- 麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第九幕
73 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/07/31(木) 21:38:30.66 ID:rmcyUlTA - 皆様、大変お待たせしました〜。
7月ももう今日で終わり、というギリギリのタイミングになりましたが、 『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第32章、本日完成いたしました。 早速、投下を開始します〜。
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74 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 21:40:34.59 ID:rmcyUlTA - (1)
<暗黒界>。帝都ヴェカンタニア。 ゴゴゴゴゴ・・・・ッ!! 凄まじい地鳴りと共に、大地が鳴動し、巨大な亀裂が走り抜ける。 天地を圧するかの如き威容を誇っていた<暗黒王>ログレスの居城が、基礎部分から揺さぶられ、 数多の<戦士>たちの攻撃にもしぶとく耐え抜いてきた、城壁が、塔が、堡塁が、次々に倒壊し、崩れ落ちていく。 「な、何だッ!?」「一体、何が起こっているのッ?」 上空の艦艇群を粗方駆逐し終えた後、地上へと降下し、 帝都防衛のために踏み止まった最後の<暗黒界>軍と激闘を繰り広げていた、<ヴァリスの戦士>の大集団 ・・・・ヴァリアによって導かれた<戦士>の魂を身に宿した、幾千もの<現実界>の少女たちも、 つい今しがたまで干戈を交えていた敵軍の将兵と共に、眼前の光景に等しく息を呑み、呆然とその場に立ち尽くしていた。
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75 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 21:42:59.82 ID:rmcyUlTA - (2)
ズゴゴゴゴゴ――――ッ!!!! <明>と<暗>いずれの陣営に属する者であるかを問わず、 幾万もの瞳が原初的な恐怖を湛えつつ仰ぎ見る、その遥か彼方では、 帝城の地下から巨大な黒い影が這い出し、<三界>に存在する全ての<世界>に響き渡らんばかりの恐るべき産声を上げた。 『ウォオオ・・・・オオオオオ――――ッッッ!!!!!!』 超高層ビルには及ばないものの、身の丈は優に百メートルを超えていただろう。 濛々たる砂塵の奥から姿を現した巨人は、重厚な黒鉄の鎧に包まれた胸を傲然と反らしつつ、 足元の地上に集った数万もの軍勢を、まるで、地べたを這う蟻の群れでも見下ろしているかのような、冷然たる眼差しで睥睨する。 彼らには知る由も無かったが、目の前に出現した怪物は、 <暗黒界>そのものの起源となった<封印されし魔>の肉体に<夢幻界>の至宝たる<ファンタズム・ジュエリー>を埋め込まれた異形の存在。 <三界>の創世以来、一度として実現する事の無かった、最強にして最悪の魔道兵器であり、 <ヴァリス>と<ヴェカンタ>、二つの魔術体系において禁忌とされている秘義を極めた男の最高傑作だった。
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76 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 21:45:05.02 ID:rmcyUlTA - (3)
『全時空の民よ、見るがいい――――今日、新たなる支配者が誕生する光景をッ!!』 漆黒の巨神の口元から、大音声が降り注ぐ。 強烈なノイズとハウリングのせいで、殆どの人間や亜人間の聴覚器官には、声というよりも単なる騒音としか聞き取れなかったものの、 頭の中に入った途端、その金切り声は、この上なく力強い言葉 ・・・・己れの才覚に対する傲岸なまでの自負と己れ以外の者全てに対する軽侮と蔑みの感情に満ち溢れた、冷酷な宣言へと変換される。 <夢幻界>の<戦士>達は勿論、<暗黒界>の将兵の間にも、声の主が、<暗黒五邪神>の一柱を占めた男だと気付いた者は皆無だったが、 アイロニーに満ちた語感から、在りし日の彼を連想した者ならば幾人かはいたかもしれない。 もっとも、巨神――――アイザードが、第一声に続いて言い放ったのは、 かつての部下たちに対する憐憫など一切感じさせない、冷酷きわまる処刑宣告だったのだが。 『不浄なる<暗黒界>よ・・・・全ての<世界>の先駆けとなり、我が新世界の贄となれッ!!』
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77 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 21:48:10.11 ID:rmcyUlTA - (4)
『ぬぐぉおおおお・・・・ッ!!』 天に向かって突き上げた右手に、凄まじいまでの魔力が凝集していく。 本能的に危険を感じた<暗黒界>の者たちが、指揮官も兵も関係無く、潮の引くように後ずさりする。 勿論、その程度の行動では、直後に起きたカタストロフィから逃れる事など、到底叶わなかったのだが。 『ヴァリアの穢れから生まれた、<暗>の諸力よ、我が許に来たれッ!そして、我が糧となるが良いッ!!』 アイザードの声に呼応するかの如く、 支配者にして調律者でもあった<暗黒王>ログレスを失い、行き場を無くしていた<暗>のエネルギーが邪神へと群れ集っていく。 ゴォオオオッ!という、唸り声にも似た、不吉な風鳴りが響き渡るたびに、 膨大な量の負の魔力・・・・<ヴェカンタ>が吸い寄せられ、結集し、凝縮されていった。 禍々しい光景を目の当たりにするや否や、 <暗黒界>の軍兵は、まるで蜘蛛の子を散らすかの如く、四方八方へと散開し、無秩序な潰走を開始する。 一方、<夢幻界>の軍勢は、と言えば、未だ統制を保ちつつ、その場に踏み止まって、 未知の脅威――――おそらくは、今まで相対していた、艦隊や軍団などとは比べ物にならない程、強大かつ危険な敵を迎え撃たんと身構えていた。
