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八千代様の外出
【合法ロリ】見た目幼い女性【ロリババア】その4

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【合法ロリ】見た目幼い女性【ロリババア】その4
850 :八千代様の外出[sage]:2014/05/10(土) 22:12:32.55 ID:8qhg1KTW
約一年の沈黙を破り、ロリババアスレよ、私は帰ってきたッッッ!!
そんなわけで八千代様のシリーズ最終話をお送りいたします!
ちびちびと前二作で張ってた(わかりにくい)伏線が前提になってるので、読み返し推奨とだけアナウンスさせていただきます!
【合法ロリ】見た目幼い女性【ロリババア】その4
851 :八千代様の外出[sage]:2014/05/10(土) 22:14:04.37 ID:8qhg1KTW
 「健坊。お主、自分の事が嫌いじゃろう?」

 と、唐突に八千代様は切り出した。

 ここはいつもの『離れ』の一室ではない。
 磨かれた木製のテーブル、テーブルの上の料理のメニュー。
 室内に響く、第三者達のそれぞれの会話や食器の擦れ合う音。
 穏やかな間接照明の明かりに照らされた壁の反対側には、陽光に照らされた通りが窓の向こうに見える。

 「いや、嫌い………というほど積極的なものではないな。それ以下じゃ。自分自身に興味が無い――――――こう言った方が正しいじゃろう。」

 八千代様は自分で注文した紅茶に一度口をつけてから、言葉を改めた。
 そんな砂糖とジャムを大量にぶち込んだシロップみたいなものを良く飲めるな、と頭の片隅の自分がそんな暢気なことを考えていた。
 俺の手元には対照的な黒いコーヒーがゆらゆらと湯気を立てていた。

 「――――――別にお主のその性質について、どうこう言うつもりはない。ただの確認作業のようなものじゃよ。深刻に考えずともよい。雑談のついでのようなものじゃ。」

 俺は何も答えない。
 答えられなかった。

 指先まで体が奇妙に痺れている。
口は城の門のように頑なに閉じられて、開かれることを拒んでいた。
 そのくせ目と耳はせわしなく周囲の情報を拾い集め、脳はそんな自分を冷めた温度で俯瞰していた。

 「健坊。儂はお主の事が好きじゃよ。」
 
 いつものからかうような調子ではなかった。
 ただ当たり前のように語られる、本心からの言葉だった。

 八千代様はそう言うと、その幼い顔立ちに似合わない、いやになるほど大人びた笑みを浮かべた。
 微笑んだ拍子に、こめかみから垂れる白髪がさらりと揺れる。
 赤い瞳がこちらを見透かすように見つめた。

 きっとその眼には、自分が今どうなっているのかも、何を思っているのかもお見通しなのだろう。


 ――――――思ってみれば、俺は彼女のその眼がずっと苦手だったように思う。
       自分の底の浅さを見透かされているようで落ち着かなかった、
       自分が薄っぺらな人間だと、自分が良く知っているから。

 俺は何も答えない。
【合法ロリ】見た目幼い女性【ロリババア】その4
852 :八千代様の外出[sage]:2014/05/10(土) 22:15:00.42 ID:8qhg1KTW
 「健坊。儂は――――お主のことを愛しておるよ。」

 八千代様がもう一度口を開く。
 その言葉を、俺の脳が乾いたまま処理する。
 言葉の意味をゆっくりと噛み砕いていく。


 アイシテイル。
 あいしている。
 愛している。

 ――――――愛。愛とは何だろうか?

 その問いに対する答えは持ち合わせていなかった。
 単純に難しすぎる問題だった。

 代わりに俺は空を仰いだ。
 空の代わりに見えるのは天井だったのだが。

 八千代様は変わらず俺を見つめている。
 俺は何も答えない。
 俺は何も答えない。
 俺は何も答えられない。


 俺は―――――――――、


******


 俺の父親は家を空けることが多かった。
 カメラマンというその職業柄、被写体を求めて色々な場所へ赴く必要があるというのはわかっている。
 それを考慮しても家にいる時間は随分少なかっただろうと思う。

