- 【金蹴り】女が男を金的攻撃で倒すSS 5【電気按摩】
124 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:26:51.00 ID:vFUQuEGX - >>123
ごめん!書き忘れてたけどR18のやつはノクターンノベルズってサイトに流れるんだわ そっちで検索してもらうと出てくるはず ワードは金蹴りとかでおけ。いまんとこ金蹴りないけどな! んでついでなんで向こうに投稿済みのぶんこっちにもうぷるわ 最初に断っておくと金的関係ない描写がそこそこ長く続くんでそこは勘弁してください 後半はスレチじゃない…はず まーどうせ過疎ってるし気にせず行くよー
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- 【金蹴り】女が男を金的攻撃で倒すSS 5【電気按摩】
125 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:28:00.49 ID:vFUQuEGX - >>111続き
ときどきデパートでの例の事件を思い出しては口元をゆがめる日々を送りつつも、わたし はなんとかテスト週間、そしてテスト本番を乗り切った。テストが終わってしばらくの間 、友達と遊んだりもしたが、高校3年生に休息などないと言わんばかりに授業は進み、気 の休まる間はない。一年生や二年生のときの内容を復習する授業やセンター試験の対策を する授業など、受験のための授業がうざったい。必要なのはわかるけど。おもしろくない。 受験生独自のストレスは何もわたしだけが抱えるものではない。教室全体の空気がピリピ リとしている。進学校で、勉学に関してはうるさい学校だったが、ついこの間まではみん な部活でストレスを発散していた。ちなみにわたしはソフトテニス部だった。でもいまや 部活も引退して捌け口のないストレスは別の行き場を探している。その結果なのだろうか 。最近イジメが加速中。別に暴力はないし、そもそも表立って問題になるようなことは誰 もしない。一部の人間を無視したり、棘のある言葉を投げかけてみたりする。ほとんどは、 そんなささやかなもの。 昼休みになると、我がクラスのストレスの捌け口が、パシリとして購買からいろいろなも のを買ってくる。注文した生徒に配布していく。もちろんわたしは頼んでない。そんな子 供っぽいことに加担しない。しかし教室の後ろ側の席に座るわたしからは、そんな光景が 否応なく視界へ入ってくる。
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126 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:28:59.42 ID:vFUQuEGX - 哀れな捌け口は、我がクラスの場合、男子生徒だった。内田俊介。彼は男子生徒からも女
子生徒からも汚い虫のような扱いを受けている。話し方と仕草がキモい。堂々としてさえ いれば普通だと思う。顔とか体形とかは。恐らく彼の致命的な欠点は、この進学校におけ る致命的な欠点は、成績が悪いことだ。結果、成績が平均か、平均より少し下くらいの生 徒から馬鹿にされているわけだ。自分より下の人間をイジメて安心を得る。なんてわかり やすい。 「てかおまえさ、自分の飯はどうするわけ?」 わたしが弁当を食べ終えたちょうどその頃、イジメグループが追加で買いに行かせた飲み 物を内田がデリバリーしてるとき、彼の昼休みの大半を奪った張本人が白々しくそう尋ね た。イジメグループの中心人物。高田悠馬。クラス全員から避けられている内田だが、イ ジメと呼べるほどの横暴を振りかざしているのは、この高田とその取り巻き連中だけ。 「お弁当あるから、えと、急いで食べようかな。」 愛想笑いをしながら内田が答える。「オベントウねぇ」と言うと高田がニヤリと笑う。 「それちょっとこっちに持ってこいよ」 「えっ」 「いいからさ」 何を考えているのか高田がそう要求すると、内田は言われるままに弁当をとってきて高田 に渡す。 「これを…うらあぁ!!」 渡された弁当を突然ブンブンと上下左右に揺す振る高田。うわ、馬鹿くさ。周囲の取り巻 き連中が笑っている。元ボクシング部の高田の腕力にかかれば弁当の中身はグチャグチャ だろう。
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127 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:29:37.76 ID:vFUQuEGX - 「あ…ああ」