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78 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 21:50:18.08 ID:rmcyUlTA - (5)
『――――笑止。貴様ら如き虫ケラに、この私を止める事が出来るとでもッ!?』 巨神の貌に、はじめて人間的な表情・・・・嘲りと蔑みが浮かんだ。 同時に、高々と突き上げた拳の先に、信じ難い程の密度で群れ集っていた<ヴェカンタ>が、 あたかも闇そのものを凝縮したかのような、どす黒く濁った刀身を備える、漆黒の大剣へと変貌していく。 『有象無象共め、身の程を知れッ!!』 獅子吼と共に振り下ろされる、終末の邪剣。 膨大な魔力が一気に解放され、大気を薙いだ剣圧が凄まじい暴風と化して、 地上にある全ての物体・・・・城も、都市も、人間も、怪物も、大地そのものさえも、一切合財を吹き飛ばしていく。 「うわぁああッ!!」「飛ばされるぅッ!!」 「ひぃぎぁあああッ!!」「た、助けてくれ〜ッ!!」「」 あちこちで響き渡る断末魔の悲鳴は、戦意を失い、無様な逃走を開始していた<暗黒界>の住人たちのもの。 ・・・・だが、アイザードは、泣き喚きながら命乞いを繰り返す、かつての同胞の姿には眉一つ動かす事無く、無慈悲な殺戮を断行し続けた。 あまつさえ、さほど遠くない過去には、自分自身も臣下の一人として伺候した経験のある、<暗黒王>の居城を、 まるで、巨大な鋤で均すかの如く、更地へと変えていく。
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79 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 21:52:41.67 ID:rmcyUlTA - (6)
・・・・無論、<夢幻界>側の者達とて、無事で済んだ訳では無い。 たしかに、密集陣形を取り、めいめいが隣の者と肩を寄せ合うようにして衝撃波への備えを固めたおかげで、 彼女たちが受けたダメージは最小限に留まっていた。 それでも、最前列で剣圧に曝された者は一瞬にして全身を切り刻まれ、 そこから数列の間にいた者・・・・おおよその人数にして百人近くが、 風圧で空中高く放り投げられた直後、重力の法則に従い、身体を地面へと叩き付けられて、 各所で肉片と血飛沫の花を咲かせつつ絶命している。 「うあぁあッ!!」「ウソでしょ・・・・こんなの、信じられないッ!?」 致命傷を免れた少女たちも、 仲間たちのあまりに惨たらしい最期と、圧倒的な破壊と死とを撒き散らす、理不尽なまでのパワーを目の当たりにして、立ち竦むしかなかった。 ・・・・無理も無いだろう。 眼前の怪物は、たったの一度、剣を薙ぎ払っただけで、 今までの数時間に及ぶ<暗黒界>の軍勢との死闘による戦死者の数を遥かに上回る損害を与えてしまったのである。 歴然たる彼我の戦力の差を痛感させられては、 いかに<ヴァリスの戦士>といえども、ショックを受けないではいられなかった・・・・。
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80 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 21:54:47.39 ID:rmcyUlTA - (7)
――――巨神の体内。触手牢の獄中。 「あ、あんなに大勢の<戦士>を、いとも簡単に・・・・」 映し出された外界の光景に戦慄しつつ、恐れに満ちた言葉を漏らしたのは、 銀髪の少女・・・・<夢幻界>の王女ヴァルナも同じだった。 外の世界にいる同胞たちとは異なり、(今の所は)直接的な危害を加えられている訳では無いものの、 黄金の甲冑に包まれた華奢な肢体には、 生物なのか無生物なのかすら判然としない、無数の触腕が絡み付き、自由を奪っている。 得意の呪文を詠唱して邪悪な縛めを振り解こうにも、 肉蛇たちには何らかの呪式が施されているのか、どんなに意識を集中し魔力を練り上げようとも、何の影響も与えられずにいた。 加えて、たとえ拘束から逃れる事が叶ったとしても、 周囲は、出入り口はおろか、窓一つ見当たらない完全な密閉空間、脱出する方法など皆目見当もつかない。
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81 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 21:56:52.05 ID:rmcyUlTA - (8)
『おやおや、ヴァリアが寄越した有象無象共は兎も角、 ヴァルナ、聡明な君までもが、まだ私に勝てるかもしれない、などという妄想に憑りつかれているのかい?』 唐突に話しかけられて、思わず、両眼を瞬かせる、囚われの少女。 声の主は、かつて、(母である<幻想王女>ヴァリアその人を除けば)<夢幻界>で最高の術者と言われた青年 ――――己れの果てしなき野望のため、最初に生まれ育った故郷を、続いて、寝返った先の<暗黒界>までも裏切り、 <三界>の全てに死と破壊を撒き散らそうとしている、プラチナ・ブロンドの魔道士。 ただし、今の体は仮初めのものに過ぎなかった。 彼の肉体は戦いの最中に失われ、魂もまた、融合した<ファンタズム・ジュエリー>と共に<封印されし魔>の体内に没した。 今ここに存在するのは、眼前に投影されている魔道スクリーンの画像と同じく<ジュエリー>の力によって構成されたホログラムに過ぎない。 実際、少女の目に映るカラダは半ば以上透き通り、時折、陽炎のようにユラユラと不安定に揺らめいていた。
