- 女の子が露出する/させられる小説 その9
210 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:44:23.32 ID:IYyKG4mO - 投稿します。
以前投稿した温泉ものの続きです。 序章とまとめました。
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211 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:45:25.86 ID:IYyKG4mO - 「ちょ、ちょっと!聞いてないわよ!あんた、何考えてんのよー」
「い、いや。人も少なくて景色も良い広い温泉があるって聞いてたんだけどさ、 まさか混浴だったなんて思いもしなくてよ」 慌てた様子で釈明してくる隆一。 「まぁまぁ、良いじゃねえか。ここまで来ちまったもんは仕方なし。沙希だって ここまで来てそのまま帰るなんて言い出したりはしないだろ?」 な、何がまぁまぁよ。 子供の頃ならまだしも、この歳にもなって混浴のお風呂になんか入れるかってのよー! 「なに無茶なこと言ってんのよーっ」 確かにここに来るまでかなりの時間をかけて来ている。 せっかくの休みに時間を使ってきたのだ、帰ると言い出す気力は無い。 「別に、混浴ったって他に人が入ってるかどうかも分かんないんだしよ。もしかしたら、 女しか入ってないかもしれねえじゃん?」 むっ。 「隆一。まさかあんた、それが目的でここを選んだんじゃないでしょうね?」 「ち、違うって。俺はホントに知らなかったんだってば」 どうだか。 隆一って、ぬけてるように見えて結構悪知恵働くからなぁ。 「な、良いだろ?な?」 「あ〜〜、もう。分かったわよ。とりあえず、脱衣所までよ?男の人でいっぱいだったりしたら、 絶対に入んないんだからね」 「うんうん。やっぱお前は良い奴だよ沙希。沙希が彼女でホントに良かったわ〜」 「ほんっと調子良いんだから……」
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212 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:46:25.93 ID:IYyKG4mO - 「ふーん……。脱衣所はあんまり広くないのね」
脱衣所はお世辞にも綺麗とは言えなかった。 随分と昔から使われているのかも知れない。 「さて、誰か入ってんのかね、と」 隆一が浴場への戸を開く。 「わ……」 すごい。 浴場は、脱衣所とは異なりとても広く、上には星が見渡せる。 少し肌寒い初冬の空気も気にならないほど、美しい景色だった。 「ここ、露天風呂だったんだ……」 浴場のところどころに電灯が立っており、転んで怪我をしたりしない程度に浴場を照らしている。 周りは木の柵で囲まれており、柵の隙間からはふもとの街の明かりが見えてとても風情がある。 「ちょっと高いところにあるって聞いてたけど、これはすげえな。趣があるっつーか」 浴場の広さに反して、風呂そのものはそこまで広くないようだ。 広い浴場の一番端に風呂が設置してある。 「こんないい湯に浸からないってのはないだろ。入ろうぜ沙希」 「そ、そうね……。確かに、こんな綺麗なところ、入らないのはもったいないかも……」 「浴場を見てみろって。別に誰か居る感じじゃねえだろ?ここ、山の上にある温泉で知名度も低いらしく人も少ねぇって話なんだ」 「……分かった。あたしだって帰るのは嫌だもん。入りますっ」
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213 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:47:14.60 ID:IYyKG4mO - 脱衣所を出てすぐに設置されているシャワーで体を洗い、風呂へと歩いていく。
