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Ruina 廃都の物語エロパロ 九世

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Ruina 廃都の物語エロパロ 九世
394 :わるいゆめ 1/5[sage]:2014/10/15(水) 00:42:07.87 ID:EuFC1QkY
人がいるか分からないけどこっそり投下。
シーフィーというよりはシーフォン←フィーのような…?
ぐっだぐだに長い上さして明るくもないですが。

***

わたしは夢を見る。

あの災厄が始まった夜から見始めた、ひどく不快で、不吉で
そして同時に現実との境界が曖昧になるくらいにリアルな悪夢と同じように現実的で、
それでも今まで“わたし”に関しての夢でしかなかったモノとは違う夢を。

誰かがわたしを探すあの夢を見なくなって、廃墟と幻の街を行き来して、地下に出来た巨木を登って妖精の王様に出会って。
悪夢を見ていたことをすっかりとは言えなくとも忘れ始めていた頃には、わたしは小人の王子(見た目が王子かどうかはともかく)と一緒に小人の国の統一を手伝っていた。
そんな頃だった。わたしがまた夢を見たのは。

…………

わたしの手にはお師匠様から託された大事な『鍵の書』がある。

大廃墟の書庫で完全な形になったソレを抱えるわたしの前に現れたのは、酒場で喧嘩をしている所に鉢合わせして、そのまま成り行きでライバル宣言された…わたしと少し違う術を使う、わたしと同じ魔法使い。

シーフォン君。

彼がお師匠様の持つ『鍵の書』を狙っていたのは知っていた。
わたしと一緒に探索をしていた時だって、お師匠様から薬の材料を貰おうと立ち寄れば寄越せ寄越さないの問答をしていたし、
一緒に探索をしていない時は、わたしが探索に疲れてくたくたになってお師匠様の庵に戻ってきてもやっぱりその話をしていた。
だから、わたしが手に入れた……お師匠様の最期の言葉で託された…この大事な書物を、きっと奪いに来ることは知っていた。

“……よお、.....。こんな場所で奇遇だな”

呼ばれた筈のわたしの名前は聞こえない。

“その『鍵の書』をずっと探してたんだ。僕に譲ってくれよ”

出来ない。
シーフォン君に渡せば悪用するとかそんな事は思ってない。けれどコレは…コレだけは、お師匠様から託された大事な……

“なんて言っても、聞いてくれる訳ないよな。お前の師匠の形見だしな”

“なら、実力で奪い取るだけだ!”

わたしは必死で抵抗する、そして――

“どうしてお前なんだ?…何故お前が選ばれたんだ?僕とお前にどんな差があるってんだ!―畜生、畜生ッ……”

言い捨てて、ボロボロの君が逃げていく……そして。
地上に戻る術もなく、生還が絶望的になったシーフォン君を闇が包み込んで、帰ってこなかった。

…………

最初、その夢があまりにもリアルで、目が覚めた時わたしは心臓が壊れるんじゃないかってくらいドキドキしていた。
本当にシーフォン君が居なくなったんじゃないかと、自分の身支度もそぞろにオハラさんの酒場に駆け込んで……
そこで、いつもの様に椅子にふんぞり返ったシーフォン君を見た時、私は安堵で泣きそうになった。
直後に、そのシーフォン君に「お前朝からそんな顔して何してんの、馬鹿か?」と言われたのに、
“ああ、ちゃんと此処に居た”って泣きだして「ばッ……何でこれくらいで泣くんだよ!ばーかばーか!……おい、泣き止めよ!」って言われても、やっぱり涙が止まらなかった。

これがひとつめ。
Ruina 廃都の物語エロパロ 九世
395 :わるいゆめ 2/5[sage]:2014/10/15(水) 00:55:43.30 ID:EuFC1QkY
あ、大事なこと言い忘れてました。エロ無しですごめんなさいごめんなさい

