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悪魔娘の深謀
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名無しさん@ピンキー
淫魔・サキュバスとHなことをする小説 10体目
書き手が作品の裏話を語るスレ
SS書きの控え室147号室
不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part19

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淫魔・サキュバスとHなことをする小説 10体目
388 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 02:09:35.22 ID:84m4cHPC
やっと屋内へと帰還したエリーへリリスがおかえりと我が子のように迎え入れる。
何だもう帰っていたのかとそっけなく挨拶を返す彼女の態度は、自身の後ろめたい感情のせいだ。
冷静さを取り戻してしまえばなんて恥ずかしいことだろう、いくらそういうことに寛容な人物とはいえ同居人をオカズにしてしまった。
豪胆なエリーにもセンチメンタルな若さゆえの気恥ずかしさくらい当然あるわけで、いきなり本人を目の前にしたときの動揺は表情を堅くさせ若干の挙動不審に陥らせた。



リリスとともに夕食を片付けるなりエリーはすぐさま部屋のベッドへと突撃した。
飯を食ってすぐ寝たら牛になると昔誰か言っていたが、気にも留めない。
彼女にあった思いは二つ、リリスと同じ部屋にいる気まずさと、リリスがもたらす夢の世界への渇望。
気丈そうに平気な顔をして、内に燃え上がる乾いた血のように真っ黒な情欲の炎に打ち震えるのを押さえられない彼女の姿は、
何とも被虐的ですさまじく色気に満ちていた。

ドクドクと激しく活動する心臓の音を子守唄にしながら、彼女は興奮と共に眠りに落ちる。
何かが、扉を開ける音が聞こえた気がした。
「ふふふ…エリー…これで終わり、終わっちゃうのよ…だからお互い楽しみましょうね…貴女の人生の最後を」
独り言は彼女が意識を手放した後に部屋に放たれた。
淫魔・サキュバスとHなことをする小説 10体目
389 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 02:10:07.48 ID:84m4cHPC
彼女が両目を開くと、天井ばかりが視界に映るなか、その端にベッドの端に腰掛ける影が見える。
ここが 夢 という感覚、そして、一対の翼をはためかせ暗い肌をしたその姿。
「リリス…」
こちらに振り返ったときのその表情は、エリーの目に美しく、恐ろしく見えた。
その目線がそそがれる瞬間、ゾクゾクとした痺れる感覚が躊躇なく背筋に走る。
リリスの関心が自分に向いているという感覚に早くも彼女は酔いしれていた。
煮えたぎる体温にほだされ、彼女はリリスと肌を重ねることしか考えられない。
淫魔の魔力に絡め取られ身じろぎできないまでに緊縛された彼女の心はもうリリスしか見えていなかった。
彼女は錯乱していた。しかし、これはある意味で分かり切った当然のこと。
同性に求められることを嬉しく思っている時点で何かがおかしいと気付くべきであったのだ。

「…来て」
エリーは切なそうな顔をして両手を広げる。その姿を見下ろすリリスは彼女の初めて見せる表情に心を動かされた。
頬を朱に染め、上目遣いでこちらを見やる少女の何と愚かしく美しく愛おしいことか。
いますぐこの、潤いのある唇に、柔らかな頬に、小さな額に、か細い四肢に、薄幸な胸に、そして一本の筋とその中に広がる肉の蕾と芽に、口付けの雨を降らしたい。
彼女の未熟な蜜壺に手を、尾を入れ、かき回しその精を嗜みたい。甘える言葉を嘯かせ、快楽に嘶かせたい。
褐色の淫魔は思う。この完璧なまでに美しい白のキャンパスを、淫猥な私の色に染め上げ歪められるとはなんて贅沢なことなのだろうと。
たとえそれがかりそめに自分が与えた感情からのものだとしても、彼女に求められることが純粋にうれしかったのだ。
彼女に比べてはるかに長い時を生き、それでも欺ききることができないとはなんという浅ましいことか。

頭のどこかでリリスは、天敵であるはずの神にこの機会を恵んだ思し召しを感謝していた。
どうやら今日の私は本気になりかかっているらしい。
畜生玩具に恋心を抱くほど落ちぶれてはいないはず。
妙な気を起こさないうちに、彼女を食べてしまおう。



「ふふ、私を欲情させてどうする気かしら…?
仮にも悪魔の私を自分から求めるなんて…吸い殺してしまおうかしら?」
「いじわるなこと言うよね、リリスって。まぁ、『あんた』らしいからもう慣れたけど」
「…そうね、ふふ、エリーの飲み込みの早さも貴女らしくて好きよ、罰を与えられるのを期待してるなんて…可愛くて…憎たらしい」
「そう、ありがとう…だからもう一度お願い、来て」
エリーが含み笑いの表情をしてみせるのとリリスが覆いかぶさるのは同刻であった。


いっぱいに視界を占拠する黒い顔、妖しげな猫目の瞳、暖かい笑み。それに一瞬遅れて熱い唇の、湿った舌の感触。
背に回された腕が正面のたわわな乳房と彼女を挟み込み、ギュッと挟み込むようにきつくハグする。
彼女もそれに応え伸ばした手をリリスの翼の下で組み、抱きしめる。ベッドの上にある肉体の境界線を曖昧にするようにその圧力は増す。

