、名前までは教えてもらってはいない。
 じゃあどうしてわたしはオハシラサマの名前をユメイと知っている?

 ほら……だから言ったのに。
 生乾きのかさぶたを剥がすから血が止まらない。
 赤い血が止まらない。

 赤い記憶。

「くっ……ぅぁ……」
「桂ちゃん!?」

 頭が割れそうに痛い。
 視界が真っ赤に染まる。
 身覚えのある感覚――経観塚の羽藤の屋敷で何度か感じていた頭痛。
 どうして今ごろになってこの痛みが……
 まだわたしと経観塚の因縁は終わってはいないの――?

 赤い記憶はすぐに色を失い闇に覆われる。
 それと同時にわたしの意識も闇に落ちた。


 ◆ ◆ ◆

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19 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:30:58 ID:pvEpvyUu
 

「碧……桂の様子はどうだ?」
「今は隣の部屋で眠ってる。アルちゃんの方も――その様子じゃあ駄目だったみたいね」
「ああ……」
 桂が意識を失ってほどなくして帰ってきたアル。
 アルの話によると真を殺害したのはやはりユメイであった。
「ユメイはわざわざ妾に『桂をよろしく頼む』だ。大うつけめ……そこまで解っておきながらながら愚かな事を……。それで桂が、サクヤが喜ぶわけなかろうに……」
 ため息をつくアル。
 碧も押し黙ったまま時が流れる。
 やがて間が持たなくなったのかアルが口を開いた。

「碧よ、桂が意識を失った原因に心当たりはあるか?」
「あるよー、てかそれしか原因は無いって感じに」
「ならば話してみよ」
「桂ちゃんが倒れる前にあたし、桂ちゃんにユメイちゃんについてそれとなく探りを入れてみたんだわ
んで、桂ちゃんもユメイちゃんの事について話してくれたんだけど――――」
 碧少し間をおいて会話を続ける。
「ユメイちゃんが槐の木の精霊みたいなもの――と話した所で様子がおかしくなって」
「どんな風にだ?」

「最初は放心状態、我ここに在らず。その後頭を抱えて気絶って感じかな。
あたしの見立てだと何か思い出したくない物を思い出してしまって拒否反応が出たとも見えるかな。
ま、あたしはイチ日本史教師であって心理学者でも精神科医でもないから確証は無いけど……
アルちゃんは桂ちゃんとユメイちゃんの関係について何か聞いてたりするわけ?」

「いや、この島で桂との付き合いが一番長い妾とて詳しいことは知らぬ。
だが……汝の見立てはおそらく真をついておる。先ほどユメイが言っておった。
『わたしの知っている桂ちゃんは全ての記憶を取り戻した』
『わたしを『ユメイお姉ちゃん』と呼んでくれる桂ちゃんだった』とな」

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21 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:31:29 ID:pvEpvyUu

 アルも碧も勘違いしていた事実。それは『桂とユメイとサクヤは同じ世界から連れてこられた』と。
 だが真実はユメイだけ別の世界から連れてこられてた。
 その認識のズレがユメイを凶行に駆り立てる原因となったわけではあるが――――

「少なくとも妾達の知っている桂はユメイについて何らかの記憶を封じている――それだけしか解らぬ」
「ん、もう一つあるよ。ユメイちゃんの知っている桂ちゃんはユメイお姉ちゃんと呼んでいた。
これがどういう意味を指すかはさーっぱりわかんないけど。とりあえず桂ちゃんの記憶は置いとこう?
肝心なのは真ちゃんを殺したのがユメイちゃんである事実よ」
「ああ……だが桂にはどうやって……」
「知らさないわけにはいかないよね……やっぱ」
「桂のためにサクヤを蘇らせる。その為に他の人間を手に掛けるなんてそんなバカげた事を―――」

 コト……
 ふいに二人の背後で物音がした。
 はっとした表情でふりむくアルと碧。
 迂闊だった。
 物音がした方向は桂が寝ている部屋。
 半開きになった衾のそばに幽鬼のように佇む少女が立っている。
 青ざめた顔で立ち尽くす羽藤桂の姿が――――

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23 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:31:59 ID:pvEpvyUu


