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932 :名無しくん、、、好きです。。。[sage]:2008/03/27(木) 21:31:25 ID:nfU9o3N6 -
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935 :名無しくん、、、好きです。。。[sage]:2008/03/27(木) 21:32:19 ID:nfU9o3N6 -
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940 :名無しくん、、、好きです。。。[sage]:2008/03/27(木) 21:33:07 ID:nfU9o3N6 -
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967 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:32:21 ID:nfU9o3N6 - 俺の作戦。
それを成し遂げる覚悟は既にある。 懸念していた問題点は理想に近い形でクリアした。 仲間の存在による信頼される可能性の裏づけ。 同時に心強い味方も得ることができた。 ――――さあ、はじめよう。 棗恭介の、人生最大のミッションを。 見せてやるさ。 これが、俺の選択だ。 「……さて、じゃあ現状を整理するぞ、トルタ」 互いの情報を開示しつつ草原から歩き続け、とりあえず休憩できそうな場所を見つけて俺たちは足を休めることにする。 ここは駅前にあった喫茶店だ。 ロータリーは広く、見晴らしがいい。 また、中世風の建物の高さもそれほどない。 ここならば襲撃されても即座に気付けるはずだ。 狙撃の可能性を考慮し、狙われにくい位置取りを定めて椅子に座る。 髪を結った少女――――トルティニタ=フィーネと目と目を合わせて俺は告げる。 現状の俺のパートナーであり、同時に後に敵になるかもしれない少女。 ……とりあえず利害の一致から信頼を得る事はできた。 問題は、ここからだ。 「まず、俺達の方針の確認からだ。肝心な事だからな、復唱できるか?」
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968 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:33:34 ID:nfU9o3N6 - ――――俺は、不思議な共感を彼女に抱いている。
それは俺と彼女の境遇の近さから故か。 彼女がどんな過去を抱いているのか、正確には知りはしない。 クリスという幼馴染――――どうやら、彼女の姉の恋人らしい――――に献身的に尽くしてきたということが分かっているくらいだ。 ……多分、ではあるが。 彼女の想いがどんなものかということや、その道程を知りたいという気持ちが俺のどこかにある。 それを否定してもしょうがない。 ……何故か、という問いへの答えらしきものは一応ある。 境遇の似た俺が救いを求めているからかもしれない。 あのバスの中で、今ももがき続けているだろう俺の体。 その奮闘が報われることがあるという実例に縋りたいのだろうか。 それとも、まったく別の理由なのだろうか。 ――――分かっているさ。 救済なんかを求めても、結局は何も変わらない。 俺のできる事、なすべき事は依然としてそこにあるままだ。 感傷は捨てろ。 下手に彼女に入れ込むな。 ……いつか相対する時に辛くなるだけだ。 そして、何より。 「まず殺し合いに乗っていない人たちと接触して情報交換。 で、その人たちとの交流後に会った集団には偽の情報を流して疑惑を振りまく。 その繰り返し……よね? 終盤になってはじめて私たち自身が動き始めるんだっけ」 ……彼女は頭がいい。 いずれ敵となった時、後れを取るわけにはいかないのだから。
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971 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:35:42 ID:nfU9o3N6 - 「OK。じゃあ、例外となる場合は?」
「……私たちの探し人に会った場合には合流、保護。その仲間は機を見て排除。 そして、中盤以降になってもそれが達成できなかった場合、最も安全なチームに合流。 ……あとは、」 トルタはそこまで口にして黙り込む。 ……基本的に、いい子なんだろうな。 頭は回るし、手を汚す覚悟もある。だが、それ以上に大切な人間の不幸を考えたくない。 ……それでいいんだ。 お前は人間なんだからな。割り切れなくて当然だ。 だから、俺がそこは担おう。 ――――俺は、すでにやってはいけないことにも手を染めているのだから。 ……謙吾。 古式の事を許せとは言わないさ。 お前を打たせないためにはあれが最も効果的だが、同時に最も卑劣だとも分かってやったんだ。 ……俺はそういうことが平気でできる人間なんだよ。 常に冷徹であれ。 だから、俺は容赦なくその可能性を口にしよう。 「仮にどちらかの探し人の死亡が確認できた場合は、もう一方のサポートに徹する、だ」 強く言い切る。 うつむいていたトルタはしかし、こくんと頷くとあらためて俺の目を見据える。 いい表情だ。 しっかりと現実を考慮できている。 そして、冷静な判断力も失っていない。
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973 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:36:47 ID:nfU9o3N6 - 「万一脱出への糸口を確保できたなら、そちらに動くのよね」
……俺の言ったことをちゃんと覚えている。 彼女と会えたのは本当に僥倖だ。 感情を持ちながらもそれに流されず、目の前の事についてしっかり割り切って考えられる人間。 良くも悪くも俺の仲間たちにはいないタイプだ。 鈴も謙吾も、小毬も能美も三枝も西園も。 どいつもこいつも根っこじゃ自分の感情に正直な連中ばかりだからな。 理樹と真人辺りなら理屈では割り切れるかもしれないが、やはり感情がそれに納得しないだろう。 来ヶ谷は物事については割り切って考えるが、それよりも自分の趣味を優先するタイプだし。 ……ああ、会いたいな。 皆と会って、楽しく野球でもしたい。 込みあがってくる感情を押し込める。 俺はそれを切り捨てたんだ。 鈴を、一人孤独に追いやることで。 そんな泣き言を言っている暇があるなら、現状を切り抜ける方策の一つでも考えろ。 心に刻み、俺はヒュウ、と口笛を吹いて笑いかけてみせる。 「ああ。俺はツイてるな、理解力の高いパートナーと早々に会えるなんて」 「誉めても何もでないよ。……それよりも、確認の意図を教えてくれるかな?」 ……全く、容赦がないな、はは。 ――――本当に、俺とトルタは似ている。 思考の展開が、大体同じ所に行き着くなんて、な。
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975 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:37:49 ID:nfU9o3N6 - ……苦笑する。
