- 【スカトロ】排泄系妄想廃棄所16【汚物】 [無断転載禁止]©bbspink.com
508 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:15:08.79 ID:8neGtllc -
ヒュージな彼女 人生五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。 よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例なし。 むらさき立ちたる雲の、細くたなびきたる。 ……時世の句を考えていたら、何か色々混ざって滅茶苦茶になってしまった。 滅茶苦茶、むちゃくちゃになってしまったが、自分の人生がそもそも無意味なので、これで良いのだろう。 そう思った。 「人生50年……。14年足りないが。 …あれ、“人間50年”だったか……」 何か笑えてきた。 どこか間違えたかも知れないが、分からない。 人生36年……もうすぐ37年。これまで間違えっぱなしだったような気もする。 だが勿体無くも、何も無い。 何も無い……。 ――関東圏の、とある都市。 深夜。 六月の蒸し暑さも、零時を越えると大分落ち着いた。 車の往来もほとんど無くなり、静まり返った漆黒の空の下……街中を流れる河川にかかる、大きな橋の上である。 その、冷たい鉄の欄干に寄りかかる男が一人。 「親父、母さん……ごめん。もう疲れたよ……」 くたびれたスーツに、汗で襟首の黄ばみかけたシャツ。 これまで打ち付けてられてきた、人生の波のどれほどかを物語っているようだった。 力無く垂れた、男の両肩、そして光のない瞳。 ゆく河の流れは、絶えずして……。 流れゆく社会の荒波に負け、人の世の冷たさに絶望し、自殺志願者となり果てた男がそこにいた。
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509 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:15:47.80 ID:8neGtllc -
「もう……いやだ……」 はるか見下ろす河の水は真っ暗だが、橋の街灯に照らされた部分だけが煌いている。 誘っている様に見えた。 この橋は海に近い位置にあるので、高さも水深も十分。 男のポケットのふくらみには、以前趣味にしていた釣り用の錘がいくつも詰め込まれている。 書くものも、きっちり書いた。 準備は全て終わった。 ……疲れた。 ただ、疲れた。 休みなど有って無きに等しく、残業に次ぐ残業……そもそもの意義を見出せない、毎日の仕事に疲れた。 稼ぎがどうより、何のために責任を背負っているのか分からない。 職場の上下関係、気を使うばかりの立ち位置、人間関係にも、殊更疲れた。 癒しを与えてくれる彼女なんかいない。 できない。 作っている余裕すら無い。 ……そもそも、こんな疲れたおっさんを相手してくれる女の子など……。 学生時代の思い出が遥か遠く、懐かしい。 そんな息子を知ってか知らずか、結婚は? と遠慮なく言ってくる両親にも疲れた。 それでもなんとか親の気持ちに応えようと、一年ほど前から婚活なんぞを始めてみたが、そこでの女性との付き合いにも疲れた。 逆に女性が苦手になった。 伴侶が欲しい気持ちはあったし、あれが女性の全てでは決して無い、それは頭では分かっているが……。 良い事は無かった。 辛いけど、もう少し頑張ろう。 もうちょっとだけ頑張ろう。 そう思って毎日を凌いできた。 なんとか踏ん張れば、もう少し我慢したら、良いことだってある。 そう思っていたが、そんな我慢強い自分にも疲れた。そして気が付いたら、40が迫っていた。 いつの間に……。ある日それを理解して愕然とした。 ついでに、徐々に薄くなっていく髪にも、疲れた。 もういいだろう。 一人で36年頑張ったら、十分だろう……楽になろう。
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510 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:16:25.04 ID:8neGtllc -
いっそすっきりとした表情で、男は靴を脱いだ。そして遺書の一つをその傍に置く。 改めて覚悟を決めるまでも無い。 なるべく一般の人の迷惑にならないよう、彼は大きな川、それも深夜を選んだ。 電車もビルの屋上も、自宅も、関係ない大勢の人の迷惑に……トラウマになってしまう。 川なら警察か、海に流れて海上保安庁のお仕事だ。 寂しいが、一人静かに行く。 こんな時でさえ他人に気をつかう自分に、自分でも笑ってしまう。だが、最後まで自分らしく、これはこれで良いだろうと彼は思った。 男は靴を脱いで、きれいに揃えた。 目を閉じ、深呼吸。 最後の空気は湿っぽかった。 そして勢いをつけ、欄干を乗り越えようとした……のだが、彼はふと、思い止まった。 ……誰も居ないんなら、最後にこのくらい良いだろう。 と、思い付いた事があったのだ。 す〜っと、彼は胸に息を吸い込み、そして 「部長のバカ野郎ー! しにやがれー!! あんな会社、潰れちまえーーー!!」 「同期の○島ァ! 年下のかわいい嫁さん貰ったからって、毎日毎日惚気てんじゃねぇー! 写真見せ付けるんじゃねぇー! 精神的な殺人だぞコラァー!!」 「ほ、他に…… ほかにも…… ううぅ…… うあぁぁ……!」 嗚咽が、涙があふれる。 彼の叫びは、星の見えない夜空に吸い込まれて消えた。 普段無口なせいで、もっともっと罵倒したくとも、言葉が出てこなかった。 おとなしい性格が、最後の最後まで……。
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511 :G[]:2018/06/07(木) 02:17:14.56 ID:8neGtllc - 本当は、二人どころでは無い。
両手で足りない位に、罵りたい人間はいる。 だが……それでもやはり、呪詛を吐くべきではなかった。 せっかく、すっきりした顔で水に入る所だったのに、気持ちを乱されてしまった。 「はぁ……。あ〜あ……全く俺ってやつは……。 ん? いや……まだ、あったか……」 片足を欄干に乗っけようとして……彼はまた思いとどまった。 歩道の砂粒が、靴下に少し痛い。 どうせ叫ぶなら……と、もう一つ。 先程よりも更に大きく息を吸い込み、そして……彼は雄たけびを上げる。 「一度でいいから! かわいい女の子の…うんこに全身埋もれてみたかった! どうせ死ぬんなら、大量の…女の子のうんこ風呂で溺れて死にたかったよ!」 まさしく、咆哮であった。 ……だが誰かに聞かれていたら、とんでもないことになる叫びである。 人生の最後の最後に、今までずっと胸に秘めていた想いを、彼は叫んだ。 彼に恋人ができない、出来ても長続きしない理由でもあった。 彼は、いわゆるスカトロ趣味の持ち主なのだが……その中でも更に特殊で、常識的にありえない量、物理法則を無視するような大量のうんこをひり出す女性が好みなのだった。 普通の便器では毎回詰まって、うんこするだけで日々苦労するような……そんな女の子に興奮してしまう。 ネットで見た、同好の士のイラストがきっかけだった。 巨大な便意の苦悶に身をよじり、己の体質を恥じらいながら、自分でもどうしようもない排泄欲に駆られて……便器を溢れさせるどころか、チョコソフトの如く山を築き上てしまう。 一回に、ポリバケツいっぱい排泄してしまうような。 そんな女の子が大好きなのだった。 もちろん現実にそんなの居るはず無いが、思い浮かべただけで、体の一部分が固くなってしまう。 そして当たり前だが、誰にも言えない。 ネットの世界に同好の士は割りと居て、色んな画像を集めたりしているが、現実に誰かと、この思いを共有することは無い。 ――今から、その現実を離れるのである。 ならばせめて、最後に叫ぼう。 そう思ったのだった。 そして、神社に参って願掛けでもするかのように、彼は手を合せた。
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512 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:17:41.74 ID:8neGtllc -
「俺の夢……! 死んで生まれ変わったら、大量娘のいる世界へ行けますように! 大量娘の嫁をもらって、毎日一緒にうんこ風呂に入れますようにっ!」 どんなに、幸せであろうか。 芥川の古典小説ではないが、一度でいいから、飽きるほどの……かわいい女の子の、大量のうんこに全身包まれたなら、どれほど幸せであろうか。 それはきっと楽園だ。 一度に大量に排泄されて物でなくてもいい、肥溜めのようにバスタブに、ちょっとずつ貯糞してもらって……それでもいい。 どう考えても無茶苦茶な願い、と彼自身分かっていたが、とにかく現世で叶う事が無いのは確かだ。 ……まぁ、そもそも、大量でない普通の女の子のうんこだって、彼は現実に見たことはないのだが。 過去に付き合った女性にも、打ち明けることも叶わなかった。 満たされない欲求と、彼女を大事にしたいというまじめな性格と、色んな所で気持ちのズレが起こって上手く行かなくなるのだ。 元からそんな趣味を持った女性と知り合い、付き合うなど、それもどう考えたって不可能。 全ては来世に期待である。 ……さて、これでもう良い。もういい。 思い残すことは―― 「――はい、そこの人。ちょっといい?」 「はへっ!?」 不意に彼は、声をかけられた。 そして、今実際に死ぬ所であったのだが……文字通りに、死ぬほど驚いた。 誰も来るはずが無い。 そう思っていた、この場所に人が居たからである。 たまに車が通過することはあっても、深夜、この橋を渡る通行人などいない筈なのに……。
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513 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:18:30.82 ID:8neGtllc -
「何してんの? そこなサラリーマンの人。……自殺? 自殺ですね、どう見ても。その靴とか。封筒とか」 「な…? あれ…?」 片足を欄干に乗っけたまま、真横に顔を向ける。 女が一人、立っていた。 「ちょっ…… いつから、そこに?」 「三分くらい前ですかな」 彼の問いにそう応えた、スーツ姿の女性。 小柄な人だ。 片手には、夜の買い物帰りなのか、コンビニのレジ袋を下げている。 深夜1時……いや、もう2時近い。 こんな夜道、さっきまで誰も居なかった筈のそこに、突然、女性が一人。 彼はただ、驚くしかなかった。 ――結構若いし、かわいい。 スーツ? 何故こんな時間…夜勤のOL? 飲み会とかの帰り? いや、それよりも……ちょっと待て。 ……聞かれた。 今の、最後のやつを聞かれた。 確実に、聞かれた。 女の人に。 ……最悪、最低だ。 「死のう。 うん、今死のう。 死ねばいいんだ」 それを人に聞かれてはならぬ。 決して、誰にも知られてはならぬことを……。 絶望、だ。 全てが虚無となった能面のごとき顔で、彼は改めて欄干を乗り越えようとする。 さっさと飛び込まないから、こんな事になったのだ。 こうすれば全てリセットである。 だが――彼の様子を見たその女性は、背後から必死で掴んで、引っ張り戻そうとした。
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514 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:18:59.27 ID:8neGtllc -
「ちょっと! やめなさい!」 「死なせてくれ! 死なせてくれ!」 女性、しかも小柄な身体の割に、かなりの腕力だった。 なかなか振りほどけない。 「ダメだって! あんたに聞きたいことあるんだから! 死ぬのはそれからにして!」 「……は? 聞く? 一体何を……」 その一言で、彼の気持ちは現世に戻ってきた。 足を下ろす。 こんな状況、一体何を聞きたいと言うのか? この自分に、質問とは……。 しかし、これから死ぬというのに、“知りたい”という感情が湧く。そんな自分が自分で可笑しいと思った。 「はー、はー…… えっとね…あんた、今、女の子のうんこ風呂に埋もれたいとか、溺れたいとか言ってましたね? それって本気?」 ……ただの死体蹴りだった。(まだ生きているが) この女性は、とんでもないSなのだなぁ……。そう彼は思った。 更なる精神攻撃を加えるために自殺者を引き止めるとは、凄い人がいるものだ……と、最早死人として達観した気持ちだった。 また能面のような顔に戻り、彼は河に飛び込もうと改めて決意する。 死こそが救いである。 しかし、数秒何も言わないでいると、また彼女が聞いてきた。 「ホントならさ……あたしが叶えてあげよっか? それ。だから死ぬの待ちなさい」 「へあっ!?」 今度は驚きのあまり、アホみたいな声が出た。 そして気付いた事がある。 深夜に突然現れた、この女。 向かい合い、ほんの数歩の位置で衝撃的な言葉を発した、彼女は……猛烈に酒臭かった。
