- コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS SSスレ 29
152 :名無しくん、、、好きです。。。[sage]:2008/10/20(月) 21:22:28 ID:2jH8XiVV - 21:35頃から投下します。本文が16レス分と少し細かくなってしまったので、
よろしければ支援をお願いします。ちなみに、すっごくカオスです。
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155 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 21:38:59 ID:2jH8XiVV - >>153
うわ、言われるまでまったく気付かなかった。 では、投下します。『虫食い同好会』シリーズ、今回は番外編になります。 作者:余暇 タイトル:番外編・ラウンズ対抗一発芸大会 (設定と注意) ・スザクはラウンズではないが、ジノやアーニャと友人になっている。 ・とにかくカオス。 ・ビスマルクとジノが特にひどいかも。 ・藤堂とロロは義理の兄弟になっている。ナレーターも兼任。 ・今回、ライや卜部は出てきません。 ・この大会は、ドロテアがプラント団入りする際の原因になった。 本文は16レス分あります。
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156 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 21:41:10 ID:2jH8XiVV - 『番外編・ラウンズ対抗一発芸大会』
ここは、某所の一室。そこには二つの椅子があり、二人の男が座っている。そして二人の目の前には、テレビとDVDプレーヤーがあった。 「兄上、これが……。」 「そうだ。これがナレーター特権で手に入れた、『ラウンズ対抗一発芸大会』の模様を撮影したDVDだ。」 この二人は、ロロ・ランペルージと、彼が兄と慕う藤堂鏡志朗だった。 「確かこの時撮った写真をネタにして、クルシェフスキー卿がエルンスト卿を脅したんだよね。」 「そうだ。そしてドロテアは、仕方なくプラント団に入った。彼女が隠そうとした内容は、すべてこの中に収められている。」 そして藤堂は、ニヤリと黒い笑みを浮かべた。 「彼女が味わった地獄をこの目で見て、笑ってやろうではないか。そして、我々とともに歩む資格があるのか、見定めようではないか。」 「うん、そうだね。ついでに、他のラウンズたちのカッコ悪い所も笑ってあげようよ。」 ロロも、黒い笑みを返した。 「ふっ、そうだな。さて、そろそろ始めるか。」 藤堂が、DVDプレーヤーにディスクを入れ、再生ボタンを押した。 「さあ、ショータイムの始まりだ。ラウンズのみんな、せいぜい僕たちを楽しませてよ。」 そして、幕は静かに上がった。
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157 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 21:43:19 ID:2jH8XiVV - ここは、とある温泉旅館。広間には、浴衣を着たラウンズたちが集まっていた。
「それでは、諸君の日頃の労をねぎらうとともに、ブリタニアのさらなる繁栄を祈願して……乾杯!」 「かんぱーい!」 ビールやジュースを入れたジョッキを高らかに掲げ、宴会は始まった。 「しかし、集まったのはこれだけか。せっかくの慰安旅行だというのに、付き合いの悪い奴らだ。」 そう言って、ノネットがビールを飲み干す。この場に集まったのは、ビスマルク、ジノ、ドロテア、アーニャ、ノネット、モニカの六人だった。 「戦闘以外に関しては面倒くさがりだからな、ラウンズは。その点、我々は付き合いがいいと言えるのかな?」 ジノがニヤリと笑った。隣に座るアーニャは、黙ってオレンジジュースを飲んでいる。 「私だって、本来はあまり参加したくなかったのだ。それをモニカが無理やり……。」 「はいはい、そんな顔をなさらずに。せっかくなんですから楽しみましょうよ。はい、写真撮りますよ。」 ドロテアがモニカを睨み、そのモニカはカメラを構え、シャッターを押した。 「すまんな、モニカ。幹事役を押しつけてしまって。」 「いいんですよ、ヴァルトシュタイン卿。私、こういうの好きですから。」 こうして、ラウンズ慰安旅行の宴会は、賑やかに行われていた。 『ふむ、ルキアーノ・ブラッドリーがいないな。』 『ああ、国際虫食い協会の要職に就いているからね、彼は。そっちを優先したんだと思うよ。』 『ほう、ロロ。お前は随分と詳しいじゃないか。』 『えへへ、一応機密情報局に所属しているから。』 テレビの前では、ナレーターたちが甘納豆を食べつつ、くつろいでいた。
