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女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8

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女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
138 :40年[sage]:2014/08/12(火) 01:16:57.90 ID:zPyuHFTs
 と、それじゃあここらで貧者の一灯というやつを、投下します。
 いつも通りの、老婆と若い娘の入れ替わりはもう、マンネリかもしれませ
んけど、今はまだ、こんなのしか書ける気がしないので。


猛烈な雷鳴がひとつ。雨音をつんざいた。

 古びた洋館。茶けた蔦が石塀を這う不気味なハラルド寡婦の屋敷内ゲスト
ルームの石膏の壁に、意識ないままで磔刑よろしく手足を繋がれていたのは
花もかすむほどに美々しい金髪の娘の半裸の姿であった。
 蜂蜜色の肌。大きく隆起した胸。拘束具での締め付けを助勢としなくとも
魅力的にくびれあがった細腰。そしてしなやかに伸張した手足のバランスの
絶妙なこと。まさに、娘盛りの18歳の美貌はここに結実、具現化していた
ようだった。
 娘の名はレイチェル。運悪く、また不用意に、ここがおそるべき悪女の住
まう館であるとも知らず一夜の旅宿を求めた敬虔なシスターであった。
 そして、彼女の口にした麺麭(パン)に仕込まれていた睡眠毒の効果が、
とうとう切れる瞬間に、長い睫毛におおわれた彼女の双眸が開いたのであっ
た。
「う、ううう……ん」
 なまめかしい呻きと共に覚醒していくレイチェルの視界に映ったものは、
中尺のステッキに両腕とさらに顎とを預けた格好のままに座する老婦人の姿
だった。
 もはや、その表情には先ほどまでたたえられていた温和さはみじんも残さ
れておらず、ただ、そのくぼんだ眼窩に炯々と猛禽のような眼光を放つばか
りであった。
「ようやくお目覚めかい」
 70に届くほどの齢を重ねたハラルド老寡婦は、地鳴りするほどにつぶれ
た声を張り上げて、レイチェルに目配せをした。
 目覚めたばかりであったとしても、事の異様はすぐに判断がついた。
「っ……あなたはっ、私をどうするおつもりなんですのっ!」
 手足を縛する鉄鎖が到底断ち切れないほどのものであるということを、枷
の痛みとして知覚しながらレイチェルは老寡婦を睨めつけた。
 と、ハラルド寡婦は、おお怖い怖い、と視線を逸らしながら、
「さあ、こうなっちまえばこちらのもんさね。たとえあたしが力衰えた哀れ
な老婆であんたが健康なうえに穢れ一つない若者であったとしても、こうな
っちまえば全てはこちらのもんさ」
 顔に縦横に皺をはしらせて愉悦を表現していた。
 くっ、と唇を噛んで悔しがるレイチェルに、寡婦は続ける。
「折角手に入れたんだ、奴隷商なんぞに引き渡すには惜しいねえ、それより
も剥製にでもして、目の保養にするのも一興かあ、あはははは」
 ちらりちらりと、慄く娘の表情を盗み見ながら老寡婦は嬉々と笑った。
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
139 :40年[sage]:2014/08/12(火) 01:18:11.13 ID:zPyuHFTs
「この……悪魔め、神罰を恐れずによくもぬけぬけと」
 レイチェルは、手足の皮の擦れる痛みなどよりも、怒りに燃える胸の痛み
に、顔を紅潮させ、罵りの声をあげた。
「お前はきっと、じきに正義の槌に打たれて、ぶっ倒れてしまうことだ!」
 と、声を限りにわめく娘の様子を満足そうに眺めていたハラルド寡婦は、
「ええ、ええ、きっとそうでしょうとも。あんたの仰ることはまことにもっ
て正しくいらっしゃる」 
 落ち着き払った様子で、老寡婦は立ち上がり、ステッキを頼りに部屋の隅
の書架へと足を運んで行った。
「まことにまことに……そうさ、あんたが言う通りあたしは邪悪な魔女って
やつでねえ、人を陥れることや、災厄を振りまくことが生甲斐になっている
っていっても過言じゃないのさ」