なんか変な声を出しながらオドオドしてるだけの内田。うわ、情けな。さらに高田は弁当 のふたを開けると飲みかけだったコーラを注ぎはじめた。あーもー馬鹿の極み。 「ほら、急いで食うならこの方がかきこみやすいだろ」 「あ、あり…が、とう」 悲しそうな顔をしながら内田が弁当を受け取る。 「そっかぁー食べやすくしてあげたんだ!ゆーちゃんやっさしぃー」 「ホント悠馬は思いやりあるわ。そういうとこが好き♪」 高田のことをゆーちゃんって呼んだのは、高田と中学からの友人らしい岸本響。結構遠く にある中学校だから、うちの学年にはこの二人しか出身者がいない。体育とかよく見学し てる虚弱体質の美少年で、ヘタをするとこいつの方がイジメられそうなもんだけど、頭は いいのと高田とつるんでいるのとでクラスでの地位は高い。んでのろけっぽいセリフを吐 いたウザすぎるビッチが上原彩香。ちなみに彩香はわたしと同じ元テニ部で高田と付き合 ってる。 「おい彩香。お前もこいつの弁当食いやすくなるようになんか工夫してやれよ」 「えーわたしはぃいよぉー」 「いいからなんかしろや。はよ」 「しょうがないなぁ…」 たぶん本当に嫌なのだろう、彩香が困り顔で何をしたものか悩んでいる。馬鹿の高田と付 き合ってはいるが、自分まで低レベルなイジメに直接参加するのは気が引けるに違いない。 でも彼氏に合わせなきゃ。大変だね。
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128 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:30:32.76 ID:vFUQuEGX - 「じゃあ…」
彩香は飲んでいたお茶を口に含みうがいをするようにブクブクと音を立てると、一歩前に 出ると、内田の持っている、グチャグチャの中身がコーラに浸された弁当の中にお茶を吐 き出した。 「うわぁやるなー」 「彩香ちゃんエグいね!相変わらず」 高田と岸本も笑いながらはやし立てる。 「だってコーラだけだと甘過ぎるし?お茶も入れたほうがいいかなぁーって。あと響うる さい」 まず意味がわからないし視界から消えて欲しい。彩香とわたしはテニ部時代も犬猿の仲の ようなものだったけど、一つだけ彩香の長所を挙げられるとすれば、態度がはっきりして ることだ。んで彩香は岸本がキライ。脳筋で不良な高田が好きで、ナヨナヨしてる美少年 の岸本がキライ。 「おい内田。彩香に礼言えよ」 「ありがとう、上原さん」 「つば飲ませてくれてありがとー!でしょ?」 「つば飲ませ…」 「いや言わなくていい!!てか響黙れ」 低レベルなイジメに加担して痛いことをしてる自覚のある彩香は、岸本の思惑通り頬を赤 らめ内田の言葉をさえぎる。まー彩香と岸本も犬猿の中に近いのかな。わたしと彩香ほど ではないけど。
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129 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:31:23.85 ID:vFUQuEGX - 「おまえら仲いいよな」
友人と彼女のやりとりを心底嬉しそうに眺める高田。致命的な馬鹿。成績は平均程度のは ずだが、やはり学業と人間性は無関係らしい。あ、てかもうすぐ昼休み終わりじゃん。 「…また内田くん、イジメられてる」 「えっ!?ん…んん。そうだね」 突然斜め後ろから話しかけられた。声の主は安藤久美。この子も元テニ部。マネージャー だけど。いきなりぼそっとつぶやくの止めようよ。 「最近エスカレートしてるよね」 「そうね。どーでもいいけど」 「かわいそう…だよ」 久美は演技でも何でもなくこういうことを言う。 「かもね」 「なんとも思わないの?玲奈」 「いやぁー、だからかわいそうだとは…思ってるけど?」 「彩香だけでもやめてくれないかな」 「ないでしょ」 「高田くんと岸本くんじゃ…話聞いてくれないし」 「彩香よりは岸本のが会話できそー彩香よりはワンちゃんのが会話できそー」 「それ玲奈だけ」 「そうかな」 「内田くん…」 「この話まだ続くの?」 「わたし…」 キーンコーンカーンコーン
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130 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:32:44.71 ID:vFUQuEGX - チャイムに会話を遮られて、何か言いかけたように見えた久美はそのまま自分の席へ戻っ