さすがに、一応タオルは巻いてくけどね……。 でも、ホントに静かだな。これ、あたし達の貸切なのかも。 少し暗いのに気をつけて、お湯に脚をつけてみる。 「〜〜〜〜」 き、気持ちいい……。 なんやかんやと文句はつけたけど、温泉はやっぱり気持ち良い。 「ふああ……やっぱ、来てよかったかも」 「……えっ?」 「うわっ」 と、突然風呂の少し向こう側で二人の男の人の声が聞こえた。 え!?え!? 顔を上げて見てみると、確かにそこには若い男の人二人が湯に浸かっていた。 「び、びっくりした……」 そのうちの一人が、驚いた目でこっちを見ている。 ちょ、え、うそ……! お、男の人……。 急なできごとに、慌てて頭が働かない。 「あ、こんばんは。もしかして、そちらも旅行ですか?」 ちょっ、隆一、何いきなり話しかけてんのよっ。 「あ……いや。俺達は地元の人間です。普段、この時期のこの時間に人なんてあんまり来ませんから、びっくりして。 しかも、その……女の子もなんて。ここ、普段は女の子なんて全く来ませんから」 隣の男もコクコクとうなづいている。 「そうなんですか。俺達は、たまたま知り合いからこの温泉の話を聞いて。 まぁこの時期なら混んでもないだろうってんで来てみたんです」 「そうなんですか。……だったら、俺達はもう上がりましょうか?別に、いつだって来れるんで。正樹もそれでいいか?」 「亮平がそういうなら俺もそれでいいよ」 ……わあ。なんかすごい紳士的な人たちだなぁ。 こういうことができる人って、なんかカッコいい。 そんな事を考えていると、ふと自分の格好が思い出された。 思わずギュッと体を腕で覆う。 「いや、せっかくですし一緒に入りましょうよ。歳も近そうだし、ここであったのも何かの縁じゃないですか」 け、隆一!?あんた、また何言ってんのよー! 「そ、そうですか?いやでも……」 チラとこちらに視線を向けられる。 一瞬パチと目が合ったが、慌てて逸らされた。 「いやいや、俺達が後から入ってきたのに、追い出すような真似はできません」 「そ、そうですか?まぁ、そちらがそういうなら、俺達は構いませんけど」
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214 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:47:50.47 ID:IYyKG4mO - 結局、一緒に入ることになってしまった。
「へぇ〜、沙希ちゃんは看護士になるんだ」 「いいね、こんな美人な看護士さんなら看護される方も大喜びだ」 ハハッと亮平が笑う。 良い人たちだな……。 最初はとにかく恥ずかし過ぎて話しどころではなかったが、隆一・亮平君・正樹君が 話しているうちに、少しずつ話に混じっていけるようになった。 二人とも、同じ大学4年生で、ここには部活の疲れを癒しにちょこちょこ来るらしい。 「隆一も、二人みたいに紳士的だったらなぁ〜」 「お前が大和撫子みたいになってから言えってんだ」 「悪かったわねっ」 今は温泉の隅に固まって浸かっている。 左に隆一、正面に正樹君、右に亮平君がいる。 なんか、慣れてきちゃったな。 段々と恥ずかしさも抜け始める。 それに正直なところ、こんな風に男三人に囲まれて話していると、ちょっとした逆ハーレムみたいで気分が良くなってきてしまう。 と、そこに隆一が肩をとんとんと叩き、こっそり耳打ちしてくる。 「なぁ。あのさ、ちょっとだけ、巻いてるバスタオル下げてみてくれないか」 え、ええ? 「ちょっと、何言ってんのよ隆一。そんなこと……」 「お願い!ちょっとだけ、な!このとおり!」 「何でよっ!?そんなの、恥ずかしすぎるでしょっ」 「ほんのちょっとだけ!彼女のスタイルを、ちょっとだけ自慢したいんだよ。なっ?」 耳元でぼそぼそと、しかし必死にお願いしてくる隆一。 たまーに隆一って変なこと言い出すのよね。 でも、まぁ確かにこんな良い温泉に連れてきてもらったわけだし、ちょっとしたお姫様気分も味わえてるわけだし。 「……仕方ないわね。ほんの少しよ?」 ……嬉しそうに頷いちゃってもう。 「ん、どうかしたの?」 二人で話していた亮平君と正樹君が話しかけてくる。 「う、ううん。何でもないよ!」 「そ?なら良いんだ。でさ、あの連携のことなんだけど……」 二人はまた部活の話に戻る。 あ、危ない。 こんな話聞かれたら、大変だよ。 二人が完全にこっちを向いていないのを確認して、少しタオルを下げる。 「おお……」 隆一がため息をもらす。 自分で言うのもなんだが、自分はけっこう胸が大きいので、少しタオルを下げただけでもかなり胸の谷間が露出してしまう。 「これでいいんでしょ。まったく、ホント何考えてんのか分かんないんだから」
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215 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:48:48.88 ID:IYyKG4mO - また四人で話し始めてしばらく経つが、さっきから、亮平君と正樹君の視線が気になる。
