- 【あかほん・濱中】氏家ト全 32時間目【妹・生徒会】
460 :ピンキリ ◆UsBfe3iKus [sage]:2014/04/30(水) 21:41:07.67 ID:/253oOSK - 皆さんお疲れ様です。
お久しぶりです。 生徒会役員共で短編、直接的なエロなしでタイトルは「ツッコミ憑かれ」です。 では。
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461 :ピンキリ ◆UsBfe3iKus [sage]:2014/04/30(水) 21:44:59.79 ID:/253oOSK - 津田タカトシは疲れていた。
理由は簡単である。 ツッコミ疲れ、それ以外のナニモノでも無い。 「天草もさ〜、変にお堅いからねぇ。花の女子高生ならもう少しブイブイって感じにはっちゃけないと」 「昼間からはっちゃけるのは生徒会長として少し……。夜なら別ですが」 「はっちゃけ天草さん、だねシノちゃん」 「イケないホリデーナイトに私イッちゃったんです、ってやつですねー」 アカン。 これはあかん。 タカトシは両の目蓋を少し痙攣させながら、 横に座っているIQ180のツッコミ仲間に視線を移した。 が、残念ながら身長にコンプレックスを持っている生徒会会計は、すでに机に突っ伏してしまっている。 途中までは彼と一緒に周りの面々にツッコミを入れていたのだが、 どうやらタカトシよりも先にエネルギーがキレてしまったようである。 まぁつい10分くらい前まで、タカトシと一緒のペースでツッコミを入れていたのだから、 無理も無いと言えば無理も無いのだが……。 「萩村……ズルい」 タカトシとしては、恨み言のひとつくらいは言いたくもなる。 ただでさえハンディキャップマッチなのに、タッグパートナーがいなくなったらそれこそ孤立無援ではないか。 「起きては……くれないよな、まあ」 萩村―――桜才学園生徒会会計萩村スズは、『うたた寝をしながらでも人の話を聞くことが出来る』という特技を持っている。 だが、どうやらこの場では意図的にその力をシャットしているようで、ウンともスンとも全く反応しない。 机に伏して寝る少女、耳に届く薄くて可愛らしい寝息、と書くと何か青い春的にエロティックだが、 あくまで字面の上だけで、この状態的にはナニもクソもエロくもない。 何せ、目の前で繰り広げられている会話が、青い春どころか性なる春で、エロを振り切った下ネタのシベリア超特急なのだ。 「おぉ? 副会長の妹さん、コトミちゃんだっけ? 随分古いアダルトゲームを知ってるんだねぇ」 「先日、ネットオークションで購入しまして」 おいコトミ、お前は18歳以下だろう。 タカトシは心の中でそっとツッコんだ。 いや、それ以前に女の子がアダルトゲームってどうなんだ? それでいいのか? つうかいくらネットオークションだからってアダルトゲームを未成年に売るんじゃない。 で、なんで古谷さんもわかるんだ?
