- 織田信奈の野望はエロパロ
767 :小早川隆景ちゃんの嫉妬騒動2[]:2014/12/02(火) 21:28:28.41 ID:xYh84Uuq - 「こ、小早川さん。ど、どうしてここに?」
良晴は間近で会い見える事は二度とないと思っていた小早川隆景が、今自分の目の前にいる事に動揺を隠せなかった。 賢い彼女の事だ。 単身でむざむざ敵地に赴くことは決してない。その様な愚策は“明知の将”と名高い彼女を半年間傍で見てきた良晴なら、隆景の考えることなど手に取るように理解できた。 だからこそ、こんな無謀な行為を強行した隆景に驚きが隠せない。 そんな良晴の心中を察してか、隆景は気まずそうに視線を逸らすも、何やら言いたいことがあるようで、モジモジと身を捩りながら良晴の方へとチラチラと見上げる。 「よ、良晴。その・・・・・・、お前に尋ねたいことが―――――――」 「シッ!! 静かに!!」 と、何事か尋ねようと口を開いた隆景の口元を、顔色を変えた良晴がいきなり手のひらで押さえつけた。あまりにも強い力に隆景は苦しそうにもがく。 すると、隆景の口元を抑えたと同時に、大通りを数人の尾張兵が険しい表情で行き急ぐ様が窺えた。 彼らは言葉も荒く町人に何かを問い質しているようだが、良晴たちがいる場所からはその内容までは分からなかった。 しかし、どんな内容かは聞かなくても理解できた。 恐らくは、小早川隆景の行方を追っているのであろう。どこからその情報が漏れたのかは分からないが、今の良晴に出来る事は一刻も早くこの場から立ち去ることだ。 良晴は隆景の耳元に唇を寄せて、 (・・・・・・小早川さん、いきなり手荒な真似してゴメン。でも、今の状況は分かるよな? 今、尾張兵が小早川さんの行方を追っていて、このままじゃあ小早川さんの身の危険があるから、ひとまずここから逃げるけどいいか?) と、尋ねると隆景はコクリと首を引いて見せた。 そのことを確認した良晴は上手く路地裏を利用しながら、隆景の手を引いてこの場から立ち去ったのであった。 「ふぅ・・・・・・、ここまでくれば大丈夫だろ」 と、額に浮かんだ汗を拭いながら、ホッと一息つく良晴。 今、良晴たちがいる所は町外れに広がる森の奥で見つけた洞穴の中であり、ここならば容易には発見されないであろう。この森を越えれば尾張領から出られる手はずだ。 薄暗い洞窟内で良晴と隆景は身を寄せ合いながら暖を取る。真冬とまではいかない気候だが、日も落ちかけ日の光も入らない洞窟内は冷え冷えとしており、こうでもしないと凍えてしまうからだ。 体が冷えてしまうと危険な状態に陥る為、良晴たちは恥じらいなど捨てて抱き合うようにして身を寄せていたのだが・・・・・・。 しかし、やっぱり美少女である隆景とくっついていることに我慢の限界がきたのか、良晴は外の様子を窺うことを口実に、ごく自然な形で隆景から一旦距離を置く。 しばらく外の様子を窺っていた良晴であったが、周囲に人の気配がないのを確認すると、再び洞窟の中へと戻る。
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768 :小早川隆景ちゃんの嫉妬騒動2[]:2014/12/02(火) 21:29:32.57 ID:xYh84Uuq - 「小早川さん、外見てきたけど大丈夫そうだよ。もう少し辺りが暗くなってからここから出ようか。俺も立場上、一日留守にしたらまずいしさ。今出たら―――――、あれ? 小早川さん、どうしたんだ?」