ていった。なんだろ。久美にしてはなんか…そんな止めたいのかな?あのイジメ。 わたしは家に帰り自分の部屋へたどり着くと、冷蔵庫からとってきた冷えた麦茶をコップ へ注いでコクコクと飲み干す。この先真夏にもなると冷たい飲み物では大した救いになら なくなっていくけど、いまはまだ極上の救い。 なんとなく、今日の昼休みの内田イジメの光景を思い出した。あのイジメをこれから毎日 観察していくのは嫌だなぁ、と思う。いまに嫌気が差すだろう。みんな誰かがイジメられ ているのを見て落ち着いているというか、要するにイジメを傍観することで擬似的にイジ メに参加してストレスを発散してる面があるけど、受験のプレッシャーを肌で感じる時期 に入ったらあの馬鹿騒ぎを眼にするだけでかえってストレスに違いない。 大体わたしの視界にあの連中が入ってるのが問題。とわたしは自分の席が教室の後ろ側で あることを呪う。でも背後で騒がれてもそれはそれで…なんて不毛な思考を続けていると 、わたしはまたデパートでの例の事件を思い出した。わたしの目の前でいちゃつくカップ ル。わたしの目の前で巻き起こる馬鹿騒ぎ。エスカレーターに乗ってるときに見た光景と クラスの光景が重なる。男の「タマ…」と呻く声が聞こえた気がした。 わたしはふと思い立ち、ベッドの下にある中学のときの保健の教科書を取り出した。高校 のは学校のロッカーの中。ベッドに腰掛けつつページを捲っていくと、全裸の男子と女子 それぞれを前から見たときと横から見たときの絵が載っている。マンガっぽい絵柄で現実 感はないけど。男子を横から見るとおちんちんがピョコっと飛び出ていて、中学の頃「な んかギャグみたい」と感じたのを思い出す。いままで注視したことのなかった金玉は、お ちんちんに隠れていてあまり存在感がない。小さな膨らみ。
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131 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:36:49.29 ID:vFUQuEGX - 「これがあんなに痛いのかなぁ」
というかあれは痛いんだろうか。内股になって中腰になって馬鹿みたいにヨチヨチ歩く。 手がぶつかっただけで人間があんな風になるなんて、イマイチ想像できない。痛み以上の 何かを男は感じていたのだろうか。 次のページを捲ると横から見た男性生殖器の断面図が載っていた。 「うわ…」 思わず声を上げてしまう。前のページのマンガっぽい絵で見ても大して存在感のなかった 金玉が、こちらの断面図では大きな存在感を放っていた。だらりとぶら下がっていて、中 にはタマが入っている。タマと体を結ぶ細い管は頼りなくて、下に引っ張ったら簡単に切 れそうに見えた。こうして見るとかなり邪魔くさい。 これどうやってズボンはいてるの?てか足閉じれるの?股下何センチか損するよね?男子 がスカートはけば?…とか。いろいろ考えてしまった。何よりタマが意外と大きい…本当 にこんなのがぶら下がってるのかな?男兄弟もいないわたしにはわからなかった。お父さ んとはすごく小さい頃一緒にお風呂に入った記憶はある。でもよく覚えてない。彼氏はい たことあるけど…そこまでいってないし。 ベッドに体を投げ出す。デパートで、最初は心の中で馬鹿にしていたあの女と一緒に、蹲 る男を見下ろしたあの不思議な感覚。あの感覚は何なんだろう。そんなことを考えながら わたしは、夕食まで仮眠をとることに決めた。勉強は夜の方がはかどるし、と誰にともな くありがちな言い訳をしながら。
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132 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:37:51.93 ID:vFUQuEGX - 金曜日になった。今週も今日でおしまい。昼休みになると内田がパシられて走って行った。
