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名無しさん@ピンキー
戦う司書でエロパロ

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戦う司書でエロパロ
607 :名無しさん@ピンキー[]:2014/09/18(木) 15:43:40.56 ID:TTJN8VLY
605の続きです。カチュアさんがただのスケベじじいなので注意。

バントーラ高校の時計の針は朝の7時45分を指していた。文武共に力を入れている
バントーラ高校では、部活の朝練をしている生徒も少なくない。今は特に春の大会に向けて
練習を盛んに行う部も多い。そんな部の中でも特に朝練に力を入れているのは、バントーラ高校
チアリーディング部である。ユニフォームのデザインが可愛いと評判の上、代々部員の顔のレベルが
高いことで有名である。かけ声を出しながら、体育館で楽しげに練習に励むミニスカの美少女達−
その様子を、体育館の影から一人の老人がのぞき見していた。この学校の理事長、カチュアである。
欲望に忠実で神出鬼没と言われ、よく会議をすっぽかすため、常に教員の誰かしらに追いかけられている。
今も朝の職員会議をサボり、ここでうら若き乙女達の青春を眺めていたのである。
「はぁ〜、若い子はええのお・・・。お!今中が見えた!むふふふ・・・理事長の仕事もこういうときだけは
 幸福を感じられるわい。ここは天国じゃのぉ〜」
「あら、お幸せそうで何よりですこと。理事長先生」
穏やかな声と裏腹に、ものすごい殺気を放つ存在が老人の後ろに一人。血の気が引くのを感じながら
振り返ると、そこには笑顔のイレイア教員が立っていた。
「い、イレイア先生・・・!ゴホン、な、何かようですかな?」
「今更取り繕ったって無駄ですよ。あなたがむっつりスケベであることは、誰もが知っていることです。」
 目元も口元も笑みの形を浮かべているが、そのこめかみには青筋が立ち、左手はプルプルと震えていた。
完全にお怒りであることは一目瞭然である。
「理事長先生、あなたが会議をサボるのはいつもの事ですけれど、よりにもよってこの私の部をのぞき見していた
 だなんて・・・覚悟は宜しいんでしょうね?」
「お、落ち着きたまえ!これは、あ、あれだ。今日はあの神溺工業から転校生が来ると聞いてね、
 かわいい我が校の生徒の安全のために、私自ら警備をだな・・・」
「その札付きのワルが来たとして、ぎっくり腰のあなたが一人で勝てるんでしょうかね?
 さ、お話は理事長室でゆっくり聞きますわ。先生?」
断末魔の叫びを上げながらイレイアに引きずられていく哀れな老人・・・その姿に気付くことなく、
練習を終えたチア部たちが体育館から更衣室へ向かっていく。
ユニフォームを脱ぎ、制服に着替える少女たちは、ある話題で盛り上がっていた。健康美溢れる褐色の肌に、
夏の海のようにキラキラと輝く青い瞳の少女、ノロティ・マルチェは、同級生の小柄な少女・キャサリロの話に
驚きの声を上げる。
「え〜!転校生?」
「そうなんだよ!昨日ハミュッツ先生とミレポが話してるの聞いちゃってさ〜!
 ねえねえ、男子と女子、どっちが来ると思う?」
「う〜ん、あたしは別にどっちでも良いけど・・・。あ!でも、一緒に部活ができる女の子とか
 が来てくれたら、すっごく楽しくなると思います!」
転校生の話で盛り上がる二人に便乗するように、他の女子生徒たちも次々に想像を膨らませていく。
「え〜!女の子もいいけど、かっこいい男子とか来て欲しいなぁ」
「そうそう!背が高くて、顔が良くて〜勉強も運動もできたら最高だよね!」
高い理想を好き放題に挙げつづける友人たちに、ノロティはやや苦笑いを浮かべる。
女子が来たら楽しそうだと行ったが、実際ノロティの中では、どんな転校生が来ようと構わなかった。
一緒に学校生活を送る仲間ができることを、純粋に喜んでいた。いつもは支度の遅い女子達も、
転校生見たさに、急いで教室に戻っていった。
戦う司書でエロパロ
608 :名無しさん@ピンキー[]:2014/09/18(木) 15:44:12.39 ID:TTJN8VLY
教室に戻ると、委員長のミレポックがクラスメートたちに囲まれ、質問攻めにされていた。
