トップページ > エロパロ > 2014年11月29日 > ttrMYGjm

書き込み順位&時間帯一覧

5 位/162 ID中時間01234567891011121314151617181920212223Total
書き込み数0600000000000000000000006



使用した名前一覧書き込んだスレッド一覧
スッポン
スッポン1/5
スッポン2/5
スッポン3/5
スッポン4/5
スッポン5/5
無口な女の子とやっちゃうエロSS 十言目

書き込みレス一覧

無口な女の子とやっちゃうエロSS 十言目
224 :スッポン[sage]:2014/11/29(土) 01:35:18.43 ID:ttrMYGjm
 投下いたします。
特殊な世界観を含んでおり、文中に説明が入っています。
4回ほどの投下で完結予定ですが、今回はえっちなしです。
無口な女の子とやっちゃうエロSS 十言目
225 :スッポン1/5[sage]:2014/11/29(土) 01:36:15.83 ID:ttrMYGjm
 朝の6時。カーテンを開けると窓から入ってくる空色が爽やかだった。
 身体全体を伸ばすことでまだ覚醒しきっていない頭をすっきりさせてから寝
間着を脱ぎ、制服に着替えるとタイミングを見計らったようにノックの音が聞
こえた。
「秀祐ぼっちゃん」
「はい?」
 部屋の外からの呼びかけに返事をすると遠慮がちに扉が開かれ、声の主であ
る里中さんが顔を覗かせた。もしも僕がまだ着替えの最中なら、という気配り
らしい。
 僕の制服姿を確認次第、扉を大開きにして部屋に入ってきた里中さんのメイ
ド服姿は背筋がピンと伸びていて、毎日見ても格好良い。
「おはようございます。お召し物を預かりに参りました」
 里中さんは丁寧に一礼してから僕に挨拶すると、今度はずかずかと部屋に踏
み混んで寝間着やベッドのシーツ、掛け布団のカバーを手際良く回収して部屋
から出て行った。

 ――里中さんは亡くなった母さんの代わりに家事や僕の家庭教育をするため
に父さんが連れてきたらしい。御歳36になるというにもかかわらず年齢を感
じさせない顔付きをしていて、僕が物心ついた頃から家の世話をしてもらって
いるはずなのにその外見は全く変わっていないように見える。ある意味不思議
な人だ。
 
 僕は里中さんの後ろについて洗面所へ向かうと洗顔、歯磨きをしながら横目
で里中さんの姿を追った。目が回りそうな程によく動く里中さんは、あっと言
う間に洗濯の準備を済ませてしまった。
「それでは朝食の準備をしておきますので」
 歯ブラシをくわえたままの僕に言い残して洗面所を出て行く里中さんを見届
けると、入れ違うように鈴の音が聞こえてきた。
 急いで口の中を濯いで振り返ると目の前にセイがいた。物言わぬ彼女の代わ
りに、首輪に付けた鈴が存在を主張するのだ。
「セイ、おはよう」
 黒い髪を撫でてやると身を擦り寄せてくる。そんな姿を愛らしく思いながら、
朝食のためにセイを連れてダイニングへと向かった。
無口な女の子とやっちゃうエロSS 十言目
226 :スッポン2/5[sage]:2014/11/29(土) 01:37:09.46 ID:ttrMYGjm
「またセイを連れてきたのか。一緒には食べられんと言うのに」
「里中さん、セイのご飯もお願いします」
 指定の席で既に朝食を始めている父さんの小言をよそに、キッチンにいる里
中さんにセイの朝ご飯をお願いした。父さんのセイを邪険に扱う言葉も毎日続
いているので無視の仕方を覚えてしまった。
「セイ、また後でね」
 セイをキッチンへ行くよう促してから、朝食をとるために嫌々ながら父さん
の正面の席についた。今日はベーコンエッグにしっかり焼いたトースト、それ
に生野菜のサラダだ。口に入れると奏でる軽やかな食感を楽しんでいると、朝
食を終えた父さんが朝刊を広げ始めた。
 既に読み終えたらしい1面の記事がこちら側に向けられて見出しが目に入っ
た。“増え続けるヒト。5000万人到達か”などと書かれている。
 見出しでニュースの内容を想像すると、気持ちの良くない内容ばかり浮かん
でしまって里中さんの美味しい料理が台無しになってしまう。
「お先に」
 父さんに一言告げて、食べ終えた朝食の器をキッチンにいる里中さんに渡し
た。同じタイミングで朝食を終えたらしいセイが僕に歩み寄った。
「お片付けは私がしますのに」
 僕はセイをキッチンに迎えに行くついでに食器を運んでいるだけであって、
それを里中さんも知っているはずだ。それでも仕事が減ることは不満らしい。
「いつも助かってますから」
「いえ、そのようなことは……」
 ただ、この一言で里中さんは照れてしまうので、その隙にセイを連れて自室
に戻るようにしている。

 自室の時計を見ると針は7時ちょうどを指していた。通学するにはまだ早い
この時間を使って僕はセイとコミュニケーションをとるようにしている。
「セイ、今日の朝ご飯は何だった?」
「……レタスとトマト。あと、卵とパン」
「よく言えたね。朝ご飯は僕と一緒だったんだね」
 少し詰まりながらセイが話すのを聞いて、頭を撫でて褒めてあげる。くすぐ
ったそうにしながら首輪の鈴を鳴らしている。
「昨日はよく眠れた?」
 今度は僕の問い掛けに対して首を前に倒すことで答える。
「よしよし」
 よくできましたと背中に腕を回してハグをする。女の子の膨らみと人肌の温
もりを感じながら安らぎを得る。
「セイは人間と変わらないのに」とそんなことを考えながら。
無口な女の子とやっちゃうエロSS 十言目
227 :スッポン3/5[sage]:2014/11/29(土) 01:37:57.83 ID:ttrMYGjm
    ◆

