- 戦う司書でエロパロ
613 :名無しさん@ピンキー[]:2014/09/20(土) 12:14:50.92 ID:Zi+n+sWE - 続きです。
「何?他の部活の見学?」 「はい!せっかく色んな部があるんですし、色々見て回ってから決めるのもいいんじゃないかと思って」 「しかし・・・俺はもうお笑い研究会に入ると決めている。そのためにこの高校に来た。」 エンリケは怪訝そうな顔でノロティを見つめる。何とか上手く説得できないかと、前の夜に必死に考えた言い訳を試してみる。 「あ、でも!エンリケさんの話では、笑いたいからお笑い研究会に入りたいんですよね?あたし、考えたんですけど、笑うといっても色んな笑いがあると思うんです! あたしが入ってるチア部だって、皆と練習してると楽しくて自然に笑顔になりますし、他の部活の子もそうだと思います。こう〜、青春を謳歌するというか・・・。 と、とにかく!心から楽しい、好きだっていう部活に入ることが一番大事なんじゃないかと思います!」 ノロティの言葉を聞き、何か感じるところがあったのか顎に手を当てエンリケは考え込む。ノロティは我ながら良いことを言えたんじゃないかと、心の中で ガッツポーズをする。しばし考えた後、エンリケが口を開く。 「お前が本当に部活が好きなんだということは、この一週間でよくわかった。そのお前が言うなら、間違いないんだろう。」 「エンリケさん・・・!じゃあ、他の部も見てくれますか?」 「具体的にどこを見るかは決めていないが、とりあえずお前がいいと思ったところがあるなら見てみようと思う。」 「う〜ん、良いと思う部活かぁ・・・。実績があるところはたくさんあるけど、難しいなあ。エンリケさんは、スポーツとかは 興味ないんですか?」 「身体を鍛えることは嫌いじゃない。・・・が、誰かと勝敗を争うことはあまり好きじゃない。」 少し意外には思ったが、好戦的でむやみに人を傷つけたりするような人間でないことは、この一週間でわかったことだ。 「そっか。でも勝敗が関わらないスポーツなんてないしなあ・・・。あ!なんだったら、クラスの人に部活のこと聞いてみましょう! 皆の話を聞いたら気も変わるかもしれませんし、クラスの子と一緒なら、エンリケさんも楽しめると思います!とりあえず、昼休みに なったら、皆の所に話を聞いてみましょう。」 「ああ、わかった」 朝のホームルームを知らせるチャイムが鳴り、朝練のあった生徒も続々と教室に戻ってくる。そんな生徒たちに 席に着くよう促しながら、いつもと変わらないスタイルのハミュッツが教室に入ってくる。出席の確認と簡単な事務連絡をしてホームルーム は終わり、1限目からハミュッツの地獄の世界史の授業が始まる。一睡でもすれば殺人チョークが飛び、テストで赤点を取ろうものなら 殺人サーブで地球儀を顔面にぶつけられると噂されている。恐怖の1限目を無事やり遂げた後は、フィーキーによる数学の授業が始まる。 こちらの授業は、クラスの半数が寝るか、今日のフィーキーのパンツを予想するのがお決まりとなっている。そんな午前のスケジュールを終え、 ノロティたちは無事昼休みを迎えた。
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614 :名無しさん@ピンキー[]:2014/09/20(土) 14:25:12.63 ID:Zi+n+sWE - 「あ!エンリケさん、こっちです!お弁当持ってきましたか?」
「ああ。大丈夫だから、あまり大声で叫ぶな」 皆が昼食を摂っている教室のど真ん中で大きく手を振りながらノロティがエンリケを呼んでいる。いくら色恋沙汰に疎いエンリケでも、 クラスメート全員がこちらを見てヒソヒソと噂しているのを見れば、流石に気恥ずかしい。というより、この娘に羞恥心とかそういう ものはあるのだろうか。 「エンリケさん!皆とお昼食べながら、部活のこと聞いてみましょう」 ノロティが向かう方には、同じ部のキャサリロとミレポックが座る席があり、その周りにルイ−クやルイモン、ヴォルケンたち男子の 集団の席がある。男女両方の話を聞けるよう配慮してくれたのはありがたいが、大勢で昼食を食べることに慣れていないエンリケは 少しだけ抵抗感を覚えた。そんなエンリケとは対照に、腕を引っ張るノロティはとても楽しそうだった。 「お!な〜に?ノロティ、腕なんか組んで!エンリケ君ともうつきあってるわけ?」 「キャサリロさん、エンリケさんが困ってるでしょう!ごめんなさい、エンリケさん。騒がしいと思うけど、あまり緊張しないでね。」 小柄で小動物を思わせる活発な少女、キャサリロがノロティをからかい、品行方正な優等生のミレポックがそれを制す。このクラスは 性格が全くバラバラの生徒が多いのに、よく仲良くできているものだとエンリケは不思議に思った。その様子を後ろで見ていた男子の集団も そこに混ざってくる。「なんだよエンリケ、モテモテだなあ!」とルイモンが豪快に笑いながらエンリケの背中を叩く。それを見て困惑しながら やめろよ、と声をかけるヴォルケンを見て、ますます疑問は大きくなった。その横でルイ−クが何故かいじけていることには誰も気付いていない。 それぞれ持ってきた昼食を食べながら、エンリケの部活の件について話をする。