 ◆ ◆ ◆


 夢。
 夢を見ている。
 お母さんがいた。
 お父さんがいた。
 そしてわたしがいた。
 でもそこにはもう一人いた。
 高校生ぐらいの女の子。
 どこかで見たような顔だった。

 これは夢だ。
 夢だから何でもあり。
 だから目覚めれば消えてしまう泡沫の夢。
 目覚めてしまえば何も覚えていない。

 だから目覚めてしまおう。
 この夢はよくない夢だ。
 悪夢は夢であるうちに捨ててしまえばいい。

 そう思うと急に夢が色褪せる。
 わたしの意識が浮かびあがる―――


「――――――!!」

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26 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:32:51 ID:pvEpvyUu
 
 わたしは勢い良く布団から飛び起きた。
 ……まだ意識がもうろうとしている。
 何か夢を見ていたけどうまく思い出せない。
 そういえば何でわたしは寝てたんだろう。

「っ……」

 軽い頭痛と眩暈。
 そうだわたしは突然の頭痛で気を失っていたんだ。
 あれからどれくらいの時間がたったのだろう。
 テーブルの上に飲みかけのコーヒーが置かれている。
 熱々のコーヒーはすっかりぬるくなってしまっていた。
「……アルちゃんは帰ってきたのかな」
 わたしの寝ていた部屋には人の気配はしない。
 でも隣の部屋から衾越しに人の気配がしていた。
『…………』
『…………』
 隣の部屋からは声が聞こえる。
 何を言ってるかわからないけど碧ちゃんと……アルちゃんの声だ。
 そういえばアルちゃん、ユメイさんを見つけてくれたのかなあ?

 わたしはまだふらつく足取りで衾をそっと開く。
 聞こえなかった声がはっきりと聞こえてくる。
 わたしには信じられない、信じたくない内容で―――

「―――肝心なのは真ちゃんを殺したのがユメイちゃんである事実よ」
「ああ……だが桂にはどうやって……」
「知らさないわけにはいかないよね……やっぱ」
「桂のためにサクヤを蘇らせる。その為に他の人間を手に掛けるなんてそんなバカげた事を―――」

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28 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:33:41 ID:pvEpvyUu

「へ――――――?」

 二人が何を話しているか理解できない。
 ユメイさんが真ちゃんを殺した?
 わたしのためにサクヤさんを生き返らせる。そのために真ちゃんを?

 視界がぐにゃりと歪み思わず足がもつれる。
 わたしはこけまいと足を踏ん張ったせいで床に音を立ててしまう。
「桂……?」
「桂ちゃん……?」
 二人ともしまったというような顔でわたしを見ていた。

「嘘……だよね? ユメイさんが真ちゃんを殺したなんて……」
 からからになった喉を振り絞りなんとか声を出す。
 だけど二人の口からそれを否定する言葉は発せられなった。
 かわりに目を背けたい現実のみがわたしの耳に入ってくる。
「事実……だ。ユメイ自ら妾にそう告げた。それに―――」
 アルちゃんは伏目がちに、慎重に言葉を選びながら。わたしに事実のみを告げる。
「そもそも真の死因……あんなことが出来るのはユメイしか考えられぬ」
「――――!?」
 もしかしたらわたし自身、初めから気がついていたのかもしれない。
 真ちゃんの身体には傷一つ無かった。
 何かに殴られた痕も、何かに刺された痕も、何かに撃たれた痕も。
 血の一滴流さず、ただ心臓だけが止まっていた。
 普通ならそんなこと出来ない。だけどユメイさんの月光蝶なら―――

「あ……はは……じゃあ何……アルちゃんも碧ちゃんも最初から知っててわたしに内緒にしてたんだ……?」
「それは――」

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31 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:34:13 ID:pvEpvyUu

 ひどく悔しかった。
 わたし一人だけ蚊帳の外で、
 アルちゃんにユメイさんと一緒に帰ってきてねと約束したのが馬鹿みたい。
 経観塚の出来事だってわたしは身の回りに起こっている事を何一つ知らないまま帰らされそうになった。
 でも今は……今は違う。わたしはもう守られるだけの女の子じゃないのに……!