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515 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:20:19.55 ID:8neGtllc -
「……おっ、そういえば名前とか聞いてなかったぁ。あんた何ていうの?」 「ああ……。鹿屋だ」 「かのや、さんね。…歳は? 40くらい? もっと?」 「そんな行ってない、36だ」 「ほ〜、へぇ〜……。そうか… 見た感じより若いなぁ」 「そう言う、君は?」 「27ですよ。冨士谷でぇ、ございます」 ……10歳近く年下だったのか。 しかし、やっぱりこの人は……。 マンションが多く並ぶ深夜の街中を、妙な取り合わせの二人が歩いていた。 付いて来いとだけ言われ、さっきまで自殺しようとしていた男……鹿谷は、突然現れた彼女の後をついて行く。 若いとは思ったが、この……「ふじたに」と名乗った女性。 人の気にすることを、ずけずけと言ってのける。 老けて見える……非常に気にしている事を指摘され、またダメージを食らわせられた。 そして一体、どれほど飲んだのか? 口を開くごとに、前を行く彼女からは、酒の臭いが漂ってくるのだった。 たまに振り返り、赤い顔を見せながら歩く、富士谷という女性。 紺のタイトスカートから覗く、その彼女の両脚。 どっかでふらついて、突然倒れるんじゃないかと、鹿屋は不安げな視線を送る。 今の所、その足取りは普通だ。 しかし臭いの他にも、眼つきといい顔色といい言葉の物腰といい、間違いなく酔っ払っている。 歳のわりに、幼い感じの顔なのに、台無しだ。 この時間、やはり飲み会帰りなのか……と思ったが、よく見ると彼女のコンビニ袋、350のビール缶4本が透けていた。 白いビニールに水滴が滴る。 「……僕ら、どこに向かってるんだ?」 「あたしの部屋だよ〜。 歩きなら、あと5分くらいか。たまには飲んで夜の街を歩くのも良いですなぁ」
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516 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:22:10.64 ID:8neGtllc -
――本気なのか? 聞きたかったが、聞いたところで、まともな答えを期待することはできない。そう鹿屋は思った。 彼女のコンビニ袋、音と揺れ方から見て、ビール缶全部空っぽである。 街灯に照らされた袋の口から、サラミの空き袋なども見えた。 どこで買ったのか知らないが、深夜の帰り道にあおったらしい。 酒が好きではない彼には、とても真似できないことだった。 もし、自分がもっと酒が飲めたなら、それでストレスも少しは発散されたのかも知れない。ついて歩きながら、鹿屋は思った。 しかし、夜道で酒を飲んで男を引っ掛け、自分の部屋に連れ込もうとか……。 自殺しようとしていたから? 酔っ払いなりに、人助けしようと? この壊滅的な酒飲みの言うこと、本気だろうが調子のいい戯言だろうが、既に死人の自分にはやはりどうでもいい事だ。 回収した遺書はいいとして、ポケットの錘が歩くのに少々鬱陶しいが、冥土の土産に最後までついて行ってやろうと鹿屋は思った。 別に、あの世行きに終電は無いのだから。 そして、実際にそれから5分で、彼女のマンションに着いた。 かなり大きく、立派だった。 しかも自分の住んでいる場所から結構近かったので、鹿屋は驚く。 ……が、その後が少々、長かった。 「はい、着きましたぁ。 散らかってるけど、まぁ上がってよ」 「ふ〜…、は〜…… あ、足が…… 結構キツかったぞ……」 キーを取り出すと、ポケットでじゃらっと音がした。 玄関ドアを開けようとする冨士谷だが、そのすぐ後ろでは、鹿屋が両肩を落として息をしている。 案内された彼女の部屋は、6階だった。 6階だったが、何故かエレベータは使わず、「こっちこっち」と言われ、ひたすら階段を登った。 到着する頃には、すっかり鹿屋の息は上がっていた。 ポケットの錘が本当に邪魔だった。
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517 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:23:19.68 ID:8neGtllc -
「ふぅ…。しかしホントかよ……。 んん……いいのか……。しょ、初対面だが……」 あまり簡単に名乗るので、偽名の疑いを持っていた鹿屋だったが、予想外にちゃんと「FUJITANI」と表札が出してある。 本当に久しぶりの、女性の部屋……。 冥土の土産と思っていたのはどこへやら。 この期に及んで二の足を踏む、真面目な鹿屋であった。 対照的に、冨士谷の方は全く変わらず、上機嫌な酔っ払いのままである。 「ん〜? 初対面じゃあ無いですよ? 私たち」 「え……」 「カノさん、だいたい毎朝顔を見てるのに、覚えてない? ひどい人ですなぁ」 慣れているからか若さのおかげか、ここまで登っても冨士谷は全く息が上がっていない。 軽い口調で言いながら、彼女は部屋の玄関を開けた。 そして一気に明かりを灯す。 ……玄関と、その先の廊下だけ見ても分かった。 結構広い部屋だ。 若い女性の一人暮らしには、少々不釣合いな。 そしていつの間にか、男の愛称は勝手に“カノさん”となっていた。 「見てる? ちょっ、いや、知らないぞ。大体あんた……富士谷さんも、私の名前知らなかったじゃないか」 「まぁまぁ、細かいこと気にしない。…で。 入る? 入らない?」 「……え、ええと」 「んもう。……いいの? 入りたくないの? …私のうんち風呂。いっぱい出してあげるよ?」 もし周りの住人に聞かれたらどうなるか、さらっと凄い台詞を発する。 にやっと、挑発的な瞳だった。 明るくなった玄関を背に、両手を腰に。 少しだけ顔をかしげ、小悪魔的な……。 鹿屋は言葉を失う。 「……」 本当に? 夢にまで見た、あれを? 彼女のその一言に、彼女の表情に……。ごくん、と鹿屋は生唾を飲み込んだ。 彼は無言のまま一歩、前に足を踏み出す。 それで十分だった。
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518 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:23:54.79 ID:8neGtllc -
「よし、決まり♪ さっ、上がって」 「お…お邪魔、します……」 スーツの袖を掴まれ、引っ張られた。 もう逆らえなかった。 虎穴にはいらずんば……と言うが、今はクモの巣か、食虫植物に捕らわれた虫にでもなったような気分だった。 小悪魔どころか、本物の悪魔の誘いだ。 ここまで言われても、まだ半信半疑だが……。 上がると、ぽいっと廊下の隅にビール缶の袋を置いた彼女。 玄関に他に靴はない。 鹿屋も続いて靴を脱いで、廊下に上がる。 履くことも脱ぐことも、もう二度と無かったはずの、愛用の革靴だ。 ほんの数秒、鹿屋はそれを見つめ、揃えることはせずに、彼女に続いた。 考えたら女性の部屋はおろか、誰か他人の生活空間にお邪魔することも、本当に久しぶりだった。 (おお…? ちょっ、凄い良い部屋じゃないか……。絶対家賃高いぞここ……) 白い壁と天井の、明るいリビング。 まず、圧倒的な広さ(自分のアパート比)に鹿屋は驚いた。 9歳も年下の、しかも女性。 自分と同じ様にどこかの会社で働いているに違いないが、この違いは何なんだ。 分譲の、いわゆる本物の「高級マンション」にも匹敵しそうだ。 廊下からリビングに入った途端、彼は立ち尽くしてしまった。 「お客さん来るの分かってたら、もっと片付けたんだけどね〜。特にアレ。…あ、いや、今回は別にいいのか……見せちゃうんだし……」 ぶつぶつと呟きながら、冨士谷はスーツの上着を脱いで、ぶっきらぼうにソファにかけた。 そのまま、う〜んと大きな背伸びをする。 しかし鹿屋が見たその部屋は、言葉と裏腹な、スッキリとした綺麗な空間だった。
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519 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:25:45.84 ID:8neGtllc -
ここに向かって歩いている最中も、“散らかっている”と彼女は言ったが……。 とにかく、テレビやソファ、小さなガラステーブルと収納、ほか最低限の家具以外、物があまり無い。 少なくとも、見えない。 カーテンも落ち着く茶系で、いかにもな「女性の部屋」でなく……また部屋の広さに相応の、大きいテレビや豪華な家具があるでもない。ミニマムに纏められた、センスの良い空間だ。 こんな部屋に、しみったれたおっさんの自分がお邪魔して良いのかと、鹿屋は今更自問してしまう。 と思ったら、つながったダイニングの隅っこに、スーパード○イの3リットルアルミ樽が2個あった。 あと、ワインの空き瓶も何本か。 逆に安心した。 ……いや? もう少し良く見ると……。 この綺麗なリビングにも、雰囲気に合わない、変な大きいバケツが5〜6個も隅の方に重ねてあるのに鹿屋は気が付いた。 会社の掃除でもよく使っている安物の、よくある青いバケツだ。 何に使うのだろう。 アンバランスで、不思議だった。 「しかしあんた…冨士谷さん? 一体何者なんだよ。どっかのキャリアウーマンと思うが、どれだけ稼いで……」 鹿屋の頬に汗が伝う。 ひとことで言って、甲斐性無し……。 単に努力が足りないのか、それとも根本的な才覚の差か。 どちらにしろ、やはり自分は駄目な男なんだと、一層感じずにはいられなかった。 が、そう言いながら富士谷の方を振り返った鹿屋は、またしても言葉を失う。 その富士谷が、スーツの上着だけでなく、いきなり全部脱ぎにかかっていたからだ。 「ちょちょちょ、ちょっと待て! 何考えてるんだおい!」 「えー? なんで止めるんですかぁ?」 鹿屋が見た時には、彼女は…… 既に上はブラのみ、下はタイトスカートをとっくに脱ぎ、ショーツとタイツのみになっていた。 しかも脱いだ物は、ぽいぽいと、そこらに適当に散らかされていた。 酔っ払いにも程がある。
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520 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:26:39.23 ID:8neGtllc -
「なんでって、逆になんで脱ぐ!? 酔いすぎだあんた!」 「だって、お風呂入るって言ったじゃないですかぁ? 私のうんこ風呂。これから作るんで、汚れないように。その方がカノさんもうれしーでしょう?」 「いや言ったけど! ためらいも何も無いのか!? 危ないだろ! 俺に襲われたらどーすんだよ! 自殺しようとしてたんだぞ!? 破れかぶれで……」 「襲われないですよ? カノさん。だってあなた、優しい人です」 「えええ……」 一体何なんだ、この女は。 今まで出会ってきたどの女性とも違う。あまりに変すぎる。 さっきの小悪魔的な笑みとは違う、今度はやさしい、本当に目の前の男を信頼しているような笑顔だった。(酒臭いが) こんなかわいい子が、こんな……。 しかも、にっこりと「うんこ風呂を作る」なんて……。 鹿屋の額に、さっきとは違う汗が伝った。 「お風呂場に行くよ。カノさんも脱いで。…あっ、私が脱がしてあげようか?」 「……いいえ、自分で脱ぎます」 もう完全に理解を超えている。 いっそ、好きではないが自分も酒を飲むべきかもしれない。そう鹿屋は思った。きっと、あり余るほど、この部屋には常備されているだろう……。 これから本当に何が起こるのか、彼女の言葉は真実なのか。 ぐちゃぐちゃになった頭を抱えながら、鹿屋は冨士谷に背を向け、自分もスーツを脱ぐ。 シャツも、下着も……。 脱ぎながら嫌でも耳に入る、背後の衣擦れの音が生々しい。 しかし凄まじい異常な事態の連続に、冨士谷の半裸を見ても、鹿屋はさっぱり勃起しない状態であった。 自殺を決意するほどの日々のストレス、疲れの影響も多分にあったが……。 だが、理解を超えた状況というのは、これから起こる事こそが正に本番だったのだ。 夢か現か、夜はまだ始まったばかりである。
