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398 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 19:54:02.82 ID:PEPFnht3 - 投下します。
>>359-378の続きの第二話です。 22レス前後で、途中、連投規制などで少し間隔が空くかもしれません。 前回で設定説明は大体終わったとか言っといて、今回も少々設定・状況解説が入るカタチに… 派手な目的のわりにハーレム構築速度はゆったりしてるので、物足りなかったらすみません。 特殊なプレイはありません。 NGの際はコテやIDを指定して下さい。
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399 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 19:54:52.31 ID:PEPFnht3 - 【Teacher/DNA】 第二話
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 『あんたのルックスと運動神経は中の中って言葉が似合いすぎてる。その地味っぷりは逆に面白いわね』 ◇001◇ 私立翔童女学園。 その敷地内全体は、見る者を圧倒し飲み込むような壮大さと美麗さを兼ね備えた造詣で構築されており、 周辺を囲む閑静な住宅街と隔絶されたような、別世界の空気を作り出している。 その校舎の片隅、外に面する窓を壁一杯に広げた一室。 春の朝の眩しい陽光が注ぐその室内で、聖なる学舎には全く相応しくない嬌声が響いていた。 「んっ……!じゅぷっ、ぇぁ……んっ、んっ、んぅ……じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ……」 「はっ、くぁ……璃花、さんっ……うぅっ!」 部屋の中心に設置されたソファーに背中を預け、鈴家修司(すずいえ しゅうじ)はその声と身体を快楽に悶えさせていた。 周りには剥かれた制服が無造作に散らばっている。 「んっ、んむ、ん……ぷぁ……ほら修司くん、早く出さないと間に合わないぞ?」 「いや、璃花さんっ……もう、いいっ、ですってば……!く、あっ!」 「何を言っているんだ。まだ硬さが残っているぞ?もう一回ぐらいは出しておかないと……」 言いながら藤宮璃花(ふじみや りか)は、修司の脚の間に座り込ませたその裸体を興奮に震わせる。 粘液にまみれた竿を握り、激しくしごいていく。 更にもう片方の手で、その暖かさを伝えるように陰嚢の表面を優しく包み込む。 「ちょ、璃花、さんっ!それやばっ……ぐっ、うぅっ!」 「出ちゃいそうかい?いいよ?残りのザーメンを全部吐き出すんだ……はむ……ん……じゅるっ……!」 愛撫する両手はそのままに、璃花は膨れ出した亀頭を大量の唾液にまみれた口内で包み吸いついた。 「あっ!でっ、出る!出る!ああああああっ!」 「んっ!んん!んぐ、ぶ、んんっ……!」 喉奥を打つように何度も噴出してくる青臭い熱の塊を飲み込みながら、 璃花は跳ねる竿を搾るように擦り、亀頭に舌と唇を張り付かせ、白濁を一滴も外に垂らさぬように吸い込み舐めとっていく。 頬を歪ませ、淫らな音を立て性器を貪るその様は、学園を取り仕切る気品ある理事長の姿とはかけ離れた、 本能の赴くまま情欲に溺れる一匹の雌そのものだった。
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400 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 19:55:53.74 ID:PEPFnht3 - ◇002◇
前日の約束どおり、早朝に理事長室を訪れた修司は、待ち構えていた璃花に、挨拶もそこそこに 『初対面の大衆の前でテントを張るのは恥ずかしいだろう?』と飛びつかれ萎えるまで吸精され続けた。 そしてようやく解放され、暫く経ち身体の痺れが治まった修司が部屋の時計を確認した頃には、時刻は既に九時を回っていた。 「ああっ!?もう始業式始まってるじゃないですか!生徒の僕はともかく、理事長が遅刻って駄目でしょ!?」 修司は慌てて乱れた己の着衣を整える。 反して璃花は全く動揺する様子も無く、整ったスーツ姿でソファーにゆったりと座っていた。 手に持つカップに注がれた暖かい紅茶の香りを楽しみつつ、隣の修司に語りかける。 