敢えて笑うのではなく、自然に浮かんでくる笑いだ。 その笑いを引っ込め、真面目な顔を作る。 ……これは一番肝心な前提条件だ。 何をするに当たっても、まず念等においてもらわねばならない。 「話が早いな。まあ、以上のミッションをこなすに当たって、心がけて欲しい事が一つある」 たとえそれが酷であっても、俺たちが判断を間違える訳にはいかないんだから。 息を吸い込み、一息で告げる。 「……常に最悪の事態を考えて判断してくれ。 それこそ、……交渉相手が既にクリスを殺害していたり、あるいは人質にしていたりする可能性を、だ」 ◇ ◇ ◇ 「ちょっと、それ、……どういうことなの!?」 恭介が告げた言葉の内容に、私の感情は一気に昂る。 さすがに今のは聞いてヘラヘラしているわけにはいかない。 ……いや、分かっている。 充分ありえる事態だ。 だけどそれでも、感情は納得してくれない。 クリスが死ぬなんて事は考えたくない……! 「落ち着いてくれ、あくまで心掛けの話だ。 ……いいか、最悪の事態を想定していれば、少なくとも動揺を抑えることはできるんだ。 言い換えるなら、最悪さえ覚悟しておけば、それ以上悪い事態が起こる可能性はない」
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978 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:38:54 ID:nfU9o3N6 - 冷静なまま告げられたその言葉を聞いて、一気に頭が冷める。
――――そう、その通りだ。 何が起こっても冷静であるように努める。 動揺は付け入る隙だ、敵の前でそんな醜態を曝す訳には行かない。 今は目の前にいるのが味方と分かっている恭介だからまだいいんだけど、 実際の場で興奮すればろくなことにはならないはず。 恭介が言っているのはそうならない為の確認というわけか。 「……う、うん。それはそうだけど」 「あらためて言うが、俺たちは基本的に殺し合いにのっていない連中との情報交換を武器にする。 ……つまりだ。俺たちは、誰よりも殺し合いに乗っていない人間らしくする必要があるんだ。 そうでもしないと信用されない。 だから慎重に慎重を期す必要がある」 「……分かったわ」 考えてみれば当然の話。 相手がどんな『最悪』の手札を切ってきても、こちらが対抗する手段は物理的排除を除けば交渉しかないのだ。 交渉という駆け引きの場において動揺し、弱みを曝せば敗北するのは必至。 ……同時、私たちの武器である『情報』の信頼性を下げる訳にはいかないのも道理。 私たちの武器となる情報は、『私たちが殺し合いに乗っていない』からこそ信頼され、意味を成す。 私たち自身への信頼を失えば、武器の威力は激減する。 信頼を失わない為にも慎重な行動が必要とされる。 駆け引きにおける弱点を曝さない為。 そして、信頼を確保する為。
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980 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:40:02 ID:nfU9o3N6 - 常に最悪の想定をするのは、主にその二点が理由という訳か。
「ま、そういう訳だ。 これからの俺たちは、あくまで『殺し合いに乗っていない』人間の思考を元に行動する。 だけど、それをする前にいくつか決めておきたい事があるんだ」 「……慎重を期すという事は、緊急時の取り決めについてとか? あとはこれからの具体的な行動ね」 緊急時にパニックになってもやはり私たちのやり方にとっては致命的。 そして、これからの具体的な行動の案。 それらをあらかじめ決めておくことに異論はない。 恭介の言ったとおり、慎重を期すに越したことはないんだから。 「その通り。 あの会場で起こった異常事態のとおり、ここでは何が起こってもおかしくない。 ……だけど、必ずそこに介入するものが一つある」 介入するもの? あ、そうか。 たとえこれから何が起こっても、それは全てあの言峰とか神崎とかいう人の思惑の下にあるはず。 そして、それよりもっとミクロなやり取りでも変わらないものがある。 「……人間の意志、ね」 「そうだ。逆に言えば、起こる事全てに誰かの思惑が関わっている。 例えば、『偶然』流れ弾に当たって殺されるヤツがいたとしよう。 それでも弾を発射した人間は確かに存在するんだよ、どういう意図で発射したかは別にしてもな」 「……つまり、あらかじめ会場内の人間の思考を分類しておけば、緊急事態を引き起こされても対処できるって事?」
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983 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:41:45 ID:nfU9o3N6 - 私の言葉に恭介は頷き、腕を組む。
……その頭の中にはどれだけ展望があるのだろう。 人を引っ張っていく力に関しては、この人はたぶん相当なものがあるような気がする。 「ある程度は、だけどな。 だけど考えておくに越したことはないさ。 これから接触する人間を選ぶ上でも考えておくべきだろ?」 ……そうか。 あらかじめ思考の分類をしておけば、緊急時だけじゃなくて、実際に誰かとの交流の際にも流用できる。 殺し合いという異常な状況下。 そんな中で人間がどんな行動を取り得るかを考えておいて損はない。 思い当たって恭介を見てみれば、にやりと笑って机の上に出したメモ帳になにやらいろいろ書き込んでいってる。 「大雑把に分ければ、大体こんなとこだろ」 そして書き終えたメモには、こんなことが書かれていた。 『1.このゲームを否定し、積極的にゲームを破壊もしくは脱出をしようとする人物。 2.このゲームを否定するが、ゲームの脱出や破壊よりも人命の保護を優先する人物。 3.とりあえずは保身を考え、殺し合いにはのらない人物。 4.ゲームをどうこうするよりも、自身の信念や趣味、大切な人間を優先する人物。 5.そもそもゲームに興味がなかったり、理解力を持ち合わせていない人物』 ……参加者の分類。 その中でも、殺し合いに乗っていないと思われる人物の思考を分類したみたい。
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987 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:42:58 ID:nfU9o3N6 - 「ここまでが『ゲームに乗っていない人物』だ。基本的に俺達が交流するのはこの面子だな。
ちなみに、数字が少ないほど優先順位は上がる。 何か質問は?」 大体言いたい事はわかる。だけど、ちょっと聞いておきたい事もあるので素直に聞いておくことにしよう。 肝心なのは、分類することそのものではなくその後にどうするか、なんだし。 「……1と2の違いは? 分類する意味はあるの?」 「そうだな、一つづつ説明していこうか。 まず1に分類される人間たちは、殺し合いそのものをどうこうしようとしている訳だ。 ……言うまでもないが、殺人なんてしないに越したことはないんだ。 我ながら甘いと思うけどな……」 恭介はそこまで言うと、何か遠い眼をする。 ……甘い。 確かにそうかもしれない。 だけど、私もやはり出来れば殺したくなんてないし、クリスに誰かを殺させたくもない。 恭介の考えは、当然のものだ。 私は彼を擁護しようとして、……しかし口を噤むことにする。 それを言ってしまえば、覚悟に揺らぎが出そうな気がして。 そして、彼に余計な感情を抱いてしまいそうな気がして。 そんな私に気付いているのかいないのか、恭介はつらつらと言葉を連ねる。 ……本当に、この発想力というか思考の速さは素直に凄いと言える。 「何にせよ、できる限り脱出に近い人間に好印象を与えておくに越したことはない。 という訳で最優先接触対象だ。 偽の情報を与えるよりも、こいつらには本当の情報を与えておいた方がいいかもな。 場合や能力によりけりではあるが……」
