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【ご主人様】メイドさんでSS Part10【旦那様】

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【ご主人様】メイドさんでSS Part10【旦那様】
775 :美少女メイドと兄弟もの1 1/5[sage]:2014/08/10(日) 15:35:06.72 ID:dR7VYMTf
投下します。
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鬱蒼とした森の中にあるその屋敷は、日中でもほとんど陽の光が入らない。
メルは図書室の窓越しに暗い空を見上げ、小さく息を吐き出した。
ここに来てから、もう数年が経つ。
薄汚れていた金髪は艶やかな光沢を放つようになり、貧相だった身体にも随分肉が付いた。
貧しい幼少期からは、想像も付かない豊かな生活。
けれどここは、息の詰まるような閉塞感に満たされている。

孤児だったメルをメイドとして雇ったのは、この屋敷の持ち主である某公爵だった。
彼は無口だが、慈悲深い人だと有名で、出自の分からないメルを親切に迎え入れてくれた。

『君はとても顔がいい。私の息子たちとも歳が近いから、きっと仲良くやれるだろう』

当時、メルはまだ13歳だった。
慈悲深いという言葉の裏に、利己的な大人の事情が隠れているなど、知る由もなかった。
【ご主人様】メイドさんでSS Part10【旦那様】
776 :美少女メイドと兄弟もの1 2/5[sage]:2014/08/10(日) 15:36:04.90 ID:dR7VYMTf
それまでメイドの経験の無かったメルに、一から家事労働を教えてくれたのは、屋敷のメイド長のドロレスだった。
ドロレスは年配の柔和な女性で、時に母親のような厳しさを兼ね揃えていた。

『主人のために、忠義を尽くすこと。それが私たちの一番の仕事です。
 だから如何なることがあっても、主人の命じることに従いなさい』

朝のミーティングの際に、ドロレスは決まってメイド達にそう言い聞かせた。
そしてそれが、彼女の生真面目さをよく表していた。


半年を経て、メルは基本的な家事仕事を覚えたが、その後任されたのは図書室の掃除のみだった。
広い屋敷のため、やることは山ほどあるはずなのに、来る日も来る日もそれだけを命じられる。
忙しなく動き回る姉メイド達の姿を横目に、メルのいたたまれない気持ちは少しずつ膨らんでいった。

『ミス・ドロレス。図書室の掃除は終わりました。隅から隅まで、埃を落としました。
 私にも、姉さんたちの洗濯や料理を手伝わせてください』

ある日、メルはドロレスにそう頼み込んだ。
けれどドロレスは、首を小さく横に振り、メルを制した。

『メル、あなたはそんな事をしなくてよいのです。なぜならあなたは……』

ドロレスはそこで唐突に言葉を切った。
代わりに、とても哀れむような眼差しで、メルの頬を撫でた。

『さあ、文句を言わずに図書室の掃除をなさい。あなたの仕事は、それだけです』
【ご主人様】メイドさんでSS Part10【旦那様】
777 :美少女メイドと兄弟もの1 3/5[sage]:2014/08/10(日) 15:37:03.11 ID:dR7VYMTf
この屋敷に現在住んでいるのは、公爵と夫人と二人の息子だ。

兄のカインは、漆黒の髪の毛をオールバックに固め、知的で涼しげな顔立ちをしている。
対して弟のアベルは、柔らかい栗毛で、自由奔放な雰囲気を漂わせている。
兄弟でこうも見た目が違うものかと驚いたが、聞けば母親が異なるらしい

カインは前妻との息子で、現在の公爵夫人との息子がアベルである。
前妻はカインが3歳の時に亡くなったそうで、ドロレスすらその顔を知らないそうだ。
何でも前妻が亡くなった際に、メイドは総入れ替えされたらしく、以降その話は禁止とされていた。
流行りの疫病でなくなったのでは、と噂されているが、今更確かめる術もない。


メルはアベルと同い年だった。カインはその4つ上である。
アベルは図書室などおおよそ似合いそうもない活発な少年だが、メルが掃除を行うようになってからは、よく顔を見せるようになった。

『君が新しく入ったメイドか。メイドなのに青い目の金髪なんて、珍しいな』

アベルは最初、そう言ってメルをからかった。
ようやく肩まで伸びたメルの髪を引っ張って、遠慮もなしに顔を覗き込んできた。
孤児院にいた乱暴な少年を思い出し、メルはひどく嫌がった。