 そして、一冊の古書を手に、再びレイチェルの眼前へと戻って来た。
「ふん、そうさね、ならばこそ、あたしはここであんたに対して、出来得る
かぎりに残酷な仕打ちをするっていうのが正しいやり方なのさ」
 にやり、ともう一度、不敵な笑みを浮かべつつ、本の栞のはさんである頁
を開いて、指でなどっていた。
「残酷な……仕打ちですって?」
 レイチェルは蒼白な表情で、思わず魔女に訊いていた。と、
「ああ、そうさ。大いなる神の祝福を受けた清らかな娘よ。あたしは、あん
たのことを一目見たときからひどく羨ましく、妬ましく思っていたのさ」
 と、栞に使っていた小さい紙片は、実は小さな紙袋であり、その中から、
ハラルド寡婦は薄く小さな金属片をふたつ、取り出していた。
「その若さも、美貌も、清らかさも、全て、全てさ。あたしが奪い取ること
ができたのなら、どんなにか愉快だろうってね」
 狂気に歪んだ表情で、寡婦はコツ、コツとステッキを突きながら、ゆっく
りとレイチェルへと近づいてきた。
「やっ、やめなさい。近寄らないで、い、嫌っ!」
 おぞましい嫌悪感に身をよじらせて抵抗しようとするが、所詮、繋がれた
ままの身ではそれも叶わないことだった。
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
140 :40年[sage]:2014/08/12(火) 01:19:16.78 ID:zPyuHFTs
「ふふふ、いいからいいから、あんたはこれからあたしの大魔術に立ち会う
ことができるのよ、栄誉に思いなさいな」
 言いつつ、寡婦はレイチェルの白く輝く裸身の、その喉元に先ほど取り出
したにび色の金属片を押しつけていた。
「おげァァァっ!」
 奇声を発しながら寡婦がその手を離すと、金属片はレイチェルの喉にぴっ
たりと貼り付いて取れなくなってしまっていた。
「か、ッ……はっ、何をしたのよ、いったい、なにを」
「まあまあ、別に慌てなくてもいいじゃない。どうせ、時間はいくらでもあ
るのだろうからね」
 にんまりとしながらも、もうひとつの金属片をハラルド寡婦は自らの喉元
に貼り付けてしまっていた。
「さてと、これで一応準備は整ったわけだけど、ふふふ、それにしても、ね
え、これはどうかと思うわよねえ」
 言いつつ、寡婦の右手はレイチェルの張りつめた乳房へと伸びていた。
「……どうか、とは何よ?」
 口を尖らせるレイチェルに、寡婦は下卑た笑いを顔にはりつけて、
「いや、ねえ、だって、神に仕えてその生涯を捧げるはずのシスターがよ、
こんなにもいやらしい身体をしているのだもの、これじゃあ修行なんて捗る
ことなんてなかったはずさね」
 寡婦が極め付けると、レイチェルは首を振って否定するが、
「いいえ、そんなはずはないわね。なまぐさ納屋坊主どもの脂ぎったのなら、
こんなみちみちと淫靡な身体に触れない道理がないものね、さあどうよ」
 と、これにはレイチェルも幾度か、小部屋へと連れ込まれるような危機に
直面したことがあるだけに、にわかには否定もできずに顔を伏せるばかりだ
ったが、
「ふふふ、いいわ、それじゃああんたのその修行の妨げになっているものを
全部、今からあたしが貰ってやるんだから、感謝しなさいな」
 言いつつ、寡婦はレイチェルの喉に貼り付いた金属片を指で摘むと、
「ふふ、そぉぉーれっ、と!」
 それを一度に下へと引き下げてしまっていた。
 ジーッ、とレイチェルの肉体のそれは、魔術のジッパーによって股間にあ
たる部分まで押し下げられてずっぱりと開かれてしまっていたのだった。
「き……きやああああっ!」
 レイチェルは悲鳴をあげたが、むろん、寡婦はおかまいなしにずるずると
その肉体の部分を、まるでオーバーを脱がすようにレイチェルの身体の芯か
ら外しにかかっていた。
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
141 :40年[sage]:2014/08/12(火) 01:20:12.55 ID:zPyuHFTs
 レイチェルは、その美しい肉体の外殻を外されてしまい、顔をのぞいては
芯ばかりの、さながら針金人間のような姿に変えられてしまっていた。
 と、拘束具はその時点で外れてしまっていたのだが、寡婦は上手にレイチ
