- 黄昏乙女×アムネジアでエロパロ3
54 :いつもの人 ◆2XMU15nbVw []:2014/09/05(金) 13:40:37.50 ID:Y53I5tsE - ―――もし、わたしが木嶋黎子の立場で、貞一くんがその婚約者だったとして。
『新谷夕子』って名乗れないまま死んだら、きっと未練なんてものじゃないと思うから。 「あの遺体とわたしが置かれてた境遇が似てたから、何となくそう感じてしまうのかも知れないけれど。 ・・・でも、だから、わたしはやっぱり幸せ者なんだと思う。 とっくに終わってしまったはずのわたしが、今こうして『幸せ!』・・・って思えるんだもの」 「夕子さん・・・」 「うふふ。不幸中の幸い、って奴かな?・・・あれ?怪我の功名だっけ?」 「・・・どっちも合ってるような、微妙にズレてるような・・・」 貞一くんがいつもの呆れ顔でわたしを見つめ、そして、笑った。 「・・・じゃ、そろそろ帰ろっか」 「そうですね・・・。 ・・・あれ?なんか忘れてるような・・・」 貞一くんは何かを思い出そうとするかのように、あさっての方向を見ながら頭を掻いた。 「うん?・・・ああ、封筒のお金は忘れちゃダメだよ?」 「いや、それはもちろんそうなんですけど。 そうじゃなくって、何かに対してフォロー入れなきゃいけなかった気が・・・」 「フォロー・・・?なあに、それ?おかしな貞一くん」 いまいち要領を得ない貞一くんの言葉がなんだかおかしくて、わたしは思わず吹き出してしまった。 「うーん・・・。 ・・・まあ、思い出せないってことは大したことじゃないんでしょう。 行きましょうか」 「うん!」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― カッ、カッ、カッ・・・。 「・・・まったく、あいつら、わたしの目もはばからずに恥ずかしいやり取りしやがって・・・。 なぁーにが『身体も愛も捧げる』だ!」 カッ、カッ、カッ・・・。 「だいたい、なんでわたしが怒鳴られなきゃいけないんだよ! 夕子が公開処刑にするって言うから、仕方なく付き合ってやろうとしたのに・・・。 やっぱり付き合いきれん」 ・・・カッ、カッ。 「そ、そりゃ、まあ、わたしだって、ハレンチ行為を見るのに興味がなかったわけじゃない・・・でもない・・・ ・・・ことも・・・ない・・・けど・・・」
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55 :いつもの人 ◆2XMU15nbVw []:2014/09/05(金) 13:43:22.86 ID:Y53I5tsE - コン、コン。
「おば・・・理事長、わたしだけど。今入っても大丈夫?」 「・・・霧江? ・・・お入りなさい」 ―――ガチャっ。 「・・・おばあちゃん。 木嶋さんから貰った謝礼の件だけど・・・。 一旦新谷の手元で保管して、部活動費用に使うことになったから。・・・たぶん、だけど」 「そう。 ・・・教育者としてはあまり見逃せない額のようだけれど、彼には借りがありますから、今回は目をつぶりましょう」 「うん・・・。 ・・・あれ?おばあちゃん。それ、わたしたちのレポート?」 「ええ・・・。今、最終版の纏めを・・・読み返させてもらっていたの・・・」 「ふーん・・・。 ・・・・・・・・・」 カッ、カッ、カッ・・・。 「・・・ねえ、霧江・・・。 ・・・このレポートは・・・。 ・・・怪異調査部の・・・『みんなで』書いたのよね・・・?」 「え?あ、ああ、うん。最初は新谷が主体だったけど、その最終版は怪異調査部のみんなで纏めたよ。 だから、ところどころ手書きだったりワープロ打ちだったりするでしょ?」 「そう・・・。 ・・・・・・・・・。」 「・・・・・・・・・・・・。 ・・・おばあちゃん・・・?」 「・・・」 「おばあちゃん・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・泣いてるの・・・?」 「ルリカラクサ・・・」 「・・・へ?」 「ここのページの・・・隅に・・・紫・・・の・・・色鉛筆で・・・う・・・ 落書きされている・・・花・・・」 「え・・・」 「・・・ルリ・・・カラクサの・・・花言葉・・・は・・・うう・・・」 「お、おばあちゃん・・・?」 「ルリカラクサの・・・花言葉は・・・。 『可憐』・・・『荘厳』・・・『清らかな心』・・・そして・・・。 ・・・そして・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・『私はあなたを許す』」
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56 :いつもの人 ◆2XMU15nbVw []:2014/09/05(金) 13:46:15.06 ID:Y53I5tsE - おしまいです。
ダラダラと長くなってしまって申し訳ないです。
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