今日はイジメ観察は止めることにしたわたしは、弁当を持って自販機へ向かった。冷たい 飲み物があれば、適当に外の日陰で食べるのもいいだろう。この時期はまだ。そう思って 飲み物を選んでいると、急に誰かに話しかけられた。 「おっとぉー?玲奈ちゃんじゃん。やっほー」 妙に親しげなその声の主は、親しくもなんともない高田悠馬だった。こいつは少しかわい い女の子には常に親しげだ。 「ジュース買うの?てか一人?弁当だったら俺らと…」 「んーん、買うのは紅茶」 そっけなく答える。 「高田くんはジュース買いにきたの?」 「そうそう。もうソッコー飲みたい感じ!」 「いつもみたく内田くんに買いに行かせないの?」 「いやだからもうソッコー飲みたい感じ!なわけよ。てか"内田くん"かぁ。みんな呼び捨 てにしてんのにな。まっじめ〜」 「そうかな」 「優しいねぇ。そいや玲奈ちゃんって彩香と仲良かった?元テニ部でしょ、同じ?」 なわけないでしょ。 「まぁ普通だね。部活とクラスが同じってだけだし」 「いや接点ありまくりじゃん!そっかー、二人は仲良しさんかー」 だから違うって。
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133 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:38:54.91 ID:vFUQuEGX - 「彼女の親友だってのに、俺ってば玲奈ちゃんと接点少なかったようなー?いままでー?」
「まぁ普通じゃない?」 「俺もっと仲良くなりたいなぁ」 会話しながらじりじりと近寄ってきていた高田が自販機に手をつき、わたしを追い詰める ような姿勢で見下ろしてきた。いわゆる壁ドン。壁じゃないけど。てかなにこいつ? 「彩香がさー俺の筋肉最高って二の腕とか腹筋とかよく褒めてくれるんだわ。ほら、俺ボ クサーだし?闘う男の身体、みたいな。やっぱ女子ってみんなそういうの好きなん?」 「わたしはそうでもな…」 「てか俺玲奈ちゃん相当好みなんだよなぁー」 「いやなに…」 「この腰つきとか?」 そう言って高田がわたしの腰に手を回してくる。「きゃっ」っと小さな叫び声が口から漏 れて、わたしは自分で驚く。腰を撫でる手がお尻の方に近づく。高田の顔。距離が近い… ……怖い。 「ん。なんかいい匂いする。香水?」 化粧はほぼしないが、アロマの延長として香水はつけていた。顔を首筋に近づけてスンス ンと音を立て匂いをかぐ高田。気持ち悪い。わたしは逃げようとして、しかし萎縮してし まっていた体は動かない。足がすくんでいる。呼吸が止まって苦しい。あれ?なんで?屈 辱的な感情が押し寄せる。心臓がうるさい。 「うわー顔真っ赤じゃん。期待してる?」 指摘されてさらに顔が熱くなる。視界が歪んだ。涙がこぼれるのがわかった。
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134 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:39:41.02 ID:vFUQuEGX - と、急に高田との距離が広がる。やっと息を吐くことができた。しかし吸い込もうとする
と肺が痙攣する。まるで泣きそうな子供のように。高田からもそう見えているだろう。 「あ、やり過ぎちゃった?冗談だよ…ごめん、ね?」 高田はそう言いつつ、覗き込むような姿勢をとる。謝られたことが悔しい。気を使ってあ げなくてはいけない存在として扱われたことが悔しい。 「ちょっと黙んないでよ。マジごめんな、ってかあれかっ!?焦らし過ぎた?」 おどけた調子で不愉快なだけの冗談を言う高田に罵声を浴びせたかったが、口を開くと嗚 咽が漏れそうでできなかった。泣きたくなんかないのに。 「あー…まー俺ちょっと教室戻るわ」 高田がジュースも買わないまま、気まずそうに教室へ向けて歩いていった。わたしは涙を ぬぐい、誰にも見られていないことを確認するとすぐにその場を離れた。何も考えられな かった。
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135 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:40:29.54 ID:vFUQuEGX - 高田の顔を見たくなくて…高田に顔を見られたくなくて、わたしはそのまま保健室へ行っ
た。早退したいと告げると、保健の先生は「まー受験生大変だろうけどね。そうよね。み んな大変よね」と意味不明なコメントをしつつ了承してくれた。昼休み終わる5分くらい 前のぎりぎりタイミングで久美にメールを出し、休み時間の間に荷物を取ってきてもらっ た。 「早退って、どうしたの?」 「ちょっと…帰りたいの」 「大丈夫?何か…」 「帰りたいの!」 「…そう」 キーンコーンカーンコーン 昼休みの終わりを告げるチャイム。つらそうな表情の久美は、目を伏せて振り返り教室へ と戻って行く。ごめんね。いまもう、わけわかんないの。無理なの。 けど助かった…荷物をとってきてくれる人がいなければ自分で行くしかない。さもなくば 担任に頼むか。