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160 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 21:46:24 ID:2jH8XiVV - そしてついに、「その時」が訪れた。
「それではお待ちかね、ラウンズ対抗一発芸大会を始めまーす!」 小指を立てながらマイクを持つモニカが高らかに宣言し、ラウンズから歓声が上がった。 「優勝者には、皇帝陛下からいただいた豪華な賞品が贈られます!」 何故こうも盛り上がるのか、理由は様々である。 「こういう楽しそうなイベントは、大いに楽しまねばな。」 「そういうこと。私もこのノリは好きだからな。」 ノネット、ジノはイベントのノリを大いに楽しみたいと望んでいた。 「こういうイベントは私のジャンルではないが、ラウンズ間の友好と結束を深めるためには重要だからな。」 ビスマルクは、イベントを機に仲間同士の結束が深まることを願っていた。そしてそのためには、自ら一肌脱ぐこともいとわなかった。 「影が薄い私の存在感を再認識させるチャンスだとモニカに言われたが、果たしてうまくいくだろうか?」 ドロテアは、モニカの策略にまんまと引っ掛かった、ある意味被害者だった。 「ブログのネタになりそうだし……。」 アーニャは、自身のブログに記録するために、この旅行及びイベントに参加していた。 (ふっふっふ、ノリがいいわね。さあ、私を楽しませてちょうだい。 帝国最強の騎士がどんなはっちゃけ方をするのか、ばっちり記録してあげる。) モニカは、他人がはっちゃけるのを見て面白がりたいと思っていた。 誰も皇帝からの賞品には目もくれないという、ラウンズにあるまじき状況であった。
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162 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 21:49:11 ID:2jH8XiVV - やがて、イベントのトップバッターが登場した。それは艶やかな和服に身を包んだノネットだった。
「ん?あれもエリア11の伝統衣装か?ノネットは何をする気だ?」 「あれ『も』?」 アーニャが、ジノの発言に疑問を持った時だった。何やらコブシの利いたイントロが流れ、録音したであろうギルフォードの声が聞こえてきた。 「女を捨てたとも言える騎士としての覚悟、しかしそのためにすっかり嫁に行き遅れた哀愁。 『早く貰い手を探せ』との両親の願いを涙とともに袖に振り、今日も戦場を駆け抜ける。 ノネット・エニアグラム、心を込めて唄います。曲はコーネリア・リ・ブリタニア殿下作詞・作曲、『覚悟と本音』!」 やがてノネットは一礼し、マイク片手に歌い始めた。いわゆる、演歌と呼ばれるものだ。 「〜〜〜♪」 コブシを利かせながら、ノネットが涙ながらに歌う。誰もが言葉を発することなく聞き入り、ドロテアに至っては共感の涙を流していた。 「ありがとうございました……。」 曲が終わってノネットが一礼すると同時に、拍手が沸き起こった。 「うむ、いい曲だった!さすがはコーネリア殿下!」 「一応記録……。」 「しかし意外だったな。ノネットのことだからもっと派手に来るかと思ったが、イメージとは逆に渋めの路線で来たか。だが逆に新鮮で良かったぜ。」 「感動した!私もこの曲と似た境遇にある。この曲に出会えて良かった!」 「完全に意表を突かれたわね。さすがはエニアグラム卿、なかなか楽しませてもらいましたよ。 でも、この曲みたいに行き遅れたくはないなあ。」 ラウンズたちはそれぞれに違う印象を持ったが、おおむね好評だった。それを見たノネットは、小さくガッツポーズした。 「よしっ、『ギャップ萌え作戦』成功!」 『萌え』の使い方が正しいかどうかは疑問であったが。 『ふっ、演歌か。ブリタニアの騎士が歌っても、やはりいいものだな。』(by藤堂さん) 『はい、ハンカチ。これで涙を拭いて。』(byロロ)
