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174 ◆TNwhNl8TZY
【田村・とらドラ!】竹宮ゆゆこ 37皿目【ゴールデンタイム】

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【田村・とらドラ!】竹宮ゆゆこ 37皿目【ゴールデンタイム】
453 :174 ◆TNwhNl8TZY [sage]:2014/05/27(火) 23:01:40.53 ID:qusv743j
小ネタSS投下
すみドラネタ
【田村・とらドラ!】竹宮ゆゆこ 37皿目【ゴールデンタイム】
454 :174 ◆TNwhNl8TZY [sage]:2014/05/27(火) 23:02:37.75 ID:qusv743j
校外美化清掃週間もいよいよ今日で最終日だが、やっと解放されると思うと私も胸がスッとするというものだ。
いかにも地域貢献度の高さをアピールできるこのイベントだが、はっきり言って人の集まりの悪さ以上に、
強引に駆り出された連中のやる気のなさが却ってアダになっている事をいい加減学校側にも言ってやろうかと何度思ったか。
教師たちはちょっとした問題を起こした生徒へボランティアもどきの補習をさせて、
ついでに近隣住民との触れ合いによってイメージアップを、なんて目論んでいたのかもしれないが、現実は裏目もいいところだろう。
適当にグループになった生徒たちは適当に口っちゃべりつつ時間つぶしがてら適当に目に付いたゴミを拾って……ああめんどくせぇな。
一言で纏めるとだな、素行のよろしくなさそうなヘラヘラした連中が道端でたむろして、あまつさえゴミを散らかしているようにも見えるんだよ。
また厄介なことにウチの高校のジャージなり制服なり着てやがるもんだから、一目見て大橋高校の生徒だと丸分かりだ。
監督役を押しつけられた私の気にもなってほしい。
こういうのは美化委員なりの役目では? とささやかながらの抗議をしてはみたが、現状を憂いて愚痴る私を見れば結果は言わなくてもいいだろう。
まったくもって面倒なことこの上なかった。
──ま、それも一日目だけの話だがな。

「さあて、かったるいのも今日までだからな。サボらねぇで働け働け」

放課後。
既に整列して待機していた生徒たちは、挨拶もそこそこの私の指示に従い、班ごとに別れると三々五々に散って行く。
往来ですれ違う通行人とも至って穏やかにコミュニケーションをとり、真面目に奉仕活動に打ち込む姿には、
数日前までのだらけた態度など微塵も残っていない。
どころか、真剣すぎていっそ必死と表していいほどゴミ拾いに腐心する様子には妙な緊張感すら漂ってきそうだ。
私としてはやることさえやってくれれば文句はないので、連中に遊び半分でいられるよりかは余程良い。
それというのも北村が連れてきた助っ人の力添えあってのものだろう。
まさかここまで効果てきめんだったとは。

「はぁ」

その助っ人はといえば、野暮ったいため息を繰り返しては路傍の石ころすら見逃さずに道路掃除に勤しんでいた。
時折チラリと他の奴らに視線を投げて、その都度怖じけた悲鳴を上げる下級生を中心とした生徒たちのその反応に、またもや重苦しいため息を増やしていく。

「相変わらずビビられてるな、高須」

「……先輩からしたらそっちの方が都合がいいんじゃないですか」

「ああ、そうだな。おまえが睨みをきかしてくれてたおかげで大助かりだったぞ」

恨めしげな高須はしれっと返す私には目もくれず、テキパキと清掃作業をこなしているが、見逃すほど私も甘くはない。
雑草を引き抜くその手が一瞬空を泳ぐ。
言われてショックなら最初から言わなければいいものを。

「冗談だ、気にするな」

「本当ですかね」

「助かってるのは本当だぞ?」

実際こいつの存在がなかったら今頃は予定の半分も終わっていなかっただろう。
こんななんちゃってボランティアに参加させられているようなノリだけふざけた学生たちなんて、
強面の一人でも傍に置いときゃ借りてきた猫みてぇに大人しくなるのは容易に予想できた。
おまけにその強面が率先して美化活動に没頭してるとなれば、バックレるような度胸もない連中だ。
高須を気にして迂闊なことはせず、あとは黙々と校外美化なんかに協力してくれてたよ。
本人からしてみたらいまいち納得しきれない部分もあるのか、素直に喜べなさそうだけどな。

「なんだその微妙そうな顔は。言いたいことがあるなら言ってみろ」

「別にないですよ。顔は、生まれつきこんなってだけですから」
【田村・とらドラ!】竹宮ゆゆこ 37皿目【ゴールデンタイム】
455 :174 ◆TNwhNl8TZY [sage]:2014/05/27(火) 23:03:17.69 ID:qusv743j
「そうかよ。同情するよ、そんなだと人生不便だろうからよ」