どちらも嫌だった。 何も考えられない頭のまま、わたしはとにかく学校から離れるように足を動かした。 わたしはプライドが高い。自分で自覚がある程度には。いつも馬鹿にしている高田に迫ら れて、逃げられなくて、抵抗できなくて、涙が出て…全部そのプライドのせいなのだろう か。高田に謝られたあの瞬間を思い出す。そのちっぽけなプライドをいとも簡単にへし折 られた。 ふと立ち止まって振り返り、歩いてきた道を呆然と眺める。私以外に人も車も見当たらな いまっすぐな道。痛いほど青い空。そよ風に揺れる街路樹。葉と葉の擦れ合う音がわたし を笑ってるように感じた。自分が学校を逃げ出してきた事実を突きつけられているようで 、へし折られたはずのプライドが再び刺激される。たったあれだけのことで逃げ出した自 分の弱さを直視したくなくて、また泣きそうになりながら足を動かした。
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136 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:42:19.81 ID:vFUQuEGX - 交差点に行き当たり、赤の信号を見て足を止めた。しかしじっとしているのが耐えられず
、家に帰るには渡る必要のない横断歩道を渡る。渡りきったところでわたしは、この道を 進むと例のデパートへ通じることを思い出した。 その瞬間、わたしの中に強烈なイメージが流れ込んできた。いや、それはわたし自身の中 から湧き出してきたのかもしれなかった。イメージの奔流の中、わたしはただ立ちつくす。 錯乱でもしたかのように頭の中に複数の光景が同時に浮かび重なる。記憶が捏造されるよ うに未来でも予知したかのように、一つの見たことのない光景が頭の中に広がった。わた しが全裸の高田を従わせている。まるでわたしの所有物のように、高田はわたしの足元に 蹲り股間を両手で押さえてその逞しい筋肉を震わせている。わたしは制服姿だった。わた しは高田の腕を蹴りつける。彼の自慢の二の腕に食い込むローファーの堅い革。ひらひら と誇らしげに舞うスカート。高田が蹴られた二の腕を反対側の手で覆って四つん這いにな ると、支えを失った金玉が股の間でぶらぶらと揺れる。無様。弱者の象徴。 不思議なことに、そこにはもう一組の男女がいた。彩香と岸本だった。岸本もまた全裸で 彩香の足元に蹲っている。小柄で中性的な体格の美少年は、大人びた顔つきの少女と見紛 うほど可憐だった。彩香がしかし、その綺麗な顔面を足の甲で蹴り上げると、顔を抑えて 仰向けに転がった岸本の股間には余計なものがついている。そんなもの晒して恥ずかしく ない? 見たことのない光景の中、わたしは彩香と目を合わせた。わたしたちの間には、そこにあ ったはずの犬猿としての関係はなく、一つの不思議なシンパシーがあった。 わたしは家に帰ると、早退してきたことだけ親に告げて部屋へ戻り、すぐにベッドに倒れ こんだ。頭はまた何も考えられない状態に戻ってしまっていた。疲れで鉛のように重く感 じる手足がベッドに沈み込む。わたしはそのまま眠り、母が「晩御飯できたよ」とわざわ ざ2階まで起こしにくるまで眠り続けた。夕食は結局、食べなかった。 またいつの間にか眠ってしまって、何時間寝た後かわからない真夜中に目が覚めた。真っ 暗で何も見えない部屋の静寂が、ぼんやりとした感覚を助長するように感じた。あの見た ことのない光景について考える。非現実的な光景。だがあり得ない未来ではない。そう感 じる。女の手が軽くぶつかるだけで、体の自由を奪える急所。その急所を両手で大事そう に必死で守る男の姿…馬鹿みたい。
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137 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:43:41.97 ID:vFUQuEGX - 長々さーせん
ぼちぼち金的描写に入ります
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138 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:47:30.81 ID:vFUQuEGX - 月曜日、登校するとまず久美にお礼を言った。いろいろ詮索されたけど、はぐらかしてた
