- 金田一少年と探偵学園エロパロ事件簿 〜File5〜
148 :高遠×ジゼル[sage]:2014/05/14(水) 22:13:46.67 ID:bRpEwinm - 聞くのが野暮でしたね
高遠×ジゼル投下させていただきます お嫌な方はNGしてください 遠くから響いてきた消防車のサイレンに、小さな部屋の片隅で震えているジゼルを見つけたのは、帰ってきた夜23時のことだった。 「…大丈夫ですか?」 背中をさすると、ぎゅうっと服の裾を掴まれた。 月読ジゼル。 ローゼンクロイツを名乗り、母の仇討ちをしようとした挙句、私に罪を着せようとしてあの少年に正体を見抜かれた、お粗末な「犯人」。 彼女の犯罪計画は私から見れば穴だらけで、到底芸術的とは言えない愚かしいものだった。本来であれば大人しく檻の中に入って、私を愚弄するような真似をしたことを悔いていればいい所だ。 しかし……彼女は曲がりなりにも私の異母妹で、今となっては自らの「ルーツ」を探るための唯一の手掛かりである。 そこで仕方なく彼女を脱獄させ、こうして逃亡生活に連れ歩いていた。 初め、ジゼルは抵抗した。 しかし、今戻れば脱獄の罪が重なると嘲笑ってやると結局彼女は私を睨めつけながらも従った。 そんな憎み合うような、同じ部屋に住みながら避け合うような、ぎこちない兄妹生活も、もうだいぶ長い間になった。 当然と言えば当然だが、それでも相変わらず彼女の態度からは距離が抜けないままこの日まできたのだ。 頑なだった彼女の変化に、私は少し驚きを感じた。 「…ベッドに入りましょう。冷えます」 手を引くと、幼女のように彼女は従った。布団をめくり入れてやる。 しかし、それでも震えが止まっていないのを見て、私はしばしどうすべきか迷った。 今彼女はまさにフラッシュバックの只中にいるのだろう。あの燃え盛る悪夢の中に。 救いを求めるようにのばされた手は、痛いほどに強く私の手を掴んだままだ。 「………」 仕方なく、私は自らもジャケットを脱いでベッドに滑りこんだ。 しばらく誰かが側に居れば落ち着くだろう。それが私という、彼女にとってもけして好感情を抱いていない「兄」でも。 そう思って、ため息をついた時ーーー 「…おにい、ちゃん」
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149 :高遠×ジゼル[sage]:2014/05/14(水) 22:25:18.19 ID:bRpEwinm - 吐息にほぼかき消されそうな小ささで、呼ばれた名前。
「………ジゼ、ル?」 正直、面食らった。 そんな呼び名で呼ばれたことは一度もなかった。 しかし、ぎゅっと目を閉じ、錯乱のさなかにいる彼女は一層強く、両手で私の手を取り、がたがた震えながらたすけて、おにいちゃん、たすけて、と譫言を繰り返した。 「……君は、本当にばかだ」 ……そうだ、私と違い彼女ははっきり異母兄がいることを知らされていたのだった。 幼い彼女は、優しい兄を夢想したのかもしれない。その正体が、殺人鬼とも知らず…… そっと、背をさすった。 柔らかくて細いからだ。何一つ、自分には似ていない。 しかし、確かに同じ血を半分分けた…妹。 「…大丈夫ですよ。ここにいますから」 らしくもない台詞が口から零れた。 情愛など、何も知らない。 けれど、もしかしたら、この気持ちがそうなのかもしれない、などと血迷った考えが過った。 「………」 泣き出しそうな顔で、くちびるを小さく結び尖らせて、ジゼルは私のシャツの胸を握った。ぎゅうと押し付けられた顔、息の温度が布越しに伝わる。 少しまるみを帯びた肩を撫で、髪を梳いてやった。馬鹿馬鹿しい兄妹ごっこ、と思う。 彼女と私は他人だ。確かに多少遺伝子は共通している…だがそれだけだ。 ……なのに、突き放せない。 背をさすっていた手は、いつの間にか彼女を抱き寄せていた。 「……ぁ…?」 ジゼルが目を開けた。 潤んだ瞳が私を見上げる。 微かに開いたうすい紅色のやわらかなくちびるから、小さな歯が見えた。
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150 :高遠×ジゼル[sage]:2014/05/14(水) 22:26:43.08 ID:bRpEwinm - 「………!っ、ふっ」
……後から思い返しても、それは衝動としか言いようがなかった。 気づいた時には、私はそのくちびるにくちびるを重ねていた。 胸のあたりが締め付けられるように息苦しい。急激に体温が上昇する。理性はおかしいと知覚しているのに、くちびるを離すことができない。それどころか、彼女は抵抗することもなく、口づけは深く深くなっていく。舌が絡み、ざらつく感触に熱い唾液が混ざり合う。 「!…っ、は」 どのくらいそうしていたのか。酸素不足にくちびるを離した。 訳が、わからない。 濡れたくちびるのままのジゼルも同じ顔をしていた。 だが、次の瞬間、決壊したかのようにその大きな瞳から涙が溢れた。 「…お兄ちゃん…!」 正気なのか、壊れてしまったのか。彼女はタガが外れたように私に縋りついてきた。 必死に腕を回ししがみつく。再びくちびるがふさがれ、無茶苦茶なキスをされた。ぼたぼた涙が落ちてくる。微かな息継ぎの間に、んっ、ふぁ、と鼻にかかった苦しげな、しかし扇情的な声が洩れた。甘い、まだ少女の名残を残した肌のにおいがする。 「ひとりにしないで…!こわいの、たすけて、そばにいて、いかないでっ…!」 やはり錯乱している。そう思うのに振り払えない。柄にもなく混乱する私に、彼女はさらに追い打ちをかけるように叫んだ。
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151 :高遠×ジゼル[sage]:2014/05/14(水) 22:27:42.89 ID:bRpEwinm - 「私、あなたが憎い…けど、なのに…嫌いだけど、あなたは、私のたったひとりのお兄ちゃんで…でも、残酷なひとごろしで…!」
正気、なのか? 「だけどこんなにあったかくて…おかしいのに…いないとさみしくて…きらい、なのに、……すき、なの」 「………」 私は言葉を返すことが出来なかった。 おそらく、彼女は大きなジレンマを抱えていたのだ。 唯一の肉親という、愛情を持って当然な関係性の人間が殺人鬼であり、しかしその事が彼女に一種の勇気を与えて犯行に走らせた。 憎しみと愛情が絡まり軋む、その音が聞こえる気がした。 彼女の中から…同時に、私の中からも。 「君と私は他人です。高々半分の血の繋がりなど、どうだっていいことだ」 ーーー自分でも驚くほど、平坦な声が出た。 ジゼルが揺らいだ眼差しを向けてくる。 そう、取るに足らないことだ。 「………だから、こうしても、なにも問題はないんですよ」 半ば自分に対して呟きながらーーー私は彼女の衣服を剥ぎ取った。
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