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615 :名無しさん@ピンキー[]:2014/09/20(土) 14:34:25.55 ID:Zi+n+sWE - 「部活か〜。迷ってるんだったら、一度俺んとこのアメフト見に来いよ。高校から始めるやつも多いから、初心者大歓迎だぜ!」
どんと来いと言わんばかりに豪快に胸を叩くルイモン。 「あ、でも、エンリケさんはあまり勝敗を競うことは好きじゃないそうなんです。スポーツ系だと、やっぱりそういう部はないのかなぁ」 「いや・・・そういうのが絶対に嫌だというわけではない。ただ、あまり大人数でやる競技に少し抵抗があるだけだ」 ノロティの言葉に少し訂正を加えて話すエンリケに、静かに話を聞いていたヴォルケンが口を開く。 「それだったら、うちの陸上部はどうかな。個人競技だし、人によって練習のペースやメニューも違うから比較的やりやすいと思うぞ。」 「個人競技か・・・たしかに悪くはないな。」 「ただ、基本的に土日も練習や大会があるから、入るならそこは覚悟した方がいいな」 なるほど、個人種目かとノロティも納得する。エンリケの性格的にも、自己記録を伸ばすことに重きを置いた競技の方が向いているとは思った。 エンリケも少し興味を持っているように見えたが・・・。 「そうか。ところで、その部活ではその・・・笑うことはできるんだろうか?」 いささか唐突で、それまでの流れとあまり関係のない質問がエンリケの口から出たので、その場にいる全員が一瞬固まった。 やっぱりそこに一番こだわるのか、とノロティは思った。 「え?ああ、そうだな・・・。練習は確かに厳しいけど、記録が伸びたときは嬉しい・・・かな。」 困惑しながらも、至って真面目な顔で質問するエンリケに、ヴォルケンは律儀に返す。話しを聞いていたキャサリロが 頭に手をあてながらそういえば、と話を切り出した。 「あんた確か、転校した初日にお笑い研究会に入りたいとか言ってなかったっけ?」 お笑い研究会の真実を知るノロティはビクンと心臓が飛び跳ねるのを感じた。 「ああ〜、あれか。実は俺、その部活聞いたことねえんだよな」とルイ−クが首を捻る。 「1年の頃、張り紙を見た気がしないでもないが・・・」 他の生徒もその存在には前から疑問を感じていたようだ。実際、ノロティもエンリケがその名を出すまで存在すら知らなかったのだから無理もないが。 「文化系の部なら他にも結構面白そうなのあるんだけどね。そういえばミレポ、あんた何か部活入ってなかったっけ?」 突然話を振られ、ミレポックは動揺する。ほんの少し、彼女の白いほおが赤く染まったようにノロティには見えた。 「え!?わ、私?え、え〜と、一応地学部、だけど・・・(どうしよう・・・、部員が私一人で、鉄錆を落としながら愚痴を言って ストレス発散しているなんて、とてもじゃないけど言えない・・・)」 「地学か〜、地味な部活に入ってんなあ。」 「でも、なんかそういうの似合うよね〜ミレポ」 「な!ちゃんと真面目に研究もしてるわよ!」 「『も』って・・・。」 部活を馬鹿にされ怒るミレポックを周りがなだめる横で、ノロティはエンリケの顔をちらっと見た。皆がお笑い研究会の 存在を知らないと答えたことに、彼はどう思っているのだろうかと少し不安になった。暴走しかけるミレポックを鎮めるため、ヴォルケンが話を元に戻す。 「お笑い研究会のことはよく知らないんだが、新歓や文化祭の時はどの部でも皆ふざけるし、笑いをとる機会もあると思うぞ」 「おう!俺も去年柔道部で女装したんだぜ」とルイ−クもその話題に乗る。その絵面を想像し、エンリケは少し吐き気を催した。 「まあ、どの部活もそれぞれ面白いところがあるって話よ。まだ一週間しか経ってないんだし、ゆっくり考えてみたら?」 それぞれの部活の話を一通り聞いたところで昼休み終了のチャイムが鳴り、皆次の授業の準備に取りかかっていった。ノロティも準備をしようとしたところで、 エンリケが後ろから呼び止めた。 「放課後少し話がある。帰りに教室に残ってくれないか」 ノロティはそれが部活のことだと何となくわかった。やはり皆の反応を聞いて多少違和感を覚えたのだろう。ユキゾナとユーリには悪いが、 やはりこのままエンリケに嘘をつくわけにはいかないと判断し、ノロティは「わかりました」と答えた。
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