ら諦めて引いてくれた。ごめんね、心配してくれてるのに。2限目の終わったところで、 高田がおどけた感じに、特になんとない風に話かけてきた。本人は自然にしたつもりだろ うけど十分不自然だったし、おかげで彩香に睨まれた。久美もちらっとこっちを見た気が する。「この前のことなら気にしてないからね。わたしこそごめんね?びっくりしちゃっ ただけだから」って小声で言いつつにっこり微笑む。どこのいい子ちゃんですか、っと。 しかし高田は満足したようで、いつも通りのノリで軽口を言ってすぐ去って行った。彩香 の視線がウザい。 その週はただただ準備していた。計画の準備。 そして土曜日の朝10時。わたしは学校の比較的近くにある公園に来ていた。今日のわた しは、気張ったおしゃれをしてる。上は半そでの白ブラウスをベースにアクセントカラー に赤と黒も盛り込む。下はミニのプリーツスカート。結構際どいやつで、正直恥ずかしい。 待つこと10分ほど。 「ごめん山田さん。ちょっと遅れたかな?」 待ち人の岸本響が姿を見せる。 「うん、ちょっとだけね。大丈夫だよ♪」 わたしは公園の脇にある喫茶店に岸本を誘導し、二人で入る。窓際に座る。日差しのよい 散歩道に面した窓の向こうには、絶景とまではいかないものの、和やかな優しい風景が広 がっていた。休日だが人通りも多過ぎず、落ち着いた場所。
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139 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:49:12.17 ID:vFUQuEGX - わたしは紅茶のケーキセットを頼んだ。岸本はコーヒーのケーキセット。友達と話すとき
も基本はテンション低空飛行なわたしが、今日は積極的に話し手に回る。明るく、でもち ょっと緊張気味に。楽しそうな笑顔を見せる。 「あっ、てかさ。岸本くん、じゃなくて…名前で呼んじゃダメかな?」 「いいよ。もちろん」 「よかった。じゃあ響くんって呼ぶねっ♪」 「"くん"もいらないよ。響でいい」 「ありがとぉー!!じゃあわたしも玲奈でいいからね♡」 つらい。 わたしが休日に岸本、もとい響を呼び出し、挙句こんな演技をしているのには理由がある。 もちろん高田への復讐のためだ。簡単に言うとこいつで実験するつもりだった。男を服従 させるのに、どのくらい手間がかかるか。身体的に、精神的に屈服させるのにどれだけ時 間がかかるか。だって、それもわからずいきなりボクサーの高田を相手にするのはリスク が高過ぎるから。 それに…高田を前にするには、もう少し気持ちの整理が要る。情けないけど。 体育をしょっちゅう見学してる虚弱体質の美少年。響が相手なら怖気づいたりしない。き っと。高田や彩香と一緒にいても、響からは嫌な印象を受けなかった。こうして話してい てもわりといいやつっぽい。背だってわたしとほぼ同じだし、体格も華奢だし。実際、わ たしのが力も強いと思う。響なら、怖くない。それに響に近づき、さらに高田にも近づけ ば、あいつの隙が見えてくるかもしれない。 けど響は響で厄介な相手ではある。高田と違って頭もいいし周りがよく見えてる。みんな と笑ってても心の中では冷めた部分があって、周囲を観察してる。わかるんだ、なんとな く。わたしと似てるから。まずは警戒心を解かなきゃ。てっとりばやいのは馬鹿を演じる こと。そう思ったわたしは「かわいい自分を一生懸命アピールする女の子」を一生懸命ア ピールして、響にアプローチしてたってわけ。
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140 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:50:10.26 ID:vFUQuEGX - 「あのね。中学の頃からアロマやってて」
「へぇー、女の子らしい趣味だね」 「えへへ。部屋がいい香りでいっぱいになってすごいいい気持ちになるの」 「香りっていろいろ種類あるんでしょ?」 「そうそう。心がやすらぐようなのもあるし、気分をリフレッシュできるようなのとかー、 あといろんな効能もあるからね。体にもいいんだよ?わたしはとにかくハーブ系がすき なんだけど…って、あ、ごめんね。一方的に」 「ううん。すごいね。おもしろそう」 よしよし。お世辞でも乗ってはくるよね。 「あの、もしよかったらさ、もう少し遊んでからその…」 「ん?」 「わたしの部屋…こない?」 「え、いいの?」 「いやだから、アロマ興味あったら体験してもらいたいなぁって。あのだから、もちろん 今度でもいいし、てか興味なかったら…」 「いいよ。その、お邪魔させて?」 「うん!ありがとう」 わたしは心から嬉しそうな笑顔を浮かべるとすぐに「あっ」と小さな声を上げる。 「でも男の子が好きそうなのって、いま部屋にないかも。部屋に行く前にショップ寄って いいかな?ちょっと遠回りになるかもだけど」 「うん。いいよ」 とりあえず計画通り。
