- 【獣人】猫耳少女と召使いの物語18【ヒト】
840 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/05/13(火) 17:49:50.61 ID:Y5JWzoLM - ロボット人外超越者×僕っ子猫娘
こういうお話、あ…アリですか? ちょっと怖いので軽いジョブ程度に冒頭だけ投下します たまには直貼りで
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841 :中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek [sage]:2014/05/13(火) 17:51:01.91 ID:Y5JWzoLM - 『宇宙歴17738年8月14日|一七四三《ヒトナナヨンサン》。当機はこれよりパイロットの生死確認を行います。
睫毛反射と対光反射の診断を行います――完了。直接反射と間接反射の消失を確認しました。 胸部聴診の診断を行います――完了。心音と呼吸音の途絶を確認しました。 心電図によるモニター検査を行います――完了。心電図波形に反応が有ります。 当機は継続してサージェント、ロセターの心電図を観察します。1800秒後に再び心電図検査を行います』 『1800秒経過しました。サーシェント・ロセターに心電図によるモニター検査を行います――完了。心電図波形に反応有りません。 脳死判定の必要性――ありません。死斑の発現を確認しました。 宇宙歴17738年8月14日|一八二五《ヒトハチフタゴ》。 第561星 G-836開墾団 識別番号H882AGTP 開墾採鉱用マシンパイロット、サージェント・ジョセフ-ロセター軍曹の絶命を確認しました。 死因は不慮の時空間移動の際のショックによる心臓発作と推測。当機は三度に渡る蘇生措置を行いましたが、これを持って終了とします。 パイロット死亡により、当機はこれよりパイロット支援システムから人工AI"ディード"による自立航行システムに移行し、救難待機モードを開始します。 当機は航行エネルギーをEまで引き下げ、救難信号を発信し、これを定期的に記録します』 『宇宙歴17739年8月14日|一二○○《ヒトフタマルマル》。救援ありません』 『宇宙歴17740年8月14日|一二○○《ヒトフタマルマル》。救援ありません』 『宇宙歴17760年8月14日|一二○○《ヒトフタマルマル》。救援ありません』 『宇宙歴17860年8月14日|一二○○《ヒトフタマルマル》。救援ありません』 『宇宙歴17914年7月7日|○七一五《マルナナイチゴ》。惑星を発見しました。 海水と淡水の存在を確認。空気濃度――問題ありません。重力――適正です。 植物の存在――確認しました。生命の存在――確認しました。 銀河同盟加盟の有無――確認できません。文明が未発達の惑星のようです』 『惑星の中心に最も大きな大陸を確認しました。多数の生命反応があります。当機はこれより破損個所の補修、及び燃料の供給を行うために救難待機モードから 採集探索モードへと切り替えます。採集探索モードでの行動は、人工AI"ディード"による自動航行システムが継続して適用されます。 文明未発達の原住民に配慮して、当機はステルスモードでの着陸を試みます』 『大気圏に突入しました。これよりステルスシールドを展開します。――不可視化に成功しました。 地表への到着まで、あと――――……』
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842 :中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek [sage]:2014/05/13(火) 17:55:44.51 ID:Y5JWzoLM - ◇◆◇◆
「ミラ!! お前、いつまで寝てるんだ!! とっとと起きて学校行け!!!」 「うー……にゃぁ〜ん……」 今日もお兄ちゃんの怒鳴り声という素晴らしく正確な目覚まし時計が僕を起こしにかかってる。 僕はまだお布団っていう超絶イケメンに抱かれていたいのに、なんで邪魔するのかな。 人の恋路を邪魔する奴はウマに蹴られてしっぽりヤられちゃんだぞ。 んんー、いま何時? ……あ、7時20分だ。学校が始まるのは8時。家から学校までは歩いて10分。 「……よし、あと30分寝よう」 そう決めて僕がもう一度布団をかぶろうとしたら、情け容赦なく布団が引っぺがされた。 あん、どいひー。 「う゛にゃあぁぁぁ〜か〜え〜し〜てぇ〜……」 「ったく、このグータラ娘が!! そんなんじゃ期末試験落っこちてまた留年するぞ!! いい加減魔法学校を卒業しろ、何十年学生やってるんだ!」 「んん〜150歳になるまでには卒業する所存でございます兄上〜」 「いいから起きろ!」 僕の決意表明はアッサリ一蹴されて、お兄ちゃんにベッドの下に蹴り転がされた。 ネコだから床の上で受け身をとったけど、流石に床の上でもう一度寝なおす気にはなれなかった。 うー……もう7月入ったじゃんかぁ〜……。僕の中ではもう夏休みなんだよ……。 魔洸クーラーの効いた涼しい部屋で分厚い布団被って寝る以上の至福を僕は知らないよ。 きまつしけん? なにそれおいしーの? だけどお兄ちゃんにたたき起こされて渋々起きた僕は、髪をとりあえず的にブラッシングしてリボンの可愛いセーラー服に着替えた。 鏡の中にはだるそーで寝ぼけた顔をした僕が、これまただるそーな手つきで適当に化粧をしている。 他が適当でもアイメイクだけはガッツリ。これ女学生の鉄則。 ……うん、今日はマスカラが上手くついた。よしとしよう。 「ミラー、俺は先に家出るぞー。サボらないで学校行けよー」 僕がリビングに降りていくと、ちょうどお兄ちゃんがスーツに鞄を持って玄関の方へ行くところだった。 とててて、と歩み寄って靴ベラをお兄ちゃんに差し出しながら僕はこっくり頷いた。 「うん。……たぶんー」 「お前はまた……。お弁当と朝飯、テーブルに置いておいたから持っていけよ」 「ははー、有難き幸せ。良き主夫になりますぞ兄上。将来のお嫁ちゃんはさぞかし幸せでしょうな! 