 いや、露骨に言うと、家を避けていた―――その方が正しいと思う。
 家は父にとって帰る場所ではなかったのだ。

 母から聞いた話では、父は元々奔放な人間で一つ所に留まる事をしない気質の人間だったという。
 そんな父はたまたま母と恋に落ちて、『図らずも』家庭を持つことになってしまったのだ。
 最初の頃は父も家を大事にしようと志していたらしいが、次第にその性分が首をもたげてきて、仕事にかこつけて家を留守にすることが多くなってきた。
 母もその性分をわかっていて結婚したのだろうが、それでも実際問題として夫婦仲は少しずつ冷えていった。
【合法ロリ】見た目幼い女性【ロリババア】その4
853 :八千代様の外出[sage]:2014/05/10(土) 22:15:56.36 ID:8qhg1KTW
 父が家に夜遅く帰ってきて、母と口論していた時のことを幼心におぼろげに覚えている。
 話の内容自体は覚えていないが、家庭を顧みない父に対して母が喰ってかかり、父が淡々と突き離していたのは覚えている。
 そんなときにふと、自分の心に浮かんできた言葉がある。


 「そうか、自分は生まれてこなければよかったんだ。」


 その言葉は奇妙な確信と実感を伴って、自分の胸の内にするりと納まった。

 父と母が喧嘩をしているのは、父が家庭を大事にしないからであり、そもそも家庭が無ければそんな喧嘩はないはずだった。
 ではなぜ家庭があるのかというと、それは『自分がうまれたから』なのだ。
 ならば、自分は生まれてくるべきではなかったのだ。

 自分が得たこの考えに関しては、今まで誰にも言ったことはない。
 言う必要もないと思ったからだ。
 ただ、幼いころからその確信はずっと変わらず胸の内にあり続けた。

 そうして、両親が離婚して俺と母が百蔵の屋敷で暮らし始めたのは、俺が中学生になる頃の話だった。
 微妙な居心地の悪さを感じながらの実家暮らしを中学生、高校生の間過ごした。


 そして、俺は八千代様に出会った。


******


 本日は快晴、湿度は低い。
 空を見上げれば綿菓子のように白い雲が空を悠々と泳ぎ、住宅地のベランダを見れば奥様方が洗濯物を吊るしているのがよくわかる。
 かくいう俺も今日はきちんと洗濯物を干してからの外出である。
 午後に雨が降らないのは予報で確認済み。
おかげで気分は上々、後顧の憂いは無し。

 だが、実際に街中を歩く俺の表情は何だか妙に固かった。
 苦虫を噛み潰したのに苦くなかったことに疑問を感じているような表情で固定されている。

 ポケットから携帯電話を取り出し液晶で時間を確認すると、午前十一時の十分前。
 待ち合わせの時間には駅に着くだろう。

 待ち合わせ。
 そう、待ち合わせなのだ。

 ――――――よりにもよって八千代様と。

 八千代様である。
 あの百蔵家数百年の歴史の生き証人である不老の少女であり色素が死滅するまで引籠り生活を続けて何をするにもまずもって他人を自分のテリトリーに呼びつけることで用事を済まそうとするはずのあの八千代様が、である。
 あの八千代様が、外で待ち合わせをする、というこの異常事態。
 あまりの異常事態に俺は今日午後の天気が急に霰、雹を通り越して氷河期になってもおかしくないと思い始めている。
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854 :八千代様の外出[sage]:2014/05/10(土) 22:17:02.10 ID:8qhg1KTW
 「洗濯物を取り込んでくるべきだろうか……。」

 気が動転しているあまり変な事を考えている。
 額をぴしゃり、と叩いて雑念を追い払った。
 手元の携帯電話を操作して、数日前に来たメールを読み返す。

 そのメールの件名には実にわかりやすく、『デートじゃ!』と書いてあった。
 本文には土曜日―――つまり今日、駅前にて待ち合わせ云々と書いてある。
 無論、どういう風の吹き回しなのだという旨の返信をこちらも送ったのだが、八千代様からは『黙ってデートコースでも吟味しておくがよい』というありがたいお言葉が頂けたのみであった。

 呼び出すだけ呼び出しておいて行く先はこっちが決めなければならないという理不尽な事態に、当然俺も呆れかえった。
 まぁ、メールを精読してみると、自分の長い引籠り生活の間に巷がどのように変わったのか見て見たいというのが八千代様の希望だというのがわかったので、俺も渋々了承することにした。

 そんなこんなで本日十一時に駅前にて八千代様と待ちあわせることになったのである。

 「……………はぁ……。」

 我知らず、憂鬱気なため息が口から漏れる。

 煩わしい――――――と思う。
 俺は別に八千代様のことが嫌いだというわけではない。
 ただ単純に老体なら老体らしく、部屋で黙って茶でも啜っていてくれればいいのに、なんやかんやと好奇心で手を出す度に呼びつけられるのが面倒なのだ。