***
そのあとわたしは大変な目にあった。神殿軍がわたしの大事な…お師匠様の庵を襲って。わたしを庇ったお師匠様が死んでしまって。
“…銀色の塔を探しなさい”
かつて奇妙なメダルを置いたその場所から、お師匠様が継承してずっとずっと守ってきたという『鍵の書』の断片を見つけた時、わたしはくらくらして、ひどく怖かった。
だって、そう、これは
あまりにもあの夢と似すぎていて。半分しかない『鍵の書』を読んだわたしの脳裏に閃いた場所が、あの夢と同じ場所で…
本の断片を見つけた瞬間からまったく喋らなくなったシーフォン君に胸が押しつぶされそうな不安を抱いて、
それでもわたしはお師匠様との約束を守らなければならなかった。隠された、もう半分を見つけて……そして

「………なあ、フィー」

わたしの横にいた、シーフォン君がふいに言葉を発する。やめて欲しい、その先を言わないで欲しい、なのに

「その『鍵の書』をずっと探してたんだ。僕に譲ってくれよ」

出来ない。分かってるはずだ、シーフォン君だって私がお師匠様との最期の約束を、どれだけ思っているかなんて―

「なんて言っても、聞いてくれる訳ないよな。お前の師匠の形見だしな」

俯いたまま、シーフォン君がくつくつと笑う。

「………なら、実力で奪い取るだけだ!」


わたしの目の前に、ボロボロのシーフォン君が杖を頼りに膝をついていた。
わたしも勿論同じくらいボロボロで、けれど……立っているのは確かにわたしだ。

「……なんで」

割れそうなくらい歯を噛み締めたシーフォン君が言う。

「どうしてお前なんだ?…何故お前が選ばれたんだ?僕とお前にどんな差があるってんだ!」

不吉な予感がざわざわと背筋を這い上がる。畜生畜生と吐き捨てながら、シーフォン君はわたしから逃げようとする。……一人で帰るにはあまりにも無謀なほどにボロボロなままで。

「………ッ、シーフォン、君ッ!」

血の滲んだ彼の真っ赤なローブを掴む。悔しそうな顔に驚愕の色が差す。嫌だ、行かないで、居なくならないで、消えてしまう、わたしの前から……!
本で読んだ回復の魔法で彼を必死に癒やす。

「……どういうつもりだよ、僕を哀れみやがって…!馬鹿にしやがって!」

何時もの悪態とは比べ物にならないくらいの憎悪の言葉。だけど彼はそれだけでわたしを拒もうとしない。

「だって、このままじゃ……こんな傷で、一人で帰るなんて無茶だよ」
「ふざけるなよ、そうやって、何時も……!いつかお前は、絶対に僕を助けたことを後悔するだろうよ」
「……そんなこと」
「…………離せよ、フィー」

治療を終えたわたしの手を強引に振り払って、シーフォン君は走り去っていく。夢と似た光景、だけど瀕死で逃げていく夢の中の彼と違って、
表現はおかしいかもしれないが“元気そう”に離れていく彼を見てわたしは泣きそうなくらい安心した。
翌日、やっぱりシーフォン君は酒場にいて。話しかけても口を聞いてくれなかったけど一緒にまた来て欲しいと言う言葉に無言で立ち上がると、
そのままわたしの腕を乱暴に掴んでずんずんと歩いて行く彼を見た時、あの夢が全て本当にならなくて良かったと心から思った。
その後も、わたしは遺跡を更に潜って、地下の雪山(表現がどんなにおかしいか知っていてもこれが現実だから仕方ない)で遭難しかけて眠らないようにパリスと見張り合ってたら取っ組み合いになったり、
小人の国にあった温泉でネルと一緒に泳いだり、奪われたわたしの大事な町をアルソン君と一緒に取り戻したり。
長い時間をかけて―それでも数ヶ月は、あっという間だったけれど―奇妙な色の壁で閉ざされた大廃墟の奥…墓所に進んだ頃。わたしが、知りたくもなかった最悪な出生を知ることになった頃。
また、夢をみた。
Ruina 廃都の物語エロパロ 九世
396 :わるいゆめ 3/5[sage]:2014/10/15(水) 01:00:08.62 ID:EuFC1QkY
…………