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990 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:44:03 ID:nfU9o3N6 - ……結局明言はしなかったけど、恭介は多分できる事なら皆で脱出したいと思っているんだろう。
だけど、リアリストゆえにそんな可能性を斬って捨てている。 ……不器用だと思う。 何にせよ、私としても脱出の可能性の芽を潰すことに意味があるとは思えないので同意する。 ついでに、彼の言い分から推察できる事項を口にすることにした。 ……私が何も考えていないとは思われたくないし。 「なるほど。じゃあ、2の人間には偽の情報を与えるのね?」 「そういうことだな。 2の連中は場合によってはゲームに乗った人間を殺すのに躊躇わない奴もいるだろう。 そういった連中を減らすついでに、同士討ちさせるのを狙うんだ。 3の連中も似たようなもんだろ。 消極的な分、効果の程は期待できないけどな」 撹乱作戦のメインターゲットは、これら2・に分類される人間について。 それを把握し、次の分類の人間に目を通す。 4、5の人間たちはかなり癖のある人間たちだ。 いわゆるトリックスター的な動きをするかもしれないので、行動が読めない。 「……4や5は? かなり特殊な状況でしょう?」 「ま、それはそうなんだけどな。 それでも考えておくに越したことはないだろ。 4は……場合によるな。 利用できそうかできなさそうかで判断する。 5は論外だ。 接触するだけ時間の無駄だな」 無難だけど、現状それ以上詳しく対処を考えることも出来ないみたいだ。 むしろ対処を考えておくべきなのは、ゲームに乗った人間たちというわけか。
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993 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:45:16 ID:nfU9o3N6 - 「了解したわ。じゃあ、次はゲームに乗った人物よね。
この人たちは交流云々よりも、緊急時のマニュアルみたいな感じかな?」 私の言葉に頷きながら、しかし恭介は顔をしかめた。 ……確かに、危険性を考えれば遭遇しないに越したことはない。 だけど、 「そいつらの情報も得る必要はあるけど、出来る限り避けたくもある。 ……難しいな、そのさじ加減は」 そう、撹乱をするためには彼らの情報を得る必要がある。 他の参加者から情報を得られればいいけど、私たちが襲撃される可能性も高い。 どうにか生き残れればいいんだけど。 私がそんな事を考えている間に恭介はやはりペンを走らせていく。 『6.ゲームに乗り、誰かを優勝させる為に積極的に殺害を行う人物。 7.ゲームに乗ったが、優勝以外の何かに興味を示す人物。 8.ゲームに乗り、自身が優勝する為に積極的に殺害を行う人物。 9.ゲームに乗ったが、脱出組の中に潜んで暗躍する人物』 「大体こんなとこか。 さっきの通り、接触の優先順位は数字が少ないほど上。 まず、6に関しては……」 「私も大体分かってきたから、確認の意味で言わせてもらってもいい? ……何もしていないみたいで嫌だし」 さっきから恭介ばっかり喋っている気がする。 私としても、少しは使えるところを見せておきたいと思う。 私も、少しは力になれるのだから。
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996 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:46:15 ID:nfU9o3N6 - 「お? そうか、じゃあ言ってみろ」
「……6の人たちは多分、探している人たちがいるはず。 つまり交渉の余地がある。 奇襲でもされない限り、情報交換の余地はあるかな? 私たちは戦略上、人の情報を多く手に入れられるでしょうから……」 「ああ、ゲームに乗った連中の中でも扱いやすい面子だな。 尤も、情報だけ搾り取られて殺される、なんてことにならないようにしないといけないが」 恭介の肯定。 それに満足しながら、私は言葉を繋いでいく。 「……うん。 7も似たような理由で交渉は出来るけど、6に比べて確実性がないのが欠点よね。 8は問答無用だから交渉の余地なしって事かな」 7の優勝以外に興味があるっていうのは、実際ありえるどうかは考えにくいけど。 とりあえず、恭介の考えは考えておくに越したことはないってことだろう。 「そして、一番の問題が9。……俺達みたいな連中だ。 正直、ボロを出すまで手の打ち様がない。 ……だが、その分直接的な脅威は少ない。 言動や行動に注意すれば、見抜くことも不可能じゃないだろう」 「恭介、貴方が常に最悪を考えろと言った理由もそこにあるのよね」 確認を取ると、恭介は真面目な顔を更に引き締め肯定した。 私たちのような思考を持っているなら、やはり慎重を期すはず。 ジリ貧の戦いになりそうだと思う。 ……だけど、引く訳にはいかない。 クリスの命がかかってるんだから。
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998 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:47:13 ID:nfU9o3N6 - 「ああ。だから、とりあえず誰のどんな言葉でも深読みするくらいはしてくれ。
怪しいと思ったらすぐに相談しよう」 それは同意。 ……だけど、不安要素がある。 恭介と話し合うのは問題ない。信頼できるのは分かっている。 だけど、どこかの集団と合流した時に彼との会話の中の問題になりそうな言葉を聞かれたら。 「……でも、もし集団内でそう何度も話しかけていたら不自然に思われないかな。 それに会話の内容を万一聴かれでもしたら……」 ……信頼を失ってしまう可能性もある。 そうなれば、私たちの作戦は失敗に終わる。 対策を考えなければいけない。 考え込む私と恭介。 と、不意に恭介がぽんと手を売っていたずらっぽく笑う。 「……そう、だな。 ……お、そうだ。符丁でも使うか!」 「符丁?」 ……って、なに? 「簡単に言えば暗号みたいなもんだよ。 トラトラトラで我奇襲ニ成功セリ、みたいな感じでな。 要するに、他人には分からない俺達だけが意味の分かる言葉さ。 もちろん話の流れでおかしく感じられないようなのがいいな」 言うなり、恭介は顎に手を当てて考え込む。 数十秒経っただろうか、不意に手を打ち鳴らして何故か楽しそうに告げる。
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1000 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:48:20 ID:nfU9o3N6 - 「こんな感じでどうだ?