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521 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:27:19.73 ID:8neGtllc -
「んじゃあ、服も脱いだし、お風呂行くぞー!」 「お、おお……」 この女……男らしすぎる。 彼女の異常なテンションに圧され、思わずそう呟きそうになった鹿屋である。 脱いで更に一段階ひどくなったような気がする。 一体この女の倫理観はどうなっているのか、酒癖がひど過ぎるだけなのか……それとも出身が薩摩隼人なのか。 冨士谷は、本当に完全に脱いでしまった。 連れ込んだ男の目の前で。 全裸のまま、堂々たる「仁王立ち」で、その男、鹿屋と相対しているのである。 背すじ真っ直ぐ、腕組みをして…… 何がそんなに楽しいのか、満面の笑みで、下も上もまったく隠さない。 黒い髪も肩までしかないので、何の遮りにもならなかった。 (女の裸を生で見るなんて、どのくらい振りだっけ……。しかし、見ていいのか……いいんだよな……?) こうも見せつけられては、逆に疑問符を付けざるを得ない鹿屋だった。 が、小柄で、白く柔らかな彼女の肌は美しい。小さく茂った股間も、程よい大きさの胸も、すっかり露わになった。 確かに、堂々と見せ付けるレベルのスタイルではあった。 スーツ姿の時の、何となくの鹿屋のイメージ通りに、スレンダーな裸体だ。 背が低めなこともあって、27よりもかなり若く見える。 現役女子大生でも通りそうだ。 あまりに堂々たる態度と相変わらずの酒臭さが玉に瑕であった。 鹿屋の方も、彼女に促されるままトランクスまで全部脱いでしまったのだが、 (せっかく腕組みしてるんだから、せめて胸を隠せよ……) などと考えていた。 アニメファンにならば「ガイナ立ち」と言った方が通りが良いだろうか。 いっそ清清しい。 何が彼女をそうさせるのか、得意げですらある。
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522 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:28:04.69 ID:8neGtllc -
“裸になって何が悪い!” と身体で表現していると言うか……おどおどとし、迷いながらも男の性で色々見てしまう鹿屋とやはり対照的であった。 「ほぉ〜… カノさん、結構立派なのをお持ちで。でも全然たってないね。やっぱり良い人だね」 「それは男を傷つける言葉だぞ……。と言うか、男のコレだって色々繊細なんだよ。女の裸で無条件に勃つわけじゃない」 同じ見るにしても「恐る恐る」の鹿屋に対し、至極当然といった風に、富士谷は真正面から視線を向ける。 力強く組んでいた腕は、さっきの玄関でのように両腰にあて、腰を少しかがめて……何やら珍しい植物でも見るかのような様子だ。 そして鹿屋の方も、真上から見下ろす形になった彼女の胸から視線を外せない。 小ぶりだが、触ったら手に吸い付きそうな……良いモノだ。 だが正直、それよりも、自分の息子を手で隠したい鹿屋であった。 好奇の視線が強すぎる。 であるが、隠したら負けな気がして、我慢する。 「ふーん。じゃ、私のうんこ風呂で暖まってくれたら、大きくなる?」 「あんた、相変わらず凄いこと平気で言うんだな……。しかしうんこ風呂だぞ? うんこだぞ? ホントに分かってんのか?」 「もちろんだよ? これからお風呂場行ってぇ、バスタブに寝っ転がってもらってぇ、そこに私がまたがってぇ…んで、カノさんの上でうんこするの。いっぱい。……で、おっきくなる? 興奮する?」 更に凄いことを明言されてしまった。 しかも細かく具体的に。 この酔っ払いが……。もはや呆れた表情で、鹿屋はそれに答える。 「……ああ、なる。勃起する。興奮する。……本当に、現実に、そんなことが出来るなら……何だってする。命を懸けたって良い。死んでもいい。その位、やってみたかった」 「当たり前だけど、汚いよ? ……すっごく、臭いよ。丸一日経っても体中、ニオイ取れないこともあるよ? いいの? 本当に?」
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523 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:29:06.27 ID:8neGtllc -
今度は上目遣い、鹿屋の顔を覗き込むようにして、富士谷が聞いてきた。 ここまで来た鹿屋には、今さらの問いだった。 文字通りに、お互い何も隠さない、裸だ。言いたい事を、全部ぶちまけようと彼は思った。 「なんだ、今さら…… なら言っちまうが、その汚いのが良いんだ。勘違いはして欲しくないが、うんこなら何でも良いって訳じゃないぞ? 君みたいな…かわいい女の子のやつがいい。 きれいな女の子が、滅茶苦茶汚いものを生みだす……そんなのが大好きなんだ。それも大量に。現実には不可能だけど、昔のギャグ漫画みたいな、大量のうんこを産み出すところが見たい。それを直接、浴びたい。バスタブ一杯とか、ドラム缶一本分くらい」 「……ほんとう?」 「ああ、本当だとも。もし現実にそんな女の子が居たら、恋人にしたい。嫁に欲しいよ」 「お嫁さんに?」 「うん。世界一の金持ちになれるか、大量にうんこ出してくれる嫁を貰うか、どっちか選べって言われても俺は迷わない。馬鹿なこと言ってるのは、自分でも分かってる。…でも、だから」 震える声でそこまで言うと、鹿屋は一度言葉を切った。 そして、かしずくようにして、中腰の富士谷と視線の高さを合わせる。 ほんの数秒だけ躊躇ったが、彼は最後まで言い切った。 「もし出来るなら……その……。 君の、富士谷さんの産み出すうんこを浴びたい。実際そんな、大量じゃなくてもいいから。……死ぬ前に、一度でいいから。君のうんこを浴びて、その温もりに包まれたい。あんたのうんこはきっと……最高だ」 「……うれしい。でも、カノさん。死ななくて大丈夫だよ」 ――嬉しい? どういう意味と聞く暇も無く。 鹿屋は冨士谷に引っ張られ、浴室に入った。 暗闇と静寂の、深夜2時過ぎ。 幻か現実か、境目の曖昧なひと時が始まろうとしていた。
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524 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:29:42.60 ID:8neGtllc -
「おお…!? 風呂場もでかいし、きれいじゃないか……いいのか?」 「ん〜? いいのいいの。どうせ……。 それに、綺麗に見えてもね、実は私のうんちで、今までも結構汚しちゃってるから。その度に掃除してるけど……」 「ああ……自分でも、そう言う……。一人遊びしてたって事か」 案内されたそこは、リビングに見劣りせぬ、これまた立派なお風呂だった。 一人暮らしには少々どころか、過大な気がする。 壁の一面だけが御影石調になっており、他の壁と、大きなバスタブの白さが映える。 大人が足を伸ばしてなお、余裕を持って湯に浸かれそうだ。 脱衣所とはガラス張りの壁で仕切られている。ちょっとした高級ホテル並みだ。 改めて、一体どれだけ稼いでいるのかと考えてしまう鹿屋であった。 「君みたいな女の子に、最後の最後で出会えるなんてな……。スカトロ趣味の女の子と知り合うなんて、不可能だと思ってた」 「あ〜…、あのねぇ……。別に私、そう言う趣味持ってる訳じゃないし」 「そう、なのか……」 「一応言っとくと、その手のビデオ出たとかでもないよ。そーいう趣味の彼氏もいなかったし。……うんちで汚れたっていうのも“遊び”では無いんだなぁ…。止むに止まれぬ、と言うか。……じゃ、バスタブに寝てもらおうかな。ちょっと冷たいし、硬いけど我慢してね」 「ん、分かった」 「うんこ風呂」なんて凄まじい単語をさらっと言ってのける上、実際自分でもやったことがあるっぽい発言をしていた彼女。 しかし、そういう趣味ではないと言う。 いくらなんでも、ここまで来たら嘘はあるまいが……。 鹿屋は不思議に思った。 「――ひょっとして富士谷さん、あんたもストレス溜まってた?」 「ん……まぁね。本当はね……私もカノさんみたいに、あの橋で叫びたい気持ちだった。上司のバカヤロー! 会社の女ども死ねー! とかね。……おんなじ。毎日大変で、いっそ死んでやろうかって、時々思ってた」 「おんなじ、か……」 鹿屋は呟きながら、白いバスタブの底に、言われるまま横たわる。 湯の無い浴槽に寝転がるのは、そう無い体験だ。 ほんの少し両足を曲げて……確かに背中と尻が少し痛い。見上げる天井の照明も少し眩しかった。 「それと、ストレスもだけどね……溜まってるのは、こっち。お腹の方もだよ。私、身体小さいけど、凄いたくさん出るからね」 「はは…。期待してるよ。それに男を捕まえて部屋に連れ込んで、うんこ浴びせようなんて思うくらいだから、富士谷さんのストレスも相当だな」 富士谷はそれには答えず、がばっと、大股を開いてバスタブに乗っかった。 バスタブ両脇の細い部分に、器用に両足を載せる。 ちょうど、巨大な和式便器に跨るように。 騎乗位でセックスするのに似た態勢になって上と下、高低差90センチで鹿屋と彼女は向き合った。
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525 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:30:21.45 ID:8neGtllc -
「……絶景だ」 少々逆光になるが、彼女の大事な部分が全て、鹿屋の眼前に晒された。 胸はもちろん、あまり使いこんでいない様子の、清楚なアソコも。 どのくらい出してくれるのか、これから主役を張る予定の、すぼまった肛門も。 このまま彼女が排便してくれたら、ヘソの辺りに湯気の立つ大便を感じることになるだろう。 鹿屋にとって、天国の情景であった。 「……あと一つ断っておきたいんだけど…。こんな事するの、カノさんが初めてだよ。初体験。……うんこ浴びせよう、なんて」 「そりゃ……光栄だな。でも、そんなタイミングよく、うんこ出るのか? イチヂクとか要らない?」 「うん…大丈夫。私ね、最近こういうの、少しコントロール出来るようになったから。じゃ……いい? うんち出して……いい?」 「夢みたいな台詞だな。……ああ。頼む」 「バケモノ、なんて言わないでね……」 ぽつりと、富士谷は呟くように言った。 その一言は違っていた。 酔っ払って、ふざけた口調だった、先程までとは。 「……? 意味が… 何を言って……」 「あっ… あ、あの橋で、あんな事を叫んだカノさんが悪いんだからね……! んっ…! 私の溜まってたやつ全部……! 受け止めてもらうよっ……!!」 「悪い? えっ、ええ?」 「うぅっ… くっ…! そ、それと……本当に溺れて、死なないでよ……!!」 バスタブに跨って排泄姿勢を取る、彼女。 いきみ始めたのか、小柄なその身体がぶるぶると震え出した。 だがそれ以上に、明らかに彼女の雰囲気が変わった。 ……何か。 何か思い出すのは、日本昔話とかの、美女に誘われてホイホイ着いて行ったら、実は妖怪で喰われそうになりました……というお話。 いや、まさか。
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526 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:31:22.06 ID:8neGtllc -
「はぁ、はぁ… あっ…、う、うあああっ……!! う、うんち……出るよっ! カノさんの望み通り、バスタブ一杯出してあげるからね……!」 「お……おう! 何か知らんが、気合入ってるのは分かった! 出せるだけ、全部くれ! 俺を、君のうんこで溺れさせてくれ!」 見上げる鹿屋の心拍も上がっていく。 馬鹿な事を考えている時ではない。 酔っ払いぶりは別として、正直かなりかわいい彼女の、ちから一杯の踏ん張り姿。 美しい。 出産とは流石に比べられないだろうが、見事なきばりっぷりだと彼は思った。 しなだれていた彼の男根も、感激と興奮、期待感で硬く持ち上がっていく。 バスタブ一杯のうんこ。 溺れるくらいの大量排便……あくまでも比喩だと……彼はそう思っていた。 「くぅっ… あ、あああ…! 出る…! ほ、ほんとに……こんな……人にうんこぶっかけるなんて……! あ、ああああっ!!」 異常な興奮か、便意の苦痛か、排泄の快感なのか……富士谷の顔はすっかり乱れていた。 先程までの、酒に酔っての乱れとは違う。 彼女から産まれてくるはずの排泄物を受け止めるため寝そべる鹿屋は、それを見て、黙って右手を差し出す。 富士谷は、曲げた両膝にあてていた左手を、同じく差し出した。 それは……二人の手が繋がった瞬間だった。 ――むぼっ… ぷっ……ぷぷぷっ…… ぼとっ! ぼとととっ!