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141 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:51:24.28 ID:vFUQuEGX - わたしと響はさらに30分ほど会話を続け、喫茶店を出ると街へ向かった。お互いの知っ
てる店をちょこちょこ回る。響のファッションの趣味は全体に中性的な雰囲気、というか なんとなくフェミニンな感じだということもわかった。どうでもいいけど。らしいと言え ばらしい。 お昼ごはんも一緒に食べた後、予定通り、わたしたちは例のデパートへ向かう。6階のショップを目指して二人でエスカ レーターに乗る。わたしが響の一段上。4階へ向かうエスカレーターの途中、わたしは振 り返る。 「自販機寄っていい?次の階にあるから」 「いいよ。結構歩いたし、のど渇いたよね」 「実はさっきからカラカラだったの。もういい加減夏だよね。暑い」 エスカレーターの終わりが見える。わたしが蹲る男につまずいて転んだところ。女と一緒 に足元に蹲る男を見下ろしたときの感覚を思い起こす。ちらりと振り返ってもう一度響を 見る。こんなやつ、どうとでもできる。大丈夫。 わたしは自販機のところへ響を誘導する。4階を選んだ理由は、自分を奮い立たせるため 。だけではなかった。自販機コーナーはフロアの隅の奥まったスペースにある。両脇のテ ナントはいま両方とも空いていて、トイレとも離れている。人がほとんどこないのだ。 「何にしよっか」 ジュースを選んでいる響の後ろからわたしは近づく。周りには誰もいない。 「ねぇ、響…」 「ん?」
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142 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:52:34.60 ID:vFUQuEGX - 響が振り返ると、そこには色っぽい表情を浮かべるわたしの顔がある。戸惑う響。構わず
さらに響へ近づくとわたしは、自分の体と自販機の間に響を挟むようにしつつ、自販機に 右手をつく。いわゆる壁ドン姿勢。いや、そんな勢いはつけてないけど。これが…あのと きの高田の視点、なのかな。 「な、なに?」 自販機についたわたしの右腕に手をかけようとする響。その手を逆に乱暴に掴みあげる。 響の左手首にわたしの指が食い込む。響の呼吸が止まっている。驚いたような怯えたよう な目。思考の停止した表情。わたしは顔を近づけて、響の綺麗な唇にキスをした。 「…ん…んっ」 声にならない声をあげ抵抗しようとする響の左手首をますます乱暴に握り締め、左手で首 筋を優しくさする。響の体から力が抜け、自販機に寄りかかる姿勢のまま少し腰の位置が 下がる。響の顔から熱を感じる。わたしは響の顔が上向きになるように左手で顎を押し上 げる。響が目を瞑る。 抵抗力を失った響を確認したわたしの唇が、少し変形してニヤリと笑う。嗜虐的な感情が 湧き上がり、背中がぞくりと震えた。わたしは自分の体をさらに響の体へ押しつけるよう に動かすと同時に、右膝を跳ね上げる。膝に近い太もものあたりに柔らかいモノを押し潰 す感触があった。 「んんんっー!!」 驚きに見開かれた響の目。わたしもまた驚いたような目で見つめ返す。響の肺から漏れた 空気がわたしの口の中に入ってくる。不快。 響の体が自販機前面の金属で覆われた部分をズズズッっと滑り、床にぺたんと尻をつく。 呼吸の止まってしまっている美少年は、M字開脚のようなみっともない姿勢にも構わず両 手で股間を覆い、恥ずかしい場所をきゅっと握り締める。だっさ。
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- 【金蹴り】女が男を金的攻撃で倒すSS 5【電気按摩】
143 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:54:09.65 ID:vFUQuEGX - 「ぁ…ぁう…」