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82 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 21:58:57.69 ID:rmcyUlTA - (9)
『いい加減、諦めて、負けを認めたらどうだい? どのみち、旧き<世界>は・・・・<夢幻界>も、<暗黒界>も、<現実界>も、 全て私の得た神の力の源――――新たなる<ファンタズム・ジュエリー>へと変成されて消え去る運命だ。 もはや、結果が動くコトなどあり得ない・・・・君たちがどう足掻いたところでね』 「・・・・」 思わず、口ごもってしまう、ヴァルナ。 無論、『あなたは間違っている』と言い返すべきなのは理解していた。 自分は<夢幻界>の女王ヴァリアの娘であり、同時に、<ヴァリスの戦士>の一人でもある。 母であるヴァリアも、彼女によって戦う術を与えられた<戦士>たちも、 絶望的な状況にあってなお、未だ滅亡に瀕した全ての<世界>を救うべく、抵抗を継続している以上、 己れ一人が真っ先に屈服して良い筈が無い・・・・。 ――――だが、断固として反論しなければならない、と急き立てる心情とは裏腹に、 少女のクチビルは動きを止めたままだった。 現実問題として考えれば、アイザードの言う通り、逆転の可能性は殆ど無い。 現時点でさえ、戦力には圧倒的な隔たりがあるのだ。 ましてや、<暗黒界>が分解され、<ジュエリー>の生成が始まってしまえば、 時間の経過と共に差は開く一方となってしまうに相違ない・・・・。
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83 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:01:04.20 ID:rmcyUlTA - (10)
「・・・・たしかに、あなたの言う通りかもしれない」 沈黙に囚われたヴァルナの代わりに答えを返したのは、 彼女と並んで触手牢に縛められている、もう一人の<ヴァリスの戦士>――――優子。 激闘に次ぐ激闘によって、美しく光り輝いていた黄金色の甲冑は薄汚れ、 しなやかに伸びた手足にも、力を失った甲冑では防ぎ切れなかった打撃が、青黒い内出血となって醜く点在していた。 傷付き、毀たれた、胸甲や肩当ては、いつもならば、とっくに自己修復が始まっている頃合いだったが、 甲冑を構成している<ヴァリス・オア>そのものにもダメージが蓄積しているらしく、 損傷を受けた防具は何時まで経っても再生する事無く、無残な姿を晒し続けている。 ・・・・だが、少女の心は、未だ折れてはいなかった。 「でも――――それでも、わたしはあなたを認めない。認める訳にはいかないッ!」 見る影も無くやつれ果て、蒼白を通り越して土気色に近付きつつある顔色とは裏腹に、 薄青色の瞳には、一体何処からこれだけの気力が湧いて来るのか?不思議に思える程の気迫が込められている。 ・・・・否、目だけでは無い。 カサカサに乾き切った血色の悪い唇から紡ぎ出される声音にも、 もはや、ロクに動かす事さえ叶わなくなった両手の指が握り締めている拳にも、 体力の衰えこそ隠せないものの、未だ希望を捨てるのを好しとしない、精一杯の抵抗の意志が宿っていた。
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84 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:04:29.50 ID:rmcyUlTA - (11)
『やれやれ、キミの頑固さは筋金入りだね・・・・』 大仰な仕草で肩をすくめてみせる、プラチナ・ブロンドの魔道士(の立体映像)。 ヴァルナの傍から掻き消えたかと思うと、 次の瞬間には、優子が囚われている磔刑台・・・・無数の肉蛇によって構成された、おぞましい拘束具の脇に現れ、 色とりどりの分泌液に濡れまみれた肉壁の中に浸かっている、ロングストレートの蒼髪を掬って、鼻先に近付ける。 『フフ、何とも言い難い、心地良い匂いじゃないか。 この醜い連中に好き放題にされて、体液が染み付いてしまっているよ。 ・・・・キミも嗅いでみるかい?』 そう、耳元で囁きながら、アイザードは、無造作に掬い取った髪筋を、身動きできない少女の鼻先へと運んだ。 唯一、自由になる双眸に強い嫌悪の感情を浮かべて目の前の青年を睨みつける<ヴァリスの戦士>。 だが、無論、そのような行為は何の意味も持たない。 べとついた汗と混じり合う、ねっとりとした不気味な粘液の感触とオー・デ・コロンを数十倍に濃縮したかの如き強烈な刺激臭とが、 大挙して彼女の嗅覚器官に侵入し、粘膜襞に覆われた神経網を占拠していく。
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85 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:06:36.97 ID:rmcyUlTA - (12)