「先輩相手に言いたくないんですけど、あんたホントに失礼だな」

フンっと鼻を鳴らし、私は無礼なことをヌかす背中を平手ではたく。
パアンという乾いた音に一瞬遅れて、高須は「イぃッ!?」なんて大げさに仰け反った。

「テメェはなんだ、冗談の通じねぇタイプにも程があるんじゃねえのか」

恨めしげな三白眼という夜道で出会ったら通報されること請け合いな高須はというと「ぐ……」とまたもや呻くのみ。

「まあ、いい。今度のことでおまえには借りもある。今の不敬な発言は特別に聞かなかったことにしてやるよ」

「そりゃ、どうも」

実に覇気のない声音の高須だった。
せっせと美化活動に勤しんでいる他の奴らも、こいつがこんな人間だったなんて知ったらさぞ驚くだろうよ。
なにせ校内じゃ、なんだったか?
そうそう、ヤンキー高須とかいう頭の悪そうなあだ名で評判だったんだからな。
しかしこの数日、高須に口を聞くような相手なんて私ぐらいなものだったので、それも無用な心配だろう。
ただでさえ偏見の目を向けられている高須だし、私は私で親しくもない他人が気安く話しかけてくるようなあけすけな性格をしてはいない。
無理を言って来てもらった手前、ソロで放置させるというのも気が引けたという気持ちもあったが、
あぶれ者同士がそれなりに打ち解けられるまでに大して時間は要らなかった。
少なくとも軽口を叩き合う程度には、な。
──と、そんな感じで過ごしていると、頬になにか冷たいものが。

「あん? 雨か?」

あともう三十分足らずで終了時刻というところで、間の悪いことにポツポツと雨粒が降り始めてきた。
そういえば今朝の予報じゃ夜から降るとも言っていたか。

「おまえら、もう帰っていいぞ。今までご苦労だったな」

幸い清掃自体はあらかた終わりかけていたので、これまでの労いも含め早めに切り上げることにした。
雨足が強くなる前に帰宅するようにと声をかけて周り、一通り順路を巡って居残り組がいないことを確認。
帰りそびれた生徒はいないようだった。

「クソ、予報じゃ夜っつってたじゃねえか。どうしてくれんだよなあ高須」

「いや俺に当たらないでくださいよ」

私と、わざわざ私に付いてきた高須以外は。
用も済んだのだから帰りゃあいいのに、おかげで私同様濡れ鼠もいいところだ。

「とりあえずこれで拭いてください。そのままじゃ風邪ひきますよ」

差し出されたハンカチを無言で受け取る。
こういうのは普通逆だろうとは私だって思ってはいたが、生憎とその手の類のものはこんな時に限ってたまたま持ち合わせていなかった。
……重ねて言うが、たまたまだからな?
それに、そもそもこんな羽目になるって知っていたら傘ぐらい持ってきてただろうよ。

「いつ止むんだかな。ったく、ついてねえ」

水気を吸ったハンカチは瞬く間に使い物にならなくなり、上着と同じく重くなった髪がいたるところに張り付いて不快感ばかり増していく。
悪態の一つや二つ溢れるのはしょうがないだろう。
こういう時はさすがにショートにでもしとけばと思わないでもない。
雨宿りに立ち寄ったバス停には私と高須以外誰もいない。
屋根があるだけマシだったが、トタンを叩く雨音は次第に強くなっているようだ。
おまけに風まで吹いてきて、あの重そうな暗雲が通り過ぎるまでやり過ごすにはここは少々頼りない。
【田村・とらドラ!】竹宮ゆゆこ 37皿目【ゴールデンタイム】
456 :174 ◆TNwhNl8TZY [sage]:2014/05/27(火) 23:05:28.82 ID:qusv743j
「……っくち」

ああまったく、今日はとことんついてねえ。
ただでさえ雨にあたって冷えてんのに、風なんて吹きやがるのがいけないんだよ。
何故だか込み上げてきたもどかしさにも似た気恥かしさに、せめて雨音に紛れてくれてればと期待したが、
するだけ無駄だったとすぐさま思い知らされた。
それどころか、高須の行動は思いもよらないものだった。

「……おい高須? なんのつもりだ、おまえ」

「いえ、まあ」

肩に羽織られたものが今しがた高須が脱いだばかりの制服の上だというのは、
まだほのかに残る温もりや、かすかに感じる高須の匂いですぐにわかった。

「知らないんだったら教えてやるが、私がどうしても我慢ならないほど不快感を覚えたら、
 たったこれだけのことでもセクハラとして問題にしてやることもできるんだぞ」

青褪め、絶句しているのだろうか。
はたまた、要らぬお節介を焼いたと後悔しているだろうか。
高須の表情は窺えない。
私に上着をかけると背を向けてしまったし、敢えて茶化すようなことを言っている私は私で、
どんな風になっているのか知れない自分の顔を晒してしまうのが嫌だった。

「だが安心しろよ高須。どうやら私は、そこまでおまえのことを嫌ってないみたいだぞ。
 それよりも、その、なんだ……──」

「先輩?」

小さく唱えたありがとうは強まる雨音にかき消され、結局きちんと届くことはなかった。
……らしくないな。

「おお、そうだった。これで借り二つになったんだな。
 セクハラに抵触しないようなこと以外なら大抵の頼みはきいてやるよ」

普段らしさとか、そんなもの気にも留めたことなかったが、今はその普段らしさが無性に恋しくなった。
ここのとこ板についてきた軽口に、高須も肩の力を抜く。

「しませんよセクハラなんて。ていうか、いいですよそんなの。俺も貸しだなんて思ってないですから」

「おまえが良くても私の気が済まねえんだよ。借りっぱなしは性に合わねえ」

「俺の気は無視ですか……まあ、なら、その内でいいですよ」

その内か。その内、ね。

「よーし。忘れんなよ高須、その内が来たら私の気が済むまで良い思いをさせてやる」

不承不承といった感じの高須に弾んだ声で言うと、背後から苦笑をもらす気配がした。
来るのかどうかすらわからない「その内」が、私はどこか待ち遠しいように思った。
そしてそれと共に、そんな想いに反し、降りしきる雨と消えかけの温もりがもう少しだけ続けばいいとも。

                              〜おわり〜


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