- 炎の少女チャーリー [無断転載禁止]©2ch.net
49 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/04/10(日) 09:02:18.15 ID:qPjVYLK5 - 【チャーリーの部屋】
今日はチャーリーの7歳の誕生日。部屋には、所長と女性研究者が来ている。テーブルの上にはご馳走が並んでいる。 所長・女性「お誕生日おめでとう!」 チャーリー「ありがとう。」 所長「今ケーキを持って来させるからね。」 ホールケーキが運ばれてくる。ケーキにはろうそくが7本立っている。火はついていない。 所長「チャーリー、無理にとは言わない、嫌ならいいのだが…」 チャーリーがケーキを見つめると、7本のろうそくに火が灯った。その直後、チャーリーはバスルームに向けて駆け出す。チャーリーが到達する前にバスルームの扉が勢いよく開き、バスタブの蛇口(冷水)が回りだす。蛇口から出てくるのは湯気をたてた熱湯である。 バスルームに駆け込んだチャーリーは、バスタブの中を見つめている。バスタブの水は煮えたぎっている。 チャーリー「止まれ…。」 程なく、沸騰は止んだ。 バスルームから戻ってくるチャーリー。 女性研究者「…。」 所長「それでは、改めて。 ♪ハッピーバースデー トゥユー」 チャーリーがろうそくを吹き消す。 チャーリー「ありがとう。」 所長「誕生日プレゼントと言っていいのか判らないが、君に伝えたい事がある。お父さんの事だ。」 チャーリー「パパ!?」 所長「私はここの所長だが、ここは国の施設なんだ。私にも言うことを聞かなければならない人がいるんだよ。 その人達に、君とお父さんを会わせる事は禁止されてきたのだが、君が何回か火を着けるところを見せてくれれば、会わせてもいいと言ったんだ。」 チャーリー「本当なの?」 所長「ああ、本当だ。」 チャーリー「でも…、危ないわ。うまくコントロールできるか わかんない。」 所長「その事だか、上手にコントロールする為には、練習しなければならないよ。」 チャーリー「…。」 所長「無理にとは言わない。よく考えてくれ。さ、ご馳走を食べようか。」 数日後、チャーリーは餌に食い付いてきた。
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50 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/04/10(日) 11:41:43.23 ID:qPjVYLK5 - 【所長室】
博士「念力放火実験を行う事に同意させたのは感謝しますが、父親に会わせる気ですと?」 所長「本当に会わせる訳ないだろ。引っ張れるところまで引っ張って、適当な所で麻酔で眠らせた父親に会わせればいい。意識が戻らないとでも言えばいいだろ。」 博士「判りましたが、気を付けてくださいよ。42号の超能力は全て解明した訳ではありませんから。いつあの子が貴方の企みを見抜くかもしれませんよ。」 所長「判ってるさ。その時は、電子レンジの中の豚肉の気持ちが理解出来るだろうな。」
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51 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/04/10(日) 15:09:47.77 ID:qPjVYLK5 - チャーリーが念力放火実験へ同意したことを受けて、施設の配置替えが行われた。
新しいチャーリーの部屋は、医療実験棟に置かれ、室内は暗視カメラ、サーモカメラを含め約100台のカメラで死角を無くし、温度、湿度も完全管理。四方の壁は厚み50センチの鋼鉄に耐熱ボードで覆われた。 隣の部屋にはCT、MRI、X線装置等の医療診断機器がおかれ、実験の前後を含め、頻繁に綿密な診断を行うことになった。 子供に大量の被曝をさせる事について議論にもなったが、子供ではなく研究実験対象物であるとの結論に至った。
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52 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/04/10(日) 17:59:17.61 ID:qPjVYLK5 - 更に…、万が一の際に最終処分を行う為のガス配管も施された…。
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53 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/04/10(日) 18:12:22.89 ID:qPjVYLK5 - 【実験室】
電極を取り付けられたチャーリーと所長の前には鋼鉄製のテーブル、その上には15cm角、1メートルの角材が置かれていた。部屋の端には古びたバスタブが置かれ、その中は水で満たされていた。 所長「見てのとおり、壁はコンクリート製で、あのテーブルも燃えにくいものにした。水はあそこだ。」 所長はバスタブを指差す。 チャーリー「これなら大丈夫かな?でも、おじさんも部屋から出ていてね。危ないから。」 所長「わかった。隣の部屋で見ているよ。」 所長は退出し、コントロールルームへ移動する。マジックミラー越しにチャーリーを見る。全ての準備が整ったことを確認すると、所長はマイクに向かって話した。 所長「始めるんだ。」
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54 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/04/10(日) 21:10:26.17 ID:qPjVYLK5 - 実験室に一人取り残されたチャーリー。正面のマジックミラーを見る。自分の姿が写るだけだが、ミラーの向こうから多くの視線を感じる…。
否、ミラーの向こうで自分を興味深く見ている研究者達が見てとれた。やがて所長が入ってくるのが見え、研究者と二言三言話すと、マイクに向かった。 スピーカーからの声「始めるんだ。」 チャーリーは角材を見た。角材に向けて力をほんの少しだけ解放した…、つもりが沸き上がり放出されたい力の勢いに負けて、事前に考えていた以上の力を放出してしまった。 角材は燃え出すと直ぐに爆発して飛び散った。角材が置かれていた金属シャーレの真ん中は溶けて穴が空いている。 チャーリー「うそ、こんなに強くなってるの!?」 予想を越えた力の大きさにチャーリーはパニックになりかけていたが、気を取り直すと、力のかたまりを水の中に押し込もうとした。 チャーリーがバスタブの方を向くと、バスタブの冷水は僅か2秒で煮えたぎる熱湯に変わった。 チャーリー「止まれ!止まれ!!止まれ!!!」 沸騰の勢いが落ちてくる。 チャーリー「止まれ!!!!!」 バスタブの沸騰が終わると、チャーリーは正面に向き直った。 チャーリーが作り出した湯気のせいで、マジックミラーはすっかり曇ってしまった。
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