- 神羅万象でエロパロ
523 ：名無しさん＠ピンキー[sage]：2014/11/16(日) 03:16:42.61 ID:0OQswCyM - 邪神群との死闘が終結を迎え数週間・・・ソロモン大陸を守るために戦った戦士たちは、
ある者は故郷に帰り、ある者は傷を癒し次なる戦いに備えていた。
「それで、どうしたの、ノイン・・・あらたまって相談って」
アルカナとノインは、大魔王アークの居城の中庭に設けられたテントのひとつで、向かい
合ってテーブルを囲んでいた。魔王の城は今は物資の集積基地となっており、アルカナや
他の魔族たちは戦いの疲れも忘れて、ソロモン復興のため連日連夜、作業に没頭しているの
だった。
邪神群のくびきから解かれた彼女、ノインも、アポロとともに方々を飛び回っているはずで、
最近はこうして二人で話す機会もあまりなかった。そんなときにノインの方から相談を
持ちかけられ、アルカナは意外に思いつつ、こうしてその席を設けたのであった。
「うん・・・」ノインはそのどこか儚さを帯びた顔を、さらに伏せがちにして言う。「アルカ・・・
その、たいしたことじゃない、かもしれないんだけど」
「それは、話してみてもらわないと、なんともね」アルカナは微笑む。「まあ、ノインが
わざわざ相談に来たってことは、ノイン自身はそれを大事なことって思ってるんだよね」
「・・・うん」ノインは恥ずかしそうにうなずいた。「その・・・私、エネアド九柱神の
みんなのおかげで、いろいろ思い出したこともあるんだけど・・・やっぱり、わからない
ことも多くって」
「それはそうよ。なんたってノインはこの世に生まれてまだ一年も経ってないんだから・・・
どんな小さなことだって、知らなくても何も恥ずかしくないよ」
「うん・・・ありがとう、アルカ」
「それで、何を知りたいの？」
「・・・。あのね・・・」
彼女とは親友の間柄とはいえ、アルカナは数百年の時を生きる魔族である。年長者と
して鷹揚になんでも答えてあげよう、と思っていたのだが。
「・・・。・・・」
「・・・だから、その次はね、どうすればいいのかなって。アポロに聞いたら、キスの
次は・・・」
「あ・・・、そ、そうね、キスはもう・・・済んだのね」
うん、とうなずくノインの表情は、少し恥ずかしそうではあるが、ためらいのない
まっすぐなものだった。
アポロとノインの仲は、アルカナは言うまでもなく、かつて彼らとともに戦った戦士
たちのほとんどが知るところである。滅び去ったオリンポスの世界の王子と、その滅亡の
使徒であった邪神群に創造された少女。因縁の深い二人だが、それゆえに強く結ばれる
のも道理であろうと思われた。
（とはいえ・・・あの戦いが終わってから、まだ何週間だっけ）アルカナは思った。（ノインってば、
おとなしそうな顔して、進めるところはちゃんと進めてたんだなあ・・・うーむ、あなどりがたし）
「それでアルカ・・・キスの次は、どうすればいいの？」
「うえっ！？」思わず椅子から数センチほど浮き上がるアルカナ。「あ、えーっと」
「その・・・アルカは、私たちが来る前からずっとアークさんといっしょにいたんだし・・・
いろいろ、知ってるかな・・・って、思ったんだけど」
「・・・。・・・」
そのとおりだ。アークとアルカナの出会いは、邪神群の襲来以前、ソロモン全土を巻き込んだ
ファウスト王の争乱よりもさらに前にさかのぼる。かつてはスロゥスの魔族だったアルカナが
アークと同じヴァイスの一員となったのは、もう何百年も前の話なのだ。もちろん
アルカナは、同じ女の子として、アークに対する想いはノインに話したこともある。
しかし・・・残念ながら、その想い以上の結果が出ていないことを彼女は知らないのだ。
（でも、そうだよなあ・・・何百年もいっしょにいたなら、そりゃそう思われてもしょうがないか・・・）
「それで、よければ・・・その、コツというか・・・やり方を教えてくれないかな、って・・・」
ノインの目は何の疑いもなくこちらを見つめている。アルカナはふと、メフィストのことを思い
出した。邪神群を召喚し、みずからその最初の犠牲者となった彼女は、邪神群がノインを
作り出すための材料のひとつとなった。彼女についてはそれ以外にもいろいろと苦い思い出の
あるアルカナである。
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