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名無しさん@ピンキー
女装SS総合スレ 第10話

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女装SS総合スレ 第10話
107 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/22(火) 07:13:10.34 ID:qYGhBYNF
途中、ちょっとだけ「おもらし」要素があります。
苦手な人は【】をNGにして飛ばしてくださいませ


【その1】
 あれほど咲き誇った桜の花びらも気がついたらすべて散り失せ、今は葉桜のまぶしいばかりの新緑が日差しにきらめいている。
「今日のデート、まずはうちに来てね」
 昨日寝る前に届いたメールに従い、彼女である神宮寺さつきの家へと向かう俺。家に来
てくれということは、十中八九……いや、ほぼ100%「あれ」が目的なんだろう。あの趣
味さえなければ最高の彼女なんだけどな――そんなことを考えながら歩くこと十数分、彼
女が暮らすマンションの前についた。
「どちらさま?」
「ん、俺。一哉」
「待ってたよー。上がってきてね」
 インターホンを押してオートロックを解除してもらい、彼女の部屋へと向かう。勝手知ったるなんとやら、とくにノックもせずに扉を開ける。
「いらっしゃーい」
 ドアにつけたカウベルが鳴り、それに続いて彼女の声が部屋の奥から聞こえてくる。
「クローゼットにいるから、早く来てね」
 はいはい、と返事しながら靴を脱ぎ、ウォークインクローゼットへと向かう。普通なら
ば、そこそこの収入がある家族が住むような豪華マンションを親にあてがってもらってい
るさつきは、自慢のワードローブをウォークインクローゼットにためこんでいる。普通の
女子大生では手が出ないようなブランドもののスーツから量販店で売ってる安いジーンズ、
清楚なお嬢様が着るような品のいいワンピースや夜遊びが好きそうなギャルが好むファッ
ション、さらにはロリィタ系やアニメのコスプレ衣装まで、「女の子が好きそうな服」を
文字通り山のように溜めこんでいる。もちろん、それぞれの服に合うようなアクセサリー
や靴類もずらりと並んでいる。
「あー、カズくん! 今日の服、どれがいいかなぁ」
 ウォーキングクローゼットに入ると、さつきはちょっと鼻にかかったようなアニメっぽい声で俺に問いかけてきた。
「どれでもいいんじゃないか?」
「も〜。カズくんひどーい」
 頬を膨らませながら文句を言うさつき。しかし、怒っている雰囲気は一切なく、すぐに
服の海へと舞い戻り、ああでもない、こうでもないとうんうん唸りながらウォーキングク
ローゼットを右へ左へうろうろと歩き回っていた。
女装SS総合スレ 第10話
108 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/22(火) 07:13:55.19 ID:qYGhBYNF
【その2】
 別にさつきは膨大なワードローブからなにを着ようかと考えているわけではない。事実、
この下手なショップよりも揃いがいいