- 勇者シリーズ&エルドランシリーズ総合スレ4
471 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/23(水) 01:25:53.12 ID:171Ydcfl - そして、次の日。教授から写真を受け取ったユカは、いつも金太がトレーニングしている公園へ向かった。
少し入ると、すぐに見つかった。金太はユカに昨日のことで一言謝罪した。 「ユカ。き、昨日は悪かったな。あんな帰りかたして。べ、別に俺もあんなとこで読む必要はなかったんだしな」 「立ち話もなんだから、そこのベンチに座ろ?」 「お、おう……」 二度も突然の遭遇に、緊張する金太。ユカもうまく渡せるか内心ドキドキしていた。 その様子を茂みの向こうで伺う者達がいた。 「教授、様子はどう」 「はい、盗聴マイクで会話はばっちりです」 「気付かれずに仕掛けんのは大変だったぜ」 「2人ともお互いを意識しちゃってるから、気付けないけどね」 「しかし、お2人とも偶然会うとは思いませんでした」 教授と秀三は新発明の盗聴マイクのテストも兼ねて、2人の様子を伺いに来たが、 同じようにユカが何故そんなことをするのか気になってきたクーコと春枝は塾の合間を見て探しに来たという。 利害の一致というか、共通目的として4人で観察することになったのであった。 ベンチに座った金太とユカ。新学期のことや、あの本はやっぱりダメだったと 拳一に返したといった軽い会話で何とか心を落ち着かせる。 「今日はね、金太君にこのアルバムを渡そうと思って来たの」 「アルバム? 写真か?」 「昨日の本の写真の女の人よりはうんと落ちるけど、ユカの写真を集めたの。 金太君、これなら自慰にも使えるんじゃないかと思って」 「自慰って…まさか…」 金太の表情が変わる。 「いいです、作戦通りです」 茂み側から教授が声を上げる、そして秀三。 「別に俺達が立てたわけじゃないけどな」 「大胆ね…」 春枝が冷静にコメントを述べる。 誰もが上手く行くと思ったその刹那。 「や、やめろよ!?」 金太が怒鳴った。ユカの表情も変わる。 「え…」 「お、女の子がそんな事していいのかよ! 自分の写真を男に使われるんだぞ、そんな事されて嬉しいのかよ」 「…うん」 2人の会話を効き、茂みではそれぞれの意見が飛び交う 「ある意味正論だな」 「金太君、真面目ね」 「頭が固いともいうのかもしれないけどね」 「ダメです、あれじゃあ作戦失敗です」 「だから作戦じゃねぇって」 ベンチの方では 「……うん、そうだよね。ユカ、金太君が、その…自慰が出来なくて困ってるのかもしれないし。 それにちょっとでも金太君の力になれると思ったんだけど……」 ユカが人差し指をあわせながら悲しそうに言う。金太の言うことは確かに当たっているし、 そもそも写真数枚でそんなに変わるとも思えない。浅はかすぎたのかなとユカは思った。 「………」 「ダメなら、帰るね…」 写真を持って、去ろう思ったユカだったが、金太が止めた。 「ま、待てよ…!」 「え…」 「その、ユカがせっかく用意してくれたんだし、い、一応はもらっとくよ」 「ホント…! 貰ってくれるの」 ユカの顔が少し明るくなる。 「あ、ああ、別にいらないなんて言ってないだろ。ただそれでいいのかとは思ったんだ」 「わーい」 歓喜の声を上げるユカ。成功というには照準がずれたが、貰ってくれたことは素直に嬉しくもあるのだ。
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