たったそれだけのことであるが、
すでに彼女の身体はリリスの圧力を受けてマグマのように煮え立ち、その熱量を加速度的に高めていた。
一人自らを慰めて満足していたころの愉悦は何だったのかというほどに彼女の全てが限界を超えて昂らせ、シーツをわずかに液で滲ませる。

自分はリリスに惹かれているのだろう。いや、むしろそれ以上、リリスを私のモノとしたい。もしくは、逆でもいい。
それが純粋な恋心なのか、擦れた欲望なのか、それとも邪な魔術によるものなのかはわからないし、それを追及する気にもならない。
あの顔が、あの四肢が、あの心が、自分を貪ることに執心している。それが嬉しく思えるという現実の前では理由付けなど意味もない。
下賤な欲望を抱くようになってしまったという意味では勇者としてはあるまじき墜落した姿なのだろう。
だけど問題ない。リリスは言っていたじゃないか。『英雄色を好む』と。
リリスの求める勇者に、あたしは、私は、なりたい。
唇の端に落ちた二人を繋いていたものを舐め取る。
淫魔・サキュバスとHなことをする小説 10体目
390 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 02:11:37.64 ID:84m4cHPC
「今夜は起こさないわよ?」
「出発の前の日なんだから、じっくり寝ないといけないしね」
「ええ、そうね」
傍から見れば噛み合わない会話。だがノンバーバルなやり取りに彼女らの意思は通じ合い、その言葉は愛をかたることと同意となる。
エリーの背をさすっていたリリスの右手がその身を湿らす蜜を求めて背筋にそって降下する。



「あぁっ!リリスっ!いいよっ!ぅあああっ!」
餌に殺到する魚のごとく勢いをもって抜き差しして少女の雌の性を蹂躙する指。それと、あまりに大きな嬌声。
それは喘ぎというよりもむしろ叫び声のようで、肌と鼓膜を引き裂かんばかりに震わせる。
迫力ある声量に、始めの夜に見せたあの凛々しい表情と重なる猛々しさが見え隠れする。エリーの勇者たる所以か、そうリリスは感じ取る。

だが、この夢の世界に昨日一昨日のようなリリスの性交渉に狼狽し未知の快楽に困惑していた幼い勇者の姿はない。
エリーはただ目蓋をきゅっと閉じ甘い声を捻り出し全身を覆い尽くす悦楽の波紋に集中している。
全身で快楽に打ち震える彼女にすでに情事への引け目も遠慮もなくなっていた。
もともと性欲を押し殺すようなタチでない彼女は、理性のタガを外され肉欲に興じるケモノへと変態を遂げていた。
湿気った音を立てて彼女の膣口やその奥を擦る浅黒く細長い指が歓喜に沸く筋肉にキツキツに締めつけられている。
リリスの上半身の体重をかけられているエリーは胸郭が圧迫され呼吸がしづらく、ほんのわずかな酸欠状態がいっそう彼女を性の本能へと駆り立てる。
彼女の奥底を嬲るリリスの指に伝える体温と締めつけはさらに増すばかりだ。
「リリスっ、お願いっ!クリっ!いじって!このままイかせてっ!」

その声を知らんぷり、というより彼女の懇願を突っぱねるように、リリスの指は小さくそそり立つ股間の突起を避け執拗にその周りをグニグニと揉みしだき責め立てる。
ときおり身じろぐ彼女の動きにリリスはその都度すさまじい反射能力で対応し、偶然にもそこに刺激が与えられることはない。
彼女の秘所を擦り揉む運動は急にその活力を失ったようにノロノロとした動きになって半端な悦びとなり、彼女を苛み悶えさせる炎にさらに薪をくべる。
まるで意のままに操る玩具の扱い。しかしそれすらエリーの悦びとなる。

膣をヒダの一枚一枚にひっかけるようにゆるゆると弄ぶ中指と人差し指、
いまだ無毛の恥丘を指の腹でスリスリと感触を楽しむようにくすぐる薬指と親指、
そしてクリトリスを焦らし湿り気ある音をクチュクチュと鳴らす小指。
直接の刺激は片腕だけの児戯のはずなのに、ぶっ飛ぶような張りつめる快楽がコールタールのような粘度でエリーにまとわりつく。

それはペットを可愛がるような腰を撫でる艶めかしい左手の愛撫からか。
もしくは鳴きわめく彼女の口を封じ唾という淫液を注ぐ巧みな舌と唇か。
でなければ離れた口元から放たれ彼女の赤面を誘う甘く猥らな嘯きか。
ならば豊かな胸にのしかかられピアスに貫かれたままに寄せ合う肌か。
それとも彼女の幼き肢体に熟れた衝動を媒介させる色欲のルーンか。
むしろ閉じた目蓋すら貫通する魔力を乗せた視線を向ける人外の瞳か。
いずれにしろ、リリスの張り巡らせた罠に彼女がすっかり虜にされ、その意識を拘束されていることが間違いようのない事実としてどうしようもなく今この世界に横たわっていた。


