- 【未来】 四 季 【預言】
167 :かる ◆N4OUHymbXQ [sage]:2011/10/18(火) 09:02:35.78 ID:cLc1IwVF - 貧しさと灯火。
ある村で、釈迦が説法された時のお話です。 釈迦が来られてお話しを聞かせてくれると知り、村の人々はお釈迦さまの徳をたたえるためにと、 油を買い求められ、沢山の大きな灯火を灯しました。 ところが、町で一番貧しい一人の老婆だけは、油を買うお金も無く途方に暮れていました。 そこで、老婆は自分の髪をバッサリと切り落として油屋に持っていったのです。 老婆は、「ほんの少しで結構です、この髪の毛で油を分けて下さい」 油屋は、「白髪混じりのおまえの髪の毛じゃ、一滴分のあたいも無いよ」 「そこを何とかお願いします たとえ何万回生まれ変わろうとも、 お釈迦さまのような悟りを開いた方に出会うことができないと伝え聞きます。 私も、お釈迦さまのために灯火を供養させていただきたいのです」 「うむ…そうことだったのか、よし、お釈迦さまへの供養なら、今日だけ特別に油を分けてやろう」 老婆は大層喜び、幾度となく礼を言うと、手に入れたわずかな油を小さな皿に移し、 多くの灯火の並ぶ中の隅に置き、火を灯しました。 しかし、老婆の灯火は沢山の大きな灯火の明るさのあまり、霞んでしまい見えないほどでした。 やがて、お釈迦さまと弟子達が、村に近づいてこられたその時です。 突然風が吹き荒れたかと思うと、無数にあった灯火は一斉に消し飛び、村は暗闇に包まれてしまったのです。 村の人々は驚き、どうしたことかと嘆いておりました。 そして、村にお釈迦さまとお弟子達は、辿り着かれました、 暗闇の中、たった一つだけ光り続ける老婆の灯したほのかな灯火を目印に辿りついたのです。 弟子の一人が、釈迦に尋ねました。 「あれ程の激しい風が吹き、町中の大きな灯火が一斉に消えてしまったにも関わらず、 なぜこの小さな灯火だけは、消えなかったのでしょうか」 釈迦は、 「見栄や執着は、眩しく照らし出すこともあるのですが、それは一瞬で挫かれ消えてしまう弱さと共にあるのです。 一方、会い難き仏と法の有り難さを知り、その恩に素直に報いようとする者には、 永遠に消えることのない生命の灯が宿り、正しき道を照らすものなのです。」と、話されたと古くから伝わるお話の一つです。
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