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527 :G[]:2018/06/07(木) 02:32:19.39 ID:8neGtllc -
「あうぅっ! く…うぅぅっ…!」 「うっ!、うおおおおっ!? すっ…凄い……!!」 ついに待ち望んでいた排泄が始まって、鹿屋は歓喜の声を上げた。 まず……落石のような、塊の排便があった。 山道を走っていて、崖からゴロゴロと茶色い石が転がり落ちてきたような。 いきみと共に、急激に拡がった彼女の排泄口、そこから硬い便の塊がいくつも次々に滑り落ちてきたのだ。 彼女の直腸に溜まっていた先っちょの方、秘結した部分だ。 でかい。 産卵にも似た産みの苦しみで、富士谷の小さな体がのけぞる。 こげ茶色で、ごつごつとして、それも一個一個が大人のこぶし大はある……。 あの小さな肛門がよくここまで拡がったものだ。 何個かは鹿屋のたるみかけた腹を転がり落ち、ごろん、とバスタブの底で重い音を立てた。 「で、でか……! これが本当の……女の子の……! 感激だっ……!」 身体で受け止める鹿屋は、自らの腹部に感じるその重さ、その温度、そのざらざらした便の感触に、素直な感動を漏らす。 空いた左手でその便塊を一個掴んで、玩ぶ。 力を入れて、握りつぶしてみた。 更にもう一個も。 小学校の工作の思い出、紙粘土を思い起こす触感だ。 よどんだ中年の瞳ではない。 まるで、小さな子供が欲しかったオモチャを手に入れた瞬間のように、彼の眼は輝いていた。 「その小さな腹に、よく溜め込んでたなぁ……! 最高だよ……!」 「はぁっ、はぁっ… は……何言ってんの、まだまだよ、まだ……これからが本番なんだから……!」 「……え?」 …むちゅっ! ……ぶ、ぶりゅりゅりゅりゅりゅりゅっ!! べちゃっ!!! どぶりゅっ!! にちゅちゅっ! むちゅっ! むちゅちゅちゅちゅっ……!!
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528 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:33:05.87 ID:8neGtllc -
「う、うおおぉ!?」 またしても鹿屋は大きな声を上げる。 第二波で落ちてきた衝撃に……。 下腹部を圧迫する重量で、吸い込んでいた空気が口から抜けていった。 堰を切ったような、と言うのは、正にこういう時に使う表現なのかもしれない。 それは明らかに、さっきよりも柔らかく、もっと温かかった。 そして重かった。 最初の便、こぶし大の硬い便が出尽くすと、今度は――やや明るめの茶色をした、これまた見事な一本糞が富士谷の肛門から溢れてきたのである。 茶色く、長い動物の尻尾を思わせる……。 この柔らかな便ですら、鹿屋の一物を凌駕する太さだった。 排泄に震える、富士谷のおしり。 その中心にある、大きく拡がった彼女の穴。 ひくつく頬と同じくピンクに染まったそこから次々に、一瞬の途切れも無く、茶色い排泄物が生まれ続ける。 堰と言うより、華厳の滝もかくやという流麗な大便の落流がそこにあった。 「ふっ、ふっ! ふうぅぅっ!! う…うんち……! うんち止まんないぃ……!」 「ほっ…本当にあんた……何処にこれだけ溜め込んでたんだ!? 何日分だよ!? 何食ってたらこんな……! でも、すげぇ…… 最高だよ富士谷さん! あんた世界一の女だ……!」 時ならぬゴールドラッシュが巻き起こっていた。 鹿屋の腹の上で、最初は古典ギャグ漫画で見るようなとぐろを巻くうんこが出来上がった。 それは、ほんの数秒で、降り積もり続ける便に壊される。 富士谷の肛門を源とする、極太の大便の滝は枯れることがなかった。 その後は無秩序に、積もる傍から自重と新たに降ってくる便につぶされて、広がっていく。 白いバスタブが、まるでカレー皿のようになっていく。 その皿に寝転がる鹿屋は、ただ受け止め続けるだけだった。 天を衝いて立ち上がった鹿屋の男根も、じわじわと押し寄せてくる軟便に、飲み込まれていった。 それがまた、言葉に尽くせないほどに心地よい……。 (こっ……これ、本当は……。本当は俺、もうとっくに川に飛び込んでて、死んでて、ここはあの世で……天国にいるんじゃないか) 隆起した男性器を丸ごと、出したての軟便に包まれる。 それだけで、言いようのない快感で満たされる。プロの女性との行為となど、比較にならない……。 至福としか表現ができない。
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529 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:33:36.77 ID:8neGtllc -
本当はそのまま、手で思い切りしごいて、彼女のうんこの中で射精したかった。 だが右手はその彼女と繋いだままで、ふさがっている。 左は左で、次々積もっていく彼女の大便で遊びたい。 もどかしいが、それもまた一興だった。 下腹部の周りを中心に、胸が、太腿が、ねちゃねちゃと人肌に温かい……。しかし、足や肩、頭はバスタブの底で痛い。 夢……ではない。 その痛みが、鹿屋の考えを否定する。 (天使かよ、この娘は……) 女性の便を実際見ること、浴びることも初めてなら、こんな量の大便を見ることも当然初めてである。 そして、期待していた通りに温かく、心地よい。そしてとにかく酷い、この大便の刺激的な匂い。 堪らなく興奮する。 酒のせいだけでない、顔を赤くして排泄を続ける……目の前にいる女性。 今この瞬間、自分のためだけに、頑張って排便してくれる彼女が……。 自分を死の淵から拾い上げてくれた、この人が……。 この富士谷という女性が愛おしくてたまらなかった。 「あふぅ…! ふっ…! せ…世界一? ほっ……ほんとにそう思う?」 「俺の天使だ。富士谷さんは……」 「天使なんかじゃ……ないよ。バケモノかもしれないよ、私……」 さみしそうな一言だった。 繋いでいた右手に、彼女からの動揺のようなものを鹿屋は感じた。 そこで一旦、軟便の滝は途切れる。 尽きた……と言うより、彼女が止めたようだった。 ぐっ、と力を込め、肛門を締めたのが鹿屋には分かった。 「あ? ああ。確かに、モンスター級の腹を持ってるのは分かったけどよ。これだけ出してくれたら感動しかねぇ。いや〜…感激した、ほんとに。下品なこと言うけどよ、もう俺、何も触らなくても射精しそうなんだよ」 「こんなに、じゃないよ」 「……え?」 「まだなんだ。……まだ、これだけしか出してないの。……私がうんち全部出し切った時、同じことを言えるかな? カノさん」 「どっ…… どういう意味だよ……?」
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530 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:34:19.01 ID:8neGtllc -
……ぶりゅっ、ぶりゅりゅりゅりゅっ! ぼとととっ……! きゅ… どぶゅっ!! むちゅっ! ぐちゅちゅっ……!! 「ふっ…! ふぅっ! あああああぁっ……!」 鹿屋の問いに、富士谷は答えなかった。 答えの代わりに、彼女は再び踏ん張り始め……また、大きく開いた肛門から極太の便を排出し始めた。 さっきと変わらない勢いで。 まるで、彼女のおしりの穴は異次元に通じているかのように……。 最初の硬い便を産み落としてから、何分経った? 延々続く排泄行為の刺激でか、和式スタイルできばる彼女の全身は震えていた。 額に、頬に、かわいらしいおっぱいにも。 玉のような汗が浮かんでいるのが、鹿屋から見えた。 終わらない。 喘ぎながら、顔を赤く染めながら、彼女の排便は終わらない。 本当に、一体どれだけ……。 (こ、これは…… 普通じゃない。普通じゃ……) 流石に鹿屋も、おかしいと感じ始めていた。 目の前には彼女の肛門が作り出す。うんこの滝。 それは太さも勢いも全く変わらずに次々、延々、鹿屋の身体を覆いつくそうとしていた。 段々とバスタブ内は埋まり、砂風呂状態に近づいていく。 それこそ望んだ事ではあるが……。 酷い便秘で大量に溜まっていたとか言う次元ではない。 いくらなんでも、一度にこんな量の排便が可能な人間がいるはずがない。 そう思い始めていた。
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531 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:34:45.83 ID:8neGtllc -
人間の体積は、体重50kgならおおよそ0.05立方メートル程度。 つまり5リットルである。 彼女の排便量は、とっくの昔に5リットルを超えている。 「あふっ… んうぅ……! ま…まだまだ、出るからね……!」 軽く直径5センチはありそうな柔らかな一本糞が、白いバスタブをカレー鍋に変えていく。 壊れた水道の蛇口、いやスイッチの戻らなくなったソフトクリームマシーンのように排便しっぱなしの彼女は、その肛門からの刺激を受け、断続的に喘ぎ声を漏らす。 おしりの直下で積もった軟便が、自重でどんどん周りに広がっていく。 段々と、うんこ風呂が完成に近づいていく。 それほど体格が良いわけではない鹿屋の身体は、もうほとんど覆いつくされてしまっていた。 (なんだ、これ……) 確かに望んだ。確かに、気持ちいい。 彼女の大便の、ねちょっとした感触に、温かさに溜息が出る。最高に気持ちいい。 しかし、ここがあの世でないとしたら、これは一体何なのか……? 日本昔話のような……。 さっきの馬鹿な考えが再び頭をよぎる。 (人間じゃ、ない……?) バケモノなんて言わないで……。 彼女はそう言った。 バケモノかも知れないよ。 彼女は、自分でもそう言った。 自殺しようとしたから? この世にあらぬもの……死人と化した自分が、類を呼んだ……そうなのか?