今日も元気に働いてらっしゃいませー」 「……あぁ」 お兄ちゃんはなんか妙な間を開けて返事をした後、ぽんぽんと僕の頭を撫でてから会社へと出かけて行った。 後ろ姿からしてもう働く男オーラをキラッキラさせてね。おー、仕事の出来る男、眩しいぜー。 いやはやなんて働き者の兄なのだろうか。このぐーたら妹とは全然違うわー、すごいすごーい。 ま、違って当然なんだけどさ。うちの両親は再婚で、僕とお兄ちゃんは連れ子同士だったし。 そんな両親が8年前に仲良く事故で死んじゃったもんだから、この家には今は僕とお兄ちゃんの二人だけなんだ。 ネコのクセに妙に義理堅いお兄ちゃんは、こんな血も繋がってないぐーたら妹の為に働いてくれる上に家事までしてくれちゃうスーパーマンだ。 いやー、実に良い兄を持った。これで僕の生活は安泰だな。天国の母ちゃん、ぐっじょぶ。天国で父ちゃんとよろしくやっててくれ。 時計を見れば、7時40分だった。ふむ……僕も出かけるとするか。 僕はリビングに取って返して、鞄の中にお兄ちゃんお手製のお弁当を入れた。 朝ごはんはラッピングされたサンドイッチだったから行きがけに食べればいいや。 流石お兄ちゃん、僕のものぐさがわかってるなー。
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843 :中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek [sage]:2014/05/13(火) 18:02:13.68 ID:Y5JWzoLM - 「……あぢぃ……」
外に出ると、太陽が元気に僕を焼きにかかってきた。7月7日、朝7時42分天候晴れ。 こんな日は絶好の引きこもり日和だ、間違いない。 このまま家の中に取って回れ右したくなったけど、僕は意志判定に成功して学校への一歩を踏み出すことになった。 ……うん、たまにここで失敗することもあるんだけどね。 「あー……今日は一時限目が魔法理論かぁ。朝っぱらからあのハゲ面を見るのかと思うと憂鬱だなー……。その次は古代文学だし。んぅー……」 やっぱり家に戻ろうかな、とか考えながらも僕が家の敷地を出た。 ――その時だった。 ズガァァァァァァアァアアァァァァアアアン!!! 「にゃーーーーーーーーっっっっ!!!??」 後ろからものすごい爆音と爆風が襲ってきて、僕は前にふっとばされた。 そりゃもーすごい突風に巻き込まれて前のめりに転んだけけど、鮮やかな一回転を決めて僕は地面に両足をつくことに成功した。 おぉ、こりゃ満点だ!! 『着陸成功。位置情報確認――完了。地図情報を記録しました。予定到達地点より15mの誤差を検知。これを許容範囲として受理します。 宇宙歴17914年7月7日|○七四五《マルナナヨンゴ》、当機は惑星αへ着陸しました』 「な……え……」 後ろから聞いたこともないようなキンキンした声が聞こえて、それと同時にガラガラと不穏な音が聞こえた。 まるで、瓦礫の山を崩すような……そんな、音が…… 僕は振り返ろうとしたよ。あぁもちろん。だって僕の背後でなんかヤバい事が起こってる。 絶対的にありえない事が起こってるに違いないってわかってたから、事態を把握しようと思うのは当然だよね? でも……でもさ……人間、あんまりにもビックリすると本当に腰が抜けるんだね。 僕はその場でペッタリ座り込んじゃったよ。 「なに……なにが、なん……」 『確認。着陸の際に原住民の住居と思われる建物を損壊した模様。損壊の規模を計測します――約80%。全壊の域に到達すると推測』 「え……、うぇぇ……?」 『確認。この惑星の原住民と思われる種族を発見。分析します――完了。 染色体XXを持つ健康体と推測。感染症の恐れはありません。 銀河同盟に加盟している第271星のカッキラム族に酷似しています。 人工AI"ディード"は、速やかにカッキラム族の種族情報の取得を開始します』
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844 :中古奴隷の人 ◆47BLRcU4Ek [sage]:2014/05/13(火) 18:05:33.56 ID:Y5JWzoLM - 何を喋ってるのかぜんっぜんわからないけれど、なんか後ろに誰かいるのは間違いないみたい。
……誰か? 何か、じゃなくて? 僕はなんで後ろにいるのが"誰か"だと思ってるんだろう。人間じゃない可能性だってあるじゃないか。 僕が見たこともないような、訳のわからない未知の生物の可能性だってあるじゃないか!! 未知の生物っていったら、ヒト……とか!? 『カッキラム族の種族情報を取得しました。原住民との交流と情報交換の為、人工AI"ディード"はマシンより分離しカッキラム族の染色体XYに擬態します――』 えーーい!! 考えたってわかるわけないだろう、僕バカなんだから!! 振り返れ、振り返るんだ僕!! 話しはそれからだ!! そして盛大に乙女っぽい悲鳴を上げて失神でも何でもしてやろう。 よし、振り返るぞ!!? いいか!? 振り返るぞ!? ――っ、せーの!! 「………………」 「………………」 結論から言おう。僕は悲鳴は上げなかった。だけど 「うちが……ない……」 「Береженог!!?」 あぁ、僕の家……正確に言えばお兄ちゃんが相続して僕は寄生していた素晴らしき引きこもりホームが。 綺麗に家の隣にあった物置小屋だけを残して、跡形もなく瓦礫の山と化していた……。 瓦礫の山と化したなんかスゲー美形なマダラ男がいて何かわけのわからない言葉で叫んでた気がするけど、僕の意識はぷっつりと途絶えてしまった。
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845 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/05/13(火) 18:08:06.22 ID:Y5JWzoLM - 以上です。こんなんでもイイデスカ…
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