「落ち着きたまえ修司くん。私、そして君も、始業式には最後の挨拶にだけ顔を出せばいいんだよ。 もう少しぐらいのんびりしていても問題ないさ」 「え?い、いいんですか?そんな感じで……」 「ああ。ちゃんと他の教員達にも伝えてある。」 「じゃあ別に僕、あんな急いで何回も搾られる必要無かったんじゃないですか……? 結局、学園での過ごし方まだ聞いてませんし……」 「ああ、その事なんだけれど修司くん。着直すならその制服ではなく、こっちのにしたまえ」 絞り尽くした件についてはスルーした璃花は、いつの間にか脇に備えていた平たく大きい黒い布袋を、 その端の切れ目から出るハンガーの先を片手で持ち上げ修司に差し出した。 「?何ですかこれ……」 「私からの入学祝いだ」 修司は微笑む璃花の手からそれを恐る恐る受け取ると、布袋の中心を縦に通るファスナーを下げた。 その中には、黒いジャケットとスラックスパンツが包まれていた。 「これ、スーツ……ですか?」 「ああ。君の最新の身体データを元にした、今朝おろしたばかりのフルオーダーメイドだよ」 誇らしげな璃花に修司は戸惑いつつも言葉を返す。 「ありがとう、ございます……でも、これは制服の代わりにはならないんじゃあ……?」 「そのスーツが、今日からの君の制服なのさ」 「は?」 「今日から君は、『特別生活指導専門講師』として、この学園に務めるんだ」 「……………………………………………は?」
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401 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 19:56:49.46 ID:PEPFnht3 - ◇003◇
時刻は昼の十二時過ぎ。学園は昼休みを迎えていた。 その校舎の中のとある一室で、修司は今日何度目かも知れない深い溜息をついた。 「『鈴家先生』って……僕は高校一年生のはずなのに……」 三時間ほど前、今自分が袖を通しているスーツを差し出してきた璃花からの言葉が、修司の脳内で反芻される。 『──修司くんには生徒ではなく教師として、学園内の人間と接してもらう。 『本来、教師の職に就く際に必要な資格云々については私が処理し、備えを済ませた。 『なぜ教師かって?そりゃあ修司くん、ここは女子校なんだから男子は生徒になれないだろう? 『私と君以外、この学園で《計画》について知る者はいない。それは余計な雑念を抱かず純粋に恋愛に没頭した彼女達が、君との才能豊かな子を成せるようにする為だ。 『《学生の性交渉及び妊娠、男性の同時期多人数への性交渉について忌避感を持たないようにする教育》を彼女達に行ったと言っただろう? 『それは逆に、《教育》で操作できる《常識》はその程度の要領で限界、という事でもある。 『この《教育》とはつまりは、《常識の再構築》ということなんだ。 『特別な基準で選別されたと言っても、彼女達はそれまで十数年以上、一般的な世間で生きてきた普通の人間だ。 『その人生で培ってきた、心の基礎とも言える常識を再構築されるというのは、結構なストレスになるんだ。 『これ以上、彼女達の常識を再構築しようとすれば、それは《教育》ではなく《洗脳》になってしまい、 結果、恋愛感情についてだけでなく、心そのものに障害を負ってしまう恐れがある。 『そしてもう一つ、《記憶の一部抹消・改ざん》も、あまり彼女達には行いたくない。 『学園関係者への記憶操作は主に、君との恋愛のみならず学園全体に影響を及ぼしかねない場合、 つまり《計画》について何かを知ってしまった者に対して行われる事になる。 『だが《計画》に関する記憶を操作するという事は殆どの場合、《君への本能的恋愛感情》も合わせて操作・リセットする事になるだろう。 『この国の切迫した現状から、《計画》を進める上での時間的猶予があまり無い以上、 恋愛関係の構築から出産に至るまでの期間はできる限り短縮しなければならない。 『というわけで極力、《世間一般と同様の自然な生活》を彼女達には過ごしてもらう必要があるのさ。 『君の年齢で教師をやるというのも確かに異例だけれど、それは異例なだけであって、私からしっかり理由付けて皆に説明すれば《教育》の必要は無い。 『教師との恋愛?ああ、私の言い方が足りかったな。教育プランの《学生の性交渉・妊娠》というのは《学内全ての人間が行う性交渉・妊娠》ということだ。 