弱く雑多とした快楽もついに限界まで連なりエクスタシーを迎えるのも間近と迫ったとき、
唐突にその手が止まる。
ぬるりと抜き取られた指の先はたっぷりとエリーの分泌液でコーティングされ、快楽の供給を失った生命の神秘を司る性感器官が煮え切らない思いを呼び起こす。
エリーの堪能する全ての動きが止まり、彼女にもたれかかるグラマラスな肉体が上体を起こし彼女の肌と接点を失う。
焦らされ、お預けを喰らった彼女は新たな責め手を期待しその双眸を開く。

目の前にあるその顔はいやに悲壮に満ちた、神妙な面持ちであった。
「ねぇ、私と同じ仲間になってくれない?」
「…仲間…?」
「ふふ、突然ごめんなさいね。でも、どうしても今聞きたくて」
「それは…つまり…」
「私の『妹』になってほしいの」
彼女の中の熱が一気に下火となり、その炎を乗り越えて理性が意識下の最奥から脳内に帰還する。
その言葉の意味が、養子縁組や義兄弟の契りとは違うものだと、エリーはよく知っている。
淫魔同士の関係性において『妹』とは吸血鬼に吸い殺された者と同じ立場、眷属であることを示す。
それはつまり、人間であることを失うということ。
角、尻尾、翼を生やした、リリスと同じ存在となること。
淫魔・サキュバスとHなことをする小説 10体目
391 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 02:12:46.10 ID:84m4cHPC
「え…?」


「大丈夫よ、もっとエッチが楽しめるようになって見た目とかがちょっと変わるくらいだから」
「はっ!?ふざけたことを言わないでよリリス!見た目だけなわけないわよ全部変わるわよ!全部!角が生えた人間がどこにいるっていうのよ!」
「いや、全部変わりはしないわ。それとも、エリーは人間じゃないとエリーじゃないのかしら?貴女は何なの?」
「はっ?変なこと言わないでよ私は私よ、そんなことより、」
「あら、人間じゃなくなってもエリーはエリーのままなら、貴女が人間であることにこだわる必要って何なのかしら?」
「何よ…ヘリクツこねないでよっ!私は勇者よ!?私がリリスと同じになったら誰が魔王を倒すのよ!?」
「倒せばいいじゃない。魔王を倒しに行っちゃいけない理由にはならないし、それにそもそも私はエリーの味方じゃない?」
「またそんなこと言って、」
その瞬間、
唐突に、再びリリスのシルエットがエリーのそれと重なり、リリスから濃厚な唇と舌と腕によるペッティングが行われる。

困惑するエリーの正直な肉体がくすぶり始めた数分後、反論を封じていた唇が離される。
熱い吐息を吐きながら、エリーはやっとのことで感情を言葉にして放つ。
「…いきなり、何よ…!」
ベッドから伸びたリリスの腕の距離だけ離れた黒い顔が優しい笑みを浮かべる。

「エリー、私は屁理屈を言ってるわけでも何でもないわ。冗談で言ったんじゃないの、私がしたいのは貴女を守るために必要なことなのよ」
「なっ、私を守る…ってどうゆうことなのよ」
「よく考えてみなさい、魔界の一番奥、その中心地である魔王城と城下町にどれだけの人間が暮らしてると思う?…少なくても私は一人も知らないわ。
そんなところに行って警戒されない方がおかしいって考えるのは当たり前じゃないかしら?少なくとも、私はそう思うわよ。
軍隊で攻め込むならともかく、貴女は今私と二人きりなんだから、少しでも危険は回避できるように工夫しないと魔王は倒せないわ。
考えがあるのよ、エリーを私の秘書として身分を隠してしまうの。そうすれば正面から堂々と潜入できるわ」
「…もっともらしすぎてうさんくさい、それ後付けの理由なら殴るからね」
「もう、そんなわけないじゃない、私は…心配なのよ。エリーみたいな可愛い女の子が、戦場で傷ついてしまうんじゃないかって。
エリーの玉のような肌、きれいな瞳、可愛い顔、ウブで感度の良いアソコ…このまま魔王に挑んだら、最悪丸ごと失われてしまうかもしれない…」
「そんな心配いらないのに、私は勇、」
「勇者…貴女は勇者でしかないの?勇者じゃなくなったら何も残らないの?」
「そう言われても…私は勇者に選ばれちゃったんだから、勇者なのよ、たぶん…」
「たぶん?そんな曖昧なものにしがみ付くなら、いっそ捨てた方が貴女のためよ。
エリーの魂はたとえどう変わってもエリーでしかないわ。
貴女にはエリーっていう歴とした名前があるの、『勇者』じゃない。貴女は貴女であることに意味があるのよ?
…貴女は何者なの?」
「でも、私は…うぅ、私は…」
頭を掻き、エリーは思考の狭間で苦悩を露わにする。


「ちょっと言い過ぎたかしら。悩むことはないわ、エリーが勇者としての自分を大切にしたいなら、それが一番よ」
「…なんでなのさ、なんでそんなにリリスは私を思ってくれるの?わかんないよ…」
「え?そりゃあ…年少者のために精いっぱいの教訓を考えるのは先達の務めよ」
「それだけ?」
「うーん、それもあるけど、ってところかしら」
「…そう」
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392 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 02:13:59.84 ID:84m4cHPC
「とにかく、憶えておいて、貴女の生き方は勇者としての立場に囚われているわけじゃない。魔王と戦うのも戦わないのも自由、その後の生活も自由なのよ。
あ、でも私としては倒してもらいたいけどさ、まぁそれは別よね」
「じゃあ、リリスは魔王を倒す私を応援してくれる?」
「もちろんよ。私はエリーの味方よ」
「…じゃあじゃあ、その後は?」