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163 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 21:52:01 ID:2jH8XiVV - 「よし、次は私の番だな。」
ジノが勢いよく立ちあがった。 「ジノ、お前は何をするつもりだ?」 出番を終えて戻ってきたノネットが、ジノに尋ねた。 「ふっふっふ、スザクから教わったエリア11の伝統芸能をお見せしようかと思ってね。」 「何、お前も枢木にアドバイスを求めたのか。実は私も、あいつから演歌のことを聞いたんだ。 それでコーネリア殿下とギルフォードに協力してもらったのさ。」 「スザク、何気に私たちに貢献してる……。」 ジノとノネットの会話を聞いて、スザクへの評価が少し上がったアーニャであった。 「では、私は準備があるので一旦失礼するよ。」 ジノはそう言うと、広間を出ていった。 「さーて、ジノは何をしてくれるのかしら。彼のことだから、突拍子もないことをやらかしてくれると思うけど。」 モニカは、ジノが披露する一発芸にかなり期待している様子だった。 やがてジノが戻ってきた。彼は質素な着物にももひきを履き、足は裸足で、片手にザルを抱えていた。 それを見たラウンズたちは、少しどよめいた。 「ほう、ジノがあのような姿になるとは。」 「普段の彼からは想像できんほど質素だな。」 ビスマルクとドロテアが囁き合った。 「あいつも『ギャップ萌え』を狙ったのか?」 「どうやっても、ジノに『萌え』は表現できない。」 ノネットとアーニャは、ジノの『萌え狙い疑惑』について話し合っていた。 「へえ、何するのか知らないけど、楽しませてもらえそうね。」 モニカは、ワクワク感が止まらなかった。 『ま、まさかあれは!?スザク君、よりによってアレを彼に教えたのか?』(by藤堂さん) 『えっ?兄上、ヴァインベルグ卿がやろうとしていることは、そんなにすごいんですか?』(byロロ)
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165 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 21:55:40 ID:2jH8XiVV - 「さて。それでは今から、エリア11における伝統芸能であり、宴会芸の定番でもある『どじょうすくい』をお見せしよう。」
するとジノは、頭から手拭いをかぶり、顔にひょっとこのお面をつけた。その瞬間、あまりのギャップの激しさにその場が凍りついた。 「〜〜〜♪」 笛や太鼓の音に合わせ、ジノがザルを使いながら踊る。どじょうをすくうかのようにザルを動かしたり、 ザルを頭上に掲げながらクルクル回ったり、それはもう滑稽な踊りだった。 「以上で、私の出し物は終わりだ。いかがだったかな?」 踊り終えたジノが、お面を取って客席を見る。だが、誰も何も言わずに凍りついていた。 「あ、あれ?」 ジノが呆気にとられていると、ビスマルクが口を開いた。 「いや、その……。お前がここまでやるとは思わなくてな。まあ、いいんじゃないか?」 「え?それだけ?」 ジノが、反応の薄さにキョトンとする。 「ジノ、お前何か悪い物でも食べたのか?」 「はっ!?エルンスト卿、何でそうなるんです!?」 「いや、ここまで壊れられると、さすがに心配なんだが。」 「壊れてなんかないって!悪い物も食ってないから!」 変な心配をするドロテアに対し、ジノはあわてて否定した。 「私はただ、『宴会では何がウケるのか教えてくれ』とスザクに尋ねただけだ! そうしたらあいつが、『これがいいよ』って言うから!」 「なるほどな。ジノ、聞く相手を間違えたかもしれんな。お前の場合、 踊りそのものは面白いが、私たちの予想の斜め上を行き過ぎた。」 「面白かったけど、空気が凍りつくってこういうことを指すのね。」 「嘘だー!」 ノネットとモニカにとどめを刺され、ジノはその場に突っ伏した。 『何て言うか、すごい物を見たね……。』(byロロ) 『やはりこれだったか。しかしジノよ、その程度では私の足元にも及ばん!』(by藤堂さん)