闇が深い。
目の前に居るわたしと同じ眼の色と髪の色をした王の成れの果ては、わたしの体を復活の依代として手に入れようと襲い掛かってくる。
パリスが気合を入れた雄叫びを上げて、手にしたねじれた剣と突剣で突っ込んでいってその闇そのもののような体を抉る。
間髪入れずに魔力を高めたわたしの破壊と創造の光が王を包み込むと、トドメとばかりにシーフォン君の放った異界の魔剣に貫かれ、王はその動きを止めた。……だけど。

実体の無い姿を不利とみた王は、わたしに“栄光の都”に来るように命じると地上へと消えていく。
実体のあるわたし達はソレを見送るしか無い、いや

“おい、待ってくれ……待てよ!”

シーフォン君が、その闇を引き止める。その口調には一切の余裕が感じられない。

“僕に力をくれ、お前の知識を僕にくれ!.......が駄目なら、僕を使え!”

また、呼ばれた筈のわたしの名前が聞こえない。その口調には焦燥が浮かんでいる。彼は、なにをいっているの?

―力に対する渇望、余が小さく愚かであった頃に似ている。
            ならば来い。そなたに力をくれてやろう―

行ってしまう、止めなければ、手を伸ばす、その手を―

“さわるな、手を放せ!”

振りほどいて、彼は走って行く。その体が、闇に包まれて―――消えた。

つぎにかれのすがたをみたとき。
そのからだはおうのよりしろとされ。

“僕に……相応しい末路だろ?”

わたしたち、は、たたかって、かれ、を、ころし

“じゃあな……奈落で待ってるぜ”

…………

お師匠様の死を目の当たりにしても、心のなかの痛みはともかく表面上は少し離別の涙を流しただけのわたしが(もしかしたら、あの時は大変すぎて余裕がなかっただけなのかもしれないけど)
叫んで飛び起きて、そのまま激しく嘔吐したのは初めてだった。
その日は流石に遺跡の最奥に近づいているとはいえ探索なんかする気になれず、気分が悪いと宿の一室に篭ってひたすらネルとパリスと……それからシーフォン君も心配させたらしい。

「自分の出生の秘密が分かって絶望して冒険できないでちゅ、ってか?…ふざけんな、贅沢言いやがってこの馬鹿!」

あんまりと言えばあんまりな言葉とは裏腹、その顔が心底心配そうに歪んでいてわたしは泣いてしまった。

生きている。
シーフォン君は生きている、あれは夢で、また、あの時と同じように―

現実になりかけるのだろうか。

闇が最も深くなった玄室に辿り着いた時、わたしが夢でみた時と同じように王の成れの果てはわたしと同じ髪と瞳をしていた。
魔力の奔流―集中して破壊と創造の力を放つ。シーフォン君が異界の魔剣で王を切り裂く。一瞬で王の懐に潜り込んだパリスがその両手の剣を翻し、実体の無い王を霧散させた。

―栄光の都に来るがいい。
   影ではなく実体をもってそなたをねじ伏せ、その肉体を奪うとしよう―

闇が遠ざかる…逃げていく。実体のあるわたし達に、物理の法則をねじ曲げて地上へと消えていく王を引き止める術は―
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397 :わるいゆめ 4/5[sage]:2014/10/15(水) 01:07:42.61 ID:EuFC1QkY
「……待ってくれ……待てよ!」
「…シーフォン君………?」