「ううっ・・・・くっ・・・・ひ、卑怯者・・・・ッ!!」 露骨極まるセクハラ行為を受けて、切歯扼腕する優子。 ・・・・だが、鼻腔から吸い込んだ妖しい分泌液の成分が呼気と共に気道を滑り降り、呼吸器を満たしていくにつれ、 彼女の表情は、一転して、困惑の色を帯び始めた。 (ひゃううッ!?な、なに・・・・苦しい・・・・お腹が・・・・どうしてッ!?) 今や襤褸切れ同然のプリーツ・スカートをかろうじて繋ぎ留めている、傷だらけのベル ト・・・・その丁度真下、下腹部のあたりに、冷たい感触が急速に充満していく。 <夢幻界>の加護を享けて戦っている間はその種の問題とは無縁でいられたために、久しく覚える事の無かった感覚 ――――だが、<現実界>の一少女だった時分には、(当然)ごく日常的に慣れ親しんできた、 生理的現象・・・・すなわち、尿意。 「うううっ・・・・おしっこ・・・・も、漏れちゃう!!ダ、ダメよッ・・・・こんな場所でェッ!!」 お腹の上で重石でも乗せられたかのような圧迫感 ・・・・我知らず、額に汗が滲み、視線が宙を泳いだ。 反射的に両脚を捩り合せ、放出欲求を堪えようとする蒼髪の少女だったが、 意識しまいと足掻けば足掻く程、逆に膀胱への圧力が強まってしまう。
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86 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:09:54.32 ID:rmcyUlTA - (13)
「ど、どうしたの、優子ッ!?し、しっかりして下さいッ!!」 生まれつき、排泄という行為には無縁である<夢幻界>人のヴァルナが、狼狽しつつ声を発した。 無論、プラチナ・ブロンドの魔道士は、ニヤニヤと下卑た笑いを浮かべつつ、怒りと羞恥にカオを赤らめた蒼髪の少女を眺めている。 二人の視線の先で、しなやかな腹筋がピクピクと痙攣し、美しい逆三角形を描くビキニ・ラインがザワザワと粟立っていった。 「あ、あううッ・・・・ア、アイザード・・・・あなたって人は・・・・何処まで卑劣なのッ!?」 下半身の切迫感を必死に堪え、声を振り絞る優子。 だが、限りなく強い非難の込められた言葉の調子とは裏腹に、その声音は今にも消え入りそうな程弱々しい。 無論、詰られた青年魔道士は、痛くも痒くもない様子で、ククッ、と鼻で笑い飛ばすと、 急に何かを思い付いたらしく、(残念ながら、音までは再現出来なかったらしいが)ホログラムの指先を使って、パチン、と指を鳴らす仕草をした。 ――――次の瞬間、触手の群れが一斉に動き出し、 囚われの<戦士>の両腕を、バンザイのポーズに引き摺り上げ、同じく両脚をMの字型に開脚させて、 背面座位の体位・・・・否、この場合は、まるで幼子が親に手伝って貰いながら用を足す時のような、恥ずかし過ぎる姿勢と言い直した方が妥当だった・・・・を強要する。
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87 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:12:02.49 ID:rmcyUlTA - (14)
「うっ・・・・くううッ!!なんて・・・・ひ、卑怯・・・・なッ・・・・!!」 屈辱的な体位を強制された口惜しさ故だろう、 蒼髪の少女の声は完全に引き攣っている。 だが、目の前に佇む魔道士の悪趣味な思いつきは、まだ終わりでは無かった。 股関節が許容するギリギリの位置まで、恥ずかしすぎる体勢を強いられつつ、 前方へと突き出されている、乙女の最も大切な場所 ・・・・今や、それを覆い隠す唯一無二の存在となった、プリーツ・スカートの切れ端に、 数本の触腕が絡み付き、一斉に引っ張り始める。 ビリィイイイイイッッッ!!!! 既に、少女の身体を覆う<ヴァリスの鎧>は、度重なる戦闘と凌辱によって幾度と無くダメージを受けた上、 エネルギーの枯渇によって自動修復能力すら機能しなくなっている。 防具としては勿論、単なる衣服としての機能すら殆ど喪失していたスカートは、 短い断末魔の悲鳴を上げて、いとも簡単に引き裂かれてしまった。 ちなみに、覆い布の下にあるべき下穿きは、 アイザードによって肉体を奪われる直前、<封じられし魔>が最後の意志を振り絞って行った報復行為によって破り取られたまま、再生出来ずにいる ――――つまるところ、今現在、彼女の禁断の花園は、一糸まとわぬ無防備状態に置かれている、と言って良かった。
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88 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:14:18.85 ID:rmcyUlTA - (15)
「あうっ・・・・い、いや・・・・み、見ないでェ・・・・」 屈辱感に加え、羞恥心までもが圧し掛かり、我慢の限界を突破してしまったのだろう、 思わず、口惜し涙を浮かべてしまう、蒼髪の少女。 生白い股間を控え目に飾る、未だ殆ど縮れを生じていない若草の茂りを、生暖かい微風がやわやわとそよがせた。 肉蕾を開花しかけている上つきの大陰唇の底部に見え隠れするのは、 先端部を尖らせた魚のくちばしを連想させる形状の排泄器官――――尿道口。 キリキリと出入り口を食いしばっている肉突起は、 プルプルと震え慄きつつも内部からの水圧に良く堪えていたが、とうに限界に達しているのは明白だった。 『フフッ、ヴァルナ、よく見てみたまえ。これが、放尿、という行為たよ。 肉体機能を維持するためのエネルギーや栄養分を、食物や水分の摂取によって体内に取り込む必要のない、 君達<夢幻界>人の感覚にはちょっと理解し難い行為かもしれないが』 愉快そうなアイザードの説明に続いて、ヴァルナを拘束していた触手群が、彼女もろとも、優子の正面へと移動する。 のみならず、銀髪少女に目の前の<ヴァリスの戦士>と同じポーズを取らせると、 あろうコトか、先刻、彼女に対して行ったのと同様、排泄欲求を刺激するフェロモンを含む分泌液を強制的に吸引させた。
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89 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:18:46.45 ID:rmcyUlTA - (16)
