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名無しさん@ピンキー
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8

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女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
80 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/28(土) 23:45:24.81 ID:iLUYcNsN
 40年です。突発でひとつネタを書きたくなったので板汚し失礼します。

 エリートサラリーマンの孝司(26)とその恋人の美帆(23)の結婚式の直前に
突如現れたのは、かねてから孝司に偏執的かつ一方的につきまとっていた契約社員の
和江(48)だった。
 披露宴会場のホテルの階段で激しく美帆に詰め寄った和江は足がもつれた結果、美
帆を巻き込んだ格好で転落し、二人ともに意識を喪失してしまう。
 ところが、数時間後に目覚めた美帆と和江には驚くべき変化が発現していたのであ
る。それは、まさに、二人の人格が入れ替わってしまっていたのだった。

 ……と、まあそんな前置きがあってからこれは医師による三度目のカウンセリング
が行われるところからお話ということになります。


 痩せぎすの医師ははあ、と溜め息を一つ吐いてから、
「……まあ、それでは結論から先に申し上げるのですがね」
 と、孝司とその両脇に控える美帆と和江に最終通告をした。
「美帆さんと和江さんは、ですね、そもそも入れ替わってなどいないのですよ」
 と、二人の女の表情は一度に驚愕に張りつめて、それから若い女の顔には歓喜の朱
が、そして肥満した中年女の表情には絶望の青とがそれぞれ刷かれていった。
「ちょ、ちょっと待ってよ、そんなバカなことってないでしょ」
 むろん、食ってかかったのは薄暮時の年齢になり、取り返しもつかないほどに肥え
太った器量の良くない中年女だった。細い目を引き攣らせるように地鳴りのするよう
な更年期の低い声で医師へと食ってかかったのだった。
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
81 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/28(土) 23:46:17.97 ID:iLUYcNsN
 しかし、医師は表情一つ変えることもなく、
「いいえ、バカなことではありませんよ。そもそもあなた方は孝司さんをのぞいてそ
れぞれ肉親や知人に対する記憶を全く失ってしまっているでしょう。だとすれば、多
少の自己認識の差は事故によるショックが原因の錯誤であると考えるのが妥当なので
す。たしかに珍しい症例とは思われますが、入れ替わりなどという荒唐無稽はそもそ
もあるはずがないのですよ」
 淡々と語る医師の言葉に表情を綻ばせながら、
「そう……ですよね、私もきっとそれが本当なんだろうなあ、とは思っていたんです
けど言いだせなかったんですよ」
 アイドルもかくやという優れた美貌と、ファッションモデルのようにしなやかな肢
体と、グラビアモデル顔負けに豊満な胸とを兼備した美帆を自認する女が孝司の腕に
自らの腕を絡めながら甘えた声を出した。
「私もあやうくそのおばさんの言うことに押し切られちゃうところでしたよ、なにせ
記憶がほとんど抜け落ちていて、大事なことさえまるで思い出せないんですもの」
「かっ……勝手に孝司に触らないでよ!」
 と、和江と認定された女は二人の間に割って入ろうとする。しかし、それは医師に
よってさっさと制止されてしまっていた。
「おやめなさい。勝手をしているのはあなたの方ではありませんか、和江さん」
「ううっ、痛い!」
 だぶついた腕を捩じ上げられて、和江は苦悶の声をあげる。
「そもそも、あなたはこのお二人の幸せなはずの結婚式に乱入して、台無しにしてし
まった張本人なのですよ、そこのところの罪の意識が無いというのは、そちらの方が
よほど問題ではないのですか?」
 と、医師から告げられた信じられないような罪状に、思わず和江は固まってしまっ
た。
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
82 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/28(土) 23:47:10.81 ID:iLUYcNsN
「いや……だって、私は違うもの……でも、そうよ、癖とか仕草とか……ねえ、孝司
も言ってくれたでしょ、これは美帆の喋り方だし、いつもの仕草に思える、ってねえ
そうでしょ。孝司なら分かるでしょ?」
 と、和江は悲愴感に押しつぶされそうになりながらも、婚約者と信じる青年に向か
って救いの手を求めていた。
「ああ、その……俺は、その」
 孝司はしどろもどろに視線を思わず外していた。
 そう、彼には分かっていたのである。話す時にはわずかに小首を傾げる仕草も、昂
奮するとすぐに口元に両手を運ぶ癖も、そして、なによりもその口調、言葉遣いから
何まで、全てがこれは自分の熟知しているものなのだ、と。
 しかし、これにも医師は反論を用意していて、
「いいえ、そうは言っても孝司さんの方だって和江さんの癖だの口調だのについては
まるで知らないところが殆どでしょう? 偶然、口調が似ることだってあるでしょう
し、もしくは事故のショックで偶然仕草が似ているだけとも限りませんよ」
 すると、まんまと美帆に成り遂せた女も頷いて、
「そうよ、孝司さん。この女がどんなことを言っても信じるべきところはひとつもあ
りはしないわ。だって、この女はきっと最初から悪意をもって私たちに近づいてきて
いたに違いないんですもの」
 孝司の耳元で、聞きなれた声で囁いた。しかし、孝司にはわかっていた。美帆は自
分のことを「孝司」と呼び捨てにするし、和江が馴れ馴れしく寄ってくるときには、
決まって悪く甘えた声で「孝司さん」と呼んでいたことを。