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532 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:35:41.26 ID:8neGtllc -
(俺は……?) 重みで腹がちょっと苦しくなってきた。 凄まじい刺激臭で鼻を壊されそうだ。 ぐちょぐちょの便と、自分の肌の境界が曖昧になっていく。 五感を狂わされ、何もかもが曖昧になっていく。 考えるのを、やめたくなる……。 体もだが、心が溺れてしまいそうだった。 「んっ… んん〜…… はあぁ……軽く……いっちゃったぁ……」 とうとう、鹿屋は頭以外を、彼女のうんこで埋葬されてしまった。 ずっと上で跨ったまま、富士谷は恍惚の表情を浮かべる。 バスタブ半分ほどまで、彼女の大便は溜まった。 そこでやっと……今宵の、彼女の排便は終わった。 この世の常識を壊す大量排便だった。 「はぁ、はぁ…。はぁぁ……。……どう、かな? カノさんのお望み通り、全身私のうんこで包んであげたよ。……欲しかったらオシッコもあげちゃうよ?」 「……」 「何も言えなくなっちゃった? どうなの? あの橋で叫んでたこと、嘘だったの?」 挑発的な中に、何か悲しみが隠れているような……そんな問いかけだった。 富士谷はバスタブの縁から洗い場に降りると、うーん…と思い切り伸びと屈伸運動をして、それからバスタブの中を覗き込んだ。 顔だけ出た鹿屋に、またあの挑発的な笑顔で語りかける。 おしりも拭かないままなので、白く美しい太ももの間に、茶色い汚れが残っている。 そして、その鹿屋は……砂風呂というか、まるで山で埋められたような状態で、ただ目をつぶっていた。 安らかに、まるで死んだように……。 「……もっと」 「え?」 「もっとだ。うんこ風呂作るって言ったろ。これじゃ足りないよ。もっともっと…富士谷さんのうんこが欲しい」 ゆっくり目を見開いたかと思うと、鹿屋は、がばっと起き上がって言った。 上半身を起こすのに、粘着する便でかなりの力が必要だった。 そして当然、顔以外の全部が茶色い。 有明の干潟で泥んこ遊びをする子どものようだった。
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533 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:37:00.03 ID:8neGtllc -
「えっ…… も、もっと?」 「ああ。欲しい。まだまだ足りない。バスタブ一杯出すって言って……半分しかないじゃないか。ほら」 「半分……。う、うん。ごめん、全力できばったら、そのくらい出るはずだったんだけど……。うん。いっぱいには、ならなかったね……」 「なんだ、期待外れだな。……しょーがない、身体洗ったら、服着て、あの橋に戻るか。夜が明ける前に飛び降りないと……」 良いながら両手で、髪に付着した便を拭った。 そして大きなため息。 「ま、待って! 頑張るから! 今すぐ何か食べて、そしたら私すぐ消化できるから……もっといっぱい出せるから! だから……行かないで。死なないで……!」 富士谷にとってそれは、予想外の反応だった。 初めて、彼女は慌てた。 やれやれ……といった風な表情を作る鹿屋に、富士谷は自分が汚れるのも構わず……すがりつくようにして叫んでいた。 「……嘘だよ」 「え……」 「ごめん。嘘だ。もうあの橋には行かない。人生の最後の最後で、この世界に天国を見つけたからな。富士谷さん、あんた、誰が何といおうと、あんた自身がどう思おうと……俺の天使だ。死ぬ理由なんか、もうない」 「本当に? 本当にそう思ってくれるの?」 「ああ。……ちょっと、酒臭いけどな……。オシッコはまぁ良いけど、ここで吐いたりはしないでくれよ。俺、こんな性癖だけど、ゲロは駄目なんだ」 「……変な人、カノさん。変な人だよ……」 「あんたもだろ。変な人だよ、富士谷さん」 どう考えても異常な状況だ。 だがそんな中で、二人は……鹿屋だけでなく、富士谷も、子どもに戻ったように笑いあった。 ――こんなかわいい、それも自分のためにうんこ風呂作ってくれる娘なら……妖しだっていいじゃないか。 どうせ自分も、実際に死のうとした、この世とは既におさらばした人間なのだし……。 フィクションの世界のことだと思っていた大量娘は、実在した。 そういう事なんだ。 それだけの事だ。 うつつか幻か、まどろんだ思考の中、そう鹿屋は思った。 彼はただ、全身を包む富士谷の便の温もりとニオイと、そして彼女の笑顔に全てをゆだねた。
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534 :G[sage]:2018/06/07(木) 02:37:37.99 ID:8neGtllc -
「は〜……。しかしこんな、気持ちいい物だったんだな……かわいい女の子に出して貰ったうんこで入る風呂って。辛いことも何もかも、どうでも良くなってく……」 自分の願いが具現化したバスタブだ。 底なし沼のように溜まった便に、もう一度鹿屋は全身を横たえた。 泥と同じ、抵抗の大きな流体なので、徐々に身体が沈みこんでいく感覚が楽しい。 まさに夢にまで見た、大量少女のうんこ風呂だ。 もともと人間の体温と同じ熱しかないはずだが、何故だろう。不思議とあたたかく、冷める様子がない。 あまりの興奮でそう感じるのか、それとも彼女の出すモノが特別なのか……。 しかし、どんな高級旅館や秘境の温泉より、価値のある湯であることは間違いなかった。 「そんなに、私のうんち気持ちいい?」 「麻薬みたいだ。……って言ったら危ねぇけど……。本当、死ぬのが嫌になる。身体が若返ってくみたいだ」 本物の温泉に浸かっているかのように、鹿屋の声はゆるんでいた。 “生きるのが嫌”だった1時間前と、全くの逆。 凄まじい効能である。 「こんな気持ちいいこと、一回きりなんて勿体ない……あっ」 「何?」 「富士谷さん、そう言えば、これ……この大量のうんこ、終わったらどう片付けるんだ?」 「ああ、それはね。簡単。いっぱいお湯足して割って、ゆる〜く溶いてから栓抜けば、なんとか流れてくから。まぁ常にかき混ぜてないといけないけど。で、あとは掃除するだけ」 鹿屋の顔を覗き込みながら、富士谷は答えた。 風呂の床に女の子座りで、バスタブの縁に両腕と上半身を預けている。 「ええ… このドロドロのうんこ……うんこだぞ? 風呂でそのまま流して大丈夫なのかよ」 「ちゃ〜んと、私調べました! 実はトイレもお風呂も、流れてく先は同じなのです! 結構びっくりでしょー? だからお風呂でうんちしてもオシッコしても、全然平気なのですよ! あとで掃除すれば!」 得意げに胸を張る。 潔癖症の人間が聞いたらショック死しそうな事を、高らかに謳う富士谷であった。
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4 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:47:35.42 ID:8neGtllc - 感謝です。
では、行ける所まで、続き投下します。
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5 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:49:21.22 ID:8neGtllc -
「ちゃ〜んと、私調べました! 実はトイレもお風呂も、流れてく先は同じなのです! 結構びっくりでしょー? だからお風呂でうんちしてもオシッコしても、全然平気なのですよ! あとで掃除すれば!」 得意げに胸を張る。 潔癖症の人間が聞いたらショック死しそうな事を、高らかに謳う富士谷であった。 「はは……楽しいな、あんたと居ると」 自然と笑みがこぼれた。 それは、彼女のうんこに全身浸かった気持ちよさだけではない。 生きる喜び。 本当に長い間、無かったことだった。 できるなら、こうして彼女に見守られながら、何時間でも浸かっていたいと思った。 ……だが、やはり湯船半分ではどうしても少ない。 贅沢言い過ぎなのは彼自身分かっていたが、もう少し“湯”が欲しいと思う鹿屋だった。 ――と。 「お邪魔しちゃいまーす……」 ぶちゅっ… にちゅちゅちゅ…… 「お、おい!? いいのかよ!?」 反射的に、鹿屋は叫んでいた。 楽しげな顔で上から眺めていた富士谷が、不意にその湯船に入ってきたからだ。 そして二人並んで、沼のようなうんこ風呂に浸かり……一緒に、茶色い汚物まみれとなった。 まさか、いくらなんでも……。 女性が一緒に入ってくれるなどとは、流石の鹿屋も想像していなかった。 「足りないんでしょう? こうすればちょっと増えるよ? それに私、お風呂……あ、普通のやつね。湯船に浸かりながら寝ちゃって、そのまま漏らしちゃってて、ここでセルフうんこ風呂しちゃったことね、何回もあるから。大丈夫」 「な……なるほど……。そう言うことか……」 脱糞前の、富士谷の言葉。 止むに止まれぬ…その意味を理解した鹿屋だった。
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6 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:50:06.34 ID:8neGtllc -
「今すぐには私も、次の出せないから……こうするの。それに一緒に入った方が、カノさんも嬉しいんじゃないかなって……」 「……そりゃ、嬉しい。もちろん。死ぬほど嬉しいぞ。こんなかわいい女の子と、うんこ風呂で混浴なんてな……」 深い深い、歓呼の息をつく。 感慨もひとしおだ。 そして、量も量なら、彼女のうんこは……ニオイも格別だった。 その刺激臭に、もうとっくに鼻神経はいかれて、正確な状態はわからないが……。 実際、酒の匂いなど、とうに感じなくなっている。 彼女も慣れたもの、なのだろう。24時間換気も含め、きちんと換気扇は切ってあった。 「……てか、あれ? 富士谷さん……涙!? 泣いてるのか!? なんで!?」 「生まれて初めて、私の体質が誰かの役に立ったから。毎日毎日こんなたくさんのうんち……ずっと、ずっと嫌だった。でもカノさん、もっと欲しいって言ってくれた。私のこと認めてくれた。天使だって……。そんな事言われたら、泣いちゃうよ……」 「……そうか。あんたも、苦労してたんだな……」 この世で最も汚いモノが溜まった、バスタブの中で。 水晶のように美しい粒がいくつも生まれ、彼女の頬を流れ落ちていく。 嬉しさと感激の結晶があふれ、ぽろぽろと……。 中学、高校、大学。 そして社会に出てからも。 友達にも、親にも相談できずに、一人で茨の道を歩んできたこと。 ハンデを背負いながらも、負けるもんかと反骨心で自分自身を鍛え、これ以上はまず望めないと言うほどの企業に入って……そして女だてらに実績を上げ、ここまで頑張ってきたこと。 だが、一人ではもう背負い切れなくなってきたこと……。 涙で声まで曇る中、彼女は今まで、この「毎回、常識はずれの大量便を産み出してしまう体質」のせいでどれだけ苦労してきたか、端的に語るのだった。
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7 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:50:37.88 ID:8neGtllc -
どうやら。 救われたのは、自分だけではなかったらしい……。 それを悟った鹿屋は、汲取りの便槽と化したバスタブの中で、富士谷を抱きしめた。 お互い顔だけは汚れないよう注意して、見つめあう。 改めて、かわいい娘だと思った。 その数秒後には、衝動的にキスをしていた。 「あんたと一緒に居たい。いいか?」 「うん!」 「これから毎日、俺のためにうんこ風呂作って欲しい。一緒に入ろう」 「うん! うん……!」 一組の男女が、どろどろの酷い姿で情熱の言葉を語らう。 おどおどしていた最初の頃とは打って変わった、男振りを見せる鹿屋だった。 その言葉一つ一つに、富士谷は嬉しそうに応える。 尻尾があったら物凄いスピードで振っていそうな勢いだった。
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8 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:51:17.28 ID:8neGtllc -