例えば、名簿の上から10番目の人を怪しいと思ったとする。 その場合はこう言うんだ。 『10分くらいなら待てますから』 ってな」 「えーと。 ……『分』が名簿で何番目の人かで、『待つ』が怪しいと思うってこと?」 「OK。呑み込みが早くて助かる。 そんな感じで時間と動詞の組み合わせで状況を伝えられるようにすれば怪しまれにくいはずだ。 どうだ、スパイごっこみたいで楽しいだろ」 玩具を見つけた子供のような恭介の笑い方。 まるで状況にそぐわないのに、何故か自然に感じられた。 ……本来の彼はそんな感じなんだろう。 こんな状況でなければ、彼は面倒見が良くて皆を楽しいことに引きずりまわすようなリーダーに収まるに違いない。 クリスとはまた違うマイペースさに、私は何となく苦笑してしまった。 「……男の子ってそうなのかな。 良く分からないよ」 「……あ、すまん。ちょっと空気読めてなかったか」 謝る彼に、気にしていないとばかりに手を振りながら私は同意してみせた。 「……ふふ、でも、何となくそんな気もするわね」 ◇ ◇ ◇
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9 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:49:24 ID:nfU9o3N6 - ◇ ◇ ◇
俺たちはしばらくいくつかの符丁を互いに考え、一通り揃った所で別の議題に移ることにした。 こればっかりに気を取られる訳にも行かないしな。 「……ま、こんなとこか」 「そうね、とりあえずこれだけあれば用は足せそうだけど。 ……でも、これはバレない様にする為の工作でしょう? 万一が起こった後の事も考えておかないといけないと思うな」 そう、その必要もある。 とはいえ、だ。 「……まあ、そうなったら俺達にできることなんて殆どないけどな」 所詮、俺たちは一般人だ。 せいぜいできることといったら、襲撃時に即座に安全圏まで逃走するくらいだろう。 「そうよね……。 一応、今のところの私たちにとって何かが起こるとしたら、二人がバラバラになることくらい? 考えたくないけど、どっちかが死んじゃったりしたらもう一方が自分の目的を果たすだけだし。 あとは、どっちかが怪我を負って動けなくなるとか……」 「……もし俺が動けなくなったら遠慮なく見捨ててくれ。 出来れば理樹や鈴の保護を頼みたいけど、さすがにそこまで迷惑はかけられないしな」 ……トルタにはトルタの、クリスを救うという目的がある。 後を託すなんて事は期待できない。 ……だからこそ、俺は万全で事に臨まなければならない。 いざという時に俺が頼れるのは、……俺だけなんだから。
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12 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:50:44 ID:nfU9o3N6 - そう考えていた時、不意にトルタが話しかけてくる。
「……私が動けなくなったら? 貴方はどうする?」 成程な。 ……これは取引、……いや、保険、か? どちらかが動けなくなった時への対策か。 あらかじめ協定を交わしておくつもりだろうか。 まあ、俺の答えは決まっている。 「さあ、な。出来れば協力したいけど、状況による。 ……ただ、怨まれても仕方ない選択はするかもしれない。 それは覚悟してくれ」 トルタは有能だ。 ……それ故に、命が大切とか言うつもりは今更ないが、できる限り見捨てたくはない。 考察において意見交換できる相手を失わないように努めるのは道理だろう。 ……しかし、そういう割り切りとは別の思考が脳裏に存在する。 やはり俺はトルタの事が気に入ってるんだろう。 それを否定するつもりはない。 もちろんそんな言葉は口にしない。 トルタがいざという時俺を見捨てられるようにする為だ。 だが。 「……じゃあ、私もそうするわ。 状況次第では見捨てずに協力する。 貴方の言ってるのはそういうことでしょう?」 「……まあ、そうだな」
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16 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:51:53 ID:nfU9o3N6 - 思いもよらぬ返事に何となく照れ臭くなって鼻をかく。
……まったく、調子が崩れるな。 とにかく話題を切り替えよう。 話を先に進めることに越したことはない。 「……で、何らかの状況でバラバラになった場合、出来ればどこかに集合したいと思うんだが」 襲撃時にバラバラに逃げれば追跡者を交わせる可能性も上がる。 集合場所を決めておけば、後々別の機会でも役に立つこともあるかもしれないしな。 「異論はないわ。私としても、協力者がいるに越したことないのは充分に分かったし。 ……そうなると、どこか目印になる場所が必要よね。 この地図の施設のどこかにする?」 「……いや、それはまずい。 地図の上の施設は目立ちすぎる。 危険な連中が襲撃をかけるにはもってこいだ。 一つ案があるんだ、聞いてくれるか?」 あからさまに目立つ施設はそれだけで居場所を知らせているようなものだ。 探索程度ならともかく、緊急時の避難場所には適さないだろう。 こうした集合場所は、地図上では分からないが、しかし分かりやすい所が望ましい。 考え、一つの案を思いつく。 ……俺たちの今後の行動範囲や交通の便を考えると、この案はかなり安全かつ使いやすいはずだ。 「……地図を見る限り、この会場には列車が走っている。 それを目印にしよう」 「駅で待ち合わせってこと? それも目立つんじゃないかな」
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19 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:52:53 ID:nfU9o3N6 - その通りだトルタ。駅は列車を利用しようとする人間が集まる。
だからこそ情報交換にはもってこいだが、しかし緊急時の退避場所には不向きだ。 必ず、そこに襲撃をかけようと考える人間も出てくるだろう。 そこで、こうだ。 「ああ。だからそれはない。 ……仮にはぐれた場合、はぐれた地点の最寄の線路に沿って歩き続けるんだ。 駅についたらそこから引き返す。 そうすれば、はぐれた地点近辺の路線上のどこかで会える筈だ。 もし禁止エリアにその区域が指定された場合は北回りで迂回。 あ、B-7からF-7に関しては東回りな。北回りは出来ないし」 つまり、だ。 この会場内にある駅を左からそれぞれA、B、C、Dと振ることにする。 A〜B区間近辺ではぐれた場合はAとBの間を往復し続ける。B〜C区間近辺ならBとCの間を。 こうすれば集合場所は特定されずに邂逅することが可能になる訳だ。 「後で詳しく言うけど、俺は基本的に列車の沿線を行動範囲にしようと考えている。 これならその範囲からもさほど離れていないし、問題なく合流できるだろ」 「……行動範囲云々はともかくとして。よくそんなにアイデアが湧くわね、恭介」 「はは、ま、いろんなムチャやってきたからな。 トルタもしかし良くついてこられるぜ、バスターズに勧誘したいくらいだよ」 まあ、俺が生きていたのなら……な。 今の俺は幽霊みたいなもんだ。 死の間際であの二人を生かすためだけにどうにか踏ん張っているだけの存在でしかない。 ……この事実を言う必要はないか。 余計な情報を与えれば、彼女の思考にも乱れが発生する。 色々な意味でそれは好ましくない。
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22 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:54:03 ID:nfU9o3N6 - 「……恭介の仲間なら確かに会ってみたいかな」
……仲間か。 もう、俺を受け入れてくれるかどうかは微妙だな。 特に謙吾は俺を許さないだろう。 後戻りは、出来ないんだ。 ……だから。 「俺も、クリスって奴に会ってみたいよ。トルタの大切な奴ならな」 せめて、トルタが大切な仲間に受け入れられるところを見たいとは思う。 たとえ後々、理樹たちを優勝させる為に俺が彼女たちを手にかけることになったとしても。
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27 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:55:00 ID:nfU9o3N6 - 「……で、会ったときにも一応念を入れることにしよう。
