- 芋な女子中学生が好き13
700 :神[]:2011/12/06(火) 02:02:52.27 ID:cx+eN7Gk0 - 《小説》 転校生の受難
第2部:引越の日 (通し−第29話) “芋窪中学校・・・芋窪中学校・・・芋窪中学校・・・” 祐美は頭の中で、何度も何度も父親から告げられた学校名が反響する。 そしてその反響は、次第に言葉で言い表せない恥ずかしさへと変わっていった。 あまりにもドンくさい校名・・ 「やだよ、パパ! あたしA中学校の方がいい。」 「そうは言ってもなぁ。教育委員会にもかけ合ったんだが、特別な事情がない限り 越境通学は認められんとのことだ。」 「イヤだよ、ぜったいにヤダ!」 祐美は懸命に反論する。 “芋窪中学校……、ダサすぎる。校名言っただけで東京の亜紀たちに思いっきり 笑われちゃうよ……。” だが父親は平然としたものだった。一度切り出してしまったので、気持ちが楽に なったのだろう。 「祐美、そう騒ぐな。それに悪いことばかしじゃないんだぞ。芋窪中学校はな、 S市の中でも最も非行も少なくレベルの高い学校らしい。」 だが、そんなことは祐美にとってどうでもいいことであった。校名のイメージだけ で祐美は幻滅してしまった。だが行政の建て前で、異なる学区への越境は認められ ないとなると、さすがの祐美も諦めざるを得ない。 “あ〜ぁ、まいっちゃたな ……” 心の中でつぶやいた瞬間だった。 “そうだっ、制服は?……” 祐美はハッとした。
|
- 芋な女子中学生が好き13
701 :神[]:2011/12/06(火) 02:04:21.62 ID:cx+eN7Gk0 - 《小説》 転校生の受難
第2部:引越の日 (通し−第30話) 「パパ…、制服は? 制服はA中と一緒だよね。」 「なんだ、何を言うかと思ったら…。公立中学だから、市内の学校は大体おなじ はずだろ。」 父親はよく考えもせずに、祐美の質問を適当にかわした。いや、実のところは娘の 着る制服のことなど、どうでもよかったのだ。それでなくとも父親は住まいのトラ ブルで、この二日間ほど奔走していた。娘の制服の購入など細々したことは、すべて 母親にまかせきりだ。ましてや娘の制服のデザインなど知るよしもない。 だが、祐美は父のその言葉にホッと安心感をとり戻した。 “そうだよね。同じ市内で制服が学校で変わったりするわけないよね。” 確か祐美が住んでいた東京区内の公立中学校も、制服のデザインはみな同じだった。 理由として学校間の不公平感を取りのぞくため、と聞いたことがある。 いずれにせよ、もう新しい制服が引っ越し先に届いているはずだ。家に着けばわかる ことではないか。 祐美はそう考えることで、無理に自分を安心させた。 そうこうしているうちに、新しい住まいに着いた。 祐美たちの新しい家は、S市郊外に広がる新興住宅地の一角にある。確かに父の 言ったとおり、広い庭が付いているのは、祐美も嬉しかった。 だが、やはり制服のことが気がかりだった。もう届いていてもいいはずだ。 祐美は新しい家に入ると、そそくさに母にたずねた。 「ママ、もう制服、届いているよね。」
|
- 芋な女子中学生が好き13
702 :神[]:2011/12/06(火) 02:05:38.74 ID:cx+eN7Gk0 - 《小説》 転校生の受難
第2部:引越の日 (通し−第31話) おりしも家では母親が家財道具のかたづけに余念がなかった。 「おやおや、いきなり何を言うかと思ったら、制服かい。」 母親はいささかあきれ顔で、かたづけの手を休めると、 「本当は昨日のうちには届く予定だったんだよ。ところが転校する学校が急に 変わったろう。それで明日、制服メーカーの人が直接、芋窪中に持ってきてくれる ことになったんだよ。 」 「なんだ、そうだったの…」 祐美はいささかガッカリだった。引越先の家が、最初に予定していた学区から動いた ため、通う学校も変わってしまったのだった。もし今日にでも届いてたら、着こなし の仕方もいろいろ考えられたのに…。 「さぁ、そんなことより学校から明日のことで連絡きてるわよ。ちゃんと読んでおき なさい。」 母は祐美に1枚のプリントを渡した。 そこには『転入の案内』と記されていた。
|
- 芋な女子中学生が好き13
703 :神[]:2011/12/06(火) 02:22:53.70 ID:cx+eN7Gk0 - 《小説》 転校生の受難
第2部:引越の日 (通し−第32話) 祐美は面倒くさそうに文面に目をとおした。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 森村祐美様ならびに保護者様 『転入のご案内』 S市立・芋窪中学校への転入おめでとうございます。 森村祐美様は6月1日より当校3年4組のクラスに編入いただきますが、 それに先立ち制服、教科書、生徒手帳をお渡しいたします。 つきましては、6月1日(月)午前10時に本校職員室にお越し下さい。 持参いただく物は、筆記用具とノートだけで結構です。 保護者の方も必ずどなたかお付き添い下さい。 その後、森村祐美様は3年4組にて本人紹介、引き続き通常の授業を受け ていただきます。 なお来校時は、以前通われていた学校の制服を着用下さい。 芋窪中学校 校長 ○○ ○○ ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 「やだなぁ、前の学校の制服着てかなくちゃ、いけないなんて…」 祐美の脳裏にはホームページで見たS市中学校の、おしゃれな制服のイメージが あった。東京で通っていた私立校もセンスのいい制服だったが、ちょっとかなわ ない。 新しい学校の生徒たちに笑われやしないだろうか。祐美はちょっぴり不安だった。 そして翌朝。いよいよ祐美が芋窪中学校に登校する日がやって来た。
|
- 芋な女子中学生が好き13
707 :神[]:2011/12/06(火) 10:19:40.19 ID:cx+eN7Gk0 - 《小説》 転校生の受難
【特別インフォメーション : その3】 祐美ちゃん、急に芋窪中学校に通うことになり ちょっとガッカリ・・。 A中学と同じ制服着れるのかな? さぁ、世紀のクソ小説“転校生の受難” 次回からはいよいよ 『第3部:初めての登校日』 芋窪中学校の制服はどんなのがいいかな? A中学と同じようなカッコいいカジュアル系にしようか・・ えっ、冗談じゃない? だよなぁ、 さーて、そこで皆さんのアイデアも大募集。 あと、校則も考えないとね・・ みんなでコギャル 祐美ちゃんが楽しい学校生活を送れるよう、 どしどしご意見、ご希望をお寄せください!
|