 人口増加。それは現在この国にとって恐れられている事象だ。頻度の高まる
地震、四季が崩れて不安定になった気候、国の代表たちによるお世辞にも上手
いと言えない政治活動。これらの悪条件が今まで文化大国を名乗っていた我が
国にもたらしたのは食料不足という最悪の事態だった。国産米の保護すら碌に
行わなかったお陰で全ての食料は物価が上昇した。
 そこで政府はこれ以上の人口増加を避けるために、1つの政策を立てた。そ
れはとある国が昔に考えた「子どもは一家に1人にしよう」という政策では比
較にならない程劣悪なものだった。
「子ども税を導入します」
 政府が発表したその言葉は国中の茶の間を震撼させた。名前もさることなが
ら、その内容が
「新生児1人出生に対して10万円を国に納付すること」
「各世帯主は扶養する未成年者1人につき月5万円を国に納付すること」
「税を納付されなかった未成年者に対して国は国民と認めない」
などという、常識を疑うようなものだったからだ。
 以降この国では「子どもは収入のある家庭にしか存在しない」「収入の少ない
家庭に生まれた子どもは奴隷として扱われる」という認識が常識となった。

 子ども税の導入から50年が過ぎても「首都圏が都会」という認識は変わら
なかった。しかし首都圏以外はスラムと化し、仕事が無い者、食料を買えない
者、学を受けられない者といった貧困層の吹き溜まりとなっていった。
 セイはそのスラムから連れてきた少女だ。
 厳密に言えば「ヒト」であり、スラムにいる者たちは世間では人間として扱
われることの無い存在とされている。
 彼らは首都圏に入ること、衣類を身に付けることを許されず、人間の居住区
に入る場合には首に堅牢な鍵の付いた首輪を付けられる。この首輪によって居
場所の確認や、掟を守らなかった場合の処分がなされるのだけど人間の預かり
知らない所でもヒトは生まれ、死んでゆくので完全な管理というのも難しいら
しい。
無口な女の子とやっちゃうエロSS 十言目
228 :スッポン4/5[sage]:2014/11/29(土) 01:38:57.54 ID:ttrMYGjm
 僕が10歳になった誕生日に父さんが考えたプレゼントはヒトの子だった。
ヒトだけでは首都圏に入ることは出来ないが、家長の一任によりヒトをペット
として扱う事が出来る。決められているのは暴力などにより故意に死なせては
いけないという事だけで、家に連れて行く行為がどういう目的であっても良い
そうだ。
 母さんを早くに亡くし、兄弟がいなかった僕には家族が増えることが単純に
嬉しかったことを覚えている。
 父さんが連れてきた日に名前を付けた。物静かな様子や色素の薄い肌のイメ
ージから「静」と名付けた。しかし父さんには
「ヒトに漢字をなど勿体ない。カタカナで十分だ」
と言われてしまった。その当時の僕には父さんに反論する勇気も強さもなかっ
たので、そのまま従ってしまった。
 セイが静かだという印象を持ったのは、父さんが連れてきた時点で言葉を知
らなかった事が理由で、きっと性格などでは無いのだろう。現にセイは僕が教
えた言葉を使ってコミュニケーションを取っている。

 しかし、父さんがセイを連れてきた本当の理由は僕を喜ばせるためなどでは
なく、家内に身分の違う存在を置くことで上下社会を教え込もうとしていたの
だということを僕は知っている。優しすぎる僕の性格を父さんは疎ましく感じ、
人を踏み台にしてでも高い地位に登らせることを望んでいるようだ。「この国で
成り上がれ」なんて言葉もよく口にする。
 僕は人間として平和に暮らしていれば満足で、欲を言えば教師になりたいと
いう夢がある。その練習として父さんや里中さんに内緒でセイに教育を施して
いるという訳だけど。

 父さんの意に反して僕は家族同様のご飯を食べさせ、衣服を与え、内緒で教
育をしたり、セイを人間たらしめるための世話をしているということだ。でも
正直に言えば、性徴が始まっている女の子が何もわからないまま家の中を裸で
徘徊している方が嫌だと僕は思うんだけど……。
無口な女の子とやっちゃうエロSS 十言目
229 :スッポン5/5[sage]:2014/11/29(土) 01:39:32.85 ID:ttrMYGjm
 セイが家に来て7年。細い四肢と色素の薄い肌は変わらない。強いて言えば、
しっかり食事をとる事が出来るので体つきが少しは健康的になったように思え
る。その上で言葉や知識も身についたのだから、もはや人間と違いは無い。あ
るとすれば――
「秀祐。時間……」
 首に付いた鈴を鳴らしながらセイが話しかけた。どうやら考え事をしすぎた
らしく、時計は7時半を指している。
「え? あ、ありがとう、セイ。行ってくるね。くれぐれも言葉は出さないよ
うにね?」
「……うん」
 学校に向かわなくてはいけない僕のいない時間を案じて、忠告をする。

 鈴の付いている首輪が、セイをヒトたらしめている唯一の壁。それを打ち破
るべく、僕は不本意ながら父さんに従うことでセイを庇護しながら、夢に向か
って進むしか無いと実感するのだ。
 いつか、僕自身が家長となって安定した生活を送ることが出来るようになれ
ば、その時は本当の家族になれるだろうか……。


※このページは、『2ちゃんねる』の書き込みを基に自動生成したものです。オリジナルはリンク先の2ちゃんねるの書き込みです。
※このサイトでオリジナルの書き込みについては対応できません。
※何か問題のある場合はメールをしてください。対応します。