「そうね…人間と魔物が争わないように動くことにするわ。
争いが無かったら貴女が勇者に選ばれてこんな物騒なところにくることなかったし、私も大切な仲間が危険な目に遭わなかっただろうし。
…みんなが幸せに暮らしてれば誰も争いなんて求めないんだけど、そう簡単にはいかないわ」
小さな憂いを秘めた目。それは他者を想うがゆえの憂いと彼女には読めた。

思えば初めからリリスは仲間たちを思い、心配し、そのため行動しているのだ。
そうでなければ人間に助けを求めるのはなおのこと、裏切りの業まで背負って勇者に加担するなどありえない。
リリスの行動原理は彼女がよく知る為政者たちの保身意識ではなく、愛を以って尊きと成す仲間意識だった。
彼女が勇者に任じられ受動的に教授された誰かを守りたいという信念。
その心をリリスは自ずから体現していたと彼女は気付く。
そして彼女は畏れ、考える。その思いに応えたい、その力になりたいと。

快楽にのぼせ歪んでいた表情が、何か決心したように凛々しい面持となった。
深く息を吸い、得るもの失うものを頭の中で整理し、胸中で決心と覚悟を決める。


「…それなら、いいよ」
「えっ?」


「私の思いと、リリスの思いはたぶん、一緒…だから。
リリスが仲間を大切にしてるのと同じ気持ちで、私は故郷のみんなを守りたいって思ってるんだよね。そのために、魔王と戦うってことも覚悟してる。
だから私はリリスを信じる。…リリスが私を信頼してくれたみたいにね。
私からお願い、私を『妹』にしてよ」



リリスが応える表情は、涙を浮かべるような堅い微笑。しかしそこに悲しみはなく、願いを聞き入れられた純粋な嬉々とした感情を隠すよう。
彼女がそれに合わせたにっこりとした笑みは、彼女の年相応の天真爛漫としたピュアな一面を見せつけるかのごとく輝いていた。



だが、この発言も、彼女の結論も、
実はうわべだけのものにすぎない。

彼女自身のボキャブラリーにはその言葉はなかったが、
この彼女の思いを支えた感情は、
リリスへの義理でも、
国を守る使命感でも、
意思を曲げない剛直な意地でも、
打算による理屈でも、
相手の論を信じる純情さでもなかった。

それはただ、ただの色欲。
誘惑と衝動に、単純に敗北しただけであった。
彼女は純粋に正気を失っていた。
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393 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 02:16:14.27 ID:84m4cHPC
彼女にとって、リリスの提案は一種の責めであった。
リリスの言葉は、始めの夜の快楽責め、昨日の晩の肛虐、それと似通う耳より彼女を苛ませる性への誘い。墜落への甘言。
『大丈夫よ、もっとエッチが楽しめるようになって見た目とかがちょっと変わるくらいだから』
つまり、人間のプライドを捨てれば彼女は求めていた快感にめぐり合うことができる。
淫魔の手技、力、感覚を得ればさらなる快楽を感じることができる。
リリスの『妹』になれば、魔物になれば彼女の欲望は叶うのだ。

彼女はアンビバレントな想いを抱え熟考した。
リリスの想いに応えたい素朴な肯定の願望、少しでも魔王に近づきたい使命感からの願望。
それと結果として付随する魔界の理に自らを投じる背徳の願望、そしてリリスに自身の性を支配させる助平な願望。
すでに、断る理由を探すことはできなかった。


そして帰納した。
そうだ。これは魔王討伐のため、リリスといい関係を保つため、無視できないこと。
だから、仕方なく今は彼女に身を任せていなくちゃいけないんだ。

わずかばかりの理性を欺くためにすぐに首を縦に振らない言い訳を自身に突きつけたのだ。
目線を反らし言葉を濁し逡巡したふりをして、あたかも熟考したかのように自身を納得させたのだ。
都合の良い解釈に退路を断たれた彼女の心はただまっすぐひたむきにリリスに向いていた。
リリスに弄ばれる快楽に没入するためなら人間性を捧げるということすらなんてこともないと思えるほどに。


「…いいのね?」
「ええいいわよいいですとも、リリスと私は仲間。一蓮托生の関係に拒否も何もない。
リリスが私を想って言ってくれた。それだけで私には十分に試す価値があると思えるよ」
紡いだ言葉のうらはらに緊張し上ずる声は決心の下に揺らめく恐怖、ではなく震えあがるほどの期待の心。
言質を得たリリスの口角が上がる。
手をつき唇を寄せ感謝の意を示すキスは悪魔の魔力、火照りそのもののような甘露の味だった。



詐欺師は滅多なことではウソはつかない。ボロが出ないように虚構は張らず、相手の勘違いを増長させて信用を勝ち取り、地獄へ突き落す。
悪魔もまたウソを言わない。人間の浅薄な解釈を逆手にとり、正論を説いている理にかなっていると思わせて、地獄に連れ帰ってしまうやり口を種族の信条とする。
ならば、愛欲の悪魔である淫魔と夜魔はどうだろうか。その答えは否ではない。
淫魔の性器は確かに名器で偽りはなく、夜魔の見せる悪夢は実際に夢でしかないからである。
歴とした悪魔の眷属であり、人間を食い物にする魔族、それがリリスという女の確固たる実体だ。