合言葉を決めておくか。 ……もしかしたら、変装に長けていたり、他人に化けるような奴。 それに、人を操るような能力や支給品を持った連中もいるかもしれない」 「まさか、それは考えすぎじゃないの?」 ああ、そうは思うがな。 ……やはり、念を入れておくに越したことはないさ。 『あの世界』では俺も猫や人を操ることができた。 ここでそんな事が起こりえないということはないはずだ。 トルタに言っても理解はされないだろうけどな。 「言ったぜ。慎重を期すに越したことはないんだ。 第一この状況がありえないはずなんだぞ。 どんな事態を想定しても損はしない、断言する」 「…………そう、ね」 「合言葉はこうだ。 『お互いの元来た場所での知り合い全員の名前』 俺はクリス達を。お前は理樹達の名前を言ってくれ」 俺たちがともに行動していることを知り、つけ込もうとしても完全に交友関係を把握するのは難しいだろう。 それが本人の交友関係でないなら尚更だ。 単に操られるだけならそんな事を知りえない。 記憶まで読み取られるなら話は別だが、そんなのにはさすがに対処しようがないので考えても意味はない。 「ええ、分かったわ」
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29 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:56:04 ID:nfU9o3N6 - いい返事だ。
……一番いいのは、こんな合言葉を使う事態が訪れないことなんだがな。 とにかく備えておくに越したことはない。 「……じゃあ、緊急時の対策も考えた所でこれからの具体的な行動に移ろう。 この辺りの施設から現在位置は把握してるよな?」 喫茶店の中からそちらの方を向く。 中世風の町並みに似合わないレールは間違いなく線路だ。 これは非常に重要なポイントだろう。 線路が通れる程度に整地されている道なら、各所への交通の便もいいはずだ。 ここを押さえれば、他の参加者との交流もしやすくなる。 「駅、よね。 どうやら終点みたいだったから、周りの地形から判断するにF-2かな、私たちがいるのは。 ……そう言えば、さっき駅に向かわなかったのはやっぱり安全確保のため?」 「そうだ。 ……列車を使うのは危ない。目立つし、何よりも逃げ場がないからな。 車両ごと爆破されたらまずやられる。 内部での銃撃戦なんか起こったらどうしようもない。 そんな危険な橋は渡れないさ」 離れた区間を高速移動できるのは確かに魅力ではあるが……。 やはり、それを差し引いてもリスクが高すぎる。 列車で移動するというのは禁止エリアから即座に離脱する場合でもない限り避けるべきだろう。 だが、しかし。 「……でも、逆に人が集まる証拠なんじゃないの? 使わない手はないと思うわ」
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33 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:57:07 ID:nfU9o3N6 - 分かっている。交流を考えれば、列車に乗ろうと集まってくる人間を無視するのは勿体ない。
そこで俺のアイデアを用いるという訳だ。 「そう、それでなんだが……、さっき言った緊急時の集合方法は覚えてるよな?」 「線路沿いに歩いて駅で引き返すのよね? ……あ、そうか」 「ああ。緊急時だけでなく、これからの行動も基本的に電車の線路沿いに歩く。 線路が通っているという事は、それだけ地面が整備されてるってことだ。 逃げ道も作りやすい」 また、駅に向かおうとする参加者と接触も出来るだろう。 実際に駅に着いた場合は、ホームで列車を待つ参加者と情報交換だけしてその場を離れればいい。 基本的に徒歩の方が色々できるしな。 「……終点についた場合は? その後の行動はどうするの?」 「引き返す。終点となる2つの駅の間をひたすら行ったり来たりするんだ。 ……地形を完全に把握する。 地の利ほど便利なものはない。 列車の沿線全てを俺達のテリトリーにするって事だな」 地形というのは上手く利用すればこの上ない防壁になってくれる。 熟知しておけば、襲撃者を撒くことも難しくはない。 ただ、こうして行動範囲を限定した場合に問題となる事項は確かにある。 「電車の通っていない地域にいる人たちとの交流はどうするの? もしかしたら、……そのどこかにクリスや理樹くん達がいるかもしれない」 ――――それ以外の場所に誰がいて、何をしているかは把握できないということだ。 しかし、これは実の所大した問題じゃない。
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34 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:58:07 ID:nfU9o3N6 - 「おいおい、相手が人間って事を忘れてるだろ。
あいつらだって動く。 その過程で他の連中と交流するはずだ。 だから、その中の誰かが列車の沿線まで移動するかもしれない」 つまり、ここでも情報を武器にするわけだ。 はぐれた仲間を探す際において、一番間抜けなのは互いに動き続けることで行き違うことだろう。 こちらの行動範囲をあらかじめ限定しておくことで、向こうがあらぬ所へいってしまうことも防げる。 「無目的にあちこち回るよりも、こちらが電車の沿線にいるという情報を信頼できる奴に伝言すればいいんだよ。 合流できる可能性も高まるしな。 ……どっか一所に篭城でもしていない限りはだけどな」 「……その場合はある程度まで生き延びてくれる可能性は高いよね。 それを考慮すると、私としては探しに行きたい所だけど……」 ……気持ちは分かる。 ただ、向こうもおそらくこちらを探して動くだろう。 こっちが理樹や鈴、クリスたちがいるという情報を聞いてそこに向かったとき、 奴らが俺たちがいるという場所に向かった後だったりしたらそれこそお笑いだ。 「……何にせよ、不用意にうろついて行き違いになるよりは確実性が高いと思うぜ? こっちの行動範囲を限定しておいて、あっちにその情報が伝わるのを期待しよう」 「そう、ね。 ……理に適ってはいるけど。とりあえず、私もそれで構わないわ」 ……ふう。 さて、前準備の最後の大仕事だ。 ……これをトルタに納得してもらわないと、いざという時にまずいことになる。 俺たちの方針を、根本から揺るがしかねない。
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37 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 22:59:13 ID:nfU9o3N6 - 「よし、じゃあ、あと俺からの提案は一つだ」
「最後に回したって事はかなり重要な事項かしら? ……大体予想はつくけど」 「……何?」 「大方、この殺し合いからの脱出や、首輪についても真剣に考えるってあたりかな?」 ――――驚いた。 いや、それに思い当たってもおかしくないか。 ……情報は武器だ。 それは人間に関してだけじゃない。 このゲームそのものに関する情報も、充分交渉に使えるのは間違いないことなんだから。 「……ああ、その通りだ。 もちろん俺たちの行動方針に代わりはない。 だけど、それに箔付けをしておくにこしたことはないからな。 こちらがそういったことに関して有用な情報や考察を持っていれば、 主催連中に対抗しようとする奴らとの交渉材料にはなるはずだ」 「うん、それは私も考えてた。 そういうのを考えるポーズだけでも信頼させる効果はあるだろうけど、 実際にその手の情報を持っているなら十分カードとして使えるよね」 そこまで分かっているなら話は早いな。 とりあえず、それに加えて俺が考えうる一つの可能性についても触れておきたいが……。 迂闊に話せることじゃない。 ……なら、こうすべきだな。 俺はメモに一つの言葉を殴り書く。
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39 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:00:15 ID:nfU9o3N6 - 『何らかの手段で俺たちは監視されている可能性が高い。
