- 【カゲプロ】カゲロウプロジェクトでエロパロ
12 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/05/01(木) 01:31:05.99 ID:5RgQQMT6 - 如月家
8レス
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13 :イエスタデイ・ワンス・モア[sage]:2014/05/01(木) 01:32:27.49 ID:5RgQQMT6 - 「お兄ちゃん!」
ドンドンとモモがノックをしてオレが返事をするまもなく 部屋に飛び込んできて抱きついてきた。 「ランキング1位おめでとう!」 「いやオレも信じられないよ」 「エネちゃんもすごいよ」 「いや〜臥薪嘗胆、ご主人に付き合ってきた甲斐がありましたよ」 オレは作曲が趣味で「しん」という名前で某動画サイトに投稿してる。 エネに歌ってもらっているのだが(エネは電脳少女だからボカロになるのか?)、最初はなかなか視聴数は伸びなかった。 「ご主人、この歌詞意味不明ですよ」 「この曲、前のと似すぎてません?」 エネは文句を言いながらも楽しそうに歌ってくれる。 その甲斐もあって地味にオレたちのファンは増えていき、 今回の曲はじわじわと順位が上がってきて、ついにはじめての1位を取ったのだ。 思い出がよみがえる曲という普遍的なテーマ。 歌詞も曲調も素朴だが心が温まる。 そんなコンセプトにぴったりの曲。
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14 :イエスタデイ・ワンス・モア[sage]:2014/05/01(木) 01:34:54.94 ID:5RgQQMT6 - ※
「ご主人メールですよ」 「えっこれマジか」 音楽会社からだ。 ボカロ×アイドルという ボカロソングをアイドルがカバーする企画。 今回ランキング1位を取ったオレにも白羽の矢が立ったのだ。 誰か希望するアイドルはいますか? オレはあいつに歌ってほしかった。 オレが1位を取ってあんなにうれしそうな顔をして喜んでくれた妹に。 オレはモモに近づきたかったのかもしれない。 人気アイドルという別世界の住人であるモモに。 ※ ♪〜 私が鼻歌で兄の歌を歌っていると マネージャーさんが何の歌か聞いてくる。 「動画サイトで1位を取った歌なんですよ。最近の私のお気に入りです」 「実はボカロ×アイドルって企画があってね…」 私はお兄ちゃんの歌が歌いたかった。 お兄ちゃんの歌をもっと多くの人に聴いてほしかった。 ※ 偶然だった。 オレへのスカウトとモモの事務所が参加する企画。 オレの歌をモモが歌う確率がもっとも高くなるセリフ。 「「実は」」 「如月モモは」「この曲の作者は」 「妹」「兄」「「なんです」」 プライド? モモがオレの曲を歌うことにくらべたらそんなものはどうでもよかった。 お兄ちゃんにとって迷惑? これは私のわがままだった。
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15 :イエスタデイ・ワンス・モア[sage]:2014/05/01(木) 01:36:37.70 ID:5RgQQMT6 - ※
作詞作曲:如月シンタロー 歌:如月モモ オレは顔出しNGということにしてもらった。 キャッチコピーは21世紀のカーペンターズ。 ※ カノ「ちょっとショックだよねー」 カノ「キサラギちゃんがアイドルなのは最初から知ってたけど シンタロー君がプロの作曲家になるなんてねー」 セト「すごいじゃないッスか」 キド「プロになってもシンタローはシンタローだ」 カノ「キサラギちゃんがアイドルになったときのシンタロー君も、こんな気持ちだったのかなー」 マリー「カノもアイドルになる?」 カノ「いや僕には無理www」 コノハ「……いい曲」 ※ ヒヨリ「モモさんの曲大ヒットしてるわね。さすが私のモモさん」 ヒビヤ「21世紀のカーペンターズねえ…カーペンターズって誰?」 カタカタカタ(ネットで調べるヒビヤ) ヒビヤ「アメリカの兄妹ポップス・デュオ…。…妹カレンは無理なダイエットで死亡。……。」 ヒビヤ(おばさんに太ってるって二度と言わないようにしよう)
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16 :イエスタデイ・ワンス・モア[sage]:2014/05/01(木) 01:38:26.13 ID:5RgQQMT6 - ※
《あの曲の作者ってモモちゃんの兄貴なの。それでボカロランキング1位とって妹がカバーって露骨過ぎんよー》 《久しぶりに言う。ステマ乙》 《結局商業への踏み台なんだよな、萎えるわ》 《話題作りも大変ですね》 《カーペンタンズ、近親、あっ(察し)》 叩かれた。 いや、この状況なら俺でも叩く。 ランキングでいきなり1位を取った男が 実は人気アイドルの兄。 これで工作を疑わないほうがどうかしてる。 ゴーストライター説も浮上している。 エネの元歌がいいかモモのカバーがいいかで論争も起こっている。くだらない。 「ねえご主人」 ネットの反応を見てへこんでいたオレに エネがとんでもないことを言った。 「私が工作してた、なんて思ったことありませんか?」 沈黙。 「何マジになってんですか(笑)」 腹を抱えて笑い出すエネ。足をバタバタさせるがもちろんパンツは見えない。 「不正で1位になってもつまらないじゃないですか、ご主人」 「お前が言うと笑えねーよ」 「勝負は正々堂々とやらないと」 エネの後ろに別の少女の顔が見えた気がした。