「ふがっ・・・・な、何ッ・・・・この感覚っ?お腹が張って・・・・ふひぁあッ!?」 生まれてこの方感じた事の無い感触に戸惑いの表情を浮かべる、<夢幻界>の王女。 排泄という生理現象自体に馴染みが無いため、今、自分が置かれている状況がどのようなものか?今一つ把握できかねている様子ではあったが、 それでも、(<現実界>の常識では)何か途轍もなく恥ずかしい行為とされている行いを強要されているのだけは理解出来たのだろう、 優子に向かって、一体どうしたら良いのか?と、必死に問いかける。 「ダ、ダメよッ!!身を任せてはダメッ!!た、堪えて・・・・我慢してッ!!」 叫び返した蒼髪の少女だったが、 ヴァルナの痴態を眼前に見せつけられたせいだろう、彼女自身の抵抗は急速に衰えつつあった。 最初はゆっくりと、次第にストローク間隔を縮めながら、カクン、カクン、と腰が跳ね躍り、 時折、瞬間的に緩んだ窄まりの隙間から、ごくごく少量の飛沫が、ピュッ、ピュッ、と飛び出してしまう。 「ふあぁあッ!?が、我慢って、一体、どうやれば・・・・はぁうううッ!!」 僅か数メートルの距離を隔ててた先では、 未知の感覚に侵蝕されつつある<夢幻界>の少女が素っ頓狂な悲鳴を発し続けていた。 滑稽な姿ではあるが、今まで排泄という行為をした事の無い人間に向かって、 人前で粗相をするな、我慢しろ、などと言った所で、具体的なやり方など分かる筈が無い。 オロオロしている間に、膀胱内に溜まった水分は呆気無く限界を突破してしまい、 純白のショーツを穿いたままの股間――――優子と違い、彼女は<封印されし魔>からの直接的な性的暴行には曝されていない――――から、 微かにアンモニアの刺激臭を漂わせる黄色い液体を、勢い良く迸らせてしまう。
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90 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:21:13.25 ID:rmcyUlTA - (17)
「あひぃいいいッ!!ひゃ、ひゃめて・・・・誰か、これを止めてェッッッ!!」 湯気を立てる聖水が、純白のショーツを、瞬く間に黄色く染め抜き、小さな滝となって流れ落ちていった。 下半身を席巻する未知の快感に、蕩けた表情を浮かべながら全身を脱力させる、銀髪の魔道士 限りなく無様でありつつ、何とも形容し難い艶めかしさを帯びた、その甘美な悲鳴が、 もう一人の少女の耳朶の奥で響き渡り、致命の刃となって、崩れかかっていた抵抗の意志にトドメを刺す。 「ひっく・・・・わ、わたしも・・・・もう・・・・ら、らめぇえッ!! へはぁああッ・・・・ガマンできないッ!!漏れる、漏れひゃうううッ!!」 必死に欲求を押し殺し、堪え続けてきた優子の哀切過ぎる最後の叫び・・・・。 不自由な形に拘束された手足がビュクビュクと痙攣し、 限界まで膨張し切った膀胱が、ぶじゅるッ!と惨めな音を立てて決壊する。 最低最悪の恥辱に、声を失った絶叫を放ち上げ、そして・・・・。
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91 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:23:48.33 ID:rmcyUlTA - (18)
ビシャアアアア・・・・ッ!!!!ジョロロロロ――――ッ!!!! ヴァルナと異なり、覆い隠す下着とて無い、剥き出しの尿道口から見事な黄金色のアーチが噴出する。 カラダの芯で熱く煮え滾っていた欲情が、解き放たれたヨロコビによって一気に爆ぜ、歓喜の叫びを放った。 憎んで余りある宿敵の目の前で失禁してしまった敗北感と無力感は勿論、 友であり同志であり同じ魂を分かち合った姉妹とも云うべき存在と連れ立って、ブザマ過ぎる痴態を晒している己れへの禁忌感と背徳感が、 壊れかけた心の内奥で混然一体となり、めくるめく被虐の官能と化して開花を迎える。 「はぁっ、はぁっ・・・・んく・・・・ぁふ・・・・ふはぁあぁっ・・・・」 長い長い放尿がやっと終わった時、 蒼髪の少女は、精も根も尽き果てたカオで、甘やかな余韻に浸っていた。 焦点の合わない視線の向こうでは、意識の途切れた<夢幻界>の王女が、同様に忘我の境地を彷徨っている。 優子自身も、カラダの中が空っぽになったかのような虚脱感に襲われて、今にも昏倒してしまいそうだった。 だが、プラチナブロンドの魔道士は、ヴァルナには与えた束の間の休息すら彼女には許そうとはせず、尚も執拗な言葉責めを繰り出してくる。
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92 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:25:57.24 ID:rmcyUlTA - (19)
『・・・・どう、こんな浅ましい姿を晒しても、まだ世界を救うつもりかい?可愛い戦士さん』 「ううっ・・・・くぅ・・・・」 『まぁ、万に一つ、未だ抵抗の意志が残っていたとしても、だ・・・・ <ファンタズム・ジュエリー>を無くした今、キミがどんなにけなげに立ち向かってきたところで、 私の指一本分の力さえ発揮出来はしないだろうけどね・・・・』 何か、私の話に間違っているトコロはあるかな? ――――と、冷ややかな口調で、敗残の<戦士>の耳元に囁きかける、アイザード。 力なく、俯いたままの少女は、しばらくの間、黙りこくっていたのだが。
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93 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:28:11.74 ID:rmcyUlTA - (20)
