- 【パチンパチン】ブラックラグーンVOL.16【バシィッ】
293 :ロクレヴィ 雨[sage]:2014/08/20(水) 15:52:40.93 ID:zFqIY7c6 - ネットに繋がらなくて、続きが投稿出来なかった。
本当にスマン。 では、続きをどぞ。 ★★★★★ 雨が降る音に混ざって、シャワーの音が聞こえる。 ロックが抱えて来た酒瓶を机に並べ終えベッドに腰掛けると、程なくしてシャワールームのドアが開いた。 「…レヴィ。大変だ」 「あ?何がだよ」 神妙な顔つきで、ロックがドアから顔だけを出してこちらを見つめてくる。 「…着替えがない」 なんだそんな事か、とレヴィは呆れて溜息をついた。 「別にパンツ一丁でも構わないさ。別にそんなん見飽きる程見てる」 「…うーん。何か複雑だな…」 ブツブツと何かを呟いているロックを見ていたら、何だか笑いが込み上げてくる。 「あんたもあたしの裸なんか見飽きる位見てるだろ?何なら全裸でも構わないぜ?」 「ばっ…いや、履くよ…」 はぁ、と大袈裟な溜息をついて、ロックはやっとシャワールームから出てきた。 首にタオルをかけて、身につけているのはパンツのみ。 いつものホワイトカラーな格好から1番かけ離れている。 そうそう、男はそれでいいんだよ、とレヴィがケタケタといかにも面白いという風に笑っている。 ロックはもう一度深く溜息をついて、椅子に腰掛けた。 ロックが持ってきた酒瓶は、全部で7本。 いつものバカルディから始まり、あっと言う間に1本2本…となくなって行く。 酒の肴には最近出回る与太話や、噂話、同僚の話。 最初からこうしていれば鬱々とする事もなかった…と今更になって思う。 ロックと下らない話をするのは、愉快だ。 それにこれだけの酒があれば最高にいい気分になる。 先程の鬱憤は何処へやら…いつの間にか機嫌が良くなっていた。 そんなレヴィを見て、ほくそ笑むロックも何だか楽しそうだった。 不意に暫く見つめられていた事に気付いて、レヴィは尻の居心地が悪くなって目を逸らした。 一気にグラスを煽る。 冷たいはずの液体が熱くなって喉を通って行く。 先程から酒は飲んでいるはずなのに、急に身体が熱を持った様な気がした。 窓の外に目をやると、先程よりも雨が強くなった気がする。 空がいつの間にか暗くなっていた。
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294 :ロクレヴィ 雨[]:2014/08/20(水) 15:58:51.89 ID:zFqIY7c6 - 「雨止まないなー…」
ロックが呟く。 レヴィは肯定する様に、何も言わず窓を見つめている。 座っていた椅子から腰を上げて、ゆっくりとベッドに腰掛けていたレヴィの隣に座る。 ギシ、とスプリングが軋む。 ロックの動きに合わせる様に、レヴィが座っていた所も沈む。 ロックもレヴィと同じ所を見つめている事は、彼を見なくても分かった。 「雨の日って、気分が滅入るんだよな。別に何でもないのにさ」 「ああ…」 そうだな、とレヴィはロックの事を見ずに続ける。 窓を眺め過ぎてまた鬱々とした気分がふつふつと湧いてくる。 段々気分が滅入って来て、レヴィは視線を窓からロックの横顔へ移した。 ロックはゆっくりとグラスを手の中で傾けながら、視線をカランカランと音を立てる氷に集中させている。 気だるそうに伏せられた瞼。 思った以上に長い睫毛が薄っすらと影を作っている。 少し酒で濡れた唇が、何か言いたげに微かに開いては閉じる。 何度目かに開いた唇から、ふと零れた言葉。 「…飲もうって言ったのは口実なんだ。何か凄くレヴィに会いたくなって…」 何か変だよな、そう言うとロックは苦笑して持っていたグラスを傾けた。 琥珀色の液体が、ロックの唇に吸い込まれて行く。 目を逸らす事が出来なかった。 ベッドのスプリングが微かに軋む。 吸い寄せられて行く…。 これは本能なのか。 それともこうする事が自然な流れだったのか。 酔っている所為かもしれない。 もしくは雨がもたらした憂鬱がそうさせたのか…。 いつの間にか、彼の唇に自分の唇を重ねていた。
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296 :ロクレヴィ 雨[sage]:2014/08/20(水) 16:27:01.39 ID:zFqIY7c6 - 何時間そうしていたのだろうか。