ェルのことを、自らが座っていた椅子へと紐で縛りつけてしまっていた。
「ぐむむむっ、外せ、戻せえっ!」
 もがき苦しむレイチェルだったが、筋力のほとんどを喪失していてまるで
動けなくなっていたのだった。
「ふふふ、さてさて、上手いこと傷つけずに外すことができたわ、っと」
 寡婦は、剥ぎ取った白く輝く肉体をハンガーに吊るしてしばし、それを鑑
賞していた。ふうっ、と嘆息し、
「素晴らしいわねえ、本当に、溜め息が出ちゃう。こんな身体が手に入った
のなら、どんなに素晴らしい人生が待っているのかしらねえ、うふふ」
 と、思い付いたように、
「あらあら、あたしとしたことが、見るばかりで見せることもしないで、こ
れじゃあフェアじゃないわよねえ」
 着衣を全て、下穿きまで残らず足元に脱ぎ捨ててその歪んだ裸身をレイチ
ェルへと晒していた。
「うふふ、どう、齢のわりにはなかなかいけてるほうじゃないかって思うん
だけどねえ」
 鎖骨が浮き出て手足は痩せこけ、大きいだけが取り柄のシミだらけの乳房
は張りを失って形悪く下を向いて垂れ下がっている。腰回りにはみっともな
く肉の層が重なりあっていて、ぼこぼことして肥大した臀部は太ももにまで
めり込み、ただでさえ長くも無い足をさらに短く見せていた。
「…………」
 レイチェルは言葉も無い。


「うふふふ、いいのよ、素直に醜いって言ってくれてもね」
 言いつつ寡婦は、一糸まとわぬ姿のままで鏡の前に立っていた。
「ふふ、それでも長く親しんだこの体とお別れというのは、いささか寂しい
ものよねえ」
 指先で陰部を撫で回しながら、陶然とした表情で、
「……それでも、感度だけはなかなかに良かったんだからねえ」
 最後の名残りとばかりに寡婦は、その下垂した胸を弄り、肥満した腰をよ
じりながら、自らの肉体での最後の自慰とその絶頂とを愉しんでいた。
「うっ、気持ち悪っ……ええっ」
 あまりの惨状に床に吐瀉するレイチェル。
「まあ、失礼だね、これでも若い頃は男をとっかえひっかえすることくらい
は容易かったんだよ」
 と、息をふうふうと乱していた寡婦だったが、
「でも、まあ、このへんでいいかね……っと」
 自らのジッパーを引き下げて、その古い肉体を脱ぎ去り、針金人間に変じ
ていた。そして、ハンガーに吊ったレイチェルの肉体を捕捉して、
「ふん、これだと足の長さが足りないか、と、こうかな」
 針金の脚部を引っ張ると、そこだけ長さが伸びていたのだった。
「あとは、腰も真っ直ぐにしたあとに、と、うんせ、これでぴったりのはず
……っと」
 おぞましい白髪のハラルド寡婦の頭部は、すっぽりとレイチェルの若い肉
体に収まって、
「うん、いいわ、……いい感じに馴染んでいく」
 手指に神経が通い、足の爪先にも感覚が宿り、引き締まった腰の感触が、
たわわに実った胸元の感覚が我が物になったことを確認すると、ハラルド寡
婦は引き下ろしていたジッパーをそろそろと押し上げていき、そして喉元ま
できっちりと上げ終えると、ピン、と金具を外してしまっていた。
「うふふ、完成よっ」
 醜いハラルド寡婦の顔から下には、すらりと長身で美々しく均整の取れた
レイチェルの肉体が連結されてしまったのだった。
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
142 :40年[sage]:2014/08/12(火) 01:23:31.29 ID:zPyuHFTs
「いっ、やああああっ!」
 絶叫するレイチェル。
「うふふ、なんてスマートなの。まるで小鳥になった気持ちね」
 顔と声だけは元のままだったが、寡婦はその新しく乗り替えた蜂蜜色に輝
く肌の若々しい肉体に満悦の溜め息を漏らしていた。
「うふふ、身体が随分と軽くなったわ。筋力がついて贅肉が取れて、まさに
願ったり叶ったりってところだわ」
 邪悪な笑みを表情に貼り付けたままに、言葉を失っているレイチェルを、
「うっ……やめて、私の身体……返して……」
 漲る力で無理やりに椅子からすっぽ抜くと、元の自分が使用していた老醜
きわまる肉体へと強引に格納してしまっていた。
「さあ、お下がりで悪いんだけど、使って頂戴ね」
「い、やああ……痛い、痛いわ。腰も足も、重いっ、苦しいのっ!」