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167 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 21:57:45 ID:2jH8XiVV - 「ジノ、あなたは他人の心のつかみ方をわかっていない。」
アーニャが、上から目線でジノに告げる。 「なん…だと?」 「己の特徴を理解し、それを最大限活用すれば自然と道は開ける。ジノ、あなたは自分自身をよくわかっていない。 だからスザクに頼ろうとし、結果的に自滅した。」 「じ、じゃあ、お前ならできるってのかよ!」 苦し紛れの反抗をするジノに、アーニャは自信たっぷりに告げた。 「できる。これから証明してあげる。」 そう言うと、アーニャは広間を出ていった。 「やけに自信たっぷりだったな、アーニャは。」 「何か秘策でもあるのだろうか?」 ノネットとドロテアは、自信ありげなアーニャに興味を示した。 「ふん!あそこまで言い切るなら、見てやろうじゃないか!そして、さっきの言葉をそっくりそのまま返してやる!」 「多分、あなたには言われたくないでしょうね。」 鼻息の荒いジノを、モニカは冷ややかな目で見ていた。 やがて、アーニャが現れた。そしてその姿を見たラウンズたちの間に衝撃が走った。 「こ、これは……!」 さっきまで息巻いていたジノも、言葉を失っていた。 『なっ!?こ、これは……。』(by藤堂さん) 『僕そういう趣味はないけど、正直ぐらついたかも。』(byロロ)
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169 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:00:18 ID:2jH8XiVV - 白い半袖の体操服に紺色のブルマー、胸には平仮名で『あーにゃ』と書かれたゼッケンが付けられている。
その姿に、ラウンズたちは言葉を失った。 「ほほう、これはこれは。」 「な、何だか出だしから既に負けた気がする……。」 ビスマルクは何かに感心し、ジノは敗北感でいっぱいだった。 「素直にかわいいな。我々にもあんな時代はあったのだろうか。」 「言うな、ノネット。遠い過去を振り返っても、そこには戻れんぞ。」 ノネットとドロテアは、「これが若さというやつか……」とアーニャを少しうらやんでいた。 「あらあら、よくわかっているじゃない。確かに、自分の特徴を生かしているわね。」 モニカは、アーニャの作戦に感心しきりだった。 「アーニャ・アールストレイム、ラジオ体操をします。」 すると、ピアノのメロディが聞こえてきた。 「〜〜〜♪」 ピアノに合わせて、アーニャが体を動かす。彼女が体をそらしたり飛び跳ねるたびに、体操服の裾からへそが見えそうになる。 「お、おかしい。あいつのへそなんか見慣れているはずなのに、見えそうになるだけで何故こんなにドキドキするんだ!」 「これが、『萌え』と呼ばれるものの正体なのかもしれんな。」 ジノとビスマルクは、アーニャの虜になっていた。 「はあ、男とは単純な生き物だな。」 「ドロテア、飲もう。男など、所詮はそんなものさ。」 「変態……。」 女性三人は、そんな男二人に呆れていた。 『むう、さっきから胸の奥がこそばゆいな。』(by藤堂さん) 『ナナリーがこんなことをしたら、兄さんはどう思うのかな?』(byロロ)
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171 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:03:22 ID:2jH8XiVV - 「以上、ラジオ体操は終わり。」
曲が終わると、アーニャはそう告げた。 「アーニャ、どうやら私の負けのようだ。他人の心をつかむのは…」 「待って、まだ終わりじゃない。」 ジノの敗北宣言を、アーニャは制止した。 「実はまだ、芸は残っている。」 そう言うと、アーニャが突然ブルマーを脱ぎだした。 「なっ、何をするんだアーニャ!やめんか!」 ビスマルクがあわて始めた。 「ていうか、何故下から脱ぐんだ!?」 「ジノ、突っ込む所はそこじゃないだろ!」 見当違いの発言をするジノに、ドロテアが蹴りを入れる。その間にも、アーニャは体操服も脱ぎ捨てた。 「ほう、そう来たか。」 ノネットが感嘆の声を上げ、騒いでいた他のラウンズたちも動きを止めた。 アーニャは体操服の下に、ピンクのレオタードを着ていた。 「まだ新体操が残っている。」 そして、アーニャは曲に合わせて、リボンをクルクル回し始めた。 細い体をしならせながら飛び跳ねるその姿に、男たちは酔いしれた。 「ヴァルトシュタイン卿、こいつは……。」 「ああ、圧倒的だな。芸術的であると同時に、見る者の心をくすぐるものがある。」 最早そこに、誇り高きラウンズの面影などなかった。 「変態だ。」 「変態だな。」 「変態ね。」 前に身を乗り出す二人を、三人の女性は冷ややかな目で見ていた。