『おやめください、アベル様! 私も髪を引っ張られると、痛いのです』

けれどアベルは、止めるどころか、むしろ面白がってメルに悪戯を仕掛けてきた。
図書室で勉強をするふりをしながら、掃除道具を隠したり、本をわざと床にばら撒いたりした。
メルは無言で片づけ、なるべくアベルに接触しないようにしたが、図書室という閉鎖された空間だ。
追い掛け回されて捕まると、アベルの気が済むまでくすぐられた。
【ご主人様】メイドさんでSS Part10【旦那様】
778 :美少女メイドと兄弟もの1 4/5[sage]:2014/08/10(日) 15:38:10.53 ID:dR7VYMTf
ある日、メルはアベルに本を音読するように命じられたが、渡された本を開いたまま固まってしまった。
毎日図書室の掃除をしていながら、メルは文字を読むことが出来なかったのだ。
その様子に、アベルは驚いて目を丸くした。

『何だ、君は字が読めないのか?』

メルは恥ずかしくて、顔を伏せることしかできなかった。
けれど、それが少年の優越感を刺激したらしく、アベルは嬉しそうに微笑んだ。

『それじゃあ、こっちへおいでよ。僕が読み書きを教えてあげるよ』

末っ子特有のわがままさを除けば、アベルは基本的に素直で優しい少年だった。
たかだか一介のメイドごときに、熱心に読み書きを教える点からも、その性格の良さが伺えるだろう。
それがきっかけで、メルはアベルと少しずつ打ち解けて行った。
生まれて初めての教育を受け、メルはアベルに同年代ながら感謝と敬意を抱いていた。


二人の関係が崩れたのは、メルがようやく読み書きの基本を覚えた頃のことだ。
その日は雨が降っていたため、外でクリケットができないアベルは、朝から暇を持て余していた。
掃除の合間に字の練習をしていたメルは、アベルに腕を引っ張られ、図書室の隅に追いやられた。

『いいか、僕がいいと言うまで声を出すんじゃないぞ?』

アベルはそう言って、メルを床に座らせた。
ドロレスに刷り込まれた言葉を思い出し、メルは小さく頷いて身体を強張らせる。
―――主人の命じることに従いなさい。
【ご主人様】メイドさんでSS Part10【旦那様】
779 :美少女メイドと兄弟もの1 5/5[sage]:2014/08/10(日) 15:41:08.92 ID:dR7VYMTf
アベルは遠慮なくメルのメイド服のボタンを外し、白い柔肌を撫でまわした。
膨らみかけの胸を揉み、淡い色をした突起を物珍しげにいじくる。
身体を異性に触られる恐怖に、メルは口元をきつく押さえ、時折震えそうになる唇を必死に噛んだ。
一通りメルの肌を堪能したアベルは、メルの耳元に唇を寄せて、そっと囁く。

『僕のかわいい、メル』

それはまるで、ペットに向けて話しかけるような口ぶりだった。
メルは有無を言わさず下ばきをずらされて、アベルの性器を擦り付けられた。
熱い少年の憤りを直に感じ、メルは思わず吐息を漏らす。
どちらのものとも付かないぬめりが、しんとした図書室に水音を立てる。

しかしその時は、さすがに挿入までは至らなかった。
アベルも勝手が分からなかったのだろう。
何度か穴を探すそぶりはあったが、やがて諦めて、擦りつける作業に没頭していた。
メルの足を両脇に抱えて、まるで疑似体験でもするように、アベルは腰を動かした。
そして最終的に、メルの紺色のスカートに白濁液を吐き出して、満足したようだった。

『さあ、もう声を出していいよ。後はきれいに片づけておいてくれ』

事を終えたアベルは、さっさと服を直しながら、メルにそう言い付けて去って行った。
メルはしばらく動くことが出来なかったが、やがて何をされたか理解すると、身体中が恐怖に震えだした。
アベルがどういうつもりだったにしろ、メルも一人の少女だ。
娼婦でもないのに、身体が汚されることを許せるはずがない。

メルは服の汚れを隠しながら、大急ぎでドロレスの元へ向かった。
ドロレスならきっと、このことを公爵夫人に進言してくれるだろう。
そしてアベルは、これ以上図書室に行かぬよう、きつく注意されるはずだ。

しかしながら、ドロレスはただならぬメルの姿を見て、『そうですか』と頷いただけだった。
まるで最初から、そうなることを予想していたかのような落ち着きぶりだった。

『話しは聞きました。メル、すぐに身体をきれいになさい。……それから、今日の事は絶対に口外してはなりません』

そう言い放つドロレスの目には、やはり哀れむような光が満ちていた。


(つづく)
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以上です
皆様台風にはお気を付けください……


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