「……富士谷さん」 「うん。なに?」 「俺な、何もして無いのにもう射精しそうなんだ。さっきも言ったけど」 「ん…… おおっ……? ほんとだ、鉄みたいになってる。嬉しい」 自ら作り出した、うんこの沼の中である。 鹿屋のモノは、沼に隠されて全く分からない。 どの辺に埋まっているのか見当をつけると、ぐちゃぐちゃと音を立て、富士谷は手探りで、雄々しく隆起したそれにたどり着いた。 そしてやさしく、手のひらで包み込む。 「……富士谷さん、受け止めてくれるか? これを……俺の全部を」 「もちろん……! て言うか、これを断ったら女じゃあ無いね。……カノさんの生きてる証、私に注ぎ込んで」 あふれる笑顔に、涙も乾く。 襲われる、襲われないの問答をしていたのが、嘘のようだ。 あまりに贅沢すぎて罰が当たる、とも少し鹿屋は思ったが、言わずにはいられなかった。 この、愛おしい彼女とつながりたい……。 その真剣な鹿屋の気持ちを受け入れた富士谷は、いつくしむように優しく、彼の男根を指先で撫でた。 「ととっ…! あぶねぇ、今出そうになった」 「ごめんごめん。そっとそ〜っと、慎重に! だね。 ……ただ、ちょっと……」 「何?」 「考えてみたら私って今日、危ない日なんだなぁ……なんてタイミングって、自分でも思うけど。 だから……後ろの穴でも…いいかな。こっちなら初めて、だし……。カノさんのは私のうんちより細いっぽいから、初めてでも大丈夫だと思うんだよね」 「ひ、ひでぇ言い草だな……。だけどいっそ、それがいいか。なんか、それでこそ富士谷さんって感じがする。……俺らには、後ろでつながる方が、らしいかもな」 その後には、細かな言葉は必要なかった。 鹿屋は引き続き寝転がって、富士谷が上になる。 脱糞するのと同じ格好で交わるのが、二人には自然に思われた。 跨るため持ち上げた上半身を、まっすぐに……彼女の柔肌にたっぷりと付着していた茶色い泥が、自らの重さでいくらか滑り落ちていく。 首から上以外、彼女の身体には白い部分がどこにも無い。 全身泥パックと同じ状態だ。 かわいらしい胸のふくらみも汚物でべとべと、本来の淫靡な輪郭も、淡い小さな先端も隠されてしまっている。 腕組みをして見せ付けていたあれが、文字通りに見る影もなかった。 女の命と言われる髪にも当然、汚物がまとわり付いてくしゃくしゃになっているが、彼女はそれらを気にする風もない。 鹿屋にとっては「汚い」ではなく最早「神々しい」レベルの情景だったが、慣れている、という事の彼女の哀しみもまた、心の奥に感じるのだった。 だが大便を纏って、目の前で小さく揺れるそのおっぱいは……その曲線の頂きから、軟便がしたたり落ちる様は……堪らなく、彼の劣情を誘う。
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9 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:51:42.80 ID:8neGtllc -
「ね… 手、にぎってもいい?」 「よし……」 そしてゆっくりと、二人は肛門と男性器を近づけていく。 さっきの大便の滝の時と同じような体勢であるが、今度は少し違う。 二人の間に、距離はない。 誤って前の穴に行かないようにだけ気を付けながら、富士谷は腰を降ろしていく。 一つ一つの段階を噛みしめるように、そっと。 彼女の下半身も、自らの排泄物にすっかり浸かっている。 ずぶずぶと、音を立てながら。 段々と下半身を沈め、それはまるで、底なし沼にはまっていくように……。 「ん……」 富士谷が小さな反応をした。 むにゅっ…と、鹿屋が肉の抵抗を亀頭に感じるのと同時だった。 ここが、彼女のうんこの穴の入口……。 富士谷の反応で、鹿屋は確信した。 手も添えず、ほとんど言葉も交わさず、二人はお互いの性器を探り当てた。 本能のなせる業なのか、何も見えないドロドロのうんこ風呂の中で、二人とも正確にお互いの位置を把握していた。 富士谷は体重をかけ、そこから更に腰を下ろしていく……。 「ん… んっ……!」 一つ一つ、その可愛らしい反応が二人の初体験に華を添える。 鹿屋に劣らず首から下を全てうんこまみれにして、富士谷は肛門挿入の刺激を感受していた。 その表情は、鹿屋を部屋に連れ込んだ時、滝のような大量排便の時と打って変わった、10代女子のような愛らしさであった。 秒速1センチで肉棒が排泄口に侵入してくる……。 先ほどの極太、大量排便とは比較にならない軽い刺激のはずだが、彼女にとってそれは格別だった。 徐々に入っていく毎の反応で、彼女の胸からまた少し便が滴っていく。 まとわり付く軟便のおかげで、滑らかに、彼女の肉穴は初めての男根を飲み込んでいく。 本当に心を許せる相手との初体験だ。 彼女の頬が、また一段赤く染まっていく……。
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10 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:52:02.24 ID:8neGtllc -
「……は、入っ…たぁ……。初めて…おしり……犯されちゃったぁ……」 「ああ……。天国に居るみたいだな… ここがいつもと同じ世界とは思えないな……」 「うん…ほんとだね……」 富士谷もまた、感動の深いため息を漏らしていた。 鹿屋の全てを己の穴に収めきると、きゅっ…と硬い根元を締めつける。抱きしめて離さないという彼女の気持ちの表れだった。 初めて後ろで受け入れた、男性器。 表面は柔らかいのに、芯は硬い。逞しい。そして暖かい。 当たり前だが、大便と違って、どんなに力を入れても千切れない。 太さよりも、その力強さに彼女は感動する。 それは鹿屋もまた同じである。 二人一緒に全身で感じる、彼女の大量便はあたたかい。だがその大量便の産まれくる源、彼女の穴もまた特別だった。 痛いくらいに締め付けてくる入り口も、それとは対照的に優しく包み込んでくる奥の肉壁も……。 彼女の鼓動すら、つながったその部分を通じて感じられそうだった。 愛しいと思う女性の排泄した大量便に包まれながら、その彼女を抱く。 彼女の未体験の穴を犯す。 初めてを奪う……。 茶色く便で化粧された彼女のおっぱいと、嬉しそうなその顔を見上げながら。 こんな幸せが、自分に許されていいのか。 女性の手前こらえていたが、性欲、性癖、単なるセックスの興奮を超えて、鹿屋も涙が流れてしまいそうだった。 この短時間に感動、感激が続きすぎて、おそらく感覚がおかしくなっている。 だが確実に分かったことがあった。 天国も地獄も、人間が作るものだ。 死んだ向こうには、無い。 両手を繋ぎ、全身をべとべとに汚す大便を媒介にして、心もつないだ。 最後は排便のための汚れた穴で、一つにつながって……。 他人が見れば悲鳴を上げ、絶対に理解できないであろうが、二人は大量の汚物にまみれて生きる喜びを分かち合った
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11 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:52:29.01 ID:8neGtllc -
「ごめんね。しばらくこのままでいいかな……。私も動かしたいんだけど、先にカノさんの形、しっかり覚えたい。これからは出すばっかりじゃないよって、お尻の穴にも教えなきゃ……」 「……構わない。動かれたらやっぱり、すぐ…出そうだしな……」 例の缶ビール4本、彼女の酔いは既に醒めているのだろうか。 顔は赤いが、裸で何が悪い! というような例の態度からは想像できない語り口だった。 酒が抜けていても、きっと、彼女は別の何かに酔っている。 嗅覚を壊しかねないほどの、強烈な大便の臭気か? 初めての、肛門性交の刺激にか? 女性ならば…いや、普通の人間ならば絶対に嫌悪する筈の、ねちゃっとした大量のうんこが肌にまとわりつく、その感触にか? それとも……天使と呼んで全てを受け入れてくれた、眼下で微笑む男の愛情にか。 「んっ… んっ…! あ…」 「ふっ…! ふっ……!! ううっ……」 やがて、二人分のくぐもった喘ぎ……そしてぬちゃぬちゃと、大便の沼が波打つ音が響き始める。 自然な事だ。 やはり我慢できなかった。 腰を動かし始めたのはどちらだったか、何十秒かの静寂は終った。 おおよそセックスの音とは思えない、底なし沼にはまって、のた打ち回るような音……だがそこに二人の楽園はあった。 やはり彼女の穴は特別なのか、あたかも愛液のように腸内分泌液がじわっと溢れ、肉棒に絡みつく。 肉穴への挿入と引抜きと、二人の一番敏感な部分がこすれあう。 粘膜だけでない、二人の心も擦れあう……。 「はっ…! はぁっ… あ… し…幸せぇ……!」 震える口唇からこぼれたのは、彼女の、心の底からの歓喜だった。 富士谷はまた、小粒の涙を浮かべていた。 単なる普通の性交なら、彼女も過去に経験済みである。だがこの大量便を含め、己の全てをさらけ出し、受け入れられ、求め合う……。 何もかも生まれて初めてで、嬉しくてたまらない。 未経験の後ろでの行為も、問題にならなかった。普段、あれだけの極太便をそこから産み出してきた彼女である。 逆に彼のサイズは丁度よく、ぐちょぐちょの軟便をローション代わりに実に滑らかに、肛門で抽送を行える。
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12 :G[]:2018/06/07(木) 05:52:58.23 ID:8neGtllc -
当たり前だが、肛門は本来性器ではない。 だが最高に気持ちがいい。 ぐっと突き上げられ、腰をしっかり付けた時の、直腸にぴったり収まる感じが楽しい。 今宵も大量脱糞でいい具合にほぐされた括約筋で、優しく鹿屋のモノを締め付ける。 この日、この瞬間のために、毎日毎日大量便に犯され続けたような気さえしていた。 (ああ…… 後ろの穴って、こんな……凄いな……すごい……) そして鹿屋の方も、語彙まで失われつつあった。 そもそも彼もまた後ろは初めてで、気付いていなかったが、それは只のアナルセックスではない。 汲取りの便槽と化したバスタブの中での行為だ。 ゆっくりとしたストロークを繰り返し、肉棒を亀頭ぎりぎりまで抜いても、そこもまた彼女のやわらかな便の中である。 どの位置にいようと、全部包まれる……。 腰を持ち上げる一突きごとに、信じられない快感が鹿屋を襲っていた。 入れたのは彼女だが、どうしても自分も動きたかった。 最後に女性を経験したのは一体どのくらい前だったか、その普通の性交の快感がどうだったかなど、もう彼は思い出せない。 全て、この今の瞬間に塗りつぶされていく。彼女の便で上書きされていく。 最早これが当たり前の行為のように思えてくる。 だが、やはり……十往復もしないうちに、鹿屋の限界は迫ってきた。 「すまん…… も、もう駄目…だ……!」 至福の時間はごく短かった。 あまりに気持ち良すぎて、もう射精を我慢できない。 超スローの優しい上下運動も、今の彼には特上の刺激だ。 だがそれでも、軽い衝撃一つで爆発するニトログリセリンような状態だったのをここまで持たせたのは、ひとえに彼の愛情の表れだった。 ほんの少しでもいい、長く彼女を愛してあげたい。 その一心だった。 「うん……! 欲しい……! 私の中に、カノさんのいっぱい……いっぱい欲しいっ……!」 鹿屋の言葉に、富士谷は何度もうなずいて答えた。 自分は今、愛されている。 その証を、この身体に注ぎ込んで欲しい。 切なる願いを胸に、富士谷は、騎乗位のまま鹿屋にキスをした。
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13 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:54:48.38 ID:8neGtllc -
「うっ… く、くああぁぁっ…………!!!」 二人の、二度目のキス。 それを待っていたかのように……鹿屋は絶頂に達し、彼女の直腸の中で大量の精を放った。 肛門を犯す、股間の一部分だけではない。 全身が男性器となったかのように、ぶるぶると震える。 それがうんこ風呂の水面に、波を立てる。 同時に、結んだ両手を力いっぱい握り締め、爪を立て、暴力的なまでに彼女を求めた。 その刹那、彼は獰猛な、一匹の雄と化していた。 「あ…あぁっ…… き、来た…! せーし… いっぱいぃ……入ってきたぁ……」 受け入れる側の彼女もまた、女の歓びに打ち震えていた。 犯され激しくしなる身体の芯、直腸の肉壁に、熱くたぎるものが二度、三度と注がれるのがはっきりと分かった。 汚物を溜め込む場所でしかなかった直腸、そして肛門に、新たな使命が宿った瞬間だった。 出すのではなく、ここで搾り取る。 いったい、どちらが犯しているのか……射精を受けても、彼女の穴は満足しない様子だった。 一滴の精子も逃がさない、と括約筋で肉棒を締めつけ、もっともっと、とねだる様に、奥の腸壁はうごめいて亀頭に絡み付き、更に鹿屋の精子を求める。 その貪欲さ……彼女の肛門だけが、別個の生き物のようですらあった。 心の底から欲しいと思った、鹿屋の愛情がこもった大量の精子だ。 その熱い滾りが腸液と混ざって快感に変換されて、背筋を駆け上がる。 鹿屋と数秒遅れで、彼女も全身をがくがくと震わせる……。 「はぁ、はぁ…… は…ああぁ…… やっぱ最高だ……富士谷さん」 彼女の体から散った小さな軟便の飛沫が、いくつも鹿屋の顔にかかっていた。 過呼吸になりそうなほど、彼も大きく息をつく。 初体験の腸内射精を受け、この上ない満足感に蕩ける彼女の表情を目の前に、鹿屋の満足感もひとしおだった。 最初にあった、脳天に落雷を受けたかのような衝撃、そして快感と。 言葉に尽くせない幸福感と。 哺乳動物のオスとしての、征服感と。
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14 :G[]:2018/06/07(木) 05:55:27.06 ID:8neGtllc -
