- 初めて会って話した日に付き合って5日で別れた話
1 :恋人は名無しさん[]:2020/10/11(日) 04:13:49.03 ID:8osTJqjF0 -
俺、今年から大学に通ってる19歳男。 中学から吹奏楽部でサックスやってた成り行きで、深く考えずに音大に入学した。 勉強はバカ高で成績良かった程度、学力テストは1位だった(自慢) まあ、周りが悪すぎるだけなんだが...。 恋愛面は比較的落ちこぼれで、初めての彼女は去年の夏、つまり高3の時。 部活の2個下の後輩に大人気なくガチ恋して一度玉砕するもゴールイン。 幸せだった。2ヶ月で振った。厳密にいうと振られたのは俺だがこの話はあとで。
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2 :恋人は名無しさん[]:2020/10/11(日) 04:26:56.30 ID:8osTJqjF0 -
自分で言うのもなんだが顔は割と良い。 周りによく言われるし、自分の問題は完全に人格にあるだろうからそこは割り切らせてもらう。 ...といった感じに、正直なのが俺の長所でもあり短所でもある。 ツイッターのいいねが最近少ないのもきっとそのせい。 人に嫌われるのには自信があるゾ。 さて、そろそろ本題に入るわけなんだが... まずは元カノとの馴れ初めから。 俺は思春期を境に死ぬほど人見知りだったのもあり、大学からはうって変わって思い切り明るいキャラになった。 いわゆる大学デビューってやつ。 ちなみにどれくらい人見知りだったかって言うと、吹奏楽部入りたての楽器決めの時に沈黙を貫いて希望楽器を勝ち取ったくらい。 あと内股な時期があった。これに関しては謎。 コロナの影響もあるが晴れて大学デビューした俺は、芸術関係の大学ということもあり6月からキャンパスが開いたので、さっそく適当なグループで集まって距離感無視して騒いでいた。 その中にいたのが元カノだ。 割と賑やかなグループだった中、彼女はよく喋るわけでないが目立たないわけでもない。 第一印象は落ち着いてていい感じだった。 あとはマスクをしてたらだいたいみんな可愛い。
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3 :恋人は名無しさん[]:2020/10/11(日) 04:39:14.35 ID:8osTJqjF0 -
グループというのは男5人・女5人のバランス取れた感じだったが、まあ最低限の距離感は取ってたんでもちろん全然話してない人もいた。 大学デビューしたとは言え、「女友達」と言うものに全く慣れてない俺は男っぽい女とギリギリ話すくらいしかできず...。 今思えばなんで俺はあのグループに自然にいれたのか。 ちなみにグループに所属している男友達Rと女友達Sはマウント確立のために速攻で付き合ってた。 だから元カノ(以下ヒカルとする)とも全然話さんかった。 ヒカルの周りにはいつも苦手な女子(俺は女子自体が苦手である)がいるし、別に話す理由があるわけでもないから、多分グループでは一度も話したことなかったはず。 そんな中オンラインでの授業も始まるわけだが、自粛していた分群れたがりな連中はいつも通り大学に溜まっている。 俺もその中の一人だ。 授業とか専攻の練習とかでいつも溜まってた空き教室は使うことになったりもしたので、全員が揃うってことはそれ以降なかったが、時間が空いたらとりあえずその教室をのぞいたりして、誰かいたらそのまま入って話してた。 ただし男に限る。
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4 :恋人は名無しさん[]:2020/10/11(日) 05:14:17.98 ID:8osTJqjF0 -
