- 完全拘束・超拘束に萌える 5
642 :トルソー[sage]:2011/03/22(火) 23:54:31.09 ID:SPWTzp890 -
★東北関東大震災で被災された皆様お見舞い申し上げます。 仕事と家事で今まで全くスレに近寄れませんでした。 連載につきまして、一旦中止して、まとめてどこかにうp等も考えましたが、 映画などの一般的な娯楽も再開されつつあるようなので、 『今、自分にできることをやる』という流れに従い、 おごそかに再開させていただきます。 ___________________________ 周囲は静まり返っているのに、束子はまだ時折痙攣し続けていた。 頭の中は空虚な空間となり、その中に薄明るい光が満ちていた。 特に体調を管理するセンサーがあるわけでもないので、今は単なるプログラムとして休止期間に入っていた。 休止状態であっても、失神している束子にとってはまだ継続する連続快感責めの最中であった。 日も暮れ、暗い廊下には非常誘導灯の緑色の光だけがぼんやりと満ちていた。 その遠い光の中で、花に囲まれた黒い三角錐が呼吸のリズムでゆっくりとゆらめき、その動きの中に時折ピクピクと痙攣が混じる。 その状態で束子は目を覚ました。 涙と目ヤニでガビガビのまぶたを開け、狭窄した網目状の視界の中で目を凝らすと、薄緑の光の中にぼーっと天井が映った。 その視界の下半分は自分の生けた花だった。 何も手を加えることができないまま、中途半端の失敗作をずっと見続けさせられる。 もう充分手直しすべき点は見えていた。 しかし何もできないもどかしさ。
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643 :トルソー[sage]:2011/03/22(火) 23:54:59.70 ID:SPWTzp890 -
そこでもまた束子はハッと気づいた。 その刹那感も自分には欠けていた。 作品は、一度送り出したら、もう自分の手の及ばぬもの。 だからこそ、葉の向き一枚、花びらの角度一つでも絶対の真剣さが無ければいけない。 幼いころから母の技を見て、何度も手直ししているように見えたため、まるで髪の毛のセットをいじるように、その場で ちょいちょいと手直しできるような気分でいた。 実際、自分が先生の許可を得て教室に飾った作品などはしょっちゅう途中で手を加えていた。 でも、それではだめなんだ。 一期一会の真剣さなんて、ちゃんとわかってたつもりだった。 でも、そんなの全然甘かった。 母はちょいちょいと手直ししてたんじゃない。 直すのではなく、追加していたのだ。 一手一手が真剣そのものの技を、小分けに積み重ねていただけだったのだ。 「(ウーーーーーーーッ!!)」 束子は覚醒の叫び声を上げた。
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644 :トルソー[sage]:2011/03/22(火) 23:55:22.68 ID:SPWTzp890 -
突然、束子は解放してほしくなった。 自分にはやることが出来たから、こんなマゾごっこしてる場合じゃないと思った。 別に智逗瑠の元から逃げ出したいんじゃない。 ちゃんと彼女の実験にはおつきあいする。 奴隷の立場もオッケーだ。 だけど、今だけ出して。 こんな恥ずかしい三角錐の晒し物から。 「(ウーーーーーーッ!!!)」 しかしなんともならなかった。 束子はその時、本当の奴隷のもう一つの心を知った。 自ら志願して奴隷にしてもらう奴隷なんて、智逗瑠の顧客になる人たちの間では少数だろう。 大半は自分の人生のやりたいことを捻じ曲げられて奴隷にされてしまった人達だろう。 そんな人達の堕ちる前の気持ちが、今束子にもはっきりと共有できた。 そして思わず叫んだ。 「(ウウンンーー!! ウウン ンンンオウウンン!!)」 (出して! あたし、お花生けなきゃ!!)」 ――ヴィィィイイイイイイイイイィィィィィン―― その叫びに応えたのは再起動した膣内のローターだった。 (続)
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