 じわじわと肉体の感触が、その老い屈まった肉体と同化していくのを、レ
イチェルは苦悶し、寡婦はひたすらに歓喜してそれを眺めていた。
「ふっ、くっ、くっ……ざまァ無いわねえ。どうかしら、お譲ちゃん、薄汚
れた老婆の肉体になってしまった感想は、ねえ? どんな気持ち?」
 足元に蹲り、苦痛と悲嘆に喘ぐレイチェルに容赦無い罵声を浴びせるハラ
ルド寡婦。
「く、おおおっ、返せ、返せ、私の身体ァっ!」
 レイチェルは、怒気に燃えてハラルド寡婦の足に掴みかかろうとしたが、
「っと、とっと、あぶないあぶない。駄目よ、おいたしちゃ」
 ハラルド寡婦は軽快なステップで身を翻し、逆にレイチェルの足を払って
どしん、と転倒させていた。
「いっ……痛ぃ、痛い!」
 強く腰を打って、レイチェルは立ち上がれなくなってしまっていた。
「ん、ふふ、そんなに無理をしちゃダメだって、その身体は足も腰もどこも
かしこも相当にガタが来ているんだから、下手すると骨折しちゃうわよ」
 激しく息を切らせているレイチェルと対照的に、ハラルド寡婦は息一つ切
らせる様子はない。体格や筋力などの他に、心肺機能などもそっくり取り換
えがなされてしまっているのだった。
  
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
143 :40年[sage]:2014/08/12(火) 01:24:20.38 ID:zPyuHFTs
 ぜえぜえと、喘ぎながらもレイチェルは、
「くそっ、この魔女めが、そんな醜い顔のままで身体ばかり若返ったとして、
どうして人前になど出られるものか」
 と、精一杯に呪いの言葉を口にするばかりなのだが、寡婦はただ、平然と
その言葉を受け止めるばかりで、
「ふふふ、そうだね、あんたの言う通りだよ。こんな姿のままでみっともな
いとはあたしも思うんだよ……だけどねえ」
 と、寡婦の黒ずんで皺んだ顔貌にみるみるうちに変化が奔っていた。
「……誰もこのままでいいだなんて言ってはいないからね」
 短く刈り込まれた白髪に黒々とした輝きとしなやかさが宿り、半ば塞がっ
た瞼は大きく切れあがり、鳶色の瞳が爛々と輝きを取り戻した。
「ふふ、若い頃はちょっとしたもんだったのさ。これでもね」
 大きく湾曲した鷲鼻が形良く整い、灰白色だった頬には朱が差し込み、つ
ぶれていた顎が再形成し、老斑やシミのひとつひとつが薄れ、皺がなくなり、
みるみるうちに70歳の老婆の顔は、50代の中年に、30代の女盛りに、
と巻戻っていき、そして、
「完成……かな、これで?」
 小テーブルから手鏡を取り出し、ちらりと覗きこむ。
 にやりと皓歯をのぞかせて笑みをこぼしたのは、ちょっと意外ば気品をそ
の表情に湛えており、十二分に美しい、と形容が可能な乙女の姿であった。
「うん、そうね。これだと髪が短いのは寂しいものだから、これから伸ばし
ていかなくちゃ、ドレスも似合わない、だわね」
 かすれていた声にはその若返った容姿に相応な潤いが戻り、その口調にも
余裕のほどからか、わずかながらの変化が生じていた。
「ど……どういうことなのよ、これって」
 寡婦は、口元に示指をもっていきながら、
「うーん、そうね、まあ、つまり……そういうことなんじゃないの」
 手にした鏡をそのままレイチェルの方に向けると、 
「さあ、あんたもそのままじゃバランスが良くないだろ」
 手鏡に映るレイチェルの顔からは、じわりじわりと若さの緊張が喪われ、
型崩れと陥没、そして弛緩により、輪郭の半ばが崩れた見るも無残な老婆の
顔へと醜く変貌してしまったのだった。髪の輝きもすべて失せ果て、銀の蓬
髪は麻糸のようにまとまりなくゆらゆらと揺れるばかりであった。
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
144 :40年[sage]:2014/08/12(火) 01:24:54.77 ID:zPyuHFTs
「いい、いっ、嫌あァっ!」
 女性ホルモンの欠乏により嗄れた喉からしゃがれた声で呻くレイチェルを
しげしげと眺めながら、満悦した寡婦は、
「うふふふ、っと、これで肉体の取り換えは完了したわ。こんなに美しい身
体になれて本当にあたしは幸せ者ね、あんたには本当に感謝するわ」