別にじっと見たり、何か話題的に触れてくるわけではないが、チラりチラりとあたしの胸元を見ている気がする。 で、こちらと目があるとすぐにさっと反らしてしまう。 やっぱり、気になるのかな……。 そう思うと、恥ずかしいけど、少し嬉しくも感じる。 こんな紳士な二人が、あたしの胸元が気になってチラチラと見ていると思うと、なんとなく変な自信を持ってしまう。 それに、そう考えると二人が急に可愛く見えてくる。 と、またも隆一がボソボソと耳打ちをしてくる。 「な……沙希。あのさ、もうちょっとだけ、ダメか?」 「え、ええー……」 こ、これよりもまだ……? それは、さすがに恥ずかしいかも。 っていうか、隆一の目的は一体何なんだろうか。 「これ以上は、やばいよ。っていうか、あんたはなんでそんなあたしに露出させようと必死なのよっ」 二人に気づかれないようにボソボソと耳打ちを返す。 「そ、それは……」 妙に言いづらそうな隆一。 いつもがやたらとグイグイくるタイプなだけに、余計に珍しい。 もう……何なのよ。 と、ふと左手がたまたま隆一のアレに触れてしまう。 「わっ、ご、ごめん。近づき過ぎちゃって…………え?」 「…………」 左手に触れたモノは、想像をはるかに超えて立派に大きくなっていた。 「……隆一?」 「…………」 なんとも言えない表情で目線を逸らしている隆一。 チラと正樹君達を確認する。 ちょうど話が熱くなっているのか、こちらにはさほど意識が向いていないようだ。
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216 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:49:28.18 ID:IYyKG4mO - 「ねぇ……もしかして、興奮してるの?」
「あ、いや……」 さっきまでの隆一と打って変わって、少し慌てた様子を見せている。 ……話には少し聞いたことがある。 男の人の中には、自分の彼女や奥さんの裸を人に見せることで興奮する人が居るって話。 まさか隆一が……という思いはあるものの、さっきまでの行動や急に誘われた温泉など、何となく話の筋は通るような気がする。 「ねえ、隆一。正直に教えて?…………あたしがあの二人に見られて、興奮してるの?」 「………………」 長い間をおいて、頷きで返事を返す隆一。 まさか隆一にそんな変な趣味があったなんて。 これ、場合によってはその場でビンタされてもおかしくない場面じゃない? ……だから、隆一も急にしおらしくなったのだろうか。 これ以上、さらに、タオルを下ろす……? …………。 「?どうしたの二人とも、急に黙っちゃって。のぼせてきちゃった?」 急に声を潜めたこちらが気になったのか、正樹君が声をかけてくる。 「あ、ううん?大丈夫。ちょっと、ぼーっとしてただけ」 「そう?もしのぼせそうになったら、無理しちゃ――っ!?、だめ、だよ?」 一瞬目を見開いた後、バッと逸らす正樹君。 「――――――」 うわ。 うわっうわっうわーーっ。 見られてた、すっごい見られてた! 正樹君がこちらに目線を向けてきた瞬間、体勢を直すフリをしてタオルをさらにほんの少し下げてみた。 正樹君、顔をまっ赤にして目背けて……。 は、恥ずかしいー……。 …………でも、なんだろうこの感じ。 カッコいい二人があたしの格好ひとつであたふたしてる。 ドキドキする。 こんな感覚、あんまり今まで感じたことない。 「さ、沙希……」 となりではぁはぁと荒い息をつく隆一。 「の、望みどおりやってやったわよ?こ、興奮した……?」 「ごくっ。あ、ああ……正直、やばい」 「…………」 ムズムズする。 何なんだろうこの感覚は。 他の男に自分で肌を見せるなんて、普通の彼氏になら叱られてもおかしくはない。 なのに、隆一はそれを許すどころか、自分から勧め興奮している。 あたしはイケナイ事をしているのに、それが褒められ喜ばれる。 自分の行動ひとつで、あの強気な隆一が、紳士な二人が、興奮したり慌てたり……。 …………これ、ちょっと、やばいかも。 自分の中に、背徳的な興奮が湧き上がってくるのを感じた。
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217 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:50:21.96 ID:IYyKG4mO - 湯船に浸かってしばらくが経過した。