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173 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:05:34 ID:2jH8XiVV - その時、事件は起きた。アーニャが、回していたリボンの先端を誤って足で踏んでしまったのだ。
そして、何故かリボンが彼女の体に巻きつき、かなり恥ずかしい格好に縛られてしまった。 「う、嘘……。やだ、こんなのって……。」 アーニャの顔が真っ赤に染まり、彼女は羞恥に悶えた。その仕草が、さらに男たちの心をくすぐった。 「こ、言葉にできんな。何とも言えん、むずかゆい気持ちだ。」 「ええ。この気持ち、まさしく萌…えっ!?」 その時、アーニャが辛うじて自由を保っていた左腕でボーリングの球をつかみ、ジノ目がけて投げつけた。 急所を直撃されたジノは、その場に崩れ落ちた。 「いいから、早く助けて!」 その後、あわてて駆け付けたドロテアたちにより、アーニャはリボンによる呪縛から解放された。 「ジノ、ジノ!しっかりしろ、お前の死に場所はここではないぞ!」 「へへっ。こんなことなら、本気出しときゃ良かった……。」 「何の本気だ」という突っ込みは一切なしで、ビスマルクは本気でジノを心配した。 『……本物だな。』(by藤堂さん) 『はい、これで鼻血を拭いて。あ、ボーリングの球は人に投げつける物ではありません。 アールストレイム卿のとった行動は極めて危険ですので、絶対に真似をしないで下さいね。』(byロロ)
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174 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:08:17 ID:2jH8XiVV - 「はあ、次はいよいよ私の番か。気が重いな。」
ため息交じりにドロテアが立ち上がった。 「何だ、乗り気じゃないな。」 「当たり前だ、ノネット。誰も好きでこんなことはしない。だが私の存在を再認識してもらうためだ、仕方ないさ。 それにしてもヴィレッタめ、あんな物をこの私によこすとは。」 そう言うと、ドロテアは広間を出ていった。 「エルンスト卿は何をするつもりかしら。何とか口車には乗せたけど、それでも乗り気じゃないみたいだし。 それにヴィレッタ卿がどうとか言っていたけど、彼女に何をもらったのかしら?」 モニカは、ドロテアの動きに注目していた。 やがて、ドロテアが戻ってきた。彼女は分厚いコートを上に羽織っている。 「うおっ!?ド、ドロテア、それは大胆過ぎるぞ……。」 「ヴァ、ヴァルトシュタイン卿?」 『未来を読むギアス』をこっそり発動させたところ、その未来にビスマルクは動揺した。 そしてそれを知らないジノは、わけがわからなかった。 「そ、それでは……。」 ドロテアがコートを脱ぎ捨てた。その下に彼女が着ていたのは、ただの紐と表現しても過言ではないほどの、かなりキワドイ水着だった。 『なっ!?は、破廉恥な!ラウンズともあろう者が、けしからん!』(by藤堂さん) 『もしかして、あれってヴィレッタ卿が着ていた水着かな?』(byロロ)
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175 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:10:40 ID:2jH8XiVV - 「しかし思いきったなあ、ドロテア。私もさすがに驚いたぞ。」