ある日のこと。 練習を終えて慣例になりつつあった教室確認をすると、そこにはRの姿があった。 他には誰もいない。 さっきRとSは付き合っていると言ったが、お互い浮気癖のようなものがあり別れる寸前のところだった。 Rがそれについて話したそうにしてたんで、どうせ別れる方向に決まってる相談だが乗ることに。 簡単にRの紹介をすると、彼は四年制の大学を卒業してから音大に入学したジャズドラマーで、身長は高いが正直いうと俺的にはあざとく自分の評価を上げてるのが見え見えなのでキモい。 入学前から無作為に色んな女性にアプローチしててキモい。 そうでもない癖に男が苦手とか言っててキモい。 俺たちより4年長く生きてる割に考え方が幼くてキモい。 克服する気もないのにメンタル脆いとか言っててキモい。 キモいやつだ。 しかしこういう奴に限って異性からの評判は悪くなかったりする。 真っ当に生きてても損することはよくあるのだ。 内心キモいと思いながらも相談に乗るが、結論から言うと別れる方向に。 そらそうやろアホが。 ちなみに自分の立場を堅守しようとする姿勢も相変わらずキモかった。 ただ人を簡単に嫌うのはもっとキモいという考えのある俺は、この時点では「キモい」と思いつつも「嫌い」という感情はなかった。 なお、翌日Sと仲良く登校してきて、その次の日に喧嘩別れしたのは予定調和。 そんな話を適当にあしらって雑談していると、、スマホの通知を確認したRがその内容を俺に伝えた。 R「今からここにヒカル来るって」 俺「へぇ、俺いるの知ってんのかな」 先述した通り、ヒカルとは話したことがないのでさりげなくRからヒカルに俺がいることを伝えるようにと遠回しなメッセージを送った。 すると少し間を空けてRから一言。
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5 :恋人は名無しさん[]:2020/10/11(日) 05:32:47.47 ID:8osTJqjF0 -
R「『え、アイツいるの、、』って言ってるよ。ヒカル。笑」 どうやら俺は嫌われていたらしい。 直接何か影響を与えた覚えもないので一瞬驚いたが、まあ意味もなく人を嫌うなんてことはこの時期にはよくあることだろう。 そんな感じで軽く考え、俺自身はそれによってヒカルを嫌うこともなかった。 今の自分にはまだ人徳を得るには至らない点があるんだな、と考えた。 俺「マジかよ。笑 俺なんかしたかな?笑 したら、今日は俺帰るわ〜」 みたいな感じでその場を後にした。 家に着くまで自分がなぜ嫌われたのか悶々と考えてた。 んで、そういえばインスタの投稿でヒカルが副科のサックスを背負った画像を載せていたがそこに冗談で「似合わんな〜笑」ってコメントしたのを思い出した。 これはただの批判ではなく、それに対してのヒカルの「なんだと〜」みたいなのに対して「嘘だよ、似合ってる」みたいなのを想定してのコメントだったし、実際そういう流れになっていた。 だが、その冗談が気に障ったのかもしれないとなると、まあ嫌われて当然なのかもしれないというわけで、俺にとってヒカルは「しっかり理由を持って人を嫌えるひと」となった。 少しそのラインは低く感じたが...。 6月下旬。 大学の対面授業も始まり、グループもRとSの仲違いがあったのでほぼ消滅していた。 対面が始まると俺は同じ器楽科の友人とつるむようになり、大学生という立場を利用して夜遊びを頻繁にするようになった。 あと、自粛の風潮も緩やかになってきたので前からやりたかったホストのバイトを始め、完全に夜型になった俺。 この辺りで、ある出来事があった。 ホストを始めて半月ほど、大学はちょうど夏休み手前くらいの時だった。 新しい人脈に飢えていた俺はインスタのアンケートを利用して暇な同級生を探していた。 ストーリーを投稿して10分ほどのこと。 ふと「トークOK」のボタンを押したアカウントの中にはヒカルがいた。 俺「(ん?俺は嫌われてるんじゃないのか...?)」 まさかヒカルからアプローチが来るとは思ってもいなかったので一瞬混乱し、とりあえずトークを始めることにしたが、これが中々に普通の会話というか、まったく嫌われている感じがしない感じだった。
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6 :恋人は名無しさん[]:2020/10/11(日) 05:56:59.89 ID:8osTJqjF0 -