悪魔に食い物にされ、魂を搾り取られた人間はどうなるのだろうか。悪魔に何もかもを奪われた者の行き着く先は地獄、そして地獄を生きる者にはそれ相応の姿がある。
その実例はすでに知るところである。ゆえに、私たちの知る悪魔のほとんどが女型であるのだ。
悪魔に魅入られるというのは、そういうことなのだ。
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394 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 03:14:43.19 ID:84m4cHPC
エリーの顔の両脇に手をベッドに埋めたまま、リリスは彼女と舌を絡める情熱的な睦み合いを続ける。
その下では長い前戯の末の濡れぼそった彼女の秘所とリリスの秘所が触れあい、陰唇による熱い接吻をする。
リリスが分泌する愛液、いやそれよりも凶悪な物体が彼女に流れ着き、その魔力がしみ込んでいく。
彼女の小さな身に余る濃厚な魔力の液体は経絡を炎上させ神経は過敏化し、情欲の炎に火薬を放り込む。
自らの情欲の炎にトロトロに煮込まれた彼女の膣口が物欲しそうに涎を垂らす。
獲物の体を惚けさせ心を溶かす淫魔の愛液は人間の涎と同義の役目を持っていた。

ややあって二人の唇が離される。
焦点も定まらずそぞろに口を開け閉めする彼女の眼前に、リリスの尻尾が突き出される。
チロチロと蛇の舌のようにエリーの目の前に揺らめくそれは、
尖った先端を持ち縦は流線型に薄くなっているが横は鉤状の返しがついたステレオタイプな悪魔の尾の特徴を強調したモノであり、これから起こることを彼女に容易に想像させた。
先端の鋭さは嫌がる獲物の孔を強引にこじ開けるためのもの。
刃物のような薄さは相手を快楽に浸らせたまま純潔を奪うためのもの。
返しはゴリゴリと性感帯を引っ掻き回し問答無用で快楽を刻みつけるためのもの。
これが単なるバランス感覚を司る器官でなく、憐れな生贄の性を貪るための道具であるとこのときようやく彼女が知るところとなった。


「…っ!?」
「怖い?」
「ぅ…いや、リリスと一緒なら…大丈夫だよ…」
「…可愛い。さすが私の『妹』ね」
笑みを浮かべるとともにリリスの尻尾は先端をくすぐるように彼女の肌に当て、胸から腹、そして股間へと下ろした。
エリーの視線を浴びる尻尾は彼女の股間で止まり、その身をほんの少しだけ彼女の秘所に潜り込ませる。

「いくわよ?」
「…うん」
「ねぇ、私はエリーにとって何?」
「え?仲間…かな」
「じゃあ、エリーは私の何?」
「『妹』…になるところ、って言えばいいの?」
「…ふふ、そう言ってもらえてうれしいわ、その通りよ」
一瞬の和んだ雰囲気を叩き壊したのは、彼女の蜜壺を一息に貫かれる感覚だった。

「っくっっつあああっ!?」
「ああっ、いい締まりよ、エリー!」
挿し込まれた尻尾は本来彼女が受け入れるべき男性のシンボルと同じような太さである。
しかし、男性経験のない彼女には一本の巨大なこの異物はとてつもない圧迫感を生み、指を束ねただけでは行き着かない奥の奥にその先がコツコツと当たる。
ポルチオと呼ばれる子宮付近の奥まった性感帯は彼女にとって見知らぬ悦楽をもたらし、煮えたぎり噴火するような熱が胎内に循環する。
身を焦がす錯覚を生む熱量は他の性感帯に波及し、その感覚を鋭敏化させ倍々ゲームのようにその神経は快楽一色に塗りつぶされる。
一度突けばソーダが弾けるような多重の快楽が湧き上がって骨の髄まで浸透し、頭の中をお花畑に仕立ててしまう。
そして抜けていく尾の膨らんだ側面が内壁を押し広げる刺激にも、過敏になった彼女の肉襞は無意識に離すまいと引き締めて食らいつき自らを追い込める。
引き絞られた膣筋はそれ自体が快楽の循環を司る心臓のような働きをし、終わりのない性感の堂々巡りは永久機関と表現できる様相であった。
一度生起した快楽は彼女の中に全て居座り続け、積み重ねられ、その大きさは急速にエスカレートし続ける。