「沙希ちゃんは、もう研修とかやってるの?」 「うん、もうバリバリやってるよ。亮平君達はもう就活は終わった?」 「もう4年生の夏だしね。おかげさまでなんとか」 あからさまではないものの、二人の視線はチラチラと自分の胸元に向けられている。 タオル、戻してないからかな……。 ふと自分の胸元を確認する。 下げたままのタオルはお湯の下に隠れており、水面からはただくっきりと谷間が覗いている。 これ、ほとんど見えちゃってる……。 間違いなく胸の半分以上は見えてしまっている。 「……っ、沙希……っ」 「……なーに?」 「俺……もうっ……」 隆一はハァハァと荒い呼吸を続けている。 チラと前を見ると、赤い顔をした二人の視線が胸元に当たっている。 ――――ッ。 あああもうっ、なにこれ……っ。 隆一の興奮が伝わってくる度、亮平君たちの視線を体に感じる度に気分が高まってくる。 信じられないくらい恥ずかしいのに、恥ずかしさ以上の何かを感じている。 「ね、隆一……」 二人に聞こえない程度の小さな声で話しかける。 「はぁ、はぁ……。……なんだよ」 「……もう、満足?」 「沙希……?」 ちょ、あたし何言ってるの? 「もう、これで十分かって……聞いてるの」 ホントにそう思ってるのなら、こんなこと聞いちゃだめ。 「…………沙希、俺」 「うん……何?」 隆一の言葉を期待して体が疼く。 言葉とは裏腹に心の奥底は別の答えを望んでいる。 「……俺、もうだめだ。……続きがみたい」 ――――――。 ぶるりと震えが走った。 何かが体を貫くような感覚。 「隆一さ……」 「……何?」 「あたし……知らないよ?」 「…………!」 その一言であたしの気持ちが伝わったのか、途端に目を血走らせる隆一。 その隆一の表情を見ながら、興奮のままに亮平君たちに話しかける。
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218 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:50:54.13 ID:IYyKG4mO - 「にしてもさ、けっこう暑いねー……」
「ん?ああ……そうだね。けっこう長い時間浸かってるからね」 「確かに、こんなに長い時間湯に入ってるのは久しぶりだな」 「普段はどれくらい入るの?」 「今日の半分くらいかな。暑いときは、ちょっと湯から出て休憩したりね」 「……そっか。浸かりっぱなしだとのぼせちゃうもんね。あたしも、一旦体冷まそー」 さっと体をお湯から出し、湯船の縁に腰掛ける。 途端、ものすごい視線が自分に集まった。 ―――ッ、ああっ、すごい……! さりげなくなどという次元ではなく、真っ向から見られている。 「見られている」という強い感覚に、脳からはより一層理性が奪われていく。 あ……。 目を見開いてこっちを見ていた二人が咄嗟に視線を隆一に向ける。 彼氏である隆一の反応が気になったのだろう。 「ふーっ。やっぱりお湯から出ると涼しーっ。隆一も座ったら?」 「そうだな、俺も座るか」 何事もなかったかのように湯船に腰掛ける隆一。 それを確認して、亮平君たちの視線がこっちに向き直る。 もう、あたしの体を見てるの隠してないよ……。 全く文句を言わない隆一の態度を問題なしと判断したのか、さっきよりもあからさまに見られている。 ねえ……隆一が文句言わないからって、あたしは二人の視線に気づいてるんだよ? 二人があたしの体をなめるように見てるの、分かっちゃうんだよ? 首、肩、胸……、太もも……、あ……。 体をなぞる視線は、ついに太もものその奥をのぞき見ようと動きを止める。 あの、あの紳士な二人が、あたしの太ももの奥を覗いて……。 恥ずかしさを伴う高揚感は、背徳感と優越感を伴う興奮へと移り変わっていく。 ドキドキからムラムラへ。 ……ちょっと、楽しくなってきたかも。 隆一と会話を交わしながら、少しだけ脚を開いてみる。 ……♥ ほとんど動かなかった二人の視線が自分の股間の奥に完全に釘付けになる。 この暗さじゃ、奥は見えてないと思うけど……。 きちんと会話は続けているものの、内容が頭に入ってこない。 ふ、ふふ……。すっごい見られてる……。 隆一は横を向いて脚を組んで座りなおしている。 多分、股間が膨らんでいるのを隠すため。 やだ……そんな反応しないでよ……。 隆一が興奮し動揺する度に背徳感を煽られる。 悪いことをしているという意識が、アブノーマルな快感を高めていく。