「わたし……そんなに頼りない……?」
「違う! 妾も碧も汝に心配かけさせまいと、桂のためと思って――」
「わたしのため!? それってわたしだけ仲間はずれにするってこと!? わたしだけ何も知らず何も知らされず……!
もういいよッ! わたしなんか……! わたしなんか……ッ!」
「桂!!」

 頭に血が上ったわたしは発作的に駆け出し家を飛び出してしまう。
 アルちゃんが何か叫んでる。
 だけど今のわたしには何も聞こえなくてただ走る。


 ◆ ◆ ◆


「ここは……?」
 気がつくとわたしは見覚えのある場所に出ていた。
 こんもりと盛られた二つの盛り土。
 そう、ここはりのちゃんと真ちゃんが眠るお墓だった。
 わたしは膝をついてしゃがみこむ。
 涙が止まらない。自分がすごくみじめだった。
「ぅぅ……もう……やだよ……」
 真ちゃんはユメイさんに殺された。
 わたしのために真ちゃんは殺された。

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35 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:35:22 ID:pvEpvyUu

 ――キミのせいでボクは殺された。

「ちがう……わたしは……」
 そうだ……ユメイさんが真ちゃんを殺したなんて嘘だよ。
 みんなしてわたしのことをからかってるんだ。
「あはは……嘘だよ……真ちゃんだって実は生きているんだ。わたしをびっくりさせようとしてるんだ……あはは」
 乾いた笑いしか出ない。

「最低だ。わたし」
 都合の良い現実逃避。
 ますます自己嫌悪に陥る。

 その時ジャリっと土と落ち葉を踏みしめる音が背後から響いた。
 だけど今のわたしには振り返る気力も湧かなかった。



「――――不貞腐れて飛び出したあげく現実逃避、ほんでもって自己嫌悪。ばっかじゃないの」



 背後の声の主、赤い髪のウェイトレス姿の正義の味方がそこにいた。

「碧……ちゃん、どうして……」
「単なる勘よ。乙女の第六感ってやつ?」
「何しに……きたの……」
「決まってんじゃん、あんたを連れもどしに来たのよ」
「……わたしのことはもう放っておいてよ」
 わたしは一度も碧ちゃんと視線を合わせず投げやりな口調で答える。
「あんた約束したんでしょ。強く生きるって。そして生きるための力をもらったんでしょ! だったらこんな所でメソメソしないで立ちなさい!」

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37 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:35:54 ID:pvEpvyUu

 碧ちゃんの言う事は正論だった。
 だが正論であるがゆえにわたしの感情を無視した言葉に怒りがこみ上げる。

「碧ちゃんに……わたしの気持ちなんかわかるもんか……目の前で大好きな人が死んじゃったこともないくせに……ッ」
「そんなもんあんたに限ったことじゃ無いでしょうが……ッ! 自分だけ不幸面してんじゃないわよッ!」
「うるさいうるさいうるさい……ッ!」
 わたしは顔を真っ赤にして涙に顔をしわくちゃにしてそれでも何か言い返そうと口を開く。
 だけどそこから出てくるのは子供じみた罵倒のみ。
 そんなわたしの様子を見て彼女は呆れたように言った。


「とんだ無駄死に犬死によね。あんたの大好きな『サクヤさん』は」 
「―――!?」
「命を賭して守った子がこんな様子じゃ彼女も浮かばれないわ。サクヤさんって案外見る目なかったのね」

 その言葉にさっきまでたぎっていた感情は引き潮のように引いてゆく。
 サクヤさんを馬鹿にされて感情は昂ぶっているのに思考だけは驚くほど冷静だ。
 瞳がすうっと縦に割れる感覚。
 この感覚がいわゆる『キレる』という感覚なのだと―――

ギャルゲ・ロワイアル2nd 本スレッド18
40 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:36:26 ID:pvEpvyUu

「謝れ……サクヤさんに……! 謝れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 ロケットのように加速したわたしの身体は一直線に碧ちゃんの顔面に拳を繰り出した。
 しかし―――

「へ―――?」
 突然世界がぐるりと反転し、わたしは背中から地面に叩き付けられた。
 肺の中の空気が一気に排出され息が出来なくなる。
「必殺当て身投げ! なんちって。見よう見まねだけどあんたみたいな素人にゃあ効果覿面ね」
「く……ぅ……」
「いくら鬼の力だか知んないけど、パワーとスピードに任せただけの動きなんて簡単に避けられるのよ。
さしずめ今のあんたは格闘ゲームで強キャラ使って俺ツエーーーなんて言ってる糞ガキと一緒。わかる?」

