- 黄昏乙女アムネジアでエロパロ2
250 :いつもの人 ◆2XMU15nbVw []:2014/08/12(火) 00:00:30.04 ID:VlMMmPsh - 「だから生者を襲って、その下半身を奪おうとするんだ。
・・・でも、しょせん他人の肉体は他人の肉体。くっつけて自分の下半身として使うなんて不可能だ。 だが愚かな悪霊はそれが理解できず、次こそは、次こそは・・・と、永遠に報われない狩りを繰り返すのさ」 「そ、そうだったんですか・・・」 へー、そーなのー。初耳だわー。 わたしも一応悪霊歴60年のベテランなんだけど初耳だわー。 「・・・だからな、一番いい調伏法は力ずくで叩きのめすんじゃなくて、差し出す『フリ』をすることなんだ」 「『フリ』・・・ですか?」 「ああ。怯えたり身構えたりすると、テケテケは『拒絶された』と感じてかえって攻撃的になるからな。 だから、平常心で受け入れる『フリ』をするんだ。 わたしの下半身が使いたいなら、どうぞ気が済むまで試して下さい、ってな」 「な、なるほど〜・・・」 ・・・よくもまあ、出てくるわ出てくるわ、次から次へと口からでまかせがペラペラペラペラと。 とてもじゃないけど、少し前まで 『名前が可愛らしいからなんとなく口実として持ち出してきた』 程度の知識しかなかったコの口上とは思えないわ。 「でな、下半身に憑依させてしばらくするとテケテケの気が済むから、そこで調伏するのさ。 憑依されてる最中はさすがに苦しいけど、テケテケに対してはこれが一番無難な調伏法なんだ ・・・ま!新谷はお人好しだからな!お人好しにはお人好しな調伏法が合ってるってことかな!」 「・・・・・・」 「あとは自分が無抵抗であることをアピールするために、敢えて自分を縛り上げたりするのも手かな。 どうせ物理的な抵抗なんて無駄だからな」 「ああ、このビニール紐ってそういうことだったのね・・・。新谷くん、すごい度胸だわ・・・。 ・・・でも、なんでズボンを下ろしてたの?」 「あ、いや〜、それは・・・」 「テケテケが憑依してくる場所・・・ つまり、この場合はテケテケとの接触面である腰回りを生身にした方が、憑依がスムーズにいくからです」 「な、なるほどぉ〜!」 ・・・。 ・・・ほんとよくできたでまかせだわ・・・。 「まあ、わたしくらいのレベルになればそんなハレンチなことする必要もないんだけどなー! 新谷はスケベだからなー!なーっ!?」 「・・・・・・」 ・・・・・・。 「・・・あ!で、でも新谷くん!テケテケのボロボロの衣服がバッチリ覆い被さってて、 先生その・・・何て言うか・・・。 ・・・み、見えなかったから!だから安心して!ね!?」 「えっ!?・・・あ!そ、そうです!大丈夫ですよ新谷さん! わたし、バッチリ見えませんでしたから!全っ然見えませんでした!だから安心して下さい!」 「・・・・・・・・・・・・」 ・・・あの〜・・・。 今回ばかりはさすがにわたしが元凶だと認めざるを得ないから、こんなこと言えた義理じゃないんだけれど・・・。 貞一くん今にも泣き出しそうな顔してるから、もうやめてあげて・・・ね? ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「・・・はあ。先生ほんとダメね・・・。いざって時に教師のわたしが何もできないなんて・・・」 「高松先生・・・」 「そ、そんなことないですよぉ!え、え〜と・・・ ・・・そんなことないですよぉ!」
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251 :いつもの人 ◆2XMU15nbVw []:2014/08/12(火) 00:02:11.80 ID:VlMMmPsh - 「小此木さん・・・。
先生、あなたのそういう正直なところステキだと思うけど、今はさすがにちょっと傷つくわ・・・」 「・・・」 こういう時、普段なら真っ先に気の利いたフォローを入れる貞一くんが、 未だに魂の抜けたような顔で呆けてる・・・。 ・・・後でなんて謝ろう・・・。 「しょうがないですよ、高松先生。あれは素人が関わっていいものじゃないですから。 結果論ですけど、犠牲者が出なかったんですからよしとしましょう」 「そ、そうですよ!霧江さんの言う通りです!」 ・・・・・・・・・。 ・・・なんだろう。 普通にフォローを入れてるだけのはずなのに、あのコが言うと妙にイラっとするわ・・・。 「・・・先生ね、今まで幽霊を見たことなく・・・ ・・・もないんだけれど、ああいういかにもオバケって感じのは、さすがにお話の中だけだと思ってたから。 さっき廊下でテケテケとすれ違った時も、怖いとかより、頭が真っ白になっちゃって・・・」 ・・・その『見たことなくもない幽霊』って、ひょっとして、以前わたしが保健室に行った時のことかな・・・。 もしそうだったとして、その時見たのと今日見たのがどっちもおんなじ幽霊だって知ったら、どう思うんだろ・・・。 「・・・え?廊下?廊下で遭遇したんですか?」 そこでようやく貞一くんが復活して、あの先生の話に食いついた。 