この世の全てを手に入れたかのような、圧倒的な……鹿屋の絶頂の声は、まさに万感の想いが込められた雄叫びだった。 1センチでも1ミリでも、彼女の腸の、奥の奥まで。 彼女のあの大量便を、自分の精液で白く染め上げるくらいの気持ちで、最後にもう一度大きく突き上げた。 一滴残らず、本当に己の全てを絞り尽くした。 幸せだ……。 そしてそのまま……鹿屋の意識は遠のいていく。 なぜか身体が上手く動かなかった。 快楽の海に、どこまでも沈んで、目の前が暗くなって、息まで出来なく―― 「…ちょっ!? カノさん! 沈んでるよ! しず……寝てるの!? 危ない!」 「あぶっ… ぷへっ!? うべっ……! えぅぇっ……!?」 最後の最後、もし富士谷が蕩けたまま気付かず、助け上げなかったら、本当に鹿屋は彼女のうんこに溺れていた。 危ないところであった。 「死ぬかと思った……」 「危なっかしい人。でも好き。でも……うん。先にキスしといて良かったね、これ」 今度こそ、本当に頭の先まで汚物まみれ。 顔が分からない。 まだ後ろの穴で繋がったまま、彼女は笑った。 そして、富士谷は用意してあった濡れタオルを取り、顔を拭いてあげたのだった。
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15 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:56:08.36 ID:8neGtllc -
――風呂場の壁には、小さな防水時計があった。 風呂の中で今せわしなく動いているのは、その秒針だけだ。 深夜を通り越し、空が白み始めた午前4時半。 だが眠気も疲れも全く感じない。 不思議だった。 「すごいね。カノさんの、ずっと硬いままだね」 「そうだな…。自分でも変だと思う。……勃ってる間は、ずっとこうして繋がっていたい。いいか?」 「やだ、なんて言う訳ないじゃん……」 二人は未だ、便槽のようなバスタブの底で繋がりあい、抱きしめ合っていた。 富士谷の便には負けるものの、鹿屋は思いの丈を込めた大量の白い精を放った。 が、気は昂ぶったまま、彼の息子は固いままだ。 一時意識を失いかけたにも関らず、彼女の極上の肉穴の中で、一本通った存在感を保っていた。 この一世一代の晴れ舞台で、眠ってなどいられるか、と言いたげだった。 しかし鹿屋は二戦目を始めるよりも、入れたての時のようにそのまま、ただ彼女と静かに繋がっていることを選んだ。 抜いたり動かしたりすれば、胎内に放った精がこぼれてしまうだろう。 今は何となく、それが嫌だった。 ――あの橋で出会ってから、僅か3時間しか経っていない。 だがこの3時間、これまで生きてきた36年を全部凝縮したよりも濃密だった。 このためだけに、耐え難きを耐えてきた……ただこの瞬間のために生き延びてきた、と言えるほどに。 勝手な思い込みだろうか? 27年、歩んできた時間は自分より短いが、鹿屋は……彼女も同じ気持ちであるような気がしてならなかった。 どこかの日常で、偶然知り合って、変な人だと思いつつも仲良くなって……距離が縮まっていって、愛情が芽生えて……そして、お互いを求め合う。 それを全て、常識はずれの超スピードで駆け抜けた。 人生捨てた物じゃない。 そう思うと、なんだか今度は心が晴れやかに……安らいでくる。 心も体も、徐々に柔らかくなっていく。 観念した、と言うかよりも満足げに、彼の息子もようやくで眠りについた。 「……ねぇ」 「うん?」 「お風呂上がってさ……洗いっこして、で……ベッド行かない? 掃除は、また今度で良いからさ……」 「そう、だな……」
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16 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:56:32.88 ID:8neGtllc -
つながった肛門から硬さが失われたことに気づき、富士谷が言った。 本当は、彼女もずっとこのまま交わっていたかったのだが、現実にそうも行かない。 二人が動き、うんこ風呂にまた大きな波が立つ。 あの逞しさが嘘のような、軟体動物と化した鹿屋の男性器が、滑り落ちるように彼女の穴から引き抜かれた。 そこでようやく、二人の長風呂は終わった。 しかし―― この長時間汚物に浸かり、二人とも髪まで便が染み付いてる。 洗っても確実に、ニオイまではしばらく取れないだろう。 鹿屋は覚悟した。 「…お? おおおっ!? ぬ…お、重っ……! 体が……!」 まず上がろうとしたのは鹿屋だった。 が、うんこ風呂から体を引き抜くのも、立ち上がってバスタブを乗り越えるのも、勝手が違っていた。 繰り返すが、それはお湯ではない。 粘着力が違う。 腕が、胴体が、両脚が……べたべたの大便で、重くなっている。 次々すべり落ちて行く汚物で、きれいなままだった洗い場の床も、べちゃべちゃと汚れていった。 「バランスが……突然体重増えた感じだ。……危ねぇ」 「ふふっ… そうでしょ〜 うんこって集まると意外と重いのよね」 実際の重さ以上に疲れの影響もあったのだが、鹿屋は少々ふらついてしまった。 ガラスの間仕切りにも、返り血のように茶色い飛沫が飛ぶ。 湯船に残り、体を起こしただけの富士谷は、それを見て微笑んでいた。 彼女の方は、これも慣れたもの……と言った風だ。 立ち上がると、バスタブから出る前に、両手であらかた体の便をそぎ落として身軽になる。 「じゃ〜、まず私がやったげるね。座って。まずざっと流そうか…頭は後で…… あ、シャンプー私の普段のやつしかないけど、いいかな」 「ああ……分かった。しかし、いいのか? 富士谷さん、そっちは仕事とか……大丈夫なのか」
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17 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:57:02.48 ID:8neGtllc -
言われるまま、洗い場のイスに鹿屋は腰かける。 まず肩から、富士谷の温水シャワーで茶色のベタベタが取り除かれていく。 あたたかく、これも心地よかった。 文字通りに体が軽くなっていく。 しかし「生きる」となったら、今度はこの先の事が問題になる。 鹿屋は、自分の事はともかく彼女を心配していた。 考えたら自分なんかより、彼女の仕事の方がハードワークな筈なのだ。 大手商社での、彼女の具体的な仕事内容まではまだ知らないのだが……。 「私は、今日は休むよ。お風呂上がったら、熱が出たってメール出す。一日くらいサボったって、バチは当らないくらいに働いてるから。明日でなんとかする!」 「そうか……。俺は……どうしよう」 聞きながら、鹿屋は目を閉じ、頭からシャワーをかぶった。 これまた、生き返っていくような心地よさだった。 昨日……いや、今日ついさっきまで本気で死ぬつもりでいたのだが、会社の仕事そのものは、きっちり終らせてきた。 いま抱えている分に関しては、だが。 今日から自分がいなくても、とりあえず致命的な問題にはならないように、引継ぎ資料らしきものも作った。 それを思い出し、真面目すぎるこれまでの自分に、鹿屋は呆れた。 ……そんな性格だから、死の一歩手前まで追い詰められたのかもしれない。 だが……今日からは? 「はい、とりあえず頭おわり。男の人っていいねぇ。こんな簡単に済むんだから」 「ありがとな。……仕事、俺も休む。こんなニオイのままじゃ、会社行ったらどうなるか……。で、明日の事は、また考える」 休むどころか永遠におさらばする筈だった、自分の職場。 だが、生きると決めた。 色々あるが、一旦は戦場に戻らないとならない。 そう鹿屋は思った。 「そっか。じゃあ……一日中、一緒に居てもおっけーだね?」 「てか、この部屋で一緒に居るしかないだろ……外も出歩けないぞ。しばらく」 「へっへ〜、そこは実は、裏技があったりするのですよ! 短い時間でニオイを抑える凄いソープあるし、あとはこう、スキンケアの組み合わせと……うんちを上手いこと隠せる香りを重ねてですね……あと最近試した中では、○○堂の……」 「最後の方は全然分からん……。ま、さすが富士谷さんだな……ぬかり無しか」 「ええ、女の子ですから。カノさんにもやったげるね」
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18 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:57:41.77 ID:8neGtllc -
喋りながらもしっかり、せっせと、富士谷は鹿屋の身体を洗っていく。 そういう系の風呂屋には、鹿屋も過去に何度か行ったことがあるのだが……。 今回は何となく、介護を受けているような気分になるのだった。 そして富士谷の「臭い対策」の話は、その後もかなり得意げに長々とあったのだが、彼にはその出てくる用語がさっぱりだった。 だが、分からなくても何か楽しい。 彼女と言葉を交わすだけでも幸せを感じる。 (仕事の苦労とかは別にして……今まで女とうまく行かなかったのは……。彼女が待ってるんだ、そんな女になびくんじゃない。って、神様が邪魔をしてたのかもな……) 他愛のない話でも笑みがこぼれる。 馬鹿な考えだ、と自分でも思う。 そのうちに、次、鹿屋が富士谷を洗う番になった。 「……んっ ふっ… あはは、くすぐったい〜」 「大人しくしろって……子供かよ」 わざと言っているのか、テンプレートな彼女の反応に、鹿屋も笑う。 それとも実際まだ酔っているのか? 洗われるのも、彼女は実に楽しそうだ。 「俺の、てきとうな洗い方でいいのか? さっき色々説明してくれたけど、半分も覚えていぞ」 「いいのいいの。途中まで普通にやってくれたら、あとは自分でするから。……私もね、たまには誰かにして欲しいなって、思うから……」 「ん…分かった」 それを聞き、鹿屋は彼女の髪、背中、両腕……順番に流し、手のひらでこすって、大まかに汚れを落としていく。 茶色のべとべとがそのままだった鹿屋と違い、大した量は付着していない。 そして、なめらかで弾力に満ちた肌を洗う感触は、かたい自分の皮膚とはやはり大違いだった。
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19 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:58:06.64 ID:8neGtllc -
「ふふっ… あはは、やっぱり何か楽しい」 「俺もだ」 そして、シャワーで汚れが順番に剥がれ、流れ落ち……。 汚物の泥の下から、徐々に彼女本来の白い肌、くびれた腰、可愛らしい乳房が露になっていく様子は……単に服を脱いだ時とは違う、淫靡な美しさを持っていた。 この美しい肌が、今まで大量の大便に漬かり、汚物の茶色を纏っていた、という……。 それを自覚しているのか、していないのか。 ただのどろんこ遊びが終わっただけのように。 まるで穢れを知らない幼子のように、彼女は笑うのだった。 そのギャップがたまらない。 ……正直、ここでもう一度襲いたい。 白い滾りを、鹿屋は彼女の腸内に注ぎ足したくなった。 獣の欲望が再びもたげてきたのだが……しかし、入念に丹念に体を洗っていたら、午前5時も回ってしまっていた。 まだ街は静かだ。 だがふと気付くと、マンションの廊下を歩いているらしい足音は小さく聞こえてきていた。 長距離出勤のサラリーマンか? 朝はすぐそこだ。 完全に窓の外も明るくなっているだろう。 目の前で、裸でシャワーにはしゃぐ彼女――この世界最高の宝を手に入れた高揚感で保っていた鹿屋の体も、そろそろ限界だった。 それが証拠に、襲いたいと思っても、息子が完全には勃ち上がらなくなってしまっていた。 実際、37も近いのである。 体調万全の時ならともかく、今日まで積もり積もった疲れが体から消えた訳ではない。 本来そんな無理が利く状態ではないのだった。 「……魔法も解けてきた、か…。この辺にして、身体拭いて、ベッド行くか……」 「うん。私は仕上げのケアと、髪を乾かしたりがあるから……先に行ってて。寝室は、脱衣所を出て左ね。カノさんはバスローブ使ってね」 「わかった」
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20 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:58:39.98 ID:8neGtllc -