だから、彼女達にとっては教師も恋愛対象という事になっているから、安心したまえ──』 「安心しろったって……僕、教師じゃないし」 部屋の奥に設置されたデスクの前。修司は腰を据えるキャスター付きの椅子を回転させながら、己の《職場》となる部屋を見回す。 広さは十畳ほど、部屋の中心にはテーブルと二つのソファー、床全体を覆うグレーのカーペット生地。 空調設備は完備されているが、窓は一切無く、壁や天井は白一色。 ここまでは理事長室とほぼ似た作りだが、全く異なる部分がいくつか存在する。 まず、出入口が普通ではない。 分厚い防音製の認証開閉式自動ドアに前後を挟まれた、幅二畳ほどの通路を通らなければ部屋の出入りはできない。 廊下側のドア枠には画面付きインターホンが備わっており、来客中は自動的に室内とは繋がらなくなる。 そして室内には出入口以外にもう二つ、ドアが存在する。 一つは旅館さながらに大人数を許容できる脱衣所(洗面台・トイレ・洗濯乾燥機含む)、及び大浴場へと繋がるドア。 もう一つは家具家電一式にシステムキッチンが完備された、高級マンションの一室のごとき広大かつ優雅なリビングへと繋がるドア。 更にリビングの奥には寝室があり、備えられたベッドはキングサイズ以上のスケールがある。 そのシーツには枕が一つしか添えられていない、という点に意図を感じざるを得ない。 「要するに……凄く豪華でプライバシー厳重保護なホテルだよな、これ……」
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402 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 19:57:52.32 ID:PEPFnht3 - 修司はデスクに乗る二つのモニターに視点を移す。
片方には出入口通路を様々な視点から映す幾つものカメラからの映像が表示されている。 これで訪問者を確認し、モニター脇の操作盤でドアの開閉を行うのだ。 もう片方にはホームページのトップ画面のようなものが表示されている。 その上部には『お悩み相談室』という大きな看板文字。更にその下には『現在のお悩みメール数:0』と表示されていた。 「本当に来るのかな……悩み相談とか」 修司は璃花に部屋を案内された際のことを思い出す。 『──教師といっても、普通の授業をしろというわけじゃない。 『いや、まあ君の学力なら高校の授業程度は楽にこなせると思うんだけれど。 『君が日々、教室で授業を行うと、近距離でまともにフェロモンを浴び続けた彼女達が群がるように君の遺伝子を求めることになる。 『セックスまでの期間は早いに越したことはないけれど、乱交パーティーのようになってしまっては、 彼女達の本能は快楽だけに没頭してしまい、恋愛部分の発展が難しくなってしまう。 『だから、彼女達一人一人としっかり段階的なコミュニケーションを踏んだ上でのセックスが必要なんだ。 『そこで、君の仕事となるのが《特別生活指導専門講師》、つまりは《お悩み相談》だ。 『この《お悩み相談室》は君の室内外へのフェロモンの散布率を調整できるようになっている。 『君のフェロモンが女性に及ぼす効果には段階があって、相手にフェロモンを多く浴びせていくほど、 《警戒心の排除→興味→親近感→好意→恋心→肉体的快楽への欲求増進→生殖本能の超活性化》 って感じに強い効果になっていくんだけど、これを学園内には《好意》ほどの効果具合になるよう散布率を調整する。 『そして彼女達は君に接する方法として用意されたこの部屋を利用する。利用条件の《お悩み相談》をする為にね。 『多感な女子高校生達だ。一切悩みを持たない者などいない。 『そして君はこの部屋で彼女達の様々な悩みに真摯に対応していくとともに、調整フェロモンでその本能を少しづつ刺激していく。 『結果、肉欲ではなく信頼感と安心感、つまりは本能的恋愛感情をキッカケとした関係が築けるというわけだ。 『だからフェロモンの効果が出てくるまでは、この部屋で好きに過ごしていてくれ。 『大丈夫大丈夫。君の真面目な性格ならどんな悩みにだって対応できるさ。 『君自身の悩みは私が受け付けるから、いつでも遠慮無く相談してくれ。欲求不満の悩みなら大歓迎だぞ?ははは──』 「そんなうまくいくのか……?……うおっ!?」 室内に柔らかな呼び鈴が鳴り響いた。 危うく椅子ごと転がりそうになった修司がモニターを見ると、廊下側のドアの前に女生徒が一人立っていた。 「ず、随分早いな……?フェロモンの効果はまだ出ないって言ってたけど…… それでも今、メールでもなく直接来たってことは、結構悩んでることがあるってことか……? えっと、開けたほうが……いいよな……」
