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名無しさん@ピンキー
その手は離さない 1/4
その手は離さない 2/4
その手は離さない 3/4
その手は離さない 4/4
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85 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/09/28(日) 00:28:23.76 ID:4Kb/DlBo
続いてるよ!
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86 :その手は離さない 1/4[sage]:2014/09/28(日) 00:29:47.44 ID:4Kb/DlBo
その日、クラリネットのパート練習を終えた頃のこと。
後片付けをしていた邑楽に数人の女子が何やらもじもじとした様子で話しかけてきた。とはいえ互いに
どう切り出せばいいかと困っているようで、肘でつつきあっている。
「…メグ先輩」
「んー、何?」
振り返りもせずに言葉を返しててきぱきと作業をひなしていた邑楽だったが、女子たちは口籠りながらも
無邪気に尋ねてきた。
「今日も音楽室に行くんですか?」
「え…?」
内心音楽室でのことが色々とばれているのかと焦ったのだが、女子たちの口は止まらなかった。
「神峰、結構真面目に毎日ピアノ練習してるんで、やっぱ気になるのかなーって」
「え、あたしもう付き合ってるのかと思ってた」
「あたしも」
「お弁当も作ってやってるみたいだしね」
「…ちょっと!」
放っておいたらいつまでも喋っていそうな彼女たちに呆れながら、邑楽は溜息をついて腕を組んだ。
「それの何が悪いの?」
その言葉に、彼女たちはたじろいだ。
「あたしはクラリネットパートを一番に考えてる。何をするにもパートのあんたたちのことはないがしろに
しているつもりはないわ。だけど時間に余裕があったら、それはあたしの自由にさせて欲しいの。神峰は
まだあたしの助力が必要なんだし」
一週間ほど前から付き合いの始まった神峰とのことは、別に特別隠しだてすることでもない。元々交際
禁止を謳う部ではないのだから堂々としていればいい。ただ、まだ神峰の立場も部内では不安定なの
だし、こんなことで不要な雑音が出ないとも限らない。今は非常にデリケートな時期なのだから浮かれて
いられないのだ。
「分かったかなあ」
「…はい」
先程まで雀が群れるようにかしましかった女子たちは、あくまでも毅然としている邑楽に威力をそがれた
のか、急に大人しくなった。
「…ごめんなさい。あたしたち、ずっとメグ先輩と頑張ってきたのに、なんかマンツーマンで指導されてる
神峰が羨ましくて」
「分かればいいの、じゃ、あたしもう行くね」
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87 :その手は離さない 2/4[sage]:2014/09/28(日) 00:30:37.59 ID:4Kb/DlBo
何かと噂にしたがるのが女の子というものだけど、ここは堂々としていればいいんだと心に決めて邑楽は
スカートを翻した。元々それなりに覚悟があったからこそ、この恋は始まったのだから、何も気にする
ことはない。
肩に零れる髪を払い、きっと前を向いてドアへとまっすぐに歩いていく邑楽を見送りながら、女子たちは
放心したようになっていた。
「やっぱメグ先輩かっこいいなあ…」
「神峰、いいなあ」
年齢的にも恋に恋をし恋に憧れる時期なのか、女子たちの口からは再び止まらぬ憧憬と羨望が溢れ
出した。