言われるまま、鹿屋は先に脱衣所に出た。 深夜の静寂の中、シャワーの音だけが、この広い部屋に響いている。 生と死が隣り合っていた、昼夜逆転の異常な一日が、一旦終わろうとしていた。 (うーん、バスローブもちゃんとあるのか……。しかし…眠い……) 眠りという名の幕が、二人の舞台に降ろされようとしている。 こんな物まであるのかと思いつつ、鹿屋は客用のバスローブを借りた。 そして彼女の言葉に従い、寝室へ向かう。 途中廊下から覗いたリビングには、脱ぎ散らかした二人分のスーツがほったらかしになっていた。 そう言えばあのままだ。 一旦リビングに足を向け、自分の分だけでも片付けようとして……彼はやめた。 結果的にだが、激しく求めあった二人の、戦いの記念碑のようだ。 なんとなく、今は残しておきたかった。 「おお…? ベッドルームもかよ……。は〜…… やっぱすげぇ、富士谷さん……」 寝室の扉を開けると、そこも他に劣らず立派だった。 つぶやいて、かなり遠慮がちに、鹿屋はベッドに横たわる。 あちこち万事に大きい…そう彼は思っていたが、ベッドもセミダブルだ。 彼女の寝室もやはり、まるでちょっとしたホテルのようで、すっきりしていて物が少ない。 部屋のこと、彼女の稼ぎもそうだが、よくこんな物件見つけたもんだと彼は感心した。 しかも一人暮らしにも関らず、ベッドメイクまできちんと出来ている。 だがもう一つ、ここへきて思い至ることもある。 これは鹿屋の勝手な推測だが、いつかは誰かと、心を許せる誰かと、自分の部屋で一緒に過ごすこともあるかも知れない……。 そんな期待を込めて、大きな部屋に住んでいたのではないか。 いつもきれいに、物をあまり置かないようにしていたんじゃないか。 この部屋の有り様そのものが、彼女のこれまでの孤独を表しているような気がした。 そのまま、今度は眠気と戦うこと、40分以上。 鹿屋が深い眠りに落ちる寸前で、ようやくパジャマ姿の富士谷が寝室に入ってきたのだった。
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21 :G[sage]:2018/06/07(木) 05:59:35.52 ID:8neGtllc -
「――そりゃあ毎朝、顔を見るだけだからねぇ。今朝も……じゃなかった、昨日か。昨日の朝もカノさん見たよ。自転車乗ってると、大体歩いてるの見るかなぁ」 「なんだよ……初対面じゃないって、ホントに顔を知ってただけ、だったのかよ……」 心地よい弾力のベッドの上。 二人は並んで手を繋ぎ、天井を仰いでいた。 閉め切ったカーテンの隙間から、光があふれている。 元気な鳥の鳴声も聞こえてくる。 その世の中に背を向けて、これから二人は眠りの世界に旅立とうとしていた。 「……でもね、この何年かで、色々見たことあるんだよ。カノさん、困ってる人助けてあげたりとか、してたでしょ」 「え? ……ああ。時々あったな、そんなこと」 「年寄りの人とか、迷子っぽい子どもとか。通りで車の事故あった時もさ、救急車来るまでケガした人と一緒に居たり。だから、名前も何も知らないけど、良い人なんだなってのは、知ってた。だからさ、死んで欲しくなかったのさ」 「いいひと、ねぇ……違うんじゃないかな……。それにあんまり俺、そう言われるの好きじゃない」 それは単なる自分の性分で、それで何か褒められることではない。 「いいひと」それは、鹿屋には呪いのような言葉でもあった。 「カノさん、そうは言うけど、絶対良い人だよね。だからきっと、仕事…会社とかでは損をしてたと思う。優しい人は、それだけで不利になる。嫌な世の中だよ。自分の仕事でも、そういう人は何人も見てきた」 「損、そうか……そうだな、確かにそんなだった」 「だから私、仕事では感情を殺してきた。でもここんとこ、嫌なこと続きでね……。仕事だけじゃないな。このオナカにも苦しめられるし。友達関係もギスギスし始めたり。そんで挙句に今日は超残業のあと、自転車盗まれた。歩くしかなくなってね……」 「ああ、だからあの場所に歩いてきたのか。そりゃ災難だったな……」 「そうそう。で、あんまりムカついて、コンビニでビール買って、飲みながら帰ったの。そしたらカノさんが、橋から飛び降りようとしてた」 「で、助けてくれたのか……」 「まぁね。しかも、あんな恥ずかしいこと絶叫してるじゃない? これはね、運命だと思ったね。本当ならあの世に逃がしちゃならん、捕まえて自分のものにしないとって」 「つ…捕まえて……? 助けなきゃ、ではなく……」 「あはは、まぁまぁ…気にしない!」 添い寝をする形になり、ぎゅっと両手で、富士谷は鹿屋の右腕を掴む。 彼女もまた、よほど人の温かさに飢えていたのだろうか。 さっきの汚れを洗っていたときのように。 小さな女の子に戻ったかのように、鹿屋の肌にすがりつく。
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22 :G[sage]:2018/06/07(木) 06:00:07.10 ID:8neGtllc -
「富士谷さん、そういや俺、下の名前聞いてない」 「あ、そーだねー。気付かなかった」 がばっと頭を持ち上げ、富士谷は驚く。 そして仰向けの鹿屋にのっかかるようにして向き合い、言った。 「ことり…だよ。富士谷ことり。漢字はなくて平仮名ね」 「へぇ。 良い名前じゃないか。かわいいな」 「えへへ〜、ありがと。カノさんは?」 「ああ、慎二郎だ」 「しんじろう? また古風ですなぁ。でもかっこいいよ。鹿屋慎二郎かぁ〜」 朝の光を遮った、薄暗い寝室で二人は笑いあった。 こんな出会いもある。 だから人生おもしろいのだな……と、鹿屋は昨日までと間逆のことを考える。 大量娘は実在した。 この世界は、自分が求めていた世界だった。今まで見えていないだけだったのだ。 (しかし、探すことを止めた途端に、すぐ近くで見つかる……青い鳥って本当に、そういうものなんだな……) この場合、もしかしたら捕まった自分が青い鳥だったのかも……とも、鹿屋は思った。 大鷲のような猛禽類に近いと言うか、酒が抜けていても彼女は小鳥ではないらしい。 「お酒飲んでると、便意をある程度コントロールできるんだ」と彼女は言うが、果たして本当か……。 だがパジャマではしゃぐ彼女はかわいい。すっぴんになってもだ。 ひとしきり笑いあったあと、もう一度ぎゅっと抱きしめあった。 そしてやはり手を繋ぎながら……やがて二人は布団もかぶらず、並んで安らかに寝息を立て始めた。 間違いなく、そこは二人の楽園だった。
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23 :G[sage]:2018/06/07(木) 06:00:49.45 ID:8neGtllc -
(……ふぅ。まったく、楽園から地獄へ逆戻りだな……けど、どうにか今日は終わった) そして、一日と半分の時間が過ぎる。 まだまだ日の落ちない6月の夕方。 自分の会社のエントランスから出てくると、西日ににじみ出る汗を拭う。 そして鹿屋は、まだ明るい空を見上げた。 仕事復帰一日目が終わったのだ。 富士谷に言った通り、一日休んでから、鹿屋は自分の戦場に戻った。 あの日、自分の部屋に遺書は置いたが、会社に辞表などは出していない。 したがって何も変わらない。 突然休んだことへの叱責があったことぐらいしか、変化は無かった。 いつもの、少しずつおろし金で精神を削られるような営業の業務。 変わったのは鹿屋の方だ。 遮二無に、がむしゃらに、一昔前ならモーレツ社員と呼ばれるような姿で仕事を片付けていった。 ミスもあったがご愛嬌と言わんばかりに、次々と。 接し難い上司にも積極的に話をしに行き、はるか下の後輩だろうと仕事の効率化のための相談をし、人が変わったようだと言われた。 何か、薬でも手を出したか? 疲労がポンと取れる系の……? なんとなく、そんな視線も感じられた。 定時ではなかったが全く遠慮なく、普段より圧倒的に早く会社を出る鹿屋を、同僚は奇異の目で見るのだった。 そして、彼はビル街を真新しい自転車で駆けていく。 途中まではいつもの帰り道だ。 「薬は飲むより塗るのに限る……かな?」 風を受けて道すがら、この二日間の事を思い返す。 麻薬のような…と、あの夜、鹿屋は言いかけた。彼女の出すモノに限って言えば、確かにそんな効果があったようにも思えた。 アヘンのような危険な麻薬と言うよりは、ちょっとしたカンフル剤と媚薬のようでもある。 昨日も……楽しかった。 「普段はどうしてるんだ?」と聞いたら見せてくれた、バケツをずらっと並べて排泄したうんこ。重いそれを、二人で風呂場に運ぶのも一興だった。 足腰と腕力が妙に強い理由が分かった。 半日経たずにあの量、間違いなく普通の便器は溢れるどころか、埋まる。 夢見ていたのと同じ情景だった。 素晴らしい。 そして、恥ずかしがっている彼女をその時初めて見た。 100%酒が抜けた彼女は、バケツにまたがった間ずっと顔を両手で隠し……だが下はしっかりと、俺に見せてくれた。出会った夜とのギャップがたまらなかった。
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24 :G[sage]:2018/06/07(木) 06:02:37.45 ID:8neGtllc -
「不安で、今までしたことないんだ。カノさんが居れば出来るんだけど……」と、彼女は初めての車デートをねだってきた。 大した場所に行った訳ではないが、ミニバンをレンタルして、近くに気ままに出かけた。 最初に行ったのはホームセンター。 その後は、便意が来たら存分に、後部で40リットルポリタンクに排便してもらった。 家でも、車でもそうだが、彼女は実に気持ちよさそうに大量の便を排泄する。 それを見る度に、彼女を激しく犯したくなってしまう。 だが家までは我慢しなければならず、大変だった。 うんこの臭いが染み付いていないかと、車を返却する時の羞恥に耐える顔も、たまらなく可愛かった。 それが見たくて、一緒に行った。 車のポリタンクを含め、入りきれない便をトイレに捨てるのは本当に残念だったが、昨日追加した分で、あのうんこ風呂は溢れる寸前までなみなみと貯まった。 彼女のおしっこの方は、全く普通なのが不思議だが……。 それは横に置いて、風呂の暖め直しができるように、電熱装置も二人で選んで買った。 今夜が楽しみだ。 ……あんまり思い出したり想像すると、それだけで勃起してしまうので、ほどほどに止めないといけないが。 だが何度でも浴びたい。 何回でも……彼女に注ぎ込みたい。 なんとなく、軽く10歳は若返ったような気がする。 ずっと欲しかったもの。そしてずっと秘めていた願望……だが本当は、誰のモノでも良かった訳ではない。 もちろん愛する女性のものがいい。 富士谷ことり……彼女のものが世界一だ。 きっと量も世界一だ。 それは二人にだけ効く、楽園の魔法……そう鹿屋は思った。 そして、やがて彼はあの夜と同じ橋に差しかかる。 靴を脱いだ場所。 その全く同じ位置で、一旦自転車を降りた。 「アディオス……!」 子どもの頃大好きだった映画の真似をした。 はるか橋の下で、ちゃぽっ、と小さく聞こえた。 彼が放り投げたのは、あの夜ポケットに入っていた、釣りの錘だ。 過去の自分にけじめをつけるための儀式だった。
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25 :G[sage]:2018/06/07(木) 06:03:29.96 ID:8neGtllc -
「人間50年……。あと50年は生きるぞ、俺は……彼女と……」 運命なんてものは無い。 あの映画はそう言って終わった。 だが、これが運命でないとしたら一体何だ……? ギラつく程に活力が溢れる瞳で、鹿屋は決意した。 いつまで今の職場に居続けるかは分からない。 だが、戦い続けなければならない。 彼女に相応しい男にならなければ……。 「……よし。行くか」 ちらっと腕時計を見た。 今は帰宅ラッシュの真っ最中だ。乗用車やトラック、頑張る大人の車が鹿屋の横を数多く流れていく。学校帰りの学生なども、何人も歩いていた。 鹿屋と同じように自転車にまたがった人もいる。 彼らも家族の待つ家に帰るのか、それともまだ学習塾で頑張るのか。 子供達の姿を横目に、徐々にオレンジ色に変わっていく河の流れを見つめ、深呼吸を一回。 そして今夜の彼女との待ち合わせ場所へと、再び駆けだす。 スーツの裾を風に翻し、人生を終えるはずだった場所を離れた。 戦う男となった彼の背中が、そこにあった。
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26 :G[sage]:2018/06/07(木) 06:05:41.31 ID:8neGtllc -
以上です。 大分前にここで出てたネタの「大量OLさん」で、最初はシンプルな、いつもの薫ちゃんと似たような話を考えてたんですが。 芥川龍之介の芋粥をたまたま読んで、自分なりに解釈し、男塾のOP(フル)とイエモンの楽園を久しぶりに聴き、そしたらこんなのが出来ました。 あと、えなの人さんの、「憧れのあの子を…」の、話の影響も受けています。 どこら辺がと聞かれたら返答に困りますが。 大量キャリアウーマンさん、7人目です。 実は本来、この富士谷さんが6人目の予定でした。が、摩耶ちゃんの糞石の話が先に完成してしまったので順番が逆になりました。 また、前スレと分断されたので、あとでテキストの全体をろだに上げようと思います。 ノクターンの方にも。 この二人、休んだ一日の話、その後の話も書くつもりですが…… ここ最近の自分の傾向として、多忙と長い停滞→なんとか一つ完成させる→疲れてるのに調子に乗ってもう一つ書き始める→その二つ目で力を使い果たし、また停滞する こんな感じになってるような気がします。 長い目で見て貰えると嬉しいです。
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