 言いつつ、ハラルド寡婦は壁際に吊ってあったレイチェルの衣服を、下穿
きのひとつひとつからすべて着込んでしまっていた。
「ふうん、こんなに細身の胴衣がすんなりと着られるだなんて、本当にこの
体はスリムなのねえ、うふふ、どう、羨ましいでしょお?」
 悩ましい胸元の膨らみをアピールしながら、寡婦はきゃきゃ、と若々しい
嬉声をあげる。
「畜生めっ、呪われてしまえ、悪しきものっ!」
 と、精一杯の悪態を吐くレイチェル老婆だったが、おかまいなしの寡婦は
自らが先ほど脱ぎ捨てた下穿きとワンピースと締め具とをレイチェルに放り
投げて、
「まあまあ、あんたも見苦しい格好をいつまでもしていてはいけないでしょ、
とっとと着なさいよ、そしてそれからお話はしましょうか」
 と、その言葉にはさすがに従うべきかとレイチェルも、衣服を着こんでい
くことにした。
 うなだれた乳房をトップスにしまい込み、肩から釣る感覚は、若かった彼
女にははじめての、そして屈辱の体験であった。ぶよぶよと締まりの無い身
体になってしまったので、腰をきつく締めつけなければさほど身頃が細いわ
けでもないワンピースが入らなかったのも情けなく辛いことだった。
「……さあ、これでいいの?」
 毅然とした顔でレイチェルは寡婦に強い視線を投げた。ぬめぬめと、恥部
のあたりに粘液が付着していたのは、さきほどの愚かしい行為のことか、と
苛立ったが、それも気にする場合ではないと感じていた。
「ふふ、そうそう。分かりがいい子にはご褒美をあげてもいいのかしらね」
 と、寡婦は鏡台の小箱からいくつかの指輪やら首飾りやら、豪奢な宝石の
嵌めこまれた飾り物を取り出してきて、
「まずあなたには、これらを進呈しましょう。今まで、私はこんなもので、
自分に足りない美貌を補おうとしていたけれど、それももう、いらないと思
われるからね」
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
145 :40年[sage]:2014/08/12(火) 01:25:26.36 ID:zPyuHFTs
「……そんなものいらないから、私の身体を返しなさいよ!」
 口を尖らせるレイチェル。しかし、寡婦は首を振って、
「バカね、返すわけないでしょ、こぉんなに素敵な肉体を……まあ、いいか
ら話は最後まできちんと聞きわけなさいな」
 寡婦の余裕は、その自身の持つ肉体が単純な腕力においてレイチェルを凌
ぐものとなっているところにも起因するのだが。
「それから、次にはこの屋敷もあなたに進呈しましょう。もちろん、金目の
ものは私も持っていかなければ生きていかれないのだから全てあげるわけに
はいかないけれど、それでも10年ほどは不自由なく暮らせるほどのものは
残していってあげるから、感謝なさいよ」
 にやにやと、寡婦が挑発まじりにレイチェルの白んだ頭をぽんぽんと叩く
と、うるさいとばかりにレイチェルもそれを手で払いのける。
「だから、そんなものはいらないから私の身体を……」
 と、レイチェルの口を寡婦が指先でぐいっと制止すると、強い口調で、
「返せ返せって、だからそんな事するくらいなら最初から奪ったりなんてす
るわけないでしょうに、あんまりバカ言ってると裸でおっぽり出しても私は
一向に構わないのよ!」
 ぐっ、と悔しさと老いた肉体の無力感に打ちひしがれるレイチェルに、一
転して寡婦は、甘やかで優しい声で囁きかける。
「ふふ、まあ、そんなことまでするつもりは私もないのだけどね、もちろん
身体を返すなんてことはするつもりはないわ。でも、あなたが求めているも
のを、取り戻すための良い手立てがあるということを、私はあなたに最後の
贈り物として置き土産にしてあげようと思うのよ」
 寡婦は、目を剥いて困惑する老女レイチェルに瓶底のように分厚いレンズ
の眼鏡を差し出し、そして、
「これが、最後の贈り物になるのよ。これは、『解読の眼鏡』といって、こ
の屋敷にある魔導書のすべての解読を可能にする魔法がかけられているの。
これさえあれば、あなたにも私と同等の魔術を習得する機会が与えられると
いうことになるのよ」
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