「あ、来た」
音楽室のドアを開けると、時折一緒に神峰に指導している御器谷が顔を向けて笑った。肝心の神峰は
というと神妙な面持ちで鍵盤を叩いている。まだわずかの心の余裕も持てないようなのが微笑ましくて
つい目元が緩む。
しかしのんびりとした御器谷の声が現実に引き戻した。
「遅かったね、恵」
「あたしだって忙しいの、忍、あんたと違ってね」
「うん、そうかなあ…」
噛み合っているのかどうか分からない、いつもの会話をして普段の定位置に座ると、ようやく邑楽の
存在に気付いた神峰が顔を上げて笑った。
「…邑楽先輩、今日はどうッスか」
「まだまだだけど、精進はしているみたいね。少し休みなさい」
「はい!」
大分手が痛そうなのは。すぐに見て取れた。一人でいる時も神峰はここでずっと可能な限り練習を
続けているのだろう。運指はまだぎこちないものの、音そのものは大分滑らかに出るようになってきて
いる。
「神峰君は熱心だよ、恵に言われた通りにきっちりこなしている」
まるで自分のことのように、御器谷は嬉しそうだ。
「当たり前じゃない。あたしは自分の経験から初心者でも出来る適正な練習を課しているの。これで
上手くならなきゃおかしいでしょ、ねえ神峰」
「そうッスよ、最近我ながら結構いい調子で進んでると思うんで」
神峰も御器谷につられるように笑顔を見せたが、やはり手は痛いのだろう。何となく不愉快な気分に
なって、やや強い語調になってしまう。
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88 :その手は離さない 3/4[sage]:2014/09/28(日) 00:31:32.69 ID:4Kb/DlBo
「調子に乗らないの。あんたみたいな初心者が同じ動きを反復していたら、腱鞘炎を起こすんだから。
大体、休憩もろくに取ってないでしょ」
「あ、はあ…」
そこで、思い出したようにぱん、と御器谷が大きく手を叩いた。
「じゃあ、神峰君。何か飲み物買って来るから少し休もうか。何がいい?」
「あ、じゃあカフェオレを…」
「恵も一緒でいいよね、ちょっと待ってて」
「あ、ちょっと」
二人に気を利かせたつもりなのか普段の卑屈さはどこへやら、御器谷は颯爽と音楽室を立ち去って
しまった。これは当分戻って来ないつもりだと悟る。
「…んもう…」
二人きりにされたことで何となく気まずい気分になっていたのだが、神峰の方はまだ呑気に鍵盤の
上で指を動かしている。
「神峰、手」
ぶっきらぼうに顔を向けると、びっくりしたような表情が飛び込んできた。
「はい?」
「痛いんでしょ。ちょっと見せてみなさい」
「あ、でも」
「指揮者がこんなことで手を痛めて指揮棒を振れないなんて事態、有り得ないでしょ。あんたはもっと
自分の価値を知りなさい。自分にどれだけの期待がかかっているか分かんないの?」
そう言ってもまだ反応は鈍かったが、気にせず無理矢理に手を取ると、見慣れた神峰の手はやはり
熱を帯びて少し腫れを持っていた。ピアノを長く続けている邑楽だからこそすぐに判断を下す。
「やっぱりね。神峰、あんたは今後三日ほどピアノ禁止よ」
「んー…そうッスね。残念だけど」
真剣に心配している邑楽に比べて、神峰の方はといえば顔を赤くして目も合わせない。下を向いて
何か言いたげにしているのだが、苛立っているせいかそれすらも腹立たしく思える。
「もう、神峰!」
「あの…」
視線を逸らしてしばらくもごもごと続きを言い淀んでいた神峰の口が、やがてゆっくりと動き出した。
「オレ…前より邑楽先輩のこと、すっげー好きになった」
「え?」
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89 :その手は離さない 4/4[sage]:2014/09/28(日) 00:32:35.53 ID:4Kb/DlBo
「こんなことがなかったらずっと勝手に憧れてただけだったかも知れないんで、なんか夢みたいで…
で、思ってた以上に邑楽先輩がオレのことを考えてくれてるからもうそれだけで一杯一杯なんス」
「神峰…?」
下手をすればお節介と思われかねないほど、邑楽は常に人を気遣い行動する。もしやつい過ぎたことを
したのではと危惧したのだが、別に神峰は嫌がってもいないようだ。
だが、一体何を言いたいのかさっぱり分からない。
首を傾げて様子を伺う邑楽にまだ視線を合わせようとしない神峰は、更に重くなっている口をやっとと
いう感じで開く。
「なんで…手、離して貰えないッスか」
熱を持っている手が、するりと離された。
「あたし、迷惑だった?」
「……じゃなくて」
元々それほど口の上手くない神峰のことだ、どういえば一番なのかしばらく考えあぐねているように俯き、
脂汗を流している。これから一体何を言い出すのかと気を揉みながらも、邑楽はただ黙って見守るばかり
だった。
そうして互いに無言のまま五分ほど経った後、遂に神峰が心に溜まっていたことを吐き出した。
「オレだって一応健全な男子なんで、こんな感じで好きな人と二人っきりでいたらヤバい気分になる…
ってことッス」
それまで伏せていた顔を上げて、縋るような真剣な目をして見つめてきた表情に、邑楽はそれこそ魂を
掴まれたような気がして尚更何も言えなくなった。
一応付き合っている間柄で、キスも何度かしたことがある。けれどそれ以上のことはまだ何も考えられ
なかった。神峰自身の生真面目な性格や、まだ予断を許さない吹奏楽部内での立場もあって欲求にも
ブレーキをかけがちになっていたのだろう。
しかし、神峰がその性格ゆえに劣情が湧き上がるのを許せずに余計に悩む羽目になってしまったのなら、
やはり責任は自分にある。
いや、そんなことは全て只の綺麗事だ。この年下の男の一挙手一投足が気になり始めてから、傘の下で
キスをしたのがきっかけで付き合い出した時からもう分かっていたこと。これから訪れる筈の出来事の
何もかもひっくるめて、他の誰でもない、神峰と経験するのでなければ絶対に嫌なのだ。
「神峰」
別にこれから仲を深めていくのは不自然なことじゃない。互いに何も知らない分、道のりは遠いだろうが
得るものは大きい筈だ。この男とならば。
その為にも、二度とその手は離したくなかった。
だから次の一歩を踏み出す為に、言葉で背中を押してみる。互いに好意を抱いているのだから、もう
ここから引き返す必要もない。
「あたしもそういう気分」
愛しい、可愛い、全ての思いを込めてもう一度神峰の手を取ると、頬に押し当てた。何故だか感極まって
しまって、流れ落ちてくる涙が熱い。
再び、日の暮れかかる音楽室には長い沈黙が訪れた。





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90 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/09/28(日) 00:34:10.04 ID:4Kb/DlBo
ジャンプ系でずっとエロ書いてきたけど、この二人はなんか色々と時間かかるわー


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