それでもなお彼女がその快楽の中心で嬌声を叫び続けているのは、彼女がさらにより多くの悦楽に耐えられるようになったからだ。
彼女が強い快感に免疫がついたことはもちろん、リリスの体液を摂取しその淫魔の体質に感応しているという部分が大きい。
淫魔の官能に強くその快楽を最大限味わうことができる性質を、その身に吸収し、会得しているのだ。
しかし、それはとても危ういことであった。
彼女の肉体は、人間の魔力と魔物の魔力が混雑し、そのバランスを崩していたのだ。
地に足が着いていないような不安定な状態の身体。リリスは先祖より続く本能でこれを求めていた。
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395 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 03:17:16.21 ID:84m4cHPC
二人は身を寄せ合うように互いに抱きしめ合い相互に快楽を愉しんでいる。
ストロークによるズンズンという音が一突きごとに骨を伝って彼女に伝わり、遅れるようにしてアクメを迎えるあのカーッとせり上がる感覚が絶え間なく続く。
片手間に摘ままれ転がされピアスごと引き伸ばされる乳首の鈍重な刺激は地味ながらも彼女に快感をロスなく畳み掛ける。
腹部に擦り付けるリリスの秘貝から吐き出される淫液が皮膚越しにエリーの性器全体を猥らな感覚に酔わせその中毒にさせていく。
意識すら吹き飛ぶような感覚に抱き合うだけでは心細く恐れを抱いたエリーがとっさに掴んだのはリリスの翼の付け根。
性感帯として発達したそこを強く握りしめられたリリスは嘶くような上ずった喝采を彼女に投げかけ、お返しとばかりに彼女への凌辱にスパートをかける。
何度も奥底まで突き上げる尾の刺激にその都度絶頂を極めていたエリーにこの瞬間一段と大きな爆発が生じるのを、リリスの第六感が見逃さなかった。

「っはぁ!んあっ!?」
「あっイくのねっ、精っ、たっぷり頂戴っ!」
「ぁっ!あげるぅ!私の全部っ、リリスにあげるぅっ!…ん…ぁああああああっああぁ!?」
全身全霊をもって頭から足先まで身体をピンと張り詰めて白目を剥きかけながら途方もない高みに達し、
バチバチとストロボの点滅のような迸る快感が幻視し視界も頭の中も真っ白に染まる。
背筋を往復するように幾度も駆け抜ける背筋が冷えるような快感に身を任せ放心するエリー。
一方のリリスも彼女のアクメの締め付けで尻尾をちぎれんばかりに絞られて絶頂状態にあったが、リリスの意識ははっきりと覚醒し集中していた。
リリスの尾が細かく震え、律動する。その身についたエリーの愛液を吸い取り、彼女の精を吸収せしめんとしているのだ。
その先端は彼女の絶頂のさいにわずかに子宮口からその中へと潜り込んでいて、吸引の魔法を発動しその内壁に輝く雫を一息に掻き集める。
本来なら二人の分泌液でグショグショに湿ってしまうであろうはずのベッドが未だ乾いているのはこのためだ。
尾の中をうすぼんやりとした光が進んでいる。それは彼女の魔力、言い換えれば彼女の血肉と同様のもの。

膣口に口をあてがってそれでも卵巣まで効果を発揮するそんな魔法をこんな直接に受けてしまって彼女は大丈夫なのか、答えは否。
彼女の中の残存魔力はわずかな間に一割を切るほどに低下し、彼女に出血多量のような異常を引き起こし、その命の芽を摘み取られようとしていた。
だが、殺しはしない。いや、このときエリーは魔力枯渇によりここで亡きものとなる。しかし彼女は生きる、生まれ変わらせるのだ。
淫魔・サキュバスとHなことをする小説 10体目
396 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 03:19:30.01 ID:84m4cHPC
「ん…エリー、待ってて…もう少しだから……ンはぁっ!」
エリーの身体に埋没したままの尻尾の先端があのピアスのときのような黒い光を放つ。
一回り尻尾が光により大きくなった瞬間、それは開放された。
ドクドクと注射するように尻尾の先端よりあふれる闇のような黒い光。瘴気、魔界の禍々しい魔力が四方へと散らばり、エリーに注がれる。
それは言うなればリリスの子を産み落とす女の行為とも、卵に受精させる男の行為ともいえるもの。
エリーを『妹』に仕立てるリリス達淫魔の生殖行動であった。
彼女の生命の根源である場所にリリスの放った魔の因子が降りかかり、失われた魔力の補填を行い、その機能を置き換えていく。

人間の子を孕むための子宮は魂すら吸収する消化器官へ、
命の種を蓄える卵巣は精を吸い上げるポンプへ、
男を受け入れる肉襞は侵入者に蕩ける愛撫をもたらす触手へ、


ときおりビクンと身体を跳ねさせるエリーを抱き起して支え、その変化を促すようにリリスは両手で彼女に愛撫する。
彼女の胎内を異形に変質させた闇はしだいに全身の体組織や頭の中、精神にまで達し、侵食し、犯し、占領していく。
自らの肉体と精神、エリーという個人を成り立たせていたアイデンティティが風化し崩れ去り吸い上げられ食いつぶされていく。
気を失ったままに二ヘラと締まりのない笑みを彼女は浮かべる。墜落するカタルシスとはそれほどに暴力的な幸福を叩きつけるものであった。

関節がきしむような不快な音が彼女の胎内から響き、ときおり骨折のような鈍く痛々しい音が出始める。変化はすぐに表れた。
バチッという電撃の走るような音がした瞬間、彼女の身体に蓄積されたリリスの魔力の一部が具現し解放された。
皮膚を突き破るブチッという痛々しい音とわずかな紅い水滴をまき散らし出現したのは、異様な器官。
脳天、背、臀部に現れたそれは彼女自身の体液にまみれて生え、ヌルヌルとした光沢を放っている。
バイオレンスさを醸し出す情景に囲まれ、自身も紅の飛沫を浴びつつリリスはうっとりしながら彼女を見つめる。