147 :40年[sage]:2014/08/12(火) 07:06:19.86 ID:zPyuHFTs
 失意のレイチェルの表情に、にわかに熱が戻っていた。
「……それは、つまり、どういうことを……私にさせようと?」
 しかし、寡婦は微笑みのままに首を横に振って、
「勘違いはしないで。私が何かをさせようというわけじゃないの。ただし、
あなたがこれらの魔術を使ってどうするのかは、全てあなたが考えることな
のよ。むろん、あれも含めてね」
 寡婦の視線の先には、床に打ち捨てられたままの金属片、ジッパータブが
鈍く輝いていた。
「そうね、あれを使えるようになれば、あなただって元の通りか、もしかし
てもっと若くて美しい身体を迷いこんで来た旅人から奪い取ることができる
かもしれないわね……まあそんな卑しいことするかどうかはあなた次第なん
だけど」
 ぞくぞくとするような凄艶な笑みだった。そして囁きは媚薬だった。
「あれ、で……もとの身体に……戻れる……戻れる?」
 ふらふらと、よろめきながらレイチェルは惑っていた。
「でも、駄目……そんなことを神様はお許しくださらないわ……きっと」
 ふふん、と鼻を鳴らしてハラルド寡婦は嘲り笑うと、
「でも、それじゃあ天上に居ます神様とやらは、心正しいあなたに、この美
しい身体を取り返してくれるとでも本気で思えるのかしらね、あなたは」
 寡婦の胴衣の胸元から白く形良い豊満な膨らみがちらついた。
 このハラルド寡婦の美々しい身体つきは、ついさきほどまでは自分自身の
ものだったはずなのに、それが、どういう因果でこんなふうになってしまっ
たのだろう、と働きが狂い始めた頭脳でゆっくりと考えていたレイチェルに、
「まあ、この際、悪魔に宗旨替えをするってのもいいのかもね」
 と、控えめながら決定的な勧誘をはかっていた。
「悪魔……なら、救ってくれるのかしら、私……こんな婆さんのまま死ぬの
なんて嫌。助けてほしいの」
 はあ、はあ、と息を荒くし始めたレイチェル。それもそのはずで、寡婦は
さきほどの自慰行為の仕上げのころに、遅効性の催淫剤を、その肉体の秘部
のすみずみに隈なく塗りつけておいたのだから。
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
148 :40年[sage]:2014/08/12(火) 07:07:40.02 ID:zPyuHFTs
 寡婦は、実に清々しい表情でレイチェルをよしよしと、宥めると、
「そうね、少なくとも私の事はこうして救ってくれたのだから、きっとあな
たのことも助けてくれるのではないかしら、まあ保証まではできないけど」
 と、だけ。その言葉に救済の糸口を見つけたレイチェルは、おしよせる異
常な昂奮と、萎びかけた肉体に迸る欲情とに、ついに果てて気を喪ってしま
っていた。
「まあ、こんなものよね。弱い立場の人間に節操を求める方がどうかしてる
のよ。実際のところはね」
 寡婦は、憐れみとも同情ともつかない複雑な表情で崩れ落ちる老婆を眺め
ていたが、
「まあ、神罰とやらはきっとその薄汚れた身体に下るのだろうから、あんた
が代理でかぶっておいてくれればいいのさ」
 やがて戸を開けて部屋を出ていってしまった。

 それから、しばしののちに、朝の光が窓から差し込みはじめたころに、旅
姿のハラルド寡婦だった女は、長い外套を着込んで、静かに呪われた屋敷を
後にしていた。
 この女が、はたしてこれからどのように生きていくのか。
「……そうね、もう人に恨まれて嫌われて生きるのにも飽きてきたところだ
しね、皆に好かれるようにせいぜいまっとうに生きてみるのも一興かもね」
 若くなりさえすれば、美しい姿になりさえすれば、それが叶うのか。
 そうなのかもしれないし、そうではないのかもしれない、と漠然と考える
女であった。その心はもう、外見同様に無垢な娘そのものとなっていた。
「もしも請われれば、誰かの妻になるのもいいかもしれないしね、子が生ま
れれば、自然と考えも違ってくるのかもしれない……」
 風に吹かれるまま道を辿り、足の赴くままに、彼女はどこへ向かうのか。

 おわり


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