男子か女子か、どこの高校から来たのかなど・・・。次々に来る質問に、ミレポックは完全に困惑している。
「ほら、委員長も困ってるから、席に戻れよ」
大きな心と身体の持ち主のルイモンが周りの生徒達を諭し、いくらか教室は静かになったが、
ホームルームを前に、皆そわそわと落ち着かない様子だった。時計の針が8時10分を少し過ぎた
ところで教室の扉が開き、担任のハミュッツが現れる。目を覆うまん丸の眼鏡に、
ボサボサの黒髪を無造作にリボンで纏めた、いつものスタイルだ。足下は便所サンダルで、
綿のシャツは大きくはだけ、豊満な胸の谷間が丸見えである。このだらしない服装の教師を見て、
転校生は果たしてどう思っているのだろうか・・・。委員長の号令と共にホームルームが始まり、
起立・礼・着席を済ませると、いつもの間延びした口調でハミュッツが話を始める。
「はぁ〜い、みんな今日も元気かなあ?何かもう知ってるみたいだけど、今日このクラスに
 転校生が来るわよう。じゃ、早速入ってきてちょうだい」
ハミュッツの合図とともに、扉の外から長身の男子生徒が現れる。しかし、その服装を見た瞬間、
教室が一斉に静まりかえった。膝丈よりも長い黒の学ランに、鍔付きの学帽。バントーラ高校は
服装規程の緩い校風ではあるが、下駄を履いている生徒など見たことがない。学帽の下から流れる
透明な髪も他にない特異な色で、異様さを際立てていた。ノロティのすぐ前の席に座るキャサリロが
後ろを振り向き、こっそりと耳打ちする。
「ねえ・・・あの学ラン、溺高の制服だよね?」
「え?う、うん・・・」
徐々にざわつき始める生徒たちに構うことなく、ハミュッツはマイペースに紹介を始める。
「エンリケ=ビスハイル君よう。今日からクラスの一員だから、みんな仲良くするのよう。
 じゃ、君からも自己紹介してちょうだい。」
クラスにやってきた大柄な転校生はにこりともせず、淡々と話し始める。
「名はエンリケ=ビスハイル。神溺工業高校から来た。・・・今日から頼む」
それだけ言い口を閉じるエンリケに、ハミュッツはポリポリと頭を掻く。
「・・・うーん、転校生が来るときって、もうちょっと楽しそうなイメージだったんだけどなぁ。
 そうねえ、あんたたちからも質問はない?」
よく見ればイケメンであるが、強面で無愛想な転校生、しかも恐らく札付きの不良相手に、なかなか
質問の手が上がらない。基本気の良い連中ばかりであるが、こればかりは皆戸惑いを隠せない。
しかし、気まずい雰囲気の中、互いの顔を見合わせるばかりの生徒達の中から一人、手を挙げた少女がいた。
細く引き締まった腕を真っ直ぐ挙げる少女の方を全員が注目した。漸く手を挙げた生徒をハミュッツは指名する。
ノロティは椅子から立ち上がり、仏頂面の転校生に大きな瞳を向ける。エンリケもノロティの顔を真っ直ぐに見据える。
「あの、あたし、ノロティ=マルチェっていいます!部活はチアリーディングに入ってて、好きな授業は体育です。
 エンリケさんはその・・・前の学校では部活とか入っていましたか?」
快活な少女の質問に、学ランの転校生は律儀に答える。
「前の学校に、部活はなかった。生徒が暴れすぎたせいで・・・全部廃部になった」
「じゃあ、入ってみたい部活ってありますか?うちの学校、部活にも力を入れてるから
 大きい大会に出られるところもたくさんあるんです!」
転校生にもう慣れたのか、屈託ない笑顔で質問をぶつけるノロティに皆驚くが、部活に関しては
皆興味のあるところだった。クラス全員に見つめられ、照れくさそうに俯くエンリケだったが、
しばらくし、ぽつりと呟いた。
「・・・・・・お笑い研究会。」
「え?」
「・・・ずっと、笑ってみたいと思っていた。この学校には、お笑い研究会があると聞いたことがある。
 だから、そこに入るためにこの学校に来た」
衝撃的な答えにびっくりする一同であったが、このやり取りのおかげで、この後少しずつエンリケは
クラスに馴染むことができるようになった。しかし、肝心のお笑い研究会が部員不足と生徒会による
経費削減で昨年廃部になったことは、ハムロー兄弟を除きまだ誰も知らないのだった。

二話目終わり。


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