- 戦隊シリーズ総合カップルスレ 19
369 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/05/16(金) 15:46:26.25 ID:pnoDHwp+ - アバレでえみポンが普段と違う大人びた出で立ちで現れた時に
青が呟いた「驚いたな…」 萌えが膏肓に入った瞬間。 この流れなら勇気が出せる。 爆竜青笑『自制の視線』。今回はエロなし。 苦手な方は適宜NG願います。
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370 :爆竜青笑[sage]:2014/05/16(金) 15:48:28.79 ID:pnoDHwp+ - 『自制の視線』1/3
南国の強い日射しが、カーテンの隙間から室内に注がれている。光は笑里が手にする書類の余白に反射し、赤縁眼鏡の奥の彼女の目に襲いかかる。 笑里はまばたきを繰り返しながら、カーテンをしっかりと閉じた。 「暗くなっちゃったかな?…先生、暗いですか?」 「いや、大丈夫だ」 応接用のソファで新聞を広げていた幸人は、紙面から目を離さぬまま答えた。 カリスマ整体師と呼ばれる彼が顧客に呼ばれ、秘書である笑里を連れてこの国を訪れたのは、昨夜のことである。今いるホテルに一泊し、今朝早くに 施術を終えてきた。その後は再びホテルに戻り、幸人は休憩、笑里は発生した種々の書類の確認をしているところである。午後にはまた、飛行機で別な国へ 出発する予定だ。 「なあ今中」 「はい」 「それ、自分の部屋では出来ないのか?」 当然のように昨夜幸人が使ったベッドに腰をかけているが、二人は何ら特別な間柄ではない。笑里の部屋は別に取ってある。 幸人の言葉に、笑里が顔を曇らせる。 「だって、心細いんですよぉ、ひとりだと。初めての国ですもん…。昨日の夜も怖くって……もしかして邪魔ですか?」 「……いや」 幸人は軽くため息をつき、新聞をめくった。笑里は一瞬、不思議そうな表情を浮かべたが、特に気にする風もなく仕事に戻った。 新聞に顔は向けたまま、幸人は横目でそっと笑里を見た。 ノースリーブの白のブラウスに麻のタイトスカートを合わせた服装は、整体師の秘書にふさわしい清潔感に溢れている。長い黒髪を 後頭部でゆるく纏めた髪型も涼しげで、笑里を大人の女性に見せていた。……外見だけは。 (困ったヤツだ本当に……) 心の中で頭を抱える。 今中笑里は、無邪気である。 若い男の部屋でベッドに座り、「心細い」の「怖い」のと口にするのがどういう事か。自らの手でカーテンを 閉め切る行為が男の目にどう映るのか。 そんなことに、全く思いが至らぬ程に。
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371 :爆竜青笑[sage]:2014/05/16(金) 15:49:49.81 ID:pnoDHwp+ - 『自制の視線』2/3
幸人の秘書になる前、笑里は天真爛漫であどけない高校生だった。少々賑やかすぎる所はあったが、戦いの中にいた幸人や仲間たちにとって 彼女の朗らかさ、優しさは救いであった。両親に深く愛されて育ったが故だろうか。周囲に惜しげもなく愛情を振り撒く笑里の姿は貴く、 仲間のためなら年上の男(幸人だ)すら躊躇なくひっぱたくような純粋さも含め、愛すべき存在であったことは間違いない。 が、女性として見たことは当時はなかった(と思う)。成績優秀とは言い難かった彼女を雇用したのも、時折暴走するものの、異様に強い メンタルを気に入ってのことで、下心は何もなかった(筈だ)。 しかし、事情とは刻一刻と変わるものである。 側においたが故に、笑里が徐々に花開き色づいていくさまを間近で見せつけられる羽目になった訳である。それを余裕をもって眺め楽しむ程、 幸人は枯れてはいない。 (…………辛い) ぬける様に白い肌。近頃は、濡れたような艶を帯びてきている。形のよい唇は時折「あれ?」「あ、そっか」などと子供じみた呟きを漏らすが、 ベージュピンクの口紅がよく似合う。 露出した肩はやはり眩しいほど白く艶やかだ。そこに繋がる腕はすんなりと伸び、若さを感じさせる。