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403 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 19:58:39.74 ID:PEPFnht3 - 予期せぬ来客に戸惑いつつも、修司はドアの開閉センサーをオンにする。
ドアが開かれ女生徒が通路を進んでくるのに合わせ、修司がそれを迎えようと部屋の中心のソファーを通り抜けた辺り。 部屋側のドアが開き、女生徒がその姿を見せた。 学園指定のブレザーを着崩すことなく着用している女生徒は、そのまま無言で修司を見つめる。 『──この学園の制服は君の性癖、もとい好みに合わせたブレザーだ。 『華美過ぎず地味過ぎず、軽く真面目さを感じさせるデザインが好みなんだろう? 『それにワイシャツの棒ネクタイがおっぱいで浮くのとかが──』 ふと頭によぎった璃花の邪推を振り払い、修司は対応に迷いながら女生徒の姿を確認する。 おかっぱの毛先を軽くしたような黒髪の下で、大きく丸い二重瞼の眼がきらめいている。 残念ながらなのかネクタイはあまり浮いていない女生徒は、全体的にシャープな日本人形といった雰囲気を放っていた。 女生徒は胸の前で腕を組むと、修司より先に言葉を発した。 「久しぶりね」 「…………………………………え?」 修司が呆けた顔を見せると、女生徒の組んだ腕がきつく締まった。 「は!?もしかして忘れたの私のこと!?うわ、あんなによくしてあげたのにサイッテー……! 恩知らずもいいトコね。そのキモい頭部の中、なに詰まってんの? 生ゴミ?ちょっとアタマ開いて掃除したほうがいいんじゃない? いや無理か。自分で処理できないから生ゴミになっちゃったんだもんね? あ、でも生ゴミは再利用きくけどあんたはもう完全に廃棄物って感じよね──」 女生徒はとても不機嫌そうな口調で次々と言葉を並べていく。 しかし、その表情は殆ど動くことなく感情を表していないのが特徴的だった。 呆気に取られ、その様子をただ眺めていた修司の頭の中に、過去の記憶が次々と湧き出すようによみがえってきた。 「お、お前……篠原か?」 そこで少女はようやく口を止め、ひとつ溜息をついた。 「そうよ、篠原赤音(しのはら あかね)。気付くの遅すぎ。この脳無しガリ勉」 篠原赤音。 彼女は修司にとって、中学時代で最初に出来た友人であり、 そして悪夢で埋め尽くされた中学時代の中で唯一、光とともに記憶に残る少女だった。
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404 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 19:59:29.41 ID:PEPFnht3 - ◇004◇
とある中学校の屋上。 そこで生徒が二人、共に昼休みの時間を潰していた。 少し肌寒い風に煽られ、腰まで届く黒髪をたなびかせながら少女が言う。 「あんたのルックスと運動神経は中の中って言葉が似合い過ぎてる。その地味っぷりは逆に面白いわね。 でもアタマは無駄に上の上だから、ネタ人間とまでは言えないのが勿体無い。ホント空気読めないわね。鈴家って」 真顔の表情を殆ど崩すことなく日常を送る。 しかし、抑揚をつけた口調と流れるような自然さで周囲に毒を吐く。 そんな器用な芸当をこなすのが、篠原赤音という少女だった。 「僕はネタ人間になりたいなんて思ってないし、いつも空気を読めないのはお前だ。篠原」 近い将来、ネタどころではない受難を背負う事になるとは微塵も思っていない修司は、慣れた様子で赤音に言葉を返す。 「空気を読めない?違うわね。私はいつも空気を読んだ上で、薄汚れた場の空気をファブリーズしてあげてるのよ」 「お前が撒いているのは殺虫剤だと思うぞ」 「何?入学早々、隣で教科書忘れて授業受けてる憐れなアンタに声かけてあげた恩を忘れたの?」 「別に頼んでないし、教科書は内容暗記してたから平気だったし、そもそもお前も教科書忘れてたし。 喋ってるのを先生に怒られるし、教科書忘れたのバレてもっと怒られるしで、 散々な目にあわされたのに恩も何も無いだろ」 「『やった、同類がいる!』と思ったのにとんだ失敗だったわ。こんなガリ勉と関わっちゃうだなんて、人生の汚点確定ね」 「お前な、誰にでもそんなんだから友達いないんだぞ?