 ただ、よしんば部屋で茶を飲んでいるのだけにせよ、自分が茶飲み話に付き合わされる立場なのは明白なのだが。
 兎にも角にも、俺は随分八千代様に振り回されているのだ。

 「しっかし、なんで俺がねぇ……。」

 ぽつり、と疑問が口から零れ出る。
 それは、それこそずっと前からついて回っていた疑問だった。

 どうして自分なのか。
 どうして八千代様は自分を選んだのか。

 疑問それ自体はずっと頭の中にあったが、不思議とそれを八千代様に尋ねたことはない。
 尋ねたところで別にどうということでもないと思うし、聞いたところで大した答えがあるわけでもないという気がする。
 それとも――――――。

 「ん、ついたか。」

 とりとめのない思考を打ち切って、視線を前に向ける。
 考え事をしている間に目的地である駅に到着していた。
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855 :八千代様の外出[sage]:2014/05/10(土) 22:17:54.08 ID:8qhg1KTW
 特に何の変哲もない、地方の駅である。
 白い駅舎に自転車置き場、駅前にファストフード店とコンビニがある。
 駅員不在で改札すらないような寂れた駅でもないが、一日数万人が利用しビルが隣接しているような豪華な駅でもない、ごく普通の駅である。
 今日は休日であることもあってか、平日よりやや人が多いように見受けられる――――――とはいっても微々たるものだが。

 「……まだ来てないな。」

 ぐるりと周囲を見渡して、八千代様らしき人物がいないのを確認する。
 あの白髪頭は外なら相当に目立つはずだが、今は見当たらない。
 俺は時計を確認して、待ち合わせの時間まで五分程度あることを確かめると、黙って八千代様を待つことにした。

 彼女より先に到着する事が出来たのは僥倖だった。
 自分の方が遅く着いたのならあとでどのような文句を言われるのか想像したくない。

 だがしかし、だからこそ、


 「――――――遅いぞ健坊。」


 と背後から声を掛けられた時は心臓がとまるほど驚いた。
 足もとに爆竹を投げ込まれた鶏みたいな勢いで後ろを振り返る。

 そこには見慣れない少女がいた。
 いや――――――先ほど掛けられた声から、八千代様であることは察しがついているのだが、自分の知っている八千代様と目の前の人物がとっさに結びつかなかったのである。
 結果として俺は、碌な言葉も無いまま阿呆みたいに口を開けて突っ立っていることしかできなかった。

 「…………………。」
 「なんじゃ、健坊。鳩が50口径弾喰らったような顔をしとるぞ。」

 先ほど『遅いぞ』と言われたように、俺がここに来た時には既に八千代様はここに来ていたのだろう。
 それでも一度確認したにも関わらず、俺が八千代様に気がつかなったのは、彼女がその特徴的な髪の毛を隠していたからである。

 長い長い白髪は纏めてアップにしており、頭には鍔広の帽子を被っている。
 上着にはベージュ色のカーディガン、その下には桜色のキャミソールをインナーに着ており、首の周りには淡い藤色の薄手のマフラーを巻いていた。
 下半身は白のフリルが飾りについた水色のスカートで、黒のニ―ソックスと赤いローファーを履いていた。
 さらに桃色のフレームの眼鏡をかけて、型からは同色の小さなバッグを提げていた。
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856 :八千代様の外出[sage]:2014/05/10(土) 22:18:54.85 ID:8qhg1KTW
 「………………。」
 「おい健坊、なんとか言ったらどうじゃ。逢瀬の際に男が女を待たせるのはあまりに甲斐性が無いとは思わんのか?」
 「……あぁ、すまんかった。」

 脊髄反射的に謝罪の言葉を述べたが、俺の頭はまだ正常な状態に復帰していなかった。
 それくらい、普通の女の子らしい服装に身を包んだ八千代様はインパクトがあったのだった。
 八千代様はそんな俺を訝しげに見て、むぅ、と唸った後合点がいったという風に手を鳴らした。