 蹲るわたしを見下ろしながらなおも彼女はわたしを挑発する。

「これで終わり? 鬼の血って全ッ然大したこと無いのね。そこで少し頭冷やし――――ッ!?」
 こんどはわたしの拳が碧ちゃんの鳩尾に突き刺さる。
 だけど彼女は倒れることなくにぃっと笑い――
「が……っぁ……誰が一発入れたらあんたの勝ちって……言ったのよッ!!!!」
 碧ちゃんの渾身の右ストレートがわたしの頬に炸裂し吹き飛ぶ。
 今の一撃で口の中を切ってしまい、口の中一杯に錆びた鉄の味が広がる。
 なんだ贄の血って全然おいしくないじゃないか。

「あたしは……あんたみたいな甘ったれたガキにのされるほどヤワに出来てないのよ! かかって来いやぁぁぁぁッ!!!」
「うっ……うぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!」

 後ははっきりと覚えていない。
 滅茶苦茶に殴って、滅茶苦茶に殴られた。
 馬乗りになって顔を何度も殴ったし馬乗りにされて顔を何度も殴られた。

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43 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:37:06 ID:pvEpvyUu

 でも……不思議と頭の中は空っぽで
 今まで溜め込んでいた物が晴れていくような爽やかな感覚だった。


 ◆ ◆ ◆


 ぐったりと地面に寝そべるわたしと碧ちゃん。
 あの後、お互いの体力と気力が尽きるまで殴り合っていた。
 きっと鏡をみたらひどい顔になってるに決まってる。
 女の子にとってあるまじき行為だと今さらながらに思う。
 りのちゃんと真ちゃんの側で何をやっているんだと軽い自己嫌悪。

「おーい……桂ちゃーん……? 生きてる〜?」
「わたしは大丈夫だけど……碧ちゃんこそ」
「ん? あたし? ……しばらくキスできそうにないくらいひどい顔〜。たはは……まさか女同士でコレをやるとはねえ……」
「うう……ごめんなさい……」
「別に気にする事ないわよん。焚き付けたのあたしだし、それに多少は気分が晴れたでしょ」
「う、うん……」
 気の済むまで殴り合ったせいかわたしが抱えていた心の霧はすっかり晴れていた。
 ドラマの登場人物が夕日をバックに殴り合った後の感覚とはこういう物なのだろう。
 少なくとも女の子がするような物では無いのは確かである。

「ねえ……桂ちゃんって無意識に力をセーブしてない? つか鬼全開で来られたらあたし一発でミンチになってるって」
「う……ん、どうなんだろう……?」
 碧ちゃんの顔はひどいけど命に別状はない。
 サクヤさんは岩をもやすやす砕く力の持ち主だったけど今のわたしの力はそれに遠く及ばない。
「鬼の力を使い切れてないのか、無意識に人を傷つけたくないと力を抑えているのかはあたしにゃわかんないけど……」
「…………」

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44 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:37:41 ID:pvEpvyUu

 碧ちゃんの言うとおり、わたしは力を手にしたとは言えまだ人を傷つけたくないと思っている。
 出来る限り話し合いで解決できないかと思っている。
 だけど……それが通用しない相手がいることもわかっている。
 りのちゃんを殺した女の子、アルちゃん曰く複数の魔術をごちゃごちゃに混ぜた異常な存在。
 わたしですらもその禍々しさを肌で感じた存在だった。
 でもそんな相手でもわたしはその手に掛けることが出来るのだろうか?
 結局の所、わたしは自らの手を汚すことを恐れているのだ。
 でも……

「ユメイちゃんと再会して……最悪の場合彼女と戦える?」
「それは……わからない」
 でも、これだけは言える。
 今ならユメイさんと真正面から向き合える。
「けど、わたしは逃げない」
「おっけーおっけー、その答えで十分。ちったあ吹っ切れたようね」

 わたし達はお互いに笑いあう。
 ああ……わたしは本当に幸せ者だ。
 何度も躓いて転びそうになるたびに支えてくれる人達がいる。
 その人達のためにも今度はわたしが恩返しをする番、みんなを守る力を―――