「ええ。・・・と言うか新谷くん、先生や小此木さんとすれ違ったの気づかなかったの?」 「え・・・」 「そーですよぉ。新谷さんを担ぎ上げたテケテケが、ものすごい速さで廊下を爆走していったんですから・・・」 「あ―・・・」 貞一くんが『そうでしたっけ?』みたいな顔でこっちを見てる。 いや、て言うか、こっち見られても・・・。 ・・・あ、でも、途中で誰かとすれ違った・・・ような・・・。 「・・・廊下ですれ違った時のテケテケの顔、わたし一生忘れられないかも・・・」 「え」 『え』 「ええ・・・。 ほんの一瞬見えただけですけど、まるでこの世の全てが妬ましいっていう感じの表情でした・・・」 「・・・」 『・・・』 ・・・。 「あーあ、悪霊の嫉妬なんてほんっとみっともないよなー」 ぐぬぬっ・・・! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― カチャ、カチャ・・・。 「ああっ、今日は一段とご飯がおいしいわねぇ・・・」 「はいっ!生きてるって素晴らしいですっ!」 「昨日のカレーの残りですけどね・・・」 「誰かさんのせいでご飯の支度が大幅に遅れたからなーっ?」 「・・・ごめんなさい・・・」
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252 :いつもの人 ◆2XMU15nbVw []:2014/08/12(火) 00:07:41.46 ID:VlMMmPsh - ―――その後、わたしたちはふらつく足取りで宿直室に戻ってきて、すぐさま晩ご飯の支度に取り掛かった。
と言っても、時刻は既に夜の8時を回っている。 そうでなくとも悪霊騒ぎで――まあ、わたしと貞一くんは明らかに別の要因でなんだけど―― みんなヘロヘロだったため、明日の昼食にする予定だったカレーの残りで妥協することとなった。 ・・・まあ、私は例によって勝手口の影でコソコソ食べてるんだけれど・・・。 ・・・貞一くんの隣で食べたい・・・。 「・・・にしても、ほんとにテケテケなんているのねぇ・・・。先生ビックリよ」 「ま、まあ、誠教は明らかに他の学校より怪異の目撃例が多いですからね・・・。 たまにはこういうこともあるのかも知れません」 「そうねぇ・・・。先生がこの学園の生徒だった頃から、ほんと多かったものねぇ・・・」 「・・・」 ・・・ム、美少女退魔師さんが何か言いたげにわたしの方をジロジロと見ている。 あーはいはい、わるうございましたわね、どーせだいたいわたしのせいですよーだ。 「ただね、先生、テケテケ自体にも驚いたけど、新谷くんが除霊なんてできることにもっと驚いたわ」 「えっ?ぼ、僕ですか?」 「フッ・・・。まあ新谷の霊力なんて、わたしに比べれば大したことないですけれどね・・・」 「ああ!そうなんですよ高松先生!わたしと新谷さんの出会いも、 怪異に狙われて困ってるわたしを助けてくれたことから始まったんですよ!」 「へー、そうなの・・・。じゃあ怪異調査部・・・っていうか新谷くんって、ほんとにその筋の人なのかしら」 まあ、隠れ鬼の件も含めて、大半はわたしたち三人の自作自演なんだけれど・・・。 こういうの、今時なんて言うんだっけ。 マッチ・・・ポ・・・なんだっけ? 「まあ、新谷の霊力なんて、わたしに比べれば赤子同然・・・」 「僕はそんなんじゃないですよ・・・。ちょっと・・・まあ、その、幽霊に・・・。 ・・・幽霊と、離れられなくなっちゃってるってだけで・・・」 貞一くんがチラリとこっちを目を向けた。 ・・・離れられない、か。・・・まあ、今はその言い方で許してあげる。 「いや、だから、わたしに比べれば新谷の霊力なんか・・・」 「新谷さんは、ほんっとにわたしのヒーローなんです!今日それをまた再確認しました!」 「小此木さん、あんまりそういうこと言われるとこそばゆいよ・・・」 ヒーロー、か。 もちろんわたしにとっても貞一くんはヒーローだけれど、貞一くんって武力とかは全然使わないんだよね。 なのに、こんなに、『わたしのヒーロー』って思わせてくれる貞一くんはやっぱりすごいと思うよ。 ・・・今日の件はともかく。 「・・・そう言えば、先生も新谷くんに心霊騒ぎを解決してもらったようなものだったものね・・・」 「柿崎さん・・・ですか」 「ええ・・・」 「いや、あの〜・・・、だから、退魔師としてはわたしの方が・・・」 ・・・あなたはちょっと空気読みなさいよ。 「・・・新谷くんと庚さんは気分を悪くしないで欲しいんだけれどね。 先生、今日みたいなことがなかったら、テケテケのことも除霊の力とかも、たぶん信じてなかったと思うわ。 みんな知ってると思うけど、先生怖がりだから」 「・・・」 「・・・もしかしたら、柿崎・・・くんのことがあって・・・。 もし幽霊が実在してたとして、彼の霊のようなものが存在してて・・・もし、わたしを恨んでたとしたら? ・・・わたしは『怖かった』んじゃなくて、『恐かった』のかも知れないわね・・・」
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