盗聴を警戒して、俺が懸念していることを筆談で伝えたい』 書きながらトルタの顔を窺ってみれば、真面目な顔つきで頷いてくれている。 監視の可能性は彼女に説明しなくても分かるだろう。 カメラらしきものは見当たらないが、首輪に盗聴器が仕込まれている可能性は充分ある。 もしかしたらどこかからカメラで監視されている可能性もあるが、監視対策には盗聴に備えるくらいしか現状は出来ないだろう。 「ああ。使える手段は妥協せずに全て使っていこう。 たとえそれが理樹や鈴、クリスを優勝させるという目的とは反対の方向の考えだとしても、 それを考える事が無駄というわけじゃない。 敵を知り、己を知れば百戦危うからず。 俺達が騙す相手の思考についても熟知する必要がある」 言いながら、俺はどんどん懸念を紙に書き連ねていく。 『俺の最大の懸念は、主催連中が約束を守らない可能性だ。 理樹や鈴、クリス。一人だけ生き残ったとして、連中がそいつを生きて返す保証がない。 そうなった場合、俺たちが邪魔な連中を排除しても結局は意味がないだろう』 目を見開き、驚きながらもトルタは声色だけは平常を保ったままで口頭での会話に返答する。 ……たいしたもんだ。 「……そして、もし運がよければ。 本当に運がよければの話だけど、クリスと私、皆で脱出出来る可能性も……?」 『もちろん危険な連中を排除する方針は変えるつもりはない。 同士討ちを狙うのも変わらずだ。 少なくとも、優勝させた場合にあいつらを生きて返せる可能性がまだあるのは事実だからな』
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43 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:01:24 ID:nfU9o3N6 - トルタの言葉に頷きながら、俺はどんどんとメモに言葉を連ねていく。
……そう。 そもそも、この殺し合いについては分からないことが多すぎる。 主催連中に関しても疑ってかかって然るべきだ。 少なくとも何十人もが殺し合わされ、武器を持たされている。 反抗を抑えるために何らかの手段で監視されているのはほぼ確実だろう。 『とにかく、今は分からないことが多すぎる。 俺が首輪や脱出について真剣に考えるのも、確実に理樹たちを生きて返せる保証が欲しいからだ。 場合によっては、どんなに望みが薄くても主催連中を倒すことを目的に据える必要があるだろう。 優勝させても結局は殺される、なんて展開にさせないためにもな』 「ま、それは希望的観測だな。 俺達のスタンスはあくまで同士討ちさせるのを狙うことだ。 それを忘れちゃいけないぞ」 トルタは『主催連中の言動の信憑性』に疑いを持ってくれたようだ。 両拳を握って、何度も頷いてくれている。 ……そう、それでいい。 今はとにかく考えて考えて考えよう。 非力な俺たちにできる事はそれくらいしかない。 『とりあえず考察したいのは、主催連中の目的だな。 それさえ分かれば交渉の余地があるかもしれない。道中それについて考察していこう。 何より、だ。 お前の言った通り、皆で脱出できるならそれが一番だよ。 心の底からそう思う』
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44 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:02:37 ID:nfU9o3N6 - それだけを書いて、ペンに蓋をする。
これで俺の作戦の下準備はおしまいだ。 ありとあらゆる手段を使って、確実に理樹達の安全を確保する。 これが、俺の選択だ。 トルタを見れば、目をつぶって何かを考えている。 わずか数秒。 それだけの間だが、やけに長く感じた時間の思考を持って、トルタは返事をしてくれた。 「うん、分かってる。 ……私は、全てクリスの為に行動する。それを忘れた訳じゃないよ」 俺の作戦に同意する、その決断を。 そして、トルタは俺の方に手を差し出してくる。 これは2回目の握手。 つまり、俺のけったいな作戦を聞いてもなお、俺の仲間として行動してくれるというその証拠だ。 手と手を取り、ゆっくりと振る。 ……小さい手だと、そう思った。 「……ああ、それでいい。それじゃ俺の話はおしまいだ。 トルタ、お前は何かあるか?」 ここまでずっと俺が喋りっぱなしだったが、トルタにもトルタで考えていたことがあるだろう。 案を聞いて、もし使えるものがあるなら有効活用したいところだ。 「……うん。ずっと考えてたんだけど、恭介の言葉で踏ん切りがついたわ。 確かに使える手段なら使った方がいいわよね」
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47 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:03:49 ID:nfU9o3N6 - 「お? 何だ、俺に出来ることなら俺はやるぜ。
その覚悟はとうに出来てる。 ……あの事故の後からずっと、な」 うん、と軽く頷くトルタ。 その口から出てくる案を、俺はどんなものが出てくるかと色々考えながら聞いていたのだが――――、 「……恭介。私と、恋人ということになってくれない?」 「……は?」 その答えは、一瞬頭の中のどの案とも結びついてはくれなかった。 ◇ ◇ ◇ 「……後々、有力な集団に合流する可能性を考えると、やっぱり二人きりになっても怪しまれない口実が欲しいと思うの。 恋人に無理があるなら、そうね、……私が恭介に好意を抱いていて、恭介もそれに気付いている、……あたりの設定でどうかな」 私が考えていたのは、後々集団に合流した時に怪しまれずに恭介と会話できる手段についてだった。 例えば、理樹や鈴という恭介の探し人や、――――クリスと合流した際。 彼らよりも親しそうに私と恭介が会話をしていたら、不自然に思われないかと考えたのだ。 彼らに私たちが殺し合いを肯定していることを知られる訳にはいかない。 かといって、協力者である恭介との議論の機会を失う訳にもいかないと思う。 そうでなくとも集団の中で何度も二人で話していたら目を付けられないだろうか。 だとしたら、そういう行動をしても不自然に見えない関係だと周りに思わせる必要がある。
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49 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:04:51 ID:nfU9o3N6 - 「あ、ああ、そういう意味か……。
そうだよな、驚いたぜ。 ……トルタがそれでいいって言うなら、確かに有効な手段ではあるな……」 恭介の言葉に、ちくりと胸が痛む。 クリスの顔を思い浮かべてしまった。 ……馬鹿よね。クリスは姉さんと共にいるべきなのに。 それでも、私は彼のために何かをしたいと思う。 恭介の言葉の通り、彼の為ならば自分のできる手段全てを行使すべきだ。 ……だから、この提案を……恭介との関係を偽装することに躊躇いはない。 元々、私は嘘つきだ。 ……たとえ。 たとえ、クリスに私が恭介に好意を抱いていると思われようと。 彼のために、何でもすると決めたんだから。 無理に笑顔を作って、恭介に笑いかける。 何にせよ、彼が承諾してくれないことにはこの案は却下だ。 「やっぱり問題ある? あ、もしかして彼女さんがいるから良心が咎めるとか?」 「いや、別にそんな事はないんだが。 ……話がズレそうだな。 まあ、端的に言えば、理由もなくそんな事をしたらかえって知り合いに不審に思われないかって辺りなんだが……」
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50 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:05:56 ID:nfU9o3N6 - ――――そういえば。
恭介は、自分の事を語ろうとしない。 彼に迷惑がかかるかもと思ったけど、そう言えば私は彼の仲間についての情報を聞いただけだ。 彼がどう思うのか、判断しようがない。 不思議と私が共感できる恭介。 ……彼も同じく、大切な誰かに全て尽くそうとしているみたいだけど。 何故そうするのか、その理由が少しだけ気になった。 「この会場に来て、謎の襲撃者に襲われていた所を助けてもらった、……なんてどうかな。 いわゆるつり橋効果っていうベタな理由だけど確かめようはないし、充分ありえる事態でもあるわ」 ……まあ、答えてくれるかどうかも分からないから別に聞かない。 代わりに、不審に思われないための適当な理由を丁稚あげておくことにする。 そもそも、彼とはいずれ敵対するかもしれないのだ。 入れ込む必要なんて、きっと、ない。 「……OK、それでいこう。 だけど本当にいいのか? お前の感情に反するなら別にそこまでする必要も……」 「あら、心配してくれるの?」 ……ただ、私が分かることがある。 それは、本来の彼がきっといい人だってことと、 「ばっ……違う! 下手にボロを出して怪しまれる訳にはいかないと思っただけだ!」 ……存外、子供っぽいということだ。 「安心して。 ……自分を殺して、嘘をつくのには自信があるわ。 大丈夫、演技し通してみせるわよ」