 その後合流したアルちゃんに顔を腫らしたわたし達が大目玉を喰らったのは言うまでもなかった。


【B-5 市街地/2日目 早朝】

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46 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:38:12 ID:pvEpvyUu
【羽藤桂@アカイイト】
【装備】:今虎徹@CROSS†CHANNEL〜toallpeople〜
【所持品】:支給品一式、アル・アジフの断片(アトラック=ナチャ)、魔除けの呪符×6@アカイイト、
      古河パン詰め合わせ27個@CLANNAD、情報の書かれた紙、誠の携帯電話(電池二個)@SchoolDaysL×H
【状態】:疲労大、顔面打撲、全身に擦り傷、鬼、アル・アジフと契約、若干貧血気味、サクヤの血を摂取
【思考・行動】
 1:高槻やよいを探し出して保護する。
 2:ユメイを止める。
 3:烏月を止める。
 4:首輪解除の有力候補であるドクター・ウェストを探す。
 5:一人でも多くの人間を仲間に引き入れれる。即座に同行出来ないようならば、第六回放送時にツインタワーに来るように促す。
 6:機会があれば、通り道にある施設を調べる。
 7:第六回放送頃、ツインタワーでクリス達と合流する。
【備考】
 ※桂はサクヤEDからの参戦です。
 ※サクヤの血を摂取した影響で鬼になりました。身体能力が向上しています。
 ※桂の右腕はサクヤと遺体とともにG-6に埋められています。
 ※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、本作の本文参照
 ※ユメイによる真殺害についてある程度吹っ切れました。
 ※羽藤柚明についての記憶はまだ戻っていません。

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48 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:38:43 ID:pvEpvyUu



【杉浦碧@舞-HiME運命の系統樹】
【装備】:FNブローニングM1910(弾数7+1)、リンデンバウムの制服@舞-HiME運命の系統樹
【所持品】:黒いレインコート(だぶだぶ)支給品一式、FNブローニングM1910の予備マガジン×4、
      恭介の尺球(花火セット付き)@リトルバスターズ!、ダーク@Fate/staynight[RealtaNua]、
      拡声器、情報の書かれた紙
【状態】:疲労大、顔面打撲、十七歳
【思考・行動】
 0:正義の味方として生きる。
 1:美希のことが心配。合流したい。
 2:助けを必要とする者を助け、反主催として最後まで戦う。
 3:玖我なつきを捜しだし、葛のことを伝える。
 4:後々、媛星への対処を考える。仲間にも、媛星に関しては今は内緒にしておく。
【備考】
 ※葛の死体は温泉宿の付近に埋葬しました。
 ※理樹のミッションについて知りました。
 ※理樹と情報交換しました。
 ※遊園地で自分達を襲った襲撃者はトレンチコートの少女(支倉曜子)以外に少なくとも一人は居たと思っています。
 ※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、本作の本文参照



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51 :幻視行/Rasing Heart ◇DiyZPZG5M6[sage]:2008/10/20(月) 20:39:46 ID:pvEpvyUu



【アル・アジフ@機神咆哮デモンベイン】
【装備】:サバイバルナイフ
【所持品】:支給品一式、ランダムアイテム×1、情報の書かれた紙
【状態】:羽藤桂と契約、魔力消耗(小)
 0:何をやってるんだ桂と碧は……
 1:高槻やよいを探し出して保護する。
 2:首輪解除の有力候補であるドクター・ウェストを探す。
 3:一人でも多くの人間を仲間に引き入れれる。即座に同行出来ないようならば、第六回放送時にツインタワーに来るように促す。
 5:第六回放送頃、ツインタワーでクリス達と合流する。
 6:九郎と再契約する。
 7:戦闘時は桂をマギウススタイルにして戦わせ、自身は援護。
 8:時間があれば桂に魔術の鍛錬を行いたい。
【備考】
 ※アルからはナイアルラトホテップに関する記述が削除されています。アルは削除されていることも気がついていません。
 ※クリスの幻覚は何かの呪いと判断
 ※『情報の書かれた紙』に記されている内容は、本作の本文参照



ギャルゲ・ロワイアル2nd 本スレッド18
52 :名無しくん、、、好きです。。。[sage]:2008/10/20(月) 20:40:20 ID:pvEpvyUu
代理投下終了しました。
沢山の支援有難うございました。


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