もう中学入って三ヶ月近く経ってんのに」 「フン。いつまでもグズグズした雰囲気引きずってくる奴らなんて、こっちから願い下げよ」 「ああそう……まあ、僕みたいな優しい人間がいたことに感謝しろよ?」 「自分で言ってりゃ世話無いわよ。何そのドヤ顔?オエー、キモいキモい」 このときの修司は男女問わず友人に多く恵まれていたが、 その棘の多い口振りゆえクラスで孤立していた赤音を気にかけていく内、 昼休みにはこうして二人で過ごすことが多くなっていた。 元々女子と話すことに抵抗は無かったが、お互いに無遠慮な言葉を投げかけられる悪友のような赤音との関係は、修司にはとても居心地が良かった。 「そういえば、そろそろ夏休みだな。あ、宿題は見てやらないからな?」 「宿題ねぇ……アンタに見てもらうことは無いわよ、多分」 「何だ、とうとうお前も真面目になったのか?」 「今更、真面目になってもね……」 「ん?」 今一つ繋がらない会話に修司が眉をひそめると、それ以上の言葉を遮るように、 昼休みの終了を告げる予鈴が校舎に響き渡った。 赤音の転校が決まったと修司が知ったのは、それから間もなく、空を澱ませる梅雨が明けようとしていた頃だった。
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405 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 20:00:19.80 ID:PEPFnht3 - ◇005◇
中学最初の夏休みまで残すところ数日。 修司と赤音は元篠原家の門扉の前で向かい合い、初夏の昼の照りつける太陽に焼かれていた。 既に転居の準備は済んでおり、あとは赤音の両親が乗る車が娘の乗車を待つのみだった。 「別に来なくていいって言ったのに。アンタに見送られても、全く感動とかできる気しないし」 「悪かったな。空気読めなくて」 「まあこのクソ暑い日にわざわざご苦労さん、とだけ言っとくわ」 「ああ、どうも……」 「それで?お別れの挨拶でもしに来たの?なら、ちゃっちゃと済ませてよね。親待たせてるんだから」 ムードもへったくれもないな──と修司は深く溜息をつきつつも、親しい友人のために言葉を紡ぐ。 「まあ、なんというか……色々ムカつくこともあったけど、なんだかんだ楽しかったし、 今は、中学最初の友達がお前でよかったって思ってる。 あのとき声かけてくれて、ありがとな。篠原」 「……………………」 修司が照れくさそうに頬を掻くのに対し、赤音は硬直したまま瞬きひとつしない。 「ん?どうした?」 赤音は無表情のまま、絞り出すような弱々しい声を発した。 「……ねえ、鈴家……最後に一回でいいから、私のこと……下の名前で、呼んで……くれない?」 「はっ!?な、何で!?」 修司は思いがけない懇願に戸惑うと、赤音は顔を伏せ、かすれた言葉を地面に向けるように呟いていく。 「鈴家との……思い出……欲しいから……」 「へっ!?あっ、えっと……!?ちょ、そのっ……!」 赤音が顔を上げると、その眼には今にもこぼれそうなほど涙が溜まっていた。 「し、篠……原……」 その儚さを漂わせる姿に、修司は初めて赤音に対して女性らしさを感じ、その胸の鼓動を高鳴らせる。 「そ、その……あ……あか……」
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416 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 20:21:16.07 ID:PEPFnht3 - 「う、くっ!あ、赤音っ……」
「ふっ、く、ふぅ、ん……そうそう……ほら……もっと情けない顔、見せなさいよ……!」 赤音が腰を動かす度、肉棒の張り詰めた先が膣奥にゴリゴリと押しつけられていき、 滝のように流れる熱い汗が修司の身体に散って落ちていく。 「あっ!ヤバいって、赤音っ、それっ……!」 修司の反応に、上唇に舌を這わせた赤音は腰を更に強く押しつけ動きを速めていく。 結合部からはどちらのモノか判別できない淫液がグチャグチャと音を立て、二人の情欲を煽っていく。 「あ、ふぅっ!なぁに、変態……また、中出ししたいの……?」 「赤音っ……!」 「んんっ!?あっ……!こんなにっ、腰浮かせて……私を、孕ませたいんだ……?」 「そ、そうだよっ….!」 「ああっ!い、いいよ……?修司の精子でっ、ひぁっ!全部満たして……孕ませてっ……!」 「ぐぅっ!あっ、赤音っ!」 「ひっ!?