 心が乱れて動悸が激しくなる孝司。おそらく、どんなに荒唐無稽と言われても、彼
の想像は真実に繋がるものなのであろうし、医師が宣告するそれは、どんなに真実味
を帯びていようとも、誤診なのであろう、と。
 しかし、その孝司の表情から心の動揺を察知した美帆は、その真実を塵芥へと変え
る邪悪の呪文を、その魅力的な口唇からこぼしていた。
「ねえ、よく考えてね孝司さん。あなたがどんなふうに考えているのかは良くわから
ないのだけれどね、はたしてあなたはこれからの長い人生を、私と一緒に過ごすつも
りなのか、それとも、あの中年女と添い遂げて暮らすのか……ねえ、ちょっと想像し
てみれば、どちらがはたして正しいことなのか、すぐにわかるはずじゃない、ねえ」
 そして、険悪な表情を和江のほうに向けて、
「それにあなただって、仮に本当にあなたが美帆だったとして、それだったらどうす
るっていうの? そんなにみっともなく肥った身体で、もう一度ウエディングドレス
を着てみたいとかって思ってるの? 孝司さんを相手に赤ちゃんを産んであげられる
とでも言うのかしら、もう干上がっているかもしれないってのに? ねえ、それで、
あなたが無理やり孝司さんと一緒になることで彼のことを不幸にするとは思わないの
かしら? それがあなたの愛情だっていうの?」
 そして、いささか芝居がかってはいたが、情感をいっぱいにして、
「もしも、私が和江さん。あなたの立場だったら、潔く身を引くわよ、それが愛する
孝司さんのためなんだもの。ねえ、それが真実でしょう?」
女同士の肉体の入れ替わり・憑依 その8
83 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/28(土) 23:47:50.77 ID:iLUYcNsN
 怒りと悲しみと、それから他の複雑な感情が混じり合ったままの和江は、ふらふら
と後退し、そしてもとの座っていた椅子へと大きな腰をどっかりと落とし込んでいた。
「もちろん、あなたが台無しにした式と披露宴に対する弁償と、それから慰謝料は払
って貰うつもりですからね、まあ、そこのところは弁護士を通してするつもりですし、
これ以上あなたみたいな人にストーキングされたままに新婚生活を送っていくのにも
不安が残りますからね、その対処もさせていただきます」
 消沈して黙した相手にさらに追い討ちをかける美帆の瞳にはサディステックな輝き
がたたえられていたが、とうとう孝司はその女の意見に、
「ああ、それでいいと……思うよ」
 乗ってしまっていた。
 孝司は、悪魔の囁きに負けたことをそのときに自覚していた。しかし、一度宗門を
変更した以上は、その罪を背負ったままに生きていかなければならないということを
覚悟していたのだった。


 その後の二人の新婚生活は、思った以上に順調なものだった。
 美帆の記憶はとうとう戻らなかったものの、知識として埋め合わせられたそれで、
社会生活や家庭生活にもまずまず事欠くことはなかったし、何よりも美人である。
周囲の同情は二人へと大いに与えられ、ますます孝司の社会的地位は向上していっ
た。
 それに、以前は性行為に対しては非常に恬淡としていて孝司に物足りない思いを
させることがしばしばであったのに、
「ひゃうっ、凄いわぁっ孝司さん。もっとぉもっと激しくしてくれなきゃ嫌よぉ!」
 相手を求める欲は底なしに、また自らの万全の美貌を惜しげも無く孝司の欲する
ところへと与えていったわけである。
 糸を引くように濃厚な夜をいくつもいくつも重ねて、それでお互いにまるで相手
を飽きるところが無いのである。
 これは、まったくもって孝司にも意外なことであった。そして、彼も悟ったのだ
った。
「ああ、俺の理想としていた女とは、美しい乙女の肉体と老獪で狡猾な老婆の魂と
を兼ね備えたそれであったのか」と。
 もちろん、彼が一千万円を超える慰謝料を払った和江と接近する機会は二度とな
かったということだけを付言しておく。
 
 おわり


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