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54 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:08:13 ID:nfU9o3N6 - そう、だから私は少しは気が楽になれる。
……少なくとも、この人は敵ではないのだから。 今は、まだ。 「……そうか。 分かった。じゃあ頼んだぞ、トルタ」 「うん、任せてちょうだい。 ……あ、それで今ひとつ思いついたんだけど」 何でもない思いつき。 だけど、もしかしたら有効かもしれないので一応提案しておくことにしよう。 「今度は何だ? ……あまり突飛なのは避けてくれよ」 「……馬鹿ね、私だって今の提案は度胸が必要だったんだから、そんな突飛とか言わないでよ」 ……全く。 私も、何も思わないというわけではないんだから。 何にせよそれは置いておこう。 今度の提案も、相手を騙すという点においては同じなのだ。 「今度のは、襲撃されたって理由を作るなら怪我をしたふりをしたらどうかって事。 信憑性も増すし、いざという時の不意打ちに使えると思うわ」 騙まし討ちにはもってこいだと思うのだけど、どうだろうか? 手を尽くすに越したことはないのだし。
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57 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:09:28 ID:nfU9o3N6 - 「……いい案だな。だけど、却下させてくれ」
……え? どういうこと……? 「どうして? 使える手段は使うといったのは貴方じゃない」 彼ならそういう手も使いそうだと思ったんだけど。 何となく苛立ちが湧いてくる。 そんな必要はないはずなのに。 ……私、冷静に。 何か問題があるなら別におかしくはないんだから。 「いいか? 恋人のふりをするのとは訳が違うぞ。 そういう『関係』みたいな確かめようのないものとは違って、怪我ってものは実際確かめられるものだ。 ……もし『実は怪我をしていない』なんて事実が知られたら、俺達への信頼は瓦解する。 少なくとも、疑心を植えつけてしまうだろうな」 「あ……」 ……それは、確かに。 ――――慎重さに欠けていた。それを実感する。 「確かに有効ではあるんだが、リスクが高すぎる。 情報を武器にする俺たちにとって、最も重視すべきなのが他者からの信頼だ。 策に溺れる可能性よりも、慎重を期すスタンスを重視したい」
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59 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:10:30 ID:nfU9o3N6 - 確かに策に溺れる結果になるかもしれない。
彼の言うとおり、あくまで私たちが細い綱の上にいる事を戒めなければいけないだろう。 「……ごめん、軽率だったかな」 「いや、そんな事はないさ。 少なくとも、俺の話について来て、尚且つ案を出してくれるトルタは優秀なパートナーだよ。 俺一人じゃ思いつかない作戦だっていっぱいある。 頼りにしてるぜ」 ……言われた言葉が何となく気恥ずかしい。 それを誤魔化すように、とにかく別の話題に摩り替える。 「お世辞を言っても何もでないよ。 ……私も最後にもう一つ」 ……恭介と同じく、最後の情報はもしかしたら重要かもしれないことについて。 今度は、支給されたものを見ていて気付いた一つの違和感について彼に話そう。 何か得られるものがあるかもしれない。 「……とっておきの情報か」 「ええ。……ねえ、恭介。 この地図にある施設だけど、なんでわざわざそんなのが書かれてるんだと思う?」 ――――私が気になったのは、地図に幾つも書かれた施設の存在だった。 何故これらの施設だけが地図に記載されているのか。 ……それは、多分何らかの意味があるのではないかと思ったのだ。 「え? ……移動の目印に、じゃないのか?」
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61 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:11:50 ID:nfU9o3N6 - 「それも確かにそうだと思う。
だけど、それにしても不自然だと思うの。 例えば廃屋なんて他にも幾つでもありそうなものなのに、 この廃屋だけ地図に書かれているのは不自然よ」 他にもいくつか不自然な点がある。 これだけの広さの会場なのに、学校や病院が一箇所しか記載されていないのもおかしい。 と、いうことは、つまり。 「――――言われてみればそうだな。 ……そうか、そういうことか」 「……うん。 確実ではないけど、こういった地図上の施設に何か隠されている可能性は充分あると思う。 それが何かは分からないけど、殺し合いを促進するようなものがあってもおかしくないわ。 上手く使えば有利に事を進められるはずよ」 もちろん、あくまで可能性。 確実にあるというわけではないし、トラップの可能性もある。 ……でも、少なくともそれらの施設に人が集まってくる可能性を考えれば――――、 「行ってみる価値はある、か。 ……他の参加者と交流できる可能性もあるしな。 とりあえず俺たちの行動範囲を考えると……、 電車の沿線近くにある施設を探索してみるのがいいだろうな」 「そういうこと。 ……他に何かある? 恭介」
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64 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:12:54 ID:nfU9o3N6 - いや、と首を横に振って恭介はゆっくりと立ち上がる。
私が最後といった以上、とりあえず実際に動く前に考えられる事は考えつくしたということだろう。 異論はない、後は行動あるのみだ。 恭介が気合を入れるようにガッツポーズをする。 「じゃあ、ここからは俺たちは『殺し合いに乗っていない』人間だ。 行くぞ、トルタ。必ずこのゲームから脱出してみせるんだ!」 わざとらしく、『脱出』を目指す人間になりきってみせる恭介。 苦笑しながらもそれに頷こうとして――――、不意に思い出す。 「あ、ちょっと待って」 「っとと、……どうした? トルタ」 ……なんというポカ。 私も恭介も気付かないというのは、お互いどれだけ考えに没頭していたのかという点で笑えてくる。 「話し込んでてすっかり忘れてたけど、お互いの支給品の確認をしましょう? というより、こんな肝心なことを済ませていない現状の方が驚きだけど……」 「…………あ、そういえばそうだな。 いや、そんな当たり前なことはとっくにやってたような気になっててな、はは」 頭をかく恭介に、私も何となく頬が緩むのを抑えられなかった。 この人でも抜けている所があるんだということを知って、少し安心したのかもしれない。 やっぱり、この人も人間なんだと。 「ふふ、とりあえず早めに済ませないかな? 何か使えるものがあるならそれに越したことはないし」
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67 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:14:20 ID:nfU9o3N6 - ……で。
お互いの支給品の確認した後、何故かこんな事態になっています。 「いぃーやっほーぅ! ゴーアヘッド! 行け行けぇ!」 「……恭介、まるで子供みたい」 さっきから私たちの上空を飛び回る物体。 恭介の手にあるのは、黒い四角い箱。 私に支給されたそれは、恭介が言うに『ラジコンヘリ』というものらしい。 ……のだが、恭介はそれを見た途端目を輝かせて子供のように飛ばしまくって遊び始めた。 こんなことやっている暇はないだろうにと思うけど、あんな楽しそうな姿を見ると怒るに怒れない。 彼曰く、自分の持っていた『デジタルカメラ』と組み合わせれば、偵察にとても有効らしい。 確かに空から相手を確認できるのは便利そうだけど……。 練習とは言ってるけど、それでもやっぱり、どう見てもアレは遊んでいるとしか思えない。 軽く溜息をついて恭介の下に歩み寄ろうとしたその時、こちらを振り向くといきなり彼は言い放った。 「トルタ、やらないか」 「ぶっ」 「どうした、ラジコンだぞ?」 「え、あ……、そう、よね。うん」 い、いきなり何を言い出すかと思ったら。 ……確かに状況からすればそれしかないけど、もう少し言い様があるでしょうに。
