- 男装少女萌え【11】
400 : ◆IyF6/.3l6Y [sage]:2014/04/30(水) 23:19:59.32 ID:FXeJtDl4 - *
私は16歳です。王の先妻の末娘として生まれ、人質の名目で隣国に出されました。 私の母は病がちだったそうです。そのせいで、生前既に第二夫人として有力貴族の娘を迎え入れるという話が持ち上がっていました。 しかし王の父、つまり私の祖父は、権力争いを嫌い、世継を生む王妃として私の母だけを立てたかったと聞きます。 当時、退位したとはいえ、まだ祖父の権力は絶大でした。 そして、祖父は私を、母が産んだ5番目の「王子」として発表させました。 しかしそれも虚しく、母は私を産んですぐにこの世を去りました。 その後すぐに祖父が死に、結局は有力貴族の娘が王妃に迎え入れられました。 どれも私の記憶には残っていません。私は身体が弱く、ずっと母の実家の宮で暮らしていました。 それが幸いし、権力争いの場からは離れていました。今の王妃の顔は、数えるほどしか見たことがありません。 それでも、長ずるにつれ、何かと不穏なものを感じることが多くなったのも事実です。 腹違いの弟ができて、今の王妃は彼をいずれかは世継にと考えていたようでした。 私には3人の兄と、隣国に嫁いだ姉がいます。いずれかは長兄が国を継ぐでしょう。 しかし、王妃がそれをすんなりと認めるとは思えませんでした。 私の住んでいた宮でも、どこかから来た使いを見かけることが幾度かありました。 隣国に人質として出されるという話が出たのは、そんな時でした。姉の嫁いだ国に、事実上の亡命をするのです。 王妃の一族の経済的締め上げに、母の宮も汲々とし始めていました。 他に選択肢はありませんでした。 亡命してからの生活は、それほど悪いものではありませんでした。 もとより、主立って私の身の回りの世話をしていたのは母の親衛隊の一員だったロレンツィオだけでしたし、亡命先では護衛までも付きました。 質素ながらも衣食住が保証される生活、政治的闘争から遠い世界は随分と気楽でした。 小さい頃、夏の避暑地で一緒に過ごした兄の見よう見まねで、「王子」として振舞わなければならないことだけは大変でしたが。 塔に来てから2、3年は、先行きの不安はあるものの、概ね穏やかな生活だったと思います。 変化が訪れたのは、私が13歳の頃でした。月のものが始まったのです。 鏡で見る私の身体も幾分成長し、腰から太ももにかけてうっすらと肉が付き始めました。 胸が殆ど育たなかったことが幸いし、護衛のルーシアスに勘付かれることはありませんでした。 ルーシアスは、私の一族とはかなり違う風貌です。 くすんだ茶色の短髪は、無造作に刈り込まれたままの風でしたし、肌は浅黒い色をしていました。 父や母は、人を寄せ付けない高潔な貌をしていましたが、彼は穏やかな、少し少年らしいような瞳が印象的でした。 剛直な眉と、しっかりとした鼻梁は成人男性のそれでしたが、笑う顔には慣れ親しみやすさがあります。 彼の主として振舞ってはいるものの、実際のところは精神的に寄りかかっている部分が多かったように思います。 困ったことに、成長するにつれその傾向は顕著になりました。 ルーシアスは、ほとんど常に一緒にいましたし、近頃では頭の中に霞がかかったような気持ちになります。 それどころか、何かの拍子に触れられたりでもしたら、体中が脈打っていてもたってもいられないのです。 だから、最近では、彼が少しでも近寄るたびに「近寄るな」と言うしかないのです。 頭の中で、この腕が、節のある指が、もし自分を触ったらと想像するだけで、呼吸が浅くなるのです。 鼓動と、血の流れる音が聞こえてくるので、私はそれが誰かに聞こえないかと不安になります。
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401 : ◆IyF6/.3l6Y [sage]:2014/04/30(水) 23:24:14.33 ID:FXeJtDl4 - レオ王子、と彼は私のことを呼びますが、本当のところそれは私の本名ではありません。
幸運でした。もし本当の名前を呼ばれたら、いてもたってもいられなくなるでしょう。 最近では、朝起きてからずっと身体が熱く、腰が疼いて気だるいので、思わず窓から雪に飛び込んでしまいました。 塔の天辺から落ちてきた雪に埋もれて、危うく死ぬところでした。目が覚めたときには、ルーシアスとロレンツォが目の前で血相を変えていました。 一時は、私が命を絶とうとしたと思っていたようですが、それは違います。 「父さまと母さまを守るためにここにいるのだ。わたしがそんな事をすると思ったか無礼者が!」と叫ぶと、ふたりは押し黙りました。 それでも結局、それとなくルーシアスが監視するようにはなりました。 でも、私は覚えています。ルーシアスが、道具も使わずに私を助けてくれたこと。 身体を抱え上げて、運んでくれたことも。 それから私は、身体が熱くなったり腰が疼いたりするのを、もっとはっきりとした形で意識するようになりました。 下腹部がいつもとろとろとして、下着が擦れるのでさえしんどいのです。 頭がぼんやりとするので、階段を踏み外しそうになります。そのときにルーシアスが支えるので、腰から背骨に甘いような刺激が走って、声が漏れそうになります。 そんな状況なのでいけないこととは分かりながらも、夜毎自分の身体を慰めて凌いでいます。 最初こそ慣れない異物に痛みがありましたが、いまでは糸を引くくらい潤ったそこが、すんなりと指を受け容れてしまうのです。 指を入れるたびに、粘膜の道が締め付けるように動くのが分かります。 ああ、この中に滾ったモノを入れられたら。腰を掴んで、強引に奥まで打ちつけられたら。あの肉体に組み敷かれて、犯されて、喘いで、汚されて。繋がったまま抱き合って。 そんな考えが頭の中にいっぱいで、お腹のなかで指を掻き回しても、身体は満足してくれないのです。小さな絶頂を迎えても、そんないやらしい妄想が頭から離れないのです。 ・・・そして今日も、夜が来ました。 ―――ここまで―――
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402 : ◆IyF6/.3l6Y [sage]:2014/04/30(水) 23:27:43.53 ID:FXeJtDl4 - ここまで投下してから気付きましたが、そういえば過去に投下された「ナタリー」とおんなじシチュエーションになってしまいました。
意識したわけではないのですが、不快になられたらあいすみませぬ。
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