ああああああああっ!おっ、奥ぅっ!いっぱいきたぁっ!」 再び熱の塊を流しこまれた赤音は背中を反らし顎を撥ね上げ激しく痙攣する。 そして少しの後、力尽きたように修司の胸に倒れ込んだ。 その眼はどこか遠くを見ているようで焦点が定かではない。 「はぁ……はぁ……はぁ……もう……無理……」 「あ……その……赤音……」 その白濁が漏れ出る結合部で、修司は未だ剛直を衰えさせていなかった。 「はぁ!?う、うそ……でしょ……!?どんだけなのよ……あんた……」 「もうちょっとだけ、いいか……?」 赤音は息を切らしながら笑う。 「へ、へへっ……!あとで……覚えとき……なさいよ……!」 それからもう暫くの間、寝室には悲鳴のような嬌声が響き続けた。
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417 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 20:22:08.58 ID:PEPFnht3 - ◇009◇
「マジでなんでもあるわね!ねえ変態、私ここ住んでいい!?」 「駄目だと思う……」 「えー、ケチ」 長い情事が終わって暫くの後、修司と赤音は大浴場の巨大な浴槽に張られた湯に二人並んで浸かっていた。 それというのも、体力がある程度回復した赤音が、 『あーどっかの変態のせいで腰痛いー、身体中ベトベトで気持ち悪いー、でっかいお風呂でのびのびしたいー。えっ!?あるの!?』 などという流れで元気に突っ込んでいったからである。 「はぁー、気持ちいい……あんたなんかに会いに来てよかったわ」 「風呂が一番嬉しいのか……」 「そうよ?お風呂は女子にとって天国なの。知らなかった?」 「はいはい……」 隣で柔らかな表情を見せる赤音に、修司は幸せを感じる。 「何ニヤニヤしてんのよ。キモいわね」 「ほっといてくれ。元々こういう顔だ」 「あっそ」 ケタケタと笑い、手先で湯の表面を弄ぶ赤音を少し見つめたあと、修司は言う。 「赤音さ、笑ってんの可愛いんだから、普段もそのままでいいと思うぞ」 「え?」 「友達、欲しいんだろ?」 「…………」 「すぐには無理かもしれないけど、きっと赤音の素の顔を気に入ってくれる人はいるはずだ」 「…………」 「何か困ったらいつでも相談してくれていいから。まあ、脳無しガリ勉の変態でいいならだけど」 皮肉混じりに、照れくさそうに頬を掻きながら修司は言う。 赤音は口を結び、軽く口角を上げた。 「うん、ありがとう。修司」
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418 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 20:22:58.24 ID:PEPFnht3 - ◇010◇
翌日。時刻は朝八時、生徒達はまだ殆ど登校していない頃、修司は《相談室》でモニターの向こうの璃花と話していた。 「篠原さんがこんなに早く、君と恋人になってくれるとは嬉しい誤算だったよ。 君と彼女の交友関係は把握していたから、入学者選別時に彼女の名前が出たときには私も驚いたものだ」 「へえ……っていうか、まさか璃花さん、僕と赤音の中学時代の色んな場面も見てたんですか?」 璃花はニヤニヤと含み笑う。 「そりゃあ勿論。君の私生活を絶えず観察することは、研究において必要不可欠だったからね。いや〜、甘酸っぱい青春だったね?」 「ぐぅ……!」 修司の顔の温度が急激に増していく。 それを煽るように、璃花は言葉に合わせ身振り手振りをつけていく。 「引越しのときなんて、リアルタイムで見ていて悶絶してしまったよ。 『ちょ、修司くん!そこは去りゆく彼女を追いかけて熱烈なチュウだろう!?』とかね?」 「ぐ、うぅ……!し、趣味悪い……」 茹でだこ状態でプルプルと震える修司の様子に満足した璃花は、話題を切り替える。 「まあ半分無意識にではあったが、中学時代の君は彼女の悩み、苦しさを感じる心を癒していた。 人と人との心が深く結びつくには、表面的な部分よりも、普段はその奥に秘めている何かを、相手に受け入れてもらう感覚が重要なんだ。 君も昨日の体験を経て、女性の心に寄り添う感覚を掴めたんじゃないかな?」 「まだ、なんとなく……ですけど。中学の頃よりは、マシになってきたと思います」 「うん。フェロモンの影響に関係無く相談に来る子達もまだいるだろうし、その調子で今日からも頑張ってくれたまえ。 