リリスの心は脳内麻薬に満たされた多幸感に包まれ、エリーへの慈しみの感情に覆われていた。
今までにない純粋な表情をみせるリリスは原初たる母性に感情を支配されていた。
そう今この瞬間、エリーは『妹』となったのだ。
彼女の肌から突き出たものは、リリスにあるものと同じもの。
淫魔が普遍に持つ器官。悪魔の象徴。人の姿をした人外の証。
形成されたばかりのそれを傷つけないよう、彼女の身体を再びベッドへと横たえる。


「あら、まだ残ってるじゃない」
リリスの鼻にわずかに感じられる愛液の香り。エリーの股間に顔を寄せ、その有無を直接確かめる。
彼女の股間の端から舐め取った最後の精の残りかす、その味にリリスの心がじんわりと温まる。
「…ふぅ…終わったわね。すごく、美味しかったわ…そして、素敵よ…私の可愛いエリー…」
彼女の顔を撫で額に口付けその意識を失った寝顔を見るその顔はまさに子を見る母の顔であった。

ふいに、エリーの頬に涙がつたう。重力に従いこぼれ落ちる大粒の雫は彼女に新たに宿った意思とは無関係なもの。
それは彼女の理性や自尊心そしてエリーという人間の最後の抵抗であった。
流れ落ちる雫に乗り、肉体から落伍したのは彼女自身の心。
悪魔に見初められた少女の末路であった。
淫魔・サキュバスとHなことをする小説 10体目
397 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 03:20:09.55 ID:84m4cHPC
気持ちの良い朝。朝日が目にちょっと眩しすぎる。
日光は苦手だ、どうも焦げるような感じがして。
上体を起こしグーッと身体を伸ばす。尻尾がシーツに擦れる感覚が気持ちよくてそれだけで少しエッチになってしまう。
「うん…眠い…」
多少眠気を引きずってボーっとする頭でも即座に身体が求めることを把握し、股間に片手を埋める。

あぁとにかく楽しい。楽しさで頭がおかしくなりそうだいやおかしくなっているのかもしれない。
人間だったころはなんて浅ましかったのだろう。人間であることになんてこだわっていたことがバカバカしすぎて笑ってしまった。
この身体は死ぬほどスゴイ。ちょっとアソコを触っただけで面白いように身体がアクメを迎え、それを余すことなく冷静に味わい尽くせる。
性に特化したこの身体は快楽で焼き切れるような軟な作りではないのだ。
何か大事なものを失った気もするが、人間であることを犠牲にして未練はないのだから絶対に気のせいだ、そうに違いない。
だって私は勇者。そしてもとより、リリスの『妹』なのだから。


一通りスッキリしたところでふと自分が見なれない服に着替えていることに気付く。
全身が革のベルトとそれを繋ぐ金具だけでできている不思議な服。…よく身体に跡ができなかったね。
少し考えると、私の淫魔の本能がこれが何なのかを教えてくれた。ボンテージ…とかいうらしいこの服は締め付けが心地良い。
股間に食い込む作りになっているからただ着ているだけで刺激があって、もうそれだけでイける。
さっきわざわざ手でいじくらなくてもお股を隠してるこのベルトを引っ張るだけでもよかったかも。

と、開いた扉からこちらに近寄る姿、リリスだ。
「起きてたのね。さすが勇者、すぐに支度して出かけられるように早起きかしら?」
「あはは…さすが、なんて私にはもったいないよ。それにそっちの方が早起きじゃない」
「ふふ、それもそうだったかしら」
リリスは私の手を取り、ベッドの下まで下ろしてくれた。
途中、つんのめりそうになったのを尻尾や羽根をバタつかせてなんとか耐えた。

「朝ごはんできてるから、一緒に食べましょう?」
手を引いてくれるリリスに、つい甘えたくなっちゃう気持ちが出てきた。
上目遣い、猫なで声で体が反射的につい媚びる姿勢を整えてしまう。
「リリス…」
「なに?エリー」
「私…幸せだよ!」
私の笑顔に応えてニコって笑いかけてきたリリス。
でも、すぐにその顔がイタズラっぽいものになった。
「ねぇ、エリーは私の『妹』でしょう?せっかく『妹』になったんだから、お姉様って呼んで?」
「…うん!リリスお姉様っ!」



