- 織田信奈の野望はエロパロ
697 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/24(木) 21:13:36.27 ID:w3BhepfW - 「やっぱり、俺が甘かったのか?」
石に囲まれた牢獄の中で相良良晴は自責の念に苛まれながら、そう呟いた。 四肢は鉄の鎖で縫い付けられ、身動きは叶わない。どういった意図が在るのか解らないが、敷かれた柔らかな布団の上に縫い付けられているのだが、おそらくは今回の犯人である奴の娘のおかげだ。 極度な子煩悩である彼ならば子供に嫌われるか敵に痛い思いをさせるかなら前者に圧倒的な軍配を上げるだろう。ならば、四肢を封じたのは彼のせめてもの抵抗だろう。 そんな事をつらつらと考えていると、彼が目覚めた事を察知したのだろう。男が声を掛けてきた。 「ふん、漸くお目覚めか? 全く、こんなに簡単に嵌るなんてな」 そこにいたのは宇喜多直家、別名姫武将殺しと呼ばれる四十手前の男だった。 最も、良晴の印象としては子煩悩なチョイ悪親父程度だ。小早川隆景の所にいた際の影響か、露璃談話をしたからか憎めない男になっていた。 だからこそ、彼の手紙を信用してしまったのだ。 隆景が危ないと言う密書を。 「……小早川さんは無事なんだろうな?」 「おいおい、オレさまなんかが小早川のお嬢様をどうにかできるはず無いだろう? むしろ、オレさまを助けて欲しいぐらいだ」 「何を言ってるんだよ。俺を閉じ込めて助けて欲しいだなんて」 しかめっ面を作る直家に良晴は素直に疑問を覚えるが、直家は口にするつもりは無いのだろう。目を逸らす。 「……そろそろか。ったく、どうやら時間切れみたいだ。じゃあ、達者でな」 「なっ!」 びっくりしている間に直家は暗闇の向こうへと消えていた。何故か、光源である松明は点けたまま去って行ったが、見張りは一人も居ない。 ならば、誰か来るのだろうか? あの直家が男の事を気遣ってつけっ放しと言うのは考えにくい事だった。 どれ位時間が経ったのだろうか? 何もすることが無いからか、やけに時間の流れが速い気がする。しかし、松明がまだ消えてない事を考えるとそれほど時間は経っていないのだろう。 どうにかして、脱出できないかと布団の上で暴れていると、微かな足音が聞こえてきた。静かでゆっくりとした音だ。 先程足早に去っていった直家とは比べるまでも無い。と考えれば、女性なのだろう。その条件から良晴の頭には一人ヒットした人物がいた。 「秀家ちゃんか!? すまねぇ、出来ればまた助けてくれないか!?」 叫んで、しかし反応がない事に思わず顔をしかめる。彼女であれば可愛らしい返事を返してくれるだろう。 それこそ、直家が子煩悩になるくらいには……しかし、この足音の主は全く反応せずにゆっくりと此方に来ている。 そして、漸く良晴の瞳に映ったのは白無垢を身に纏った小早川隆景だった。
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