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69 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:15:20 ID:nfU9o3N6 - そんな文句を言おうと思ったけど、彼の表情がとても楽しそうに見えたので――――、
私は何も言えなくなってしまった。 「ああ、すげぇ面白いぞ? それに後で使うかもしれないしな」 「……そうね、偵察に使うなら慣れておいたほうが良さそうだし」 本当に子供のような笑顔。 生返事をしながらそれを見て、思う。 ……彼は、楽しそうにしているのが良く似合う。 恭介からプロポという機械を渡してもらいつつ、私もいつの間にか、言っていた。 笑いながら。 「……うん、楽しそうだと思うわ、恭介」 【F-2/駅前広場/1日目/黎明】
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71 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:16:19 ID:nfU9o3N6 - 【2人の共通方針】
0:電車の沿線を行動範囲に、線路近郊の施設を探索。 1:他の対主催のメンバーと接触。 2:そこから情報を得る。 3:自分に危害が出ないように、相手のプロファイリングを元に他の対主催の悪評、もしくは真実を伝える。 4:十分な情報を得たらそのメンバーと別れる。もし理樹、クリスがいるメンバーなら合流。その後隠れながら邪魔な対主催メンバーを排除。 5:もし中々合流できない場合、もっとも安全だと思われるチームに合流。(戦力の面で、信頼関係も含め) 6:序盤は積極的には人を殺さない。基本同士討ちを狙う。情報最優先。終盤は対主催の中心になりなるべくマーダー排除。のち疲労した対主催から狙う。 7:最悪クリス、理樹、鈴がどちらかが死亡した場合は片方のサポートに徹する。両方死亡した場合は互いに優勝を狙う。二人になった場合一騎打ち。 8:ただし完璧に脱出ができる状況になったらそのまま対主催に変更。 9:また、主催の動向や信憑性次第でも対主催に変更。 10:列車の沿線を行動範囲にしていることを信頼できる人間に託し、理樹、鈴、クリスに伝えてもらう。 11:脱出や首輪、主催者の目的についても真剣に考察する。
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73 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:17:32 ID:nfU9o3N6 - 【棗恭介@リトルバスターズ!】
【装備】SIG SAUER P226(15/15)@現実、ラジコンヘリ@現実 【所持品:SIG SAUER P226の予備弾45@現実、デジタルカメラ@リトルバスターズ! 【状態】:健康 【思考・行動】 基本方針:共通方針の通りに行動し理樹、鈴を優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。 0:ワルキューレの騎行を流したい気分だぜ! 1:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。 2:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪についてトルタと考察する。 3:トルタの過去に興味。 4:『トルタの好意に気付いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。 5:できる限りトルタを見捨てない。 6:道中の地形を把握する。 【備考】: ※トルタを信頼し、共感を抱いてます。 ※トルタとの間に符丁をいくつか作りました。 『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。 (『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。 『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です) ※トルタとはぐれた場合の合言葉は『トルタの知り合い全員の名前』です。 ※参戦時期は鈴ルートの謙吾との野球対決後、リフレイン以前です。 故に、リトルバスターズメンバー、特に謙吾に申し訳なさを感じています。
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74 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:18:35 ID:nfU9o3N6 - 【トルティニタ=フィーネ@シンフォニック=レイン】
【装備】:Sturm Ruger GP100(6/6)@現実 【所持品】:Sturm Ruger GP100の予備弾36@現実、不明支給品×1(本人、恭介が確認済み) 【状態】:健康 【思考・行動】 基本方針:共通方針の通りに行動し、クリスを優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。 0:……まあ、悪くはないかな? 1:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。 2:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪について恭介と考察する。 3:恭介の過去に興味。 4:『恭介に好意を抱いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。 5:できる限り恭介を見捨てない。 6:道中の地形を把握する。 【備考】: ※恭介を信頼し、共感してます。 ※恭介との間に符丁をいくつか作りました。 『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。 (『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。 『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です) ※恭介とはぐれた場合の合言葉は『恭介の知り合い全員の名前』です。 ※登場時期はアルルートのアルが復活した頃です。
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76 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:19:48 ID:nfU9o3N6 - 【デジタルカメラ@リトルバスターズ!】
多機能なデジタルカメラ。SDメモリーカードはメイン+サブの二枚。 静止画を撮影できる他、動画も撮影可能。 附属のSDメモリーカードの容量の関係で、連続撮影可能時間は1回当たりおよそ30分。 デジタルカメラだけでは動画分割機能はないため、一度動画を撮影した後は その動画データを全て消去しないと新たな撮影は出来ない。 PCを利用すれば動画を別媒体に保存可能。 また、本体のメモリに何らかの画像データがいくつか保存されている。 【ラジコンヘリ@現実】 プロポとラジコンヘリのセット。 初心者にも簡単に操縦できるマニュアルつき。 ちなみに機種名はUH-1。 かの地獄の黙示録に登場した機体である。
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77 : ◆wYjszMXgAo [sage]:2008/03/27(木) 23:22:14 ID:nfU9o3N6 - 投下終了です。
タイトルはこなたよりかなたまでOP imaginary affairの一節より 『降り止まない雨などここにはないから』 分割点は >>22と>>27の間です。
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