或いは数分、数秒の事だったのかもしれない。 そっと触れるだけの口づけ。 それだけなのに身体中が炎に包まれた様に熱くなった。 頭がクラクラする。 酔いにも似たこの感覚は、酒によるものなのかこの行動によるものなのか…レヴィには分からなくなっていた。 確かに分かるのは、唇から伝わる少し高めのロックの体温と微かな震えだけ。 そっと唇が離れる。 離れて分かったのは、震えていたのは自分だった事。 目の前の彼が目を丸くして固まっていた事。 「…レヴィ…?」 この行動の意図を聞きたいのだろう。 戸惑いがちにロックが名前を呼ぶ。 そんな事答えられる訳が無い。 自分だって…分からない。 「…レヴィ?」 もう一度彼が名前を呼ぶ。 レヴィは何も答えない。 何も言わずに、ただ俯くレヴィを不思議に思ったのだろうか。 離れていた顔の距離がまた近付いた。 ロックがレヴィの顔を覗き込む。 「あっ…」 彼が微かに声を上げるのとほぼ同時に、レヴィはまたロックの唇を奪った。 彼は分かってしまったのだろう。 眉を顰めて辛そうな泣きそうな顔をして、頬を朱に染めた彼女の顔を。 それを隠すように彼女が口付けた事も。 ――いつだって一番欲しいと思うものは、手に入らなかった。 いつだって手に入りそうになって、するりと指の間をすり抜ける。 欲しいと望めば望むほどいつだって、それは彼女を裏切る。 その度に傷付くのが辛くて、馬鹿らしくて、いつしか望むのを辞めてしまった――… ――はずだった。
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297 :ロクレヴィ 雨[sage]:2014/08/20(水) 16:30:56.21 ID:zFqIY7c6 - 「ん…」
戸惑うロックの唇を舌でそっと舐める。 それが合図だったかの様に、彼の唇が微かに開く。 それを見逃す訳が無く、そろりと彼の口内へ侵入するレヴィの舌。 唇よりも熱を持つ粘膜の間をゆっくりと進む。 彼の舌が後から追いかけて来るのが分かる。 行き止まりに追い詰められた舌が絡め取られる。 二人分の唾液がねっとりと絡みつき、その感触に思わず背中が震える。 酸欠で倒れそうになる身体を支える為、ロックの肩に両手を添える。 ぐらりと身体が傾き、ロックの身体がベッドに沈む。 彼に覆い被さるように、レヴィの身体が彼に重なる。 押し潰された胸に、タンクトップ一枚の布を隔てて彼の体温がレヴィに伝わる。 いつの間にか彼の掌がレヴィの頬に添えられていた。 たどたどしく優しく触れる彼の掌に、胸の奥がぎゅっと詰まる。 思わずその手に自身の手を重ね、力強く握った。 ―手に入れたいと望んでしまった。 金でも力でも手に入らないものなのに。 自分が望むものはきっといつかこの手をすり抜けてどこかに行ってしまう。 …でも、望んでしまった。 この気持ちに気づいた時から、傷付く事は初めから分かっていたのに。 それでも…例え後で傷付いても。 ―欲しい。 あたしは…この男が欲しい。 いつしか諦めたあの日から初めてこんなにも欲しいと望んだのだ。 もし傷つく事になったとしても…ロックだったら…それでもいいと思った。 はぁ、と熱っぽい息を零して互いの唇が離れる。 レヴィを見つめるロックの目は何か言いたそうにしていたが、レヴィは無言で首を振った。 今は何も言うな、とレヴィの目は訴えていた。 レヴィは不意に頭をもたげる。 目線の先には雨。 窓を打ち付ける程酷い降り方をしている。 「…雨の所為だ。こんな雨が降ってる所為で余計な事を考えちまったのさ。だから、ロック。何も考えンな。あんたは目の前で物欲しそうにしてる女をファックすればオーケーだ」 苦し紛れの言い訳。 素直に言う事が出来たらいいのに…しかし、出てくるのは自分を卑下した様な屁理屈。 こんな日に会いたいと思った女にいきなり2度も唇を奪われ、揚句にファックしろなどと。 ―雨が降る。 外ではない。 自分の中だ。 土砂降りで前が見えない。 ロックが今目の前でどんな顔をしているのかも…わからない。 続
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298 :ロクレヴィ 雨[sage]:2014/08/20(水) 16:42:00.76 ID:zFqIY7c6 - ぶつ切りの意味が分からない。
スミマセン。
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