次の瞬間――――彼女の右手 ・・・・血と汗が浸み込んだ小さな布切れが巻き付けられた、右手が、ヒクン、と脈を打つ。
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94 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:30:40.83 ID:rmcyUlTA - (21)
「・・・・確かに・・・・もう何も無いかもしれない・・・・でも・・・・。 ・・・・でも、わたしは・・・・あの時・・・・麗子に約束したのよ・・・・」 うすほんやりとしていた双眸に、微かな火が灯った。 ほんの僅かばかりの・・・・だが、決して弱々しくは無い、光を前にして、 アイザードの形の良い眉根が、初めて、むぅっ、と怪訝そうに寄せられる。 『麗子、だと?』 「そう・・・・"全部、わたしが背負うから"って・・・・」 力を失って弛緩しきっていた表情が、ゆっくりと精彩を取り戻していく。 驚愕の感情にとらわれ、無意識のうちに、一歩、後ずさるプラチナ・ブロンドの青年。 蒼髪の少女は、小さく微笑みながら、誰に語りかけるでもなく、独白を続ける。 「麗子は、言ってくれたわ・・・"前に進んで"って・・・・。 ふふっ、そうよね・・・・わたしに出来るコトなんて、それぐらいだよね・・・・」 『・・・・・・・・』
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- 麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第九幕
95 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:33:06.45 ID:rmcyUlTA - (22)
『な、何故だ・・・・?』 今や、魔道士の相貌には、はっきりと狼狽が見て取れた。 ・・・・否、そればかりか、目の前で起きている事態が信じられない、とでも言いたげに、 何度もかぶりを振りつつ、さかんに両目を瞬かせる。 『どうして・・・・そんなカオが出来る? この期に及んで、何故、そんなに穏やかに笑っていられるんだッ!?』 「だって・・・・わたしは、まだこうやって・・・・守り続けるコトが出来るんだもの・・・・。 世界を救う、なんて大それたコトじゃなくて ・・・・麗子との約束を守るっていう、ささやかな・・・・だけど、一番大事なコトを・・・・」 『・・・・な、何ィ・・・・ッ!!』 次の瞬間、ホログラムが盛大にひしゃげ、立体映像全体が、グシャリ、と形を失った。 たっぷり一呼吸分の間を置いて、再構成されたホログラムは、 今まで一度も目にした経験の無い、憤怒を煮え滾らせ、 さながら地獄絵に描かれた、魔性の獄卒のような形相を浮かべている。
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96 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:35:36.53 ID:rmcyUlTA - (23)
『おのれ・・・・あくまで、私に・・・・ サザーランドの魔道装置の中にひしめく無数の魂の一つにすぎなかったお前を選び出しヒトの形をくれてやった、 云わば、生みの親たる私に、刃向う、というんだな・・・・? ・・・・フン、どうやら、私は、またしても、キミの意志の力を見くびってしまったらしい・・・・』 ――――その誤りだけは認めてやろう、 そう、吐き捨てるように呟くと、青年魔道士はどす黒い憎悪の宿る眼差しで優子を睨めつけた。 怒りの深さを物語るかの如く、ホログラムの末端部が、ピクッ、ピクッ、と震え、映像全体がハレーションを起こしている。 かろうじて、声だけは冷静さを保っていたが、 口調には、全てが自分の思い通りに運ばない現状への悔しさとそれによってもたらされた、隠し切れない苛立ちが籠っていた。 『・・・・だが、もはや一切の容赦はしないッ!! どんな手を使ってでも、貴様の意志をへし折り、跪かせてやるッ!! 新たな神となったこの私を拒んだ罪を、徹底的に思い知らせてやるからなァッ!!』
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97 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:37:52.40 ID:rmcyUlTA - (24)
『まずは、こうだッ!!』 やおら、長衣の袖をはためかせると、 アイザードは、背後・・・・外界の情況を映し出している魔道スクリーンを振り返った。 モニター画像の中では、あたかも優子の意志が乗り移ったかの如く、 恐るべき攻撃を受けてなお、屈伏を良しとしない<ヴァリスの戦士>の一群が、 隊伍を整え、白刃を煌めかせ、倒れた仲間たちの躯を踏み越えて、巨神の許へと攻め寄せようとしている。 『どいつもこいつも、サザーランドで飼ってやった恩を忘れたのかッ!! ええい、私に楯突く愚かさを分からせてやる――――<アースクエイク>ッ!!!!』 魔道士の叫び声と共に、暗がりに閉ざされていた空間内が、 突如として、まばゆい光・・・・<ファンタズム・ジュエリー>の発する純白の輝きに包まれる。 何百、いや、何千ものカメラからフラッシュの放列を浴びせられたかのような強烈な閃光を受けて、思わず、両目をつぶる蒼髪の少女。 その直後、彼女の耳朶を、大地が鳴動し引き裂かれる、凄まじい地鳴りの音と無数の人間たちが発する断末魔の絶叫が激しく打ち叩いた。
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98 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:40:34.31 ID:rmcyUlTA - (25)
