- 『マギ MAGI』でエロパロ2
93 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/30(水) 00:06:15.33 ID:pEL2NNCy - 流れも空気も需要も読まずに投下。アラジンとモルジアナ、未来設定、アリババ結婚済みなので注意
柔らかい衝撃が背中に伝わった。ベッドに優しく押し倒されたモルジアナは、いつになく混乱した思考で目の前の相手を見上げた。 五年前から更に伸びた濃い青の髪。日に日に大人っぽくなっていく整った顔立ち。普段は冷静さを失わない穏やかな青い瞳は、しかし、今は言い様の無い熱量を映し出していた。 「……アラジン? どう…したの…?」 なんとか絞り出した声は自分でも驚くほど弱々しかった。 「……分からないかい?」 どこか自身を試すような響きの声を聞いて、モルジアナは言葉に詰まった。 全く分からない、わけではない。 今、部屋の中にはアラジンとモルジアナの二人しかいない。モルジアナはベッドに押し倒されていて、アラジンは彼女に覆いかぶさるような格好だ。 こうした知識に疎いモルジアナでも、現在進行形で自分の貞操が危険にさらされていることくらいは理解できた。 (――でも) モルジアナは考える。 これが他の相手なら、少しも躊躇せず自慢の足技をお見舞いしただろう。 けれど、切なそうな笑顔で自分を見つめているのは、恩人であり、仲間であり、弟のような存在でもあるアラジンなのだ。 困惑するモルジアナを見たアラジンは、目を細め、緋色の髪に手を伸ばす。繊細なものを扱うような柔らかい手つきがこそばゆかった。 「――モルジアナ」 熱を帯びた声で名を呼ばれ、モルジアナは思わず頬を赤らめた。 名前を呼ばれることなど珍しくはない。しかし、モルジアナを唯一愛称で呼ぶアラジンから初めて――そう、初めてだ。出会って五年も経つのに――呼ばれた名の響きは、不思議と心を揺らした。 「僕、君のことが、好きだよ」 なんて顔をするのだろう。 驚きよりも喜びよりも疑問よりも先に、モルジアナの思考に浮かんだのは、そんな感想だった。 どうにか笑顔を形作っているものの、その青い目は、痛々しいほど悲しげだ。少しでも刺激したら崩れてしまうような儚さがある。 アラジン、と彼の名を呼んだ自身の声は掠れていた。 こんな情けない声を出してしまったのはいつぶりかと考えて、案外最近だったと思いだす。 半月前の、もう一人の恩人であり主であり、……初恋の人でもある、アリババの結婚式があった日の夜。きつく結んだ口の端から零れてしまった嗚咽も、同じように情けなく掠れていた。 そういえばあの時も、気付いたら隣にアラジンが座っていたのだ。何も言わず、けれど離れもしない彼の存在は、とてもあたたかかった。 「…嫌だったら、ちゃんとはねのけてね」 そう言ってモルジアナに触れたアラジンの手は、小刻みに震えていた。 硬く重い鎖をなんでもないような顔で壊してくれた人。 どんな時でも澄みきったまっすぐな目で前を見て、世界の危機を救った人。 今にも泣き出しそうな顔で、震える手で、きっと自分を酷く責めながら私を求める、大事な人。 ――どうして、はねのけるなんてことができるだろう。 そっと重ねた手は、いつかのようにあたたかかった。 アラモルの少なさについカッとなってやった。今は反省してる。お目汚し失礼しました
|
|