重ね重ねいうが、相手とどれだけ親密になっても《計画》については漏らさないようにね?」 「はい、わかってます。あ、璃花さんと付き合ってるとかも、秘密にしたほうがいいですかね?」 「私としてはオープンな関係を望みたいところなんだけれど、そうだね。 下手に君との関係を注目されると、《計画》について何か感づかれる可能性も大きくなってしまうし」 「僕もちょっと残念ですけど、仕方無いですよね」 「ふふふ、隠れていやらしいことをして興奮する、なんて性癖に目覚めちゃいそうかい?」 「目覚めません」 「あはは、冗談だよ。じゃあ今日そっちに顔を出すのは、皆が帰ってからにしようかな。なる早で行くからね、修司くん♡」 璃花が満面の笑みで投げキッスをしてから、一拍おいて通信が切れる。 「あの人、少しずつ理事長キャラが崩れていってるな……」 通信タブを閉じると、代わりにモニターには《お悩み相談室》のトップ画面が表示された。
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419 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 20:23:56.06 ID:PEPFnht3 - 「《相談メール数:0》か……やっぱりまだ色々と、時間はかかるよな……っと、お?」
修司は室内に柔らかく呼び鈴が響く少し前に、もう片方のモニターに一人の女生徒が映っていることに気付いた。 「また直接か……もしかしてメールでも相談できるって十分伝わってないんじゃないか……?」 言いながらドアを開いた修司は、にわかに緊張する。 これからは赤音のような見知った者同士とではなく、完全に初対面の相手と心を結びつけていかなければならないのだ。 「とりあえず、挨拶だよな、うん」 しかし、修司の緊張していた事柄はこの後、さっそく的外れなものとなってしまう── 「失礼します」 「ど、どうも。おはようございます。鈴家修司です」 修司は心の中でガッツポーツを決める。 姿を見せた女生徒のネクタイは、豊満な胸部に大きく浮き上がっていたのだ。 綺麗に染まったブラウンの長髪を、前髪とサイドごと後ろ一本で結んでいる。 そのため吊り気味の双眸と高く鼻筋の通る白い小顔が強調されており、凛とした気品を漂わせていた。 赤音が日本人形なら、この人はフランス人形だろうか──などと修司が見惚れていると、 女生徒は微笑みを浮かべながら、外見の印象を全く崩さない綺麗に通る艶っぽい声音を発した。 「鈴家先生、今、お時間宜しいでしょうか」 「は、はい。えっと……」 相手をどう案内したものかと修司が惑っていると、女生徒は入口から足を一歩進めた。 「申し遅れました。私は私立翔童女学園生徒会会長を務めております、三年生の藤宮咲蘭(ふじみや さくら)と申します。 本日は、鈴家先生にお話があって参りました」 「え?藤宮…?」 修司の反応を無視するように、藤宮咲蘭は涼やかな笑みのまま続ける。 「"この学園の理事長である私の姉の藤宮璃花"。そして、"姉の交際相手である鈴家先生"。 お二人の関係について、是非お聞きしたい事があります」 修司は背筋を凍りつかせ、言葉を失った。 それは投げかけられた言葉によってだけではなく、 彼女の笑みが赤音のそれと同じく、内なる激情を隠す為のものだと直感したからでもあった。 彼女の後ろで、静かにドアが閉まった。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【Teacher/DNA】 第二話 おわり
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420 : ◆uGraRbaB5A [sage]:2014/10/14(火) 20:25:09.93 ID:PEPFnht3 - /
これは修羅場ですか?いいえ姉妹丼フラグです。 だったらいいなー、なんて自分で作った設定に亀甲縛りされて虚空を見つめつつ長編モノの大変さを色々と痛感してます。 支援及びここまで読んでいただき、ありがとうございました。 一話制作時点で貯めてたストックを殆ど使ったので、次回の投下までは少々時間がかかると思います。 性紀末救生主・修司が今後、『僕と百裂姦』や『性帝従事寮』などの伝説を築いていくのかどうかは未定ですが、 次回もまた読んでいただけたら幸いです。
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