『フハハハッ!!どうだ、思い知ったか、恩知らずの反逆者共めッ!! ・・・・おっと、折角のショーなのに、だんまりを決め込むのはやめて欲しいなァ。 立派な特等席を用意してあげたんだから、せいぜい楽しんでもらわないとねッ!!』 嘲笑を浴びせられ、不承不承、瞼を開ける、蒼髪の少女。 視野を覆い尽くしていた強烈な輝光は幾分エネルギーを減じていた。 何とか焦点を結ぶのに成功した優子の双眸がとらえたのは、 <暗黒界>の大地を司る精霊力・・・・暗黒五邪神ガイーダの力によって完全に鋤き返され、風景を一変させた荒野、 そして、そこかしこに横たわる、無数の<戦士>たちの姿・・・・。 「ひ、非道い・・・・みんな・・・・!!」 『フン、非道い、だと?・・・・いやいや、これはまだ序の口に過ぎないよ。 彼女たちには、もっともっと入念に、私に刃向った代償を支払って貰う必要があるからねェッ!!』 憎々しげに言い放つと、プラチナ・ブロンドの魔人はスクリーンに向かって何事かを念じた。 被写体が切り替わり、漆黒の巨人の胸元が開口して、 内部から、先刻、優子とヴァルナを拘束したのと同じ形状の触手の大群が吐き出される様子が画面へと映し出される。 無論、ターゲットは、<アース・クエイク>の直撃を受けて、動く事もままならずにいる、哀れな少女たち ・・・・ただし、今回、彼らに与えられた命令は、手足を拘束し、カラダの自由を奪い取れ、などという、中途半端なものでは有り得なかった。
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99 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:45:57.74 ID:rmcyUlTA - (26)
「ヒィッ!!」「あうッ!!」「な、何だッ!?」 「ヨ、ヨロイが・・・・<ヴァリスの鎧>がッ!!」「ダ、ダメェッ!!」 岩場のあちこちから、<戦士>たちの悲鳴が響き渡る。 邪神の腹から伸びる、数え切れぬほどの触腕は、先端部に矢尻のような突起が生えていた。 無抵抗な両手両脚に絡み付き、動きを封じるのに成功した彼らは、 続いて、聖なる甲冑の弱点・・・・黄金色に光り輝く胸甲の接合部分に嵌め込まれている深紅の宝玉に、 忌まわしい突起を押し付けると、そのまま、鋭利な刃先をドリルよろしく回転させて、 <ヴァリス・オア>の結晶体をガラス玉か何かの如く、いとも簡単に割り砕いてしまった。 「はあぁあ・・・・な、何、コレ・・・・!?」 「・・・・な、何故ッ?いったい、何がどうなってるのッ!?」 深紅の宝石が無残に砕け散ると同時に、 少女たちの無垢なる肉体を包んでいた<夢幻界>の防具は砂糖細工のように粉々になってしまう。 だが、恐るべき槍先によって胸元を貫かれつつもなお、彼女たちは生きていた・・・・否、生かされ続けていた。 標的の体躰を刺突した瞬間、触手の胴は物質としての実体を失って、 物体と霊体の境界線上にある、ぼんやりとしたエクトプラズム状態へと変化していた。 当然、五臓六腑をはじめとする身体器官の損傷など一切無く、傷口からは血の一滴すら流れ落ちてはいない。 ――――だが、彼女たちは、すぐに気付く事になる。 串刺しにされてなお、自分達が生き長らえている理由・・・・そして、それを命じたアイザードの真意に。
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- 麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第九幕
100 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:49:17.15 ID:rmcyUlTA - (27)
「ああっ・・・・な、何・・・・体が動かない・・・・!?」 「ち、力が・・・・抜ける・・・・吸い取られていく・・・・!!」 半霊体の肉槍に貫かれた少女たちから漏れる、絶望の呻き声。 黄金の甲冑を喪失し、ヴァリアの加護も届かなくなってしまってなお、 田楽刺しにされた彼女たちが生命を繋いでいられるのは、 アイザードにただちに生命を奪うつもりが無かったからに過ぎない。 勿論、自らを新たなる神と称する青年にとって、 彼女たちは、嫌悪すべき旧世界の遺物であり、地べたを這いずる醜い害虫同然の存在に過ぎず、 最終的に生かしておくつもりなど毛頭無い。 だが、その一方で、捕囚たちの肉体に宿る<ヴァリス>のパワーは忘れ去るには魅力的すぎた。 一人分のエネルギー量はたかが知れているが、 生き残った全ての<戦士>の力を収奪できれば、<ジュエリー>の生成も随分と捗るに違いない・・・・ それが、彼女たちを(ひとまずは)助命した、理由の第一だった。
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101 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:52:04.94 ID:rmcyUlTA - (28)
――――加えて、理由は、もう一つ存在している。 「くっ・・・・アイザード・・・・わたしに屈服を強いるために、みんなを・・・・!!」 スクリーンに映し出される惨劇の数々を、悔し涙を浮かべつつ見つめ続ける優子。 きつく引き結ばれた口元は無念さを噛み締め、 徐々に生命力を吸われ、緩慢なる死への道を強制的に歩まされ続けている同胞に対する、慙愧の想いに打ち震えている。 卑劣極まりないやり方で屈伏を強いる魔道士への怒りは、 同時に、深い絶望と無力感・・・・<ヴェカンタ>の黒い炎となって、自分自身をも焼き焦がしていく。 (ごめんなさい・・・わたしの力が足りなかったばかりに、皆をこんな目に遭わせてしまって・・・・) みすみす、相手の術策にはまるだけだ、と分かっていても、 木霊する叫び声を耳にし、死への恐怖に歪む表情を目にするたび、 心の中では、強い自責の念と共に、負の感情がどうしようもなく高まっていく。 ・・・・その様子を眺めやり、くつくつと陰惨な笑いを漏らしながら、 邪悪の権化と化した青年は、更なる残酷なアイデアを思い付き、即座に実行に移すのだった。