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219 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 02:57:11.72 ID:IYyKG4mO - 「……さむっ」
少し体が冷めてきたので一度温泉に浸かりなおす。 「あ……」 二人が残念そうな顔を見せる中、隆一が気づいたような声をあげる。 視線の先はあたしの左上。 温泉の柵に貼られた張り紙を見ているみたい。 電灯にぼんやりと照らされた紙に書いてあるのは 『タオルを湯船に持ち込まないでください』 だった。 …………うそ。 思わず隆一を見る。 うそ、うそうそうそ。 だめ、だめだって。それはだめ。だって、そんなのしちゃったらもう……。 期待とも不安ともつかぬ思いの中隆一をじっと見つめる。 隆一も黙ったままじっとあたしを見つめて。 そのまま、縦に首を振った。 ――――――。 ここが最後の分岐点。 もう……止まれない。 「タオル、ダメみたいだな」 「あー、あたし今まであんまり温泉とか入ったことなくて。そっか、そうだよね」 気づいたように、あくまで自然にスルリとタオルを取ってみせる。 あまりに自然だったためか、二人は何の反応も示していない。 そんな亮平君たちを見ながら、「よいしょ」とタオルを湯船の外に畳んで置く。 途端、目を見開く二人。 会話はぴたりと止まり、4つの目がこちらを凝視する。 空気が明らかに変わっていく。 亮平君たちから、紳士的な雰囲気以外の何かが漂い始める。 ―――んんっ♥ 「……そういや、俺らもタオル浸けたままだったな」 「……いわれてみれば。誰も来ないからマナー忘れてたな」 パシャと音を立てて、お湯の下で二人のタオルが解かれる。 「……隆一も。マナーは守らないと」 「ああ、そうだな……」 全員のタオルが外に出された。
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221 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 20:30:40.58 ID:IYyKG4mO - 「…………」
一瞬の沈黙。 「あはは、なんかちょっと変な感じだねー」 あくまで話をするためという風に、そっと亮平君たちに近づく。 「ああ、うん。でもこの温泉暗いからね」 「え?」 すかさず正樹君が亮平君を肘で小突く。 亮平君はしまった、というように口を抑える。 ……多分、見えるとか見えないとかそういう話題に持っていくなということだったんだろう。 「あ、うんそうだね。そのせいか、星がすごく綺麗に見える」 ……なら、あたしが気づかないフリをすればいい。 実際、亮平君が言ったことは本当で、この温泉はすごく暗い。 タオルをとって全裸になっても、お湯に浸かっている限りははっきりと体が見えることはない。 「あ、あー。うん、ここって周りになんも灯りがないからね」 なんとか話題を元に戻そうと、正樹君があたしの話に乗っかってくる。 「この温泉から見下ろす街も綺麗なんだよ。街の部分だけ綺麗に光ってて」 …………! 「街ってここから見えるの?こんだけ高いとこから見たら絶対綺麗だよねー。 どこから見えるの?」 「え!?い、いや……向こうの柵に穴が開いてて、そこから見えるんだけど……」 まさかね?という表情の正樹君。 「ねー、隆一見に行こっ」 二人が、ばっと隆一を振り返る。 隆一……、分かってる、よね……? 心臓が高鳴る。 「えー、いいよ俺は。そこまで興味ないし浸かってる」 ……ッ。 やっぱり……隆一もそのつもりなんだ。 なら……。
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222 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 20:32:36.52 ID:IYyKG4mO - 「ノリわるー。じゃあ亮平君にお願いするからいいもん」