良晴は隆景の纏う雰囲気がいつもと違うことに気づき、慌てて彼女の傍へと駆け寄る。近くで見ると隆景は物寂しそうな表情を浮かべて俯きがちに顔を伏せていた。 そんな隆景に良晴は胸がズキッと痛むのを感じ、気づいたら隆景の傍へと歩み寄り、その小さな肩へと手を置いていた。 折角これ以上意識しない様に距離を置いたのに、この行為は自分の首を絞めるだけなのに、良晴は大好きな女の子の悲しい顔をこれ以上見る事の方がもっと辛いことに思えた。 甲冑を脱いだ隆景の体は、とても頼りなげに良晴の目に移り、彼女の事を“毛利の姫武将・小早川隆景”ではなく、“年頃の女の子の小早川さん”として良晴の瞳に映る。 思わず隆景の肩に置く手に力が籠り、その力の強さに綺麗に整った眉を微かに潜めた隆景が発した言葉は、 「……良晴、こうしていると、あの時の事を思い出すな」 「あの時?」 痛い、などの苦痛を現すものではなく、どこか懐かしむようなものであった。その表情はどこか達観していたが、それ以上に悲しみや切なさ、悔しさに満ちていた。 「あぁ、私と良晴が別れた時、織田との海戦で我が軍は敗れ、良晴。お前を失った日の事だ。私は生まれて初めて戦に敗れて、改めて戦の恐ろしさを味わった。所詮、私は“井の中の蛙”ということに気づかされたのだ」 「……小早川さん」 「しかし、それと同時に私は敵である織田信奈に気づかされた。“夢は自分の手でつかみ取るという事”を。だから、私は己に誓った」 ここで初めて隆景は伏せていた顔を上げて、真っ直ぐ逸らさずに良晴の顔へと視線を向ける。隆景の大粒で若干つり上がった瞳は決意の色に染められており、その色は揺らぐことなく瞳の内側で激しく燃え上がっている。 その瞳に魅せられた良晴は息をするのも忘れて、隆景の一挙一動を見逃すまいと神経を集中させる。 隆景は「すぅ」と息を吸うと、二、三度ほど呼吸を整えて、 「―――――私は、一度失った良晴を、再びこの手に取り戻すために、命を賭して戦うことに決めた」 一気にそう言い放った隆景は、流れるような動作で良晴の唇に己の唇を重ねた。
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769 :小早川隆景ちゃんの嫉妬騒動2[]:2014/12/02(火) 21:50:46.79 ID:xYh84Uuq - 一気にそう言い放った隆景は、流れるような動作で良晴の唇に己の唇を重ねた。
チュッと渇いた水音が洞窟内に響き、良晴は一瞬自分が何をされたか理解できていなかった。 しばらく経つと、ようやく事の状況が理解できたが、頭の中は未だに混乱状態にあった。 (えっ? 俺、今どういう状況なんだ? まさか、あの小早川さんとき、キスしているのか? そんな馬鹿なことが。だって、あの初心で奥手な小早川さんなんだぞ。自分から男にキスするわけが……) しかし、これは現実だ。 半年間共に過ごしていた時は自分から男にキスする様な性格ではなかった隆景。 なのに、今自分にキスしているのは、紛れもない隆景だ。 良晴が織田家に戻ってからどういう心境に至ったかは分からないが、この変わりようには流石の良晴ですら戸惑いを抱くほどだ。 だが、良晴が知る隆景と今自分にキスをしている隆景と全く変わらない部分もある。 (あぁ、やっぱり小早川さんは、俺の良く知っている小早川さんなんだな) 良晴にキスしている隆景はその行動は大胆極まりないが、その表情は昔の初心な隆景のままであった。端正な顔を羞恥に染めて、小さな体を心細げにフルフルと震わせて。 良晴は隆景が自分の知る隆景と分かり、次第に混乱から抜け出すのを感じ、羞恥に震える彼女を落ち着かせようとそのサラサラとした髪の毛が踊る頭に手を置き、生え際に沿って髪を乱さない様に優しく撫でさする。
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770 :小早川隆景ちゃんの嫉妬騒動2[]:2014/12/02(火) 21:51:36.07 ID:xYh84Uuq - しばらくそうしていると、隆景も落ち着いて来たのか、体の震えも止まりはじめ、荒々しく上下していた肩の力も緩やかになりだす。