そのままふつうに会話が続き、一定間隔で2日間くらいやりとりをした。 その間、特に嫌悪感を示すような発言もなく。 だが、あの時ヒカルがRに送った文章を俺は知っている。 ヒカルはそれを気づかせないために敢えて普通に話しているのだと思った。 ほどなくして、俺は器楽科の友人と飲みに行き、そのメンバーでチューバの友達の家に押しかけた。 みんな疲れ切っていてすぐに寝たが、仕事の性質上夜型になっていた俺は寝付けることもなく。 そんなとき、ヒカルから直前のトークの返信が来た。 まだ起きてると分かった俺は、深夜テンションみたいなのでそのままヒカルに通話の提案をしたが、これが案外すんなりと通った。 通話の声で起こすと悪いので友人宅を出て公園に行き、通話をするとイメージ通りの話し方のヒカルがいた。 声を聞いたことがないわけではないが、なんだか新鮮だった。 そこで思い切って俺は、あのRに送った文章の真意を聞くことにした。 俺「(中略)てことでさ、俺ヒカルに嫌われてるのかなって...」 ヒカル「え、なにそれ(汗)まったく行った覚えがないんだけど...」 俺はRが嫌いになった。 どうやらRのあの発言はねつ造で、実際俺は嫌われていなかったらしい。 むしろ、それから俺が若干ヒカルを避け気味にしていたのでヒカルの方も俺に嫌われていると思っていたらしく...。 全てはRの仕組んだ罠だったのである。 Rはキモい上に嘘つきゴミ野郎だった。 だが、そのギャップもあって俺とヒカルの距離は縮まり、朝起きれない俺のためにモーニングコールもしてくれるよう約束してくれた。 マスクでしっかり顔が確認できないものの、かわいい女の子に朝起こしてもらえると考えると俺のテンションは上がり、結局電話が来るまで起きていてウキウキで着信に反応した。 そして、同じようにその夜も電話をする流れになった。
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7 :恋人は名無しさん[]:2020/10/11(日) 06:11:34.71 ID:8osTJqjF0 -
その日はお互いの趣味について話したり、夢について語り合ったりもした。 ヒカルの夢は「ミュージカルの舞台に立つこと」だった。 彼女は大学では声楽を専攻しているのだが、元々の希望はミュージカルだったらしい。 インスタの投稿にミュージカルの研修風景があったのを見ていたので驚きはしなかったし、「馬鹿にしないでね...」と忠告をするヒカルに対して真剣に受け入れることができた。 というか、そもそも馬鹿にするような夢とはYouTuberだとか、そういう蔓延した無駄な職種が当てはまると俺は思う。 実際、友人が「YouTuberになる」と言ったら、俺ははっきりと「お前を必要としてる視聴者はいないよ」と言える。 基本的に人をダメにする仕事は無駄だと思っている。 俺はこの時ホストだったが、学費を全て自分で払う約束だったので手段を選ばずに一獲千金を狙っていたという理由があったが、批判するなら一文も金を出さない親に言ってくれ。 ヒカルは最初のイメージ通り、落ち着いていてとても話しやすかった。 仲良くなると結構喋ると言っていたが、大体の人はそういうものだろう。 し、そのよく喋るという傾向もなんとなく想像がついていた。 直感的に、もしかしたら俺はこの人が好きかもしれない、と思った。 理由はうまく説明できないが、俺は人を好きになるときはいつも直感に依存している。 そこで、俺はヒカルに自分の好きな「魔法の料理」という曲を聴いてもらうことにした。
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8 :恋人は名無しさん[]:2020/10/11(日) 06:18:04.26 ID:8osTJqjF0 -
♪〜魔法の料理 曲を聴き終えたヒカルに感想を尋ねると、 「俺君と通話してなかったら泣いてたと思う」 と苦笑いしていた。 ほどなくして俺はヒカルに自分の好意を伝えた。 俺「俺、ヒカルのこと好きだよ」 突然というほどでもないが、彼女自身予想していなかった展開であろう、案の定驚いていた。 俺は自分の好きな曲に、同じような感情を抱いてくれるヒカルをしっかりと好きだと言える確信があった。 もともと好きになったら拗らすことなくすぐに伝えるタイプで、前の彼女との馴れ初めも直感だった。 まあ突拍子もない話だったので、とりあえずヒカルとは翌日大学で初めて直接話すことになった。
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