「……へっ!?」 信じられないスピードで亮平君が振り返る。 「行きましょうよー、こんなノリ悪いのほっといて」 「悪かったなノリ悪くて。亮平君、ごめんね」 「えっ、あ、いや。俺は別に……てか、え?」 さすがに、こうなるわよね。 さっきまであたしの体を凝視していた亮平君ですら、この提案には動揺を隠せていない。 何度もあたしと隆一を振り返っている。 「どこ?あの辺?」 向こう側の柵を指しつつ、亮平君にさりげなく近寄る。 そして、耳元で小さく囁いた。 「……大丈夫。暗くて見えないからあたしは平気だよ♥」 亮平君の体がピクリと反応する。 「……ね、あの辺?」 「……ああ、うん。あの辺。じゃあ、ちょっと行ってみる?」 どことなく男を感じさせる声色で、亮平君がお風呂から出る。 「お、おい亮平……」 「正樹君は俺の話し相手ってことで」 すかさず隆一が助けに入る。 「はーい、じゃあちょっと見て来まーす」 あたしも亮平君の後を追ってお湯から出る。 ここから先どうなるのかは、まったく予想できなかった。
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223 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 20:33:55.76 ID:IYyKG4mO - 「けっこう、広いんですね」
「ああ……敷地自体はね」 二人並んで柵に向かって歩く。 「気をつけて歩いてね。ここら辺、電灯の明かりがほとんど届いてないから」 亮平君の言うとおり、電灯の明かりは確実に遠のいている。 でも……なんとかつまずかずに歩けている。 それはつまり、つまずかないだけの明るさはあるということ。 そっと亮平君の方を覗き見る。 ぼんやりとだけ残された明かりは、亮平君の鍛え上げられたシルエットのみを映し出している。 色や細部などは把握できないものの、体の輪郭がぼんやりと浮かびあがっている。 たくましい肩まわり、分厚い背中とお腹、それから……。 心臓がバクバクする。 す、すご……何この逞しさ。 って、あたしは彼氏でもない人のアレのシルエットで何をこんな……! でも、でも……。 初めてみる彼氏以外の人の、その、おちんちん。 あーーーー、もうだめ、考えられない……。 というか、あたしがこんだけ見えてるっていうことは……。 多分、亮平君にもあたしの体のシルエットは丸見えになっちゃってる。 む、胸の形とか、お尻の形とか……全部見えちゃってるんだ……! 股間がびしょ濡れになっているのが分かる。 あーー、もう。 もうごまかしも何もない。 余りにも異常なこの状況に、あたしは間違いなく興奮している。
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224 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 20:35:13.70 ID:IYyKG4mO - 「……沙希ちゃん、ついたよ」
亮平君の声で現実に戻される。 「あ、うん!ど、どこどこ?」 慌てて頭を切り替えようとする。 でも、今亮平君の息も荒かった。 あんなにあたしの体見てたんだもん。 絶対興奮してくれてるよね……。 「…………」 と、ふいに亮平君の言葉が止まる。 「……亮平君?どこって言った?」 「……アレ」 亮平君が指差したのは、電灯、から少し離れたところにある柵。 よく見ると、確かに柵に穴があいている。 あ、あれ……? え、だって、電灯の明かりほんのちょっと届いてない? 確かに、あそこからなら外は見渡せると思うけど……でも。 今よりもっと細かい輪郭とか見えちゃうんじゃ……。 「…………」 亮平君は黙ってこちらの反応を見つめている。 あーーっ、もうっ! こんなの……こんなの……! 「じゃ……一緒に見よっ」 そっと亮平君の手を引いて壁際に向かう。 亮平君もそれに黙って従ってくれた。
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225 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 20:36:56.07 ID:IYyKG4mO - 窓から覗いた景色は確かに壮観だった。