そして……腕と腕の間に挟まれた胸は。 (窮屈そうだな……) 高校生の頃から、思いの外ボリュームがある事には気付いていたが、まだまだ成長の途中のようである。 自らの掌が熱くなるのを感じつつ、幸人は笑里から目が離せない。無意識に己の唇を撫でながら、笑里に視線を絡みつかせる。……唇を這わせる代わりに。 首筋。鎖骨。 腰。太もも。 笑里のパーツの全てが、幸人を捕らえ、悩ませる。 仕事柄、幸人はさまざまな女性の身体に触れる。中には相当な美女もいれば、有名女優だっている。 しかし、見ているだけでこのような気持ちになるのは、 世界でただひとりだ。 笑里に、恋をしている。 自覚したのは、最近のことだ。 (……抱きたい) 抱き締めたい。肌に触れたい。 彼女の深い部分に、自分を刻み込みたい。 それは、今の状況ならば、恐ろしいほどに容易いことである。 (お前が、悪いんだぞ……) 汗ばんだ手で新聞をたたみ、幸人はゆっくりと立ち上がった。
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372 :爆竜青笑[sage]:2014/05/16(金) 15:56:00.10 ID:pnoDHwp+ - ごめんなさい3レスじゃ終わらなかった
『自制の視線』3/3-1 と、同時に。 「よっし、終わり!えみポン頑張った!」 仕事を終えたらしい笑里が小さくガッツポーズした。不必要に元気良く立ち上がり、シャッ、と軽やかな音を立てながら、カーテンを勢いよく開く。 光が入り込み、部屋の中すべてがクリアになった。 瞬間我に返り、背筋が凍る。 (何を……俺は……しようとした?) 呆然と立ちすくむ幸人の耳に、笑里の屈託のない声が届いた。 「ねえ先生、まだ時間あるし、あたし散歩して来ていいですか?……あれ?どこか行くんですか?」 「………」 「先生?」 「いや……」 なんとか気を取り直し、いつもの冷めた表情を作る。 「ひとりじゃ心細いんじゃなかったのか……?」 「それはそうなんですけどぉ、この景色ですもん。頑張って歩いてみようかなって」 笑里の指さす窓の向こうには、青い海と白い砂浜があった。南国特有の色鮮やかな花がそこかしこに咲き、太陽の光を受けてキラキラと輝いている。 その光で、宝石を作ったならば。 それはきっと、笑里の今の表情に似ていることだろう。 まだ血の下がりきらない頭を軽く振り、改めて笑里を見つめる。 「……何か?」 幸人の視線に一瞬戸惑いを見せた笑里だが、すぐに笑顔に戻り、幸人を見つめ返してくる。……真っ直ぐに。 視線が、心に刺さる。 何も変わっていない。笑里はあの頃のままだ。あどけなく、純粋で、優しい。そんな彼女に傷を付けてどうする。もしも欲望のままに動いていれば、 永遠に失ってしまったことだろう。この笑顔も、笑里自身も。
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373 :爆竜青笑[sage]:2014/05/16(金) 15:59:08.64 ID:pnoDHwp+ - 『自制の視線』3/3-2
「今中。俺も連れて行け。……話がある」 「えっ」 さっと笑里が青ざめる。 「ふぇぇ……話って……まさか、解雇、ですか……?先生が探してた書類、シュレッダーかけたのばれちゃいましたか……? 」 「それは初耳だな。その話もあとでじっくり聞こう。……行くぞ」 違うんです、わざとじゃないんです、などと呟きながら硬直している笑里を引き摺り、ドアに向かう。 劣情が消えた訳ではない。時を重ねるごとに強まっていくだろう。いつかは、思いを遂げたい。 その為に、まずは伝えなければ。笑里が、世界でただひとりの存在であることを。ならなければ。笑里のただひとりの存在に。 それが順序というものだ。 (嫌われてはいない筈なんだがな……) 男子中学生の如く震えそうになる足をなんとか動かし、表面上は涼しい顔を崩さず、幸人は、愛する笑里とともに部屋を出た。 以上です。読んで下さった方、どうもありがとうございました。 頃あいをみて、エロ有物件も投下させていただきます。
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