やめて、呼び止めないで―お願い、また、あの時のように

「僕に力をくれ……お前の知識を僕にくれ!コイツが…フィーが駄目なら、僕を使え!」

闇がシーフォン君に手を伸ばす。誘っている…その闇に手を伸ばせと、こちらに来いと。あの悪夢が蘇る、わたしは咄嗟にその手をシーフォン君に伸ばし――

「…え?」

夢の中で、突き放される言葉と共に振りほどかれたはずのわたしの手は。しっかりと、シーフォン君の手を握りしめていた。

「……手を放せよ」
「……やだ……」

力なく首を振る。行かないで欲しい。

「なんだよ、クソっ……何なんだよ、お前は!」

―迷いのあるものに用はない―

シーフォン君のその躊躇いを許さないとでも言うように、言い捨てると、闇はあっさりと上空…地上に消えていった。

「畜生!手を放せ!…力を、力を手に入れるためだけにここまで来たってのに……畜生……!」

わたしが手を放す気も、王がシーフォン君を振り返る気も無いと悟ると、彼はがっくりとその場に膝をついた。乱暴に手を振り解かれる。罪悪感が心を襲った…けれど、
(これで、シーフォン君がタイタスに身体を奪われることも……死んでしまうことも、無い)
彼は落胆からだろうけれど、わたしは安堵でその場にへたり込む。
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398 :わるいゆめ 5/5[sage]:2014/10/15(水) 01:15:10.62 ID:EuFC1QkY
「お、おい……フィー、何やってんだ!アイツ、どっかに逃げやがった、早く捕まえねえと…」

早く地上に戻るべきだとパリスが困ったように声をかけてくるけど、それに答える余裕がなかった。
俯いたままその場に膝をついていたシーフォン君が、弾かれたように顔を上げて、両手でわたしの襟首を掴んでも、わたしは呆けたように動けなかった。

「何のつもりだ、何のつもりだよお前は…!お前のせいだ、お前がいるから、僕は…これ以上、僕を惨めにさせる気か!」
「オイシーフォン、てめえ何してんだ!」

私に掴みかかるシーフォン君。それを止めるパリス。さっきまで全ての元凶と命のやりとりをしていたようには見えない光景。
余裕の欠片もないシーフォン君の表情を、声を聞いているうちにわたしの中の何かが決壊した。

「…う…うぅ……」
「……あ?」
「…フィー?」
「うえぇえぇぇぇん!うああぁ……っぐ、ひっ……わぁあぁん!よ、かったよぉ…シーフォ、ひっく……ン、君…いなく、なら、なくて…うえぇ……」

ひどい泣き方だ。自分でもそう思う。こんなのほとんどぐずって泣き出す子供のソレと変わらない。だけど、その恥も外聞もかなぐり捨てたようなわたしの泣きじゃくり方を見て、
シーフォン君は何故か困ったように嘆息した。

「……ちっ」

掴んでいた襟首を放される。その代わりと言わんばかりに乱暴に手首を掴まれた。そのまま、強引に立たされる。

「わ、あっ」
「アイツは上…地上に行ったに違いねえんだ、とっとと戻るぞ、こんな所にもう用はねえ」

ぐいぐい引っ張られる。痛い。自分のペースで歩けないのは辛いしましてこの場所は暗くて視界が悪いし足元も覚束ない。

「おまっ……どこまで勝手なんだよ!」

悪態をつくパリスが追いかけてくる。
躓いたり転びかけながら、それでもわたしは強引に引っ張っていく手の温もりと、目の前に居るわたしとさして変わらない大きさの背中を見ながら、
心のなかが満たされたようで、ぐすぐすと何時までも子供みたいに泣きじゃくりながらシーフォン君の手を振りほどこうとはしなかった。


わたしは夢を見なくなった。何度も私を苛んだ悪夢は、いつの間にか忘れ去られていく。

全ての元凶を倒した後のお話は、また、別の機会に。

***
1週目アベリオンでプレイする→幼なじみコンビが便利すぎてシーフォン放置→鍵の書イベで離脱してショック→アーガデウムで何とか奪還
を経て、2週目はフィーでガッツリしーぽんと冒険しておりました。3人目の仲間はパリス。通常戦闘の負担がパリスに行きまくり。

他の賢者主(男か女かは特に決めてない)の辿ったルートを夢に見た…という感じになってます。なので別に特定の一人とかじゃなく
いろんな世界でシーフォンを見捨てた、若しくは助けられなかった賢者主の後悔が…みたいな


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