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17 :イエスタデイ・ワンス・モア[sage]:2014/05/01(木) 01:53:31.22 ID:5RgQQMT6 - ※
雑誌のインタビュー。 「いい曲ですね。まるでシンタローさんがモモさんのために作ったような…」 「違います!」 私の荒げた声にインタビュアーさんがビクッとする。 「あの曲はお兄ちゃんがエネちゃんのために作った曲で、私はカバーしただけです」 「あーそうですね、それで…」 ひょっとして 私はエネちゃんからお兄ちゃんの曲を奪いたかったのだろうか? ※ 音楽番組でモモが歌うので、オレとおふくろは一緒にテレビを見ていた。 「あーこの歌 懐かしいわね」 え? オレの歌をモモが歌うと聞いて涙を流して喜んでいたおふくろが 肝心の歌を聴いてこういった。 「モモが小さいころによく歌ってたじゃない」 おふくろの話によると おもちゃのピアノで遊んでいたオレたちだが オレがオリジナルの曲を作ってモモが歌ってたらしい。 そしてそのときの光景を録画した映像も残ってる、と。 衝撃の事実の前に、 テレビで歌っているモモの声がオレの耳を素通りしていった。
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18 :イエスタデイ・ワンス・モア[sage]:2014/05/01(木) 01:55:30.54 ID:5RgQQMT6 - ※
おふくろが言っていた通り 押入れの奥に眠ってた「それ」。 自室で「それ」を再生する。 よくあるホームビデオ。 「うわっご主人ちっちゃいかわいい、今は面影ないですけど」 「黙って見てろ」 「妹さん、ご主人と似てますね、さすが兄妹」 …… オレがおもちゃのピアノを弾き 小さいモモが歌いだした。 オレは驚愕した。 さすがにエネも黙り込んだ。 小さいモモが歌っている。 あの歌を。 歌詞も同じだ。 どんだけ天才だったんだ昔のオレ! オレもモモもこのことをすっかり忘れてたのか。 思い出よみがえってねーじゃん! ゴーストライター説は半分当たってたわけだ。 子ども時代のオレが本当の作曲者だったんだよ。 これが親父が作った曲ってオチだったらオレは立ち直れなかっただろう。
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19 :イエスタデイ・ワンス・モア[sage]:2014/05/01(木) 01:57:26.25 ID:5RgQQMT6 - ※
へこんでいるご主人。 (最初から妹さんのために作った曲だったんじゃありませんか) 私に一瞬黒い感情がよぎる。 しかしこの曲にそんな感情はふさわしくないと思う。 「やっぱご主人といると面白いですねー。子ども時代の自分に負けてるんじゃないですかー」 「ほっとけ」 「メロディーは昔のご主人が作ったのかも知れませんが 編曲したのは今のご主人でしょ」 「ん? ああ…」 そうです。ご主人と私とのコンビは1曲や2曲じゃないんです。 「今までご主人の曲を聴いてくれたありがたい人たちがいたから今度の曲があるんじゃないですか」 じわじわとご主人の曲の視聴数が増えていくのが好きなんですよ、私は。 「……」 「その人たちのためにも次もいい曲作りましょう、ご主人!」 再生数やコメント数が少し増えただけで感じたあの心のときめき。 「そうだな」 「話は変わりますけどご主人、さっきの妹さんのテレビ、後半ちゃんと見てなかったでしょ」 「いやおふくろが爆弾発言するから…」 「録画してますから復習ですよ」 パソコンの画面に妹さんが映る。 しかし…、いつ見てもアイドルコスの妹さんを画面越しに見てニヤニヤするご主人の顔はキモい。 今日は言わないであげますが。
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20 :イエスタデイ・ワンス・モア[sage]:2014/05/01(木) 01:59:35.68 ID:5RgQQMT6 - ※
テレビで歌い終わったあと、私は控え室でにやにやしていた。 夢みたいだ。お兄ちゃんの作った歌をテレビで歌ったなんて。 「アイドルになってよかった」 お兄ちゃんがこんな曲を作れるようになったのもエネちゃんのおかげだ。 でも… いつか私に曲を作ってほしいなあ。 ※ 今でも この曲を聴くと このときの 思い出たちが 鮮やかによみがえってくる。
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