ノネットが、ドロテアの勇気に感心した。 「こ、これは反則じゃないですか、エルンスト卿?」 若干前かがみ気味になりつつ、ジノが呟いた。 「ヴィレッタ卿、彼女に何て物を……。でも、あのスタイルはうらやましい。」 モニカはヴィレッタに呆れつつ、あの水着すら着こなしてしまうドロテアのプロポーションをうらやんだ。 「ステータス、これも立派なステータス……。」 アーニャは自分の胸を触りつつ、自分に言い聞かせるように呟いた。 「ヴィレッタに自分をアピールするにはどうすればいいか相談したら、『これを着て適当にアピールすれば、 男の視線は勝手に集中しますよ』と言われた。こんな物にすがるのはどうかと思ったが、私とてまだ十分に若い。 これを着ても許されるはずだ。そうだろう、ノネット?」 「何故そこで私に同意を求める?だがあえて言おう、是であると!コーネリア殿下だってあんなキワキワな水着をお召しになられたのだ。 あのお方にできて、私たちにできないはずがない!」 「おお、ノネット。やはりわかってくれたか!」 「当然だろう、心の友よ!」 ドロテアとノネットは、ガッチリ握手を交わした。 「ところで、何をするの?」 アーニャがドロテアに尋ねた。 「何の話だ?」 「だから、一発芸。もしかして、立っているだけ?」 「しまった、やはりそれだけではダメなのか。」 どうやら何も考えていなかったらしく、ドロテアは頭を抱えてしまった。
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176 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:18:02 ID:2jH8XiVV - 「どうしよう、ノネット。私は何をすればいい?」
「うーん、その格好でできることなど、何かあるのか?」 少しあわてた様子のドロテアは、苦し紛れの作戦に出た。 「では、日頃やっているトレーニングの水着バージョンをお見せしよう!」 そう言うと、ドロテアはヒンズースクワットを始めた。 「お、おい!それは危険だ、キワド過ぎる!」 ノネットの制止を無視して、ドロテアはなおも続ける。 「だが何かせねば、芸にはならんだろう!」 その時だった。 「ブハッ。」 また『未来を読むギアス』を発動させたらしいビスマルクが、鼻血を噴いた。 「やめろ、ドロテア!これ以上は危険だ、お前はその水着の耐久性を過信している!」 「な、何だと?一体何の話を…」 ドロテアが立ち上がって体を伸ばした時、水着の布が悲鳴を上げた。その水着はもともとヴィレッタが着ていたが、 ラウンズであるドロテアとは鍛え方が違う。当然ドロテアの方がサイズが大きく、そんな彼女が小さめの水着を着て激しく動けば、水着への負担は大きい。 しかも紐のような水着だから耐久性は従来の物より劣る。よって、そこから導き出される結果は年齢制限に引っ掛かるわけで。 ドロテアの着る水着が限界を迎えて床に落ちた瞬間、テレビの画面がブリタニア皇帝の笑顔に切り替わり、「しばらくお待ち下さい」のテロップが流れた。 『編集されていたか。だが、あれでは仕方あるまい。』(by藤堂さん) 『クールに決めたつもりでも、前かがみだと説得力ないよ兄上……。』(byロロ)
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177 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:23:42 ID:2jH8XiVV - 画面が元に戻ると、浴衣姿のドロテアが広間の隅で落ち込んでいた。
「見られた、ありのままを大勢に見られた……。」 「さぞ辛かったろうな。私がそばにいてやるから、今は泣け。そして吹っ切れたら、また前を向いて歩け。 お前は誇り高きラウンズの一員なんだからな。」 ノネットがドロテアの肩を抱いて励ましている。 「オホン!では気を取り直して、私は出し物の準備をしてくるか。」 若干貧血気味のビスマルクは、広間を出ていった。 「床が血で汚れた。従業員に怒られる。」 アーニャが床についた血痕と、ジノを見比べる。 「し、仕方がないだろう?まさかあんなことになるとは想像もしなかったから、心の準備ができていなかったんだ。」 やはり貧血気味のジノが、気まずそうに弁解する。 「まったく、男っていやらしいんだから。でもこれじゃ、写真とか映像は絶対表に出せないわね。最高機密物ね。」 (でもこれだけの大ハプニング集だし、何かに使えるかも。) モニカは写真などの取り扱いに気をつけようと思いつつ、それらの利用価値について思いを巡らせていた。 「待たせたな。」 そこへ、頭にターバンを巻いて白い服に身を包み、笛と大きな壺を持ったビスマルクが戻ってきた。 本人はいたって真面目だったが、そのような姿のナイトオブワンというのは、実にシュールな光景だった。 「ん?どうした、そのあまり関わり合いになりたくないものを遠巻きにして見るような視線は?」 「い、いえ。何でもありませんよ、何でも。」 ジノがあわててごまかし、他のメンバーも一斉に頷いた。
