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名無しさん@ピンキー
【電磁黒黄】ホトトギスの花を咲かせましょう
戦隊シリーズ総合カップルスレ 19

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戦隊シリーズ総合カップルスレ 19
425 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/17(火) 23:52:43.30 ID:oHsO/yMR
先々週まで配信していたメガレンを見直していたらデート回やら受験回やらで萌えが煮えたぎってしまったので電磁黒黄投下します。
苦手な方は電磁黒黄「ホトトギスの花を咲かせましょう」でNGワードお願いします。
戦隊シリーズ総合カップルスレ 19
426 :【電磁黒黄】ホトトギスの花を咲かせましょう[sage]:2014/06/17(火) 23:54:48.22 ID:oHsO/yMR
「全く…」
 残暑の気配が残る9月の夜11時を回った居酒屋。その中の一つの個室に耕一郎と千里はいた。
 元々はデジ研メンバー5人+裕作、久保田の7人で同窓会をやろうという趣旨で集まったのだが、I.N.E.Tの仕事や大学、専門学校の授業を朝から控えているということで10時半を過ぎた頃に他の5人は帰ってしまった。
 結局、最後まで残っているのがこの2人という訳だった。
 元々、あまり酒に強くないことを自覚している耕一郎は一杯だけ飲んだっきり自重していたのだが、同じように酒に強くないはずの千里はいつもと比べてかなり飲んでいた。
 集まった時からみくと2人で何か愚痴の言い合いのような会話をしていたのが聞こえていたので、何か女の間でしか共有できないような悩みを抱えていた結果、飲んでいたのだろうとは予測がついた。が、耕一郎はわざわざそれを聞くような真似はしていない。
「おい、もう11時過ぎたから帰るぞ」
「んー、もうちょっとだけ…」
「酔うまで飲んだんだから十分だろう」
「えー」
 見れば千里の顔は赤くなっているし、普段の様子からは考えられないくらいだらしない姿勢でテーブルに突っ伏している。
 言動からしてかなり酔いが回っているのは一目瞭然だった。
「どうせ家には誰もいなんだから平気だって…」
「女の子が深夜にうろついているのは危険だろう」
 仕方ないので無理矢理テーブルから引きはがし、半ば彼女を抱える形で部屋から出る耕一郎。
「大体な、いくら溜め込んでいたからってこんなになるまで飲むか?」
「…誰のせいだと思ってんのよ…」
「ん?何か言ったか?」
 ぼそっとした千里の声が聞き取れず聞き返す耕一郎だったが返事はなかった。

 2人分の会計を済ませるとタクシーを拾って千里の家へ向かう。
 座席に座るなり眠りに落ちる千里を尻目に明かりの大半が消えた町並みを見ていると運転手の陽気な声がかかる。
「彼氏も大変だねえ。酔いつぶれた彼女の送迎なんて」
「ええ、まあ…って『彼氏』って何ですか!」
「そうじゃないの?わざわざ見送りしてあげてるってことは」
「彼女は高校の時の同級生で同じ部活動のメンバーってだけです」
 運転手の声からはどこか面白がっているような雰囲気が滲み出ている。
 耕一郎は誤解を解くべく弁解を試みる。が、効果はあまりなかったようだった。
「えー?そうなの?」
 おどけたような声を聞き全然納得してないな、と耕一郎は内心で溜め息を吐きながら大学での先日の一件を思い出す。
戦隊シリーズ総合カップルスレ 19
427 :【電磁黒黄】ホトトギスの花を咲かせましょう[sage]:2014/06/17(火) 23:57:03.59 ID:oHsO/yMR
 リーダーとサブリーダー。
 クラス委員だろうが部活動だろうがメガレンジャーだろうがいつも耕一郎と千里はそういったポジションで一緒にいることが多かった。 
 さらに学部は違えど、同じ大学。これらのことで千里と付き合っているのかと聞かれたりからかわれたりすることも少なくなかった。が、耕一郎はそれを言われるたびに「違う」と否定し続けてきた。
 確かに千里は耕一郎の目から見ても魅力的な女性だとは思う。だからいって彼女を恋愛対象として見ている訳ではないし、この先、そういった風に見ることもないだろうと思っていた。
 そのはずだった。