山の麓には街の光が広がっており、波のように広がっていっている。 でも……あたしの、それから多分亮平君の意識も、それとは違うものに向けられている。 「すごい、綺麗だったね……」 ふと、自分から視線を柵の外から外す。 すると、亮平君も自然と視線を中へと戻した。 そして……その視線はお互いへと向けられる。 「あ…………」 思わず小さい声が出た。 亮平君のおちんちんの形がさっきよりもくっきりと見える。 表情も……うっすらとだけ把握することができる。 ねえ、亮平君。 あたし、分かっちゃうよ。 無音の空間の中。 亮平君の目ははっきりとあたしの体を嘗め回している。 湯船で待っている隆一が頭に浮かぶ。 あー……これ、やばい。 ね、隆一。 あたしの体、あんた以外の人に見られちゃってるよ……。 背徳感で頭がおかしくなりそう。 乳首とか……見えてるのかな。 でも、おちんちんの形がこれだけ分かるなら、乳首の輪郭は見えちゃってるかも。 絶対勃っちゃってるよね。 ああ、もうー……♥ 「亮平君」 「……お、おうっ!?」 話しかけたあたしに猛反応する亮平君。 この反応……絶対見てたんだよね。 「街の光、すごく綺麗だったね。都会だとなかなか見れない景色だったかも」 「ああ、うん。俺もここの風景がこの街で一番好きだよ。ま、ほとんど山だけど」 「あははっ。ま、確かに山ばっかだね」
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226 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 20:38:28.81 ID:IYyKG4mO - …………。
それらしい会話をしている間も、お互いの視線はそれぞれの体に這わされている。 向かいあったまま、お互いに何も隠さず話し続ける。 ……もう少し、踏み込んでみたい。 ダメなのは分かってる。 でも、もうほんのちょっとだけ……。 「ね、亮平君」 「……何?」 亮平君の息、さっきよりも荒くなってる。 でも多分亮平君からはこれ以上踏み込んでこれないよね。 ちらと元来た方を振り返る。 明らかに彼女に対するガードが緩すぎるとはいえ、あそこには彼氏の隆一がいる。 さすがに自分からはこれないよね。 だから、最初はあたしから。 「亮平君ってラグビーやってるだけあってすごく筋肉質だよね」 「……っ!そ、そう?」 ……体の話題、振っちゃった。 亮平君の体が見えてるよって、暗に伝えちゃってる。 「すごいよー。この暗闇でも分かるくらい、男ーって感じ」 「…………」 何かを考えるように黙る亮平君。 「……どうしたの?もしかして、そう言われるのやだった?」 相手のリアクションが完全には読めない分、ドキドキする。 「いや……それでいけばさ」 「……うん」 「沙希ちゃんも……。細くてスタイル良いよね」 ――――ドクン。 ゴクリ、と息を飲み込む。 自分の息が荒くなったのが分かった。 「……ほんと?」 「……うん、ホントにそう思う。腰とか、すごいくびれてるし」 ―――――っ♥ 無理、我慢できない。
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227 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 20:39:20.66 ID:IYyKG4mO - 「腰、だけ?」
「……っ。いや……。そんなに細いのに、すごいよね」 「何が……?」 「…………!」 亮平君が目を見開く。 この薄闇の中でも、亮平君が体を強張らせたのが分かった。 「亮平君……?」 「……っ、いや、その……っ」 何かを必死に堪えている。 ダメ、ダメだってばあたし……! 「ん……♥」 身を少し前に屈めて、思いっきり胸を寄せる。 ぷっくりと勃起した乳首が、目の前の男の子に向かって主張される。 やばい、やばいやばいやばいやばい―――!♥ 「くっ、もうっ……!」 亮平君が勢いよくこちらに踏み出す。 「だめっ……」 その体を両手で押し留める。 自分の力では絶対に止められない男らしい体は、その手に反応してなんとか止まってくれた。 「……!沙希ちゃん、ここまでしといて……っ」 「ダメ、しちゃうのはダメっ」 チラと湯船の方向を振り返る亮平君。 遠くに居るであろう隆一の姿を思い出してか、必死に体を留めてくれている。 「沙希ちゃん、あのな……っ」 「その代わりっ。その代わり……見て良いよ」 「え……」 亮平君の手を引き、電灯のある方向を指差す。 「全部、見て……?♥」
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228 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/06/03(火) 20:40:54.52 ID:IYyKG4mO - 以上です。
長々失礼しました。
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