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102 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 22:54:45.60 ID:rmcyUlTA - (29)
「あああッ!!今度は、何ッ!?」「ま、まさか・・・・ウソでしょう!!」 「い、嫌ッ・・・・許してェッ!!」「お願い・・・・お願いよッ!!もう死なせて・・・・後生だからッ!!」 『死なせて、だと?ああ、いずれは殺してやるつもりだよ。 だが、その前に、貴様らにはたっぷりと苦しんでもらう ・・・・ククッ、ただエネルギーを搾り取って、徐々に干からびていくのを眺めているだけでは、 私としても些か退屈だからねェッ!!』 狂気に冒されたかのように口元を歪めつつ、 異形の下僕たちに命を下す、プラチナ・ブロンドの邪神。 ――――本能のままに犯せ、嬲れ、穢し尽くせ。 絶対者からの命令に、意思を持たない筈の肉蛇たちは、 あたかも歓喜に湧き立つかの如く、ビュクンビュクンと総身を打ち震わせると、思い思いの獲物に向かって殺到し、 青年の命令を忠実に執行しようと試みる。 抵抗の手段を悉く奪われ、手足の自由を奪われ、あまつさえ、生体エネルギーを容赦なく搾り取られている哀れな女囚たちにとって、 それは、まさしく、死にも優る苦痛に他ならなかった。
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103 :ARCH DUKE[]:2014/07/31(木) 22:58:33.14 ID:rmcyUlTA - (30)
「ひ、非道い・・・・あんまりです・・・・もう、堪えられない・・・・」 酸鼻を極める凌辱劇を正視出来なくなってしまったのだろう、 ヴァルナは、ぎゅっと目をつぶり、まるで駄々を捏ねる幼児の如く、さかんにかぶりを振りたくった。 ・・・・と、彼女を拘束していた肉蛇の群れから、 ひときわ野太く、凶悪な面構えをした一体が鎌首を持ち上げ、おもむろに先端部分を変形させた ――――先刻、魔道モニターの向こうで、<夢幻界>の<戦士>たちの甲冑を剥ぎ取り、粉々に打ち砕いた同胞の持ち物と同じ、 クリスタルの矢尻を連想させる魔槍形態へと。 『フフッ、成る程、同胞が苦しむサマを見ているだけなのが辛い、という訳かい? さすがは<夢幻界>のプリンセス、麗しき同胞愛だねぇ ・・・・ならば、いっそのコト、キミもアイツらと同じ立場に立たせて差し上げようじゃないか?』 皮肉たっぷりに笑いかけると、たアイザードは、またしても、ホログラムの指先を打ち鳴す。 待ってました、とばかり、囚われの少女に近付いていく、忌まわしい肉の槍先 ・・・・耳障りな回転音を鳴り響かせるその切っ先は、胸元にある紅い宝玉を正確に狙っていた――――。
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104 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 23:11:52.82 ID:rmcyUlTA - (31)
「ヒ、ヒィィッ!!こ、来ないで・・・・来ないでェッ!!」 プラチナ・ブロンドの青年の意図に気付いた、銀髪の<戦士>から、悲痛な叫び声が上がる。 到底叶わないと知りつつもなお、恐怖に怯えすくむ友に向かって、必死に手を差し伸ばそうとする優子。 <夢幻界>の王女は、必死にカラダをよじって触手の狙いを外そうとする。 ・・・・だが、ささやかな抵抗は、破滅の到来を、ほんの数秒間だけ、先延ばしに出来ただけだった。 ガガガ・・・・パリィィィンッ!! 絶望に蒼褪めた少女が為す術も無く見つめる前で、 異形のドリルに貫かれた胸元の赤い宝玉が、か細い破砕音を響かせながら、無残に砕け散る。 同時に、彼女の身体を包んでいた黄金の甲冑もまた、 残っていたなけなしの<ヴァリス>の加護もろともに、跡形も無く、弾け飛んでしまった。 「イヤッ!!嫌ァあああああ――――ッッッ!!!!」 そして、護るモノの失せたヴァルナの薄い胸板を貫いた忌まわしい触手によって、 情け容赦のない生体エネルギーの略奪が開始される ・・・・外の世界にいる幾千もの少女たちと同様、 緩慢な、それでいて、この上無く確実な、死へのカウントダウンが――――。 ――――TO BE CONTINUED.
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105 :ARCH DUKE[sage]:2014/07/31(木) 23:19:20.01 ID:rmcyUlTA - 以上、第32章をお送りいたしました。
お楽しみ頂けたのであれば幸いに存します〜。 『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』も、そろそろクライマックスが近付いて参りました。 ZOL先生の原作では『巨大ロボット対決』という形で描写されている、最終決戦ですが、 これを一体どうエロパロ化したものか?目下、頭を悩ませている所です。 さて、次回ですが、『戦士集合!』第11章をお送りいたします。 発表時期に関しましては、9月中を予定していますので、またもうしばらくの間、お待ち下さいませ。 それでは、今夜はこの辺で〜。
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