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462 :ピンキリ ◆UsBfe3iKus [sage]:2014/04/30(水) 21:49:48.70 ID:/253oOSK - 「新しいWindowsじゃ動かないかなーと思って、物置から昔両親が使ってた古いノートパソコンを引っ張り出してきちゃいました」
「え、PC−98じゃないの?」 「古谷先輩、何ですかそのピーシーキューハチというのは」 「シノちゃん、大昔のアダルトゲーム専用機だよ。出島さんに聞いたことがあるよ」 「そうなのか、アリア」 違う。 明らかに違う。 タカトシは喉まで出かかったツッコミを、ギリギリで飲み込んだ。 言葉にすると負けた気がする……と言うより、どんな変化球がこちらに返ってくるかわからない。 シノ―――生徒会長天草シノと、アリア、生徒会書記七条アリアに対しては、一年以上の付き合いがある。 なので、二人が発する下ネタへの対応方法をある程度自得している。 で、桜才OGでシノたちの先輩にあたる古谷とはまだ知り合ってそれ程時間は経ってないが、 それでもその為人を徐々に把握しつつある。 センスが古い、と言えばまだ聞こえは良い。 ぶっちゃけ、オバサン臭い。 それも昭和のオバサン。 理解しにくい、所謂『死語』が言葉のそこかしこに散らばっているのは別に良い。 いや良いというわけではないが、タカトシ的にはまだ問題無い。 が、独特で遠慮を知らない感性と、奇妙な慣れ慣れしさがなかなかにクセモノなのである。 「……古谷さんて、関西に住んでる親戚のオバさんに似てるな」 「ん? 何か言ったかな少年?」 「何も言ってません」 そして妙に耳聡いと言うか、鋭い。 この点はシノやアリアとも共通する。 「タカ兄、ナニもイッてませんだなんて、だいたーん」 そしてこの妹、津田コトミである。 天草シノ、七条アリア、古谷さん、津田コトミ。 カンナエでカルタゴ軍に包囲されたローマ軍の如し。 畑ランコや魚見義姉さん、出島サヤカ、轟ネネ、横島ナルコらがいないだけまだマシと思うべきだろうか。 まぁタカトシにとって何の慰めにもならないわけだが。 「……あの、古谷さん、借りてた本を返しにきただけなんでしょう? そろそろ帰る時間で」 「だいたーんすりー! かむひあ! なーんてねなーんてね♪ ギャフンって感じかな?」 「あの会長からもそろそろ」 「もしかして溜まっているのか津田! それはいかんな、今すぐトイレでヌイてくるんだ!」 「七条せんぱ」 「オカズならほら、さっき古谷先輩から返してもらった『SMシューティング』の今月号を貸してあげる」 「いい加減にしろっつってんだろ、おい」 ツッコミを入れても苦、入れなくても苦。 どちらも苦、まさに前を向いても後ろを向いてもシシュポスの岩状態。
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463 :ピンキリ ◆UsBfe3iKus [sage]:2014/04/30(水) 21:53:33.72 ID:/253oOSK - 「ダメだなぁ副会長! ルンルン気分で一発ヤレるくらいでいないとネ? チカレタびーなんて行ってちゃダメだっちゃ?」
「すいませんさすがに古語がふんだん過ぎます」 「過ぎたるは及ばざるが如しだ、津田! ヌクのはいいけどヌキ過ぎると色々と差し障るぞ?」 「誰もヌイてねーし差し障らねーし」 「挿すに触るだなんて……やっぱり溜まってるんだね津田君!?」 「はいすいません溜まってます何かもう色々と。爆発しそうですホントに」 「ええっダメだよタカ兄、暴発するのはいいけど制服を着たままだから汚れちゃうよ」 「萩村ーっ! 起きろ萩村ーっ!」 スズの肩を掴んで揺するタカトシ。 ツッコミの泉が枯れ果てる前に、何とかこの場を終息させねばならない。 「ああっ、タカ兄がスズ先輩を襲ってる!?」 「そんな、津田! 寝ている相手に無理矢理なんて!」 「しかも私達の目の前で!」 「ビンビンじゃん、ビンビン物語じゃん、副会長クン♪」 下ネタのメリーゴーラウンド、ツッコミの無限観覧車。 ぐるぐると回りまわって、終わりは果たして何処にあるのか。 「だーっ、帰る! 俺はもう帰るからなー!」 「帰る? 帰ってヌクのか津田!」 「なら急いだ方がいいよね、今すぐ出島さんに車を持ってきてもらうね!」 「タカ兄、部屋まで我慢だよ! ウオミーおねえちゃんとかに出会っても襲っちゃだめだよ!」 「お、七条の車呼んでくれるの? そんじゃー私も乗せてもらおっかなぁ。ハイヤー代わりになるねー」 「ダメッ津田、帰っちゃダメッ! この状況で私を一人にしないで!」 「起きてたのか萩村ー!?」 津田タカトシに疲れている暇はないーーー。 F I N
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464 :ピンキリ ◆UsBfe3iKus [sage]:2014/04/30(水) 21:55:36.79 ID:/253oOSK - 以上です。
短くてすんません。 では、また。
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