 夏休みが明けたばかりのある日の昼。耕一郎は千里と食堂で待ち合わせ一緒に昼食を食べる約束をしていた。
 千里は耕一郎より遅れて来たのだが、いつもと様子が違っていた。
「…どうしたんだ?」
「ちょっと友達に色々と言われてね」 
 ごまかすように顔をそらす千里。
 そのままでは埒が明かないので食券を買いに行くことにするが千里は顔を合わせないまま。
 結局、目を合わせてくれたのはランチを引き換えて座席に座った時だった。
「で、何を言われたんだ?」
「…」
 言いづらそうに口を噤む千里。無理に聞かない方がよかっただろうか、耕一郎がそんな風に考え始めた頃、観念したように千里は口を開いた。
「…耕一郎と付き合ってるの?って…」
「なるほどな…」
 どうやら自分と同じようなことを言われていたらしかった。よくよく考えれば自分が言われていたのだから千里も言われていても不思議なことではない。そう思って耕一郎は言う。
「実際、付き合ってる訳ではないんだから『違う』と言った方がいいぞ」
 千里も自分と同じように誤解されていて困っている。耕一郎としては、そう考えての発言だった。しかし、それを聞いた時の千里の反応は予想外のものだった。
 分かってはいて諦めがあって、それでも辛くてどうしようもない。そんな複雑な表情。
 それを見た瞬間、耕一郎の胸にどこか期待するような感情があった。「芽生えた」というより、「表に出てきた」ような。
(まさか…)
 確かに千里とは一緒にいる時間が長かった。でも、それは役職上の都合であって「千里だから」という訳ではなかったはずだった。
 なのに今、彼女に対して仲間とは違う感情を抱いている自分がいる。
 その感情の名前が分からないまま、沈黙の時間が流れていく。
 昼時でにぎわう中、耕一郎と千里の2人だけが違う時間に置かれたように。
 結局、それを破ったのは千里の方だった。
「あー、もうこの話はおしまい!ご飯食べよっか」
 その一言をきっかけに元の時間が戻ってきた。
 向かいの席では箸を使ってご飯を食べ始める千里の姿。
「…」
 それを見て何か釈然としない気持ちのまま耕一郎も定食に手をつける。
戦隊シリーズ総合カップルスレ 19
428 :【電磁黒黄】ホトトギスの花を咲かせましょう[sage]:2014/06/17(火) 23:58:19.91 ID:oHsO/yMR
(結局、分からないままだな)
 そのことをぼんやりと思っている内に千里の家の前に着いたらしい。運転手から声が掛けられる。
「お客さん、着きましたよ!」
「え?あ、はい」
 慌てて運賃を払い千里を抱えながら車から降りる。
 走り出していくタクシーを見送りながら耕一郎は今更のように思った。
「待ってもらえばよかったな…」
 だが幸い耕一郎の自宅は遠くはない。結局、千里を家に入れてから徒歩で帰ることにした。
 夜中に申し訳ないなと思いながらもインターホンを鳴らす。が、返事はない。
 怪訝に思いつつももう一回押してみるが、やはり誰も出ない。
 そこで思い出す。店を出るとき千里が「誰も家にいない」と言っていたことを。
 仕方ないので壁にもたれかかる状態で寝ていた千里の鞄から鍵を拝借する。
 内心で勝手に借りたことなどを詫びながらドアを開け、千里の部屋へ向かう。
 立て直されてからも何度か行ったことがあったので部屋の位置は分かっていた。
 起きているのか眠っているのか分からない状態の千里をベッドへ運ぶ。そこまでは良かったのだが、ここであることに気づいた。
「鍵、掛けられないよな…」
 家から出るときに鍵を掛けなければ不用心だ。しかしそうするには内側から掛けなければいけないし、今の千里の状態では無理そうだった。だからといって掛けない訳にもいかない。
 なんとかする方法を考えてみたが結局は手詰まりになってしまった。
「…ここで一晩過ごすしかないか」
 頭を抱えながらもそう結論を下す耕一郎。
 とりあえず千里が先に起きたとき、この状況が分かるようにメモを残す為、筆記用具を探しに立ち上がってベッドから離れようとした時だった。
「行か、ないで」
 千里の声が聞こえた。それもいつものような明るくてしっかりとしたようなものではなく、ほっそりとしたような声音で。
「千里?」
 ベッドの上で寝ているはずだった彼女の目は見開かれていた。未だ酒が抜けていないのか顔が赤い。
 どうしたんだ?そう聞いてみようとした時だった。
 千里の腕が耕一郎へと伸びてきた。
「ち、千里?」 
 訳が分からず名前を読んでみることしか出来ない耕一郎に千里はゆっくりと告げていく。
「…もう嫌、なんだ。こうやってすれ違うの」
 ぽつりぽつりと言葉を紡いでく千里。その目には涙が溜まっているように見えた。
 耕一郎は自分の心臓の鼓動が早くなっていくのを感じる。それはあの日、感じた「期待」にそっくりなのだと気づく。
「ずっと思ってて、気づいてほしかった。だってわたしは―」

 耕一郎が好きだから。

 耕一郎は雷を打たれたかのように動けなかった。何も言えなかった。
 ずっと千里のことは他のデジ研メンバーと同じように仲間の一人だと思っていた。そのはずだった。
 だけど気づかされてしまった。
 本当は「思おうとしていた」だけだったことに。
 
 ずっと自分の気持ちから逃げていた。そうすれば余計なことを考えないで済む。千里の気持ちが分からず悩むこともない。変な嫉妬もしないでいい。
 一緒にいられる。
 それらを仲間として接することで本当の気持ちにフタをしていた。
 けれど、その全ての思いがたった一言で表に出てきた。気づかされてしまった。

 酒が入っていたとはいえ、今の千里の言葉は心の底からだということが分かった。
 そして、それに呼応するように耕一郎は口にする。
「俺は…千里に惹かれていたんだ」
 千里はすっかり眠りに落ちていた。


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