両者の間に漂っていた気まずい雰囲気も次第に柔らかいものに変わり、恥ずかしさから抜け出しつつある隆景は、おずおずとだが良晴の胸の上に置いた手を彼の背中に回し、まるで幼子が母親に抱き付くようにしてギューッと力を込めて抱き締めた。 時間にして数十秒だったか、息苦しくなった隆景は良晴の唇に重ねていた唇を一旦離すと、乱れに乱れた呼吸を整えようと浅い呼吸と深い呼吸を繰り返す。 キス慣れしてない人間は長い時間はキスできない。その理由は呼吸の仕方が分からないからだ。 勿論、さっき行ったキスがファースト・キスだった隆景も例にもれず、息苦しくなって泣く泣く良晴とのキスを中断したというわけだ。 愛する良晴とのキスで死ねるのなら、それはそれで本望であるが、自分にはまだ成し遂げなければならないことがある。 それまでは、まだ死ぬことは許されない。 でも……。 (接吻だけで、こんなに幸せで気持ちいいのなら、これ以上の事をするとどうなるのだろうか。本当に幸せすぎて心の臓が止まるかもしれない) 先ほどまで良晴の唇に重なっていた唇へと指先を這わせ、心地よい快楽を押さない体と心で味わい尽くす。 それはとても甘くて、だけどとても苦しいものだった。 味わえば味わうほど、もっともっと欲しくなって、己の制止の声など届くはずもなくて。まるで別人に体を支配されたかのように、隆景の体は貪欲に良晴を求めてしまう。
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771 :小早川隆景ちゃんの嫉妬騒動2[]:2014/12/02(火) 22:31:14.49 ID:xYh84Uuq - 人が変わったかのように良晴に迫る隆景に、良晴は彼女の体を優しく押しとどめる。
「こ、小早川さん。これ以上は駄目だ。後戻りできなくなっちまう」 「……良晴は、私と接吻するのが嫌なのか?」 「えっ!? そんなことないよ!! 小早川さんを嫌うなんてありえないって」 「なら、何故……」 「それは、小早川さんを傷つけたくないからだ。勢いでやっても、あとで後悔するのは小早川さんの方だからさ、絶対。小早川さんは女の子なんだし。こういうのは男の俺と違って、はるかに女の子の方が傷つきやすいし」 そう。かつて記憶を失っていたころの初恋の相手を(今も慕っている)、傷つけたくなかったのもあるし、自分には信奈がいる。 こんな中途半端な気持ちで隆景を抱くことは出来ない。今ならまだ引き戻せる。 「だからさ、小早川さ―――――「嫌だ」えっ?」 しかし、隆景の口から飛び出した言葉は、良晴の想像の斜め上を行くものであった。 「……嫌だ。私は、後悔などしない。折角、良晴と再び会い見えたのに、もうこうして間近で良晴を感じる事が出来ないかもしれないのに、このまま別れるのは嫌」 「小早川さん……」 「良晴。あの時交わした約束を覚えているか?」 「……あぁ、覚えているよ」 そう、織田との海戦時。まだ記憶喪失の最中であった俺は毛利の武将として、隆景の傍にいると誓った。 今でもその約束を一言一句覚えており、これからも忘れる事はないと良晴は密かに胸の内で誓っていた。 「……忘れられるはず、ないじゃないか。俺にとって小早川さんはとても大切な女の子だからさ」 「そうか……、私も良晴のことが一番大切なおのこだ。もちろん、兄者よりも良晴の事が……」 そこまで口にすると隆景は再び意を決したのか、良晴へと顔を近づけてくる。 どうやら実力行使に出た様子。 このまま避けた方がいいのか、それともジッと身動きせずに、このまま隆景のキスを受け入れるのか。 そんなの、決まっているじゃないか。 だから、次は―――――――。 「……良晴。ぅ、んぶ!!」 俺から、キスをする番だろう? 俺は小早川さんの手を取って、自分から唇を重ねたのであった。
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772 :小早川隆景ちゃんの嫉妬騒動2[]:2014/12/02(火) 22:32:13.15 ID:xYh84Uuq - 今回はここまでです。次回からエロシーンに移る予定です。
長い事時間が空いてしまい申し訳ありませんでした。
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