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179 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:29:33 ID:2jH8XiVV - 「では、私の芸をお見せしよう。」
床に壺を置いてあぐらをかいたビスマルクが、笛を吹き始めた。 「まさかと思うが、壺の中から蛇が出てくるのか?」 「でもどうして、曲が『ゴッ○ファー○ー』なのよ……。」 ジノとモニカは、ネタと合致しない選曲について話し合っていた。 やがて壺の中から、一匹の蛇が顔を出した。その色は、明らかに毒蛇だと主張していた。 「おいおい、あれは大丈夫なのか?」 「牙を抜いておかねば、我々に危害が及ぶ可能性もあるが……。」 ノネットと何とか浮上してきたドロテアは、何だか嫌な予感がしていた。そして、その予感は現実のものとなる。 「ぽへっ。」 「あ、外した。」 ビスマルクが音を外し、それをアーニャが指摘した瞬間だった。笛の音に制御されていた蛇がその呪縛から解放され、ビスマルクに噛みついた。 「ぐあっ。」 笛を吹くことに集中し、ギアスを使うどころではなかったのが災いした。ビスマルクはバッタリと倒れ、気を失った。 「ヴァルトシュタイン卿!救急車、救急車―!」 「毒蛇がそっちへ行ったぞ!ドロテア、先に仕掛けるぞ!」 「わかった!蛇め、覚悟しろよ。今日の私は機嫌が悪いんだ!」 「これって、ブログに載せてもいいのかな?」 「カオスだ、カオスだわ。こんなの誰が優勝なんて決められるわけないわ。 すべての情報を封印し、皇帝陛下からの賞品も一緒に日の目を見ないようにしようっと。」 こうして、ラウンズ対抗一発芸大会はうやむやのうちに終了し、翌日には全員本国へと帰還した。 ちなみにビスマルクは、一週間ほど極秘入院となった。
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181 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:32:10 ID:2jH8XiVV - DVDを見終えた藤堂とロロは、しばらくの間無言だった。ここまでカオスな内容だったとは思いもしなかったのだ。
「すごかったね。」 「ああ、すごかったな。あのナイトオブラウンズがあそこまで壊れるとは。やはり、同じ人間だったということか。」 その時、ロロがDVDケースに封入されている『あるもの』に気がついた。 「あ、もしかしてこれが大会の賞品かな?」 「何?そんな所にあったのか。」 二人がそれを見る。その賞品とおぼしき物は、皇帝の直筆サイン入りブロマイドだった。 「ラウンズたちはこんな物のために、あんな馬鹿騒ぎを起こしたのか。」 「おそらく賞品の内容は、クルシェフスキー卿しか知らなかったと思うけどね。」 そしてロロは、ブロマイドとDVDをケースにしまうと、椅子から立ち上がった。 「それじゃ、こっそり返してくるよ。そして、二度とこれが表にでないように封印してくる。」 「ああ、そうしてやれ。それがせめてもの優しさというものだな。 今日見たことは、我々の心の奥深くに半永久的に封印しよう。他言無用だ。」 ロロは静かに頷くと、部屋を出ていった。そして藤堂は椅子に深く腰掛け、ポツリと呟いた。 「あんなものに比べたら、私やロロが味わった地獄など微々たるものかもしれんな……。」
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183 :余暇 ◆kkvclxzIds [sage]:2008/10/20(月) 22:35:43 ID:2jH8XiVV - 以上です、支援ありがとうございました。自分の携帯は規制されてましたが。
おそらく『虫食い』は、あと2,3回で終わりかな?
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