響は女の子のような声で喘ぐ。あのときのあの男と同じ。やっぱり、同じ。苦しそうに目 を瞑り歯を食いしばっている。もう呼吸はできるのか、肩を上下させはじめた。大事なと ころをきゅっと握り続けている響の手を見て、わたしは少しエッチな気持ちになる。そこ に握るモノがついてるんだ。女のわたしには、それだけで想像できない。 「ちょ、ちょっとどうしたの響?大丈夫?」 しゃがみこんだわたしは響と目線の高さを合わせ、きょとんとした表情を作ってみせる。 開かれた響の目がわたしの顔を見つめる。大また開きで股間を押さえる自分の格好に気づ いたのか、響は急に恥ずかしそうな表情になると股間から手を離し、股を閉じる。あれ? なんだ動けるの?床に右手をついた響は体を前傾させ、左手を床に垂直に立てて四つん這 いのような姿勢になる。 「あ、あの。ちょっと…太ももに玲奈の足が当たって…」 は? 「内股のとこだったから痛くて…」 なに?金玉打ったこと、ばれてないと思ってるの?馬鹿?あんなに必死に金玉握ってたじ ゃん。 「もう大丈夫だから」 「え、と…ごめんね。でも、そんなに強く当たったかな?」 「いや、その、打ちどころが悪くて」 打ちどころねぇ。そりゃ金玉じゃ…そっか!響のやつ、女の子に金玉打ったって言いたく ないんだ。それで隠してるんだ。
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- 【金蹴り】女が男を金的攻撃で倒すSS 5【電気按摩】
144 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:54:53.66 ID:vFUQuEGX - わたしは吹き出しそうになるのを必死で堪える。心の中では爆笑中。かわいそ。そもそも
わたし、わざとあんたの金玉蹴ったのにね。ばれてないと思ってるんだ。わたしのこと疑 ってないんだ。でもそうだよね。女の子が狙って金玉蹴るわけないもんね。そう思い込ん でるんだね。 でもばれないわけないじゃん!あんな格好、女の子は絶対しないもん。握るモノがついて ないんだから。切なそうな声を上げて、男の子だけについてるモノを大切そうに握る。す っごくエッチ。誰だってわかるよ。男の子だけの急所を、金玉を打ったんだって! 「そう。ならいいけど…あっそれよりごめんなさい!いきなりキスなんて」 「いや、えと、嫌じゃなかったよ。別に。」 「ホントにそんなことするつもりじゃなかったんだけど。なんか急に変な気分になって。 もうわたしったら、恥ずかしい!」 花も恥らう乙女演出。手遅れな気もするけど。 「でも、意外と積極的なんだね。クラスでは控えめなのに」 「…響だけ…だょ?」 「えっと…ありがと」 苦しさの残る響の表情に赤みが増す。 「あ、わたし何買うか決めたよ。ジュース。」 「ああ、うん」 「響も早く決めて!はやくアロマショップいこ♪」 わたしは明るく言いつつ立ち上がり、響にも立ち上がることを促す。 「う、うん」
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145 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/20(金) 23:56:10.50 ID:vFUQuEGX - 響は少し小さな声で返事をすると、ぎこちない動作で立ち上がった。不自然な前傾姿勢。
響の右手が一瞬股間に向かいそうになり、さっと体の横に戻る。我慢してる。金玉守りた いの我慢してる。かわいい。 わたしと響はジュースを買い、自販機の横のベンチで飲んだ。わたしは本当にのどが渇い ていたこともあってすぐに飲み干す。笑顔を見せ隠してるもののまだ苦しそうな響は、途 中まで飲んで「もういいや」と言うとボトルをバッグにしまった。 わたしたちは再び上りのエスカレーターへ向かった。退屈なエスカレーターの上。わたし は考える。響は思ったより簡単に立ち上がってしまった。例の事件のとき蹲っていた男は かなり長い時間そのままだった。そもそも恥じも外聞もないといった様子で、もっと必死 な感じだったと思う。 きっとうまく当たってなかったんだ。体が接近し過ぎてて膝でなく太ももで蹴ったから。 もっとうまく当てないと。蹴るのって難しいな…と考えていたわたしは名案を思いつく。 あんなに弱い力でも効くんだったら、足じゃなくて手で十分だ。それに手の方が正確に狙 える。 わたしの口元が歪む。美少年の響がM字開脚のようなみっともない格好で金玉をきゅっと 握る光景を思い出す。惨め。金玉打ったことを女の子に隠そうとするちっぽけなプライド 。わたしのと同じちっぽけなプライド。そう、わたしのと同じ。ねぇ知ってる?そんなの、 簡単に壊れちゃうんだよ?
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