その笑みは屈託のない無邪気な笑顔、しかしその開いた瞳と妙につり上がった口元はどこか見るものを恐怖させる何かがある。
魂を抜かれ、虚ろとなった彼女には植え付けられたリリスの魔力の同調するリリス本人に付き従う眷属となっていた。
応えるリリスの目は優しく、どこか憂い、蔑みが見えた。
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398 :悪魔娘の深謀[sage]:2014/09/17(水) 03:20:56.66 ID:84m4cHPC
それは、彼女が自身の操り人形であること、弄ぶだけの玩具であること、そして『妹』である愛しさと悲しさがあった。
『妹』であるからには、彼女もいずれ『妹』を作る時期が来る。リリスのもとから巣立つ時が来るのだ。
昨日あれだけ自分が弄んで捨てると決心したのに、いざこうなってしまってすでに手放す日を恐れるとは浅ましいこととリリスは自嘲する。
やはり、リリスの中に生じた想いは本気だったらしい。初めは獲物と認識していたエリーは、リリスの本能が認めた番。
食欲と性欲とその他もろもろの欲望のために彼女にこのようなことをしたつもりで、その実純粋な一目惚れだったのだ。
身体を直接弄りその精を貪られるだけの存在に堕とせばよかったものをわざわざ『妹』にしたのは、思えば肉欲のためでなく独占欲のためであったから。
長き時を淫魔の女王という称号に捧げ、忘れていたホンモノの恋という感覚にリリスは打ち震える。
だが、今更気付いたとして別れの時は来てしまう。空っぽになった彼女が淫魔として新たな自我を確立すれば、彼女はリリスだけを見てはくれなくなる。
しかし、悔しく思ってもそれは仕方のないこと。これがリリスたちの種の愛のカタチであったのだから。
異種へ恋心を寄せるという猟奇的な体系、一方通行な想い、食欲と繋がる愛欲、母性をもって恋人に応えなければならないパラドックス、すべては淫魔の業。淫魔の幸せ。
それならば、その長である自分は、その雛形のような恋物語を描いて見せよう。そう決心する思いは固く心の中に封じ、リリスはエリーを急に抱き寄せ、その頬に軽くキスをした。

「ぁ…リリスお姉様…きもちいい…」
飼い猫をあやすような手つきで優しく頭を撫でられる彼女は幸せそうに軽く痙攣していた。


その後しばらくして、魔王が代替わりしたという報が人間界の各地に届く。
新たにその座に即位した者はもとは淫魔族の頭目であったという。
彼女は先代が行った侵略活動の停止を宣言し、停戦の調停のための使節団を人間界へ派遣することを各国へ伝達した。

その報を受けて、勇者の故国では大規模な葬礼が行われた。
『その生を全うし、我が国の革命に最大の貢献をした小さき勇者のその大いなる働きに感謝の念をここに示す。』
届けられた書簡のその一節は、王国全土に大きな悲しみと偉大なる勇者への畏敬をもたらし、その魂の安寧は全国民から祈られた。

国を挙げて取り仕切られた追悼式典が終わりをつげようとするなか、到着した魔界からの使節団の、その列の先頭にそれはいた。
飛行できるほどに大きな翼、漆黒の色をした尻尾、山羊のそれに近い一対の角。その存在は完全な悪魔のそれで、しかしその顔は皆の想起を、絶望を誘った。
なにより腰にさげられたこの国の主より下賜された一振りの剣、それがこの魔物のかつての身分をありありと語り、人々は知ることとなる。皆の希望、勇者の望まれない凱旋を。

後にこの魔の国を統治した女王の名は、戦わずして今の国土を勝ち取り人間との遺恨も踏み消した明主として魔界の歴史の教本に大きく掲載される。
新たに魔界領となった亡国の領土は女王の一族が接収し、新たな里として開発された。今では世界で最も幸福が民草に行き渡っている場所として移住者が絶えない。
なお、現在この地域全体の住民は転居して日が浅い者以外は全員が淫魔族である。

先日も、使い魔と研究のために転居したという女の魔導士がその仲間入りを果たしている。





終わっておく。
淫魔・サキュバスとHなことをする小説 10体目
399 :...[sage]:2014/09/17(水) 03:22:22.21 ID:84m4cHPC
あとがき
ゆるい悪堕ちが書きたかった。
完結まで時間がかかってしまったのは申し訳ないです。
前半の要所要所で段々侵食されていく感じが垣間見えたなら自分、嬉しいですね。
どうも段階踏んで話をもっていこうと意識しすぎて冗長になったのはご愛嬌で許してほしいです。
難産だっただけに本当はいろいろ凝った点とかつらつら書いていきたいけどただのかまってちゃんになるのでチラ裏にでも。
SS書いているとどうしても同じ段落の文は同じ長さにしたり階段状にしたり規則的な見た目になるように気を遣ってしまう、けっこうあると思います。


   ̄ヽ、   _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     `'ー '´
      ○
       O と思う荒れ狂うホースであった

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書き手が作品の裏話を語るスレ
150 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/09/17(水) 04:51:30.36 ID:84m4cHPC
始めに受信した電波:百合
やりたかったテーマ:悪堕ち
意識して盛り込んだこと:横文字
書いてる途中の思いつき:フェチ要素
最終的にできた内容:抜かせるというより文学したかった的な
結論:オリキャラ消化したかっただけ


こんなにブレるもんだから書き上げるのに一か月もかかるんだ。
SS書きの控え室147号室
20 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/09/17(水) 05:18:04.97 ID:84m4cHPC
>>19
おねショタで誤爆多発が辛すぎる
SS書きの控え室147号室
23 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/09/17(水) 07:17:00.59 ID:84m4cHPC
日常的に誤字が多いやつは指摘されてもそもそも何を間違えてるのか気づいてないだろうからなぁ…
読者の感想米を読み間違えて一人相撲した人も知ってるし言うなら婉曲なしでガツンと言いなよ
不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part19
759 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/09/17(水) 17:27:00.11 ID:84m4cHPC
上の二つが自分は好きかな、いかにも人畜に害があるという感じがそそる

ところで>>753がバイド汚染されるっぽいけど波動砲のチャージまだ完了しませんか


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