 「ふむ!何をそんな呆けた面をしておるのかと思ったら、儂に見惚れておったのじゃな?」

 そう言うと八千代様はくるりとその場でターンして見せた。
 カーディガンとスカートの裾がふわりと風に舞った。

 「どうじゃ?通販サイトを眺めながらあーでもないこーでもないと言いつつ、タキエと一緒に選んだ洋服じゃぞ。良く似合っておると思わんか!?」

 八千代様はいつもの皮肉気で老獪な笑みではなく、年頃の少女のような屈託のない微笑みを顔に浮かべた。

 ちなみに彼女の言うタキエとは百蔵の屋敷の中で数少ない八千代様と面識のある使用人の一人で、俺も世話になった事のある人である。
 俺は駅の駐車場のあたりに視線を向けると屋敷で見たことのある車を発見した。
運転席に座っている壮年の女性はこちらを認めると、軽く会釈を返した。

 ――――――わざわざ送ってきてくださってありがとうございます。
 ――――――いえいえ、今日は八千代様をよろしくお願いいたしますね。

 といった目線での会話をその女性―――つまりタキエさんと交わすと、俺は八千代様に向きなおった。
 八千代様はやたらとキラキラした目でこちらを見上げていた。

 「それで、何か感想はないのか健坊?」

 一歩こちらに近づいてきて更に分かった事なのだが、どうやら薄く化粧もしているようだ。
 頬はほんのりと紅色が差し、唇は微かに艶めいていた。
 盛り過ぎない程度のナチュラルメイクだったが、それでも日常的に顔を合わせている仲だからこそその違いははっきりと認識することが出来た。
 普段とは違う八千代様の表情を見せられて、俺はまたしても奇妙な混乱を覚えて頭を振った。

 期待に満ちた視線を向けてくる八千代様に対して俺はたっぷり数秒考えた後、こう答えた。

 「馬子にも衣装というのかな……。」
 「ド阿呆―――――――――ッ!!」

 八千代様の蹴りは正確に俺の脛を捉えた。
 ローファーを履いていたこともあり、非常に痛かったということはここに明記しておく。


******
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857 :八千代様の外出[sage]:2014/05/10(土) 22:19:55.20 ID:8qhg1KTW
 「それで、いきなり外出とかどういう風の吹き回しだよ。」
 「ふむ?」

 俺が向こう脛を蹴り抜かれて悶絶してから数分後、俺達二人は駅前にあるファストフード店で昼食を取っていた。
 店はMの字の看板が特徴的な某世界的ハンバーガーショップである。
 俺は適当にチーズバーガーセットを注文したが、八千代様はメニューを睨みつけてうんうんと唸ってから、期間限定のてりやきたまごバーガーなるものを選んだ。
 本人としては色々試してみたかったのだが、大量に頼んでも食いきれないのは目に見えているからだそうだ。

 「わひのはいふふのいふう?ほんはふぉはははほひあふへはお。」
 「いや、聞いた俺が悪かった。先に口の中を空にしてから喋ってくれ。」
 「んむ。」

 八千代様はそう頷くと口の中いっぱいに頬張っていたハンバーガーを咀嚼してから飲み下して、コーラを一口飲んだ。
 なにやらリスを彷彿とさせる動作であった。

 「儂の外出の理由か?そんなのはただの気紛れじゃよ。」
 「……いつものように。」
 「うむ、いつものようにじゃ。」

 八千代様はそう言って今度はポテトを口の中に放り込んだ。

 「実を言うと、昔から定期的に出かける日を設けておってな。以前外出した時から随分日が経っておるのを思い出したので、こうしてお主を誘った次第じゃ。」
 「定期的って、それはどれくらいの周期なんだ?少なくとも俺が世話係になってからは一度も出かけてないだろ。」
 「二、三十年に一度と言うところかの。」
 「……………。」

 長ぇよ、と突っ込みを入れたかったが、そこはぐっと我慢した。
 この人は色んな意味で時間のスケールが違うのだ。
 俺の呆れた顔を見てとったのか、八千代様は憮然とした表情でつけ足した。

 「むぅ、これでも頻度が増えた方なのじゃぞ?江戸幕府の時代は五十年、六十年と部屋に籠っておるのもざらじゃったからな。」
 「そんなんだから肌が生っちろいんだな……。」
 「まぁ、逆に言えば、今の時代は変化に富んでおるからちょくちょく足を運ぶ意味があるのじゃがな。」

 そう言うと八千代様はポケットから携帯電話…というかスマートフォンを取りだした。
 そういえば先ほど、この店の支払いもこれを使ってやっていたのを思い出した。

 「見るがよい!今ではこの『お財布ケータイ』という機能でどんな勘定もこれ一本で済むのじゃ良い時代になったと思わんか!?」
 「……その代金って百蔵の家の口座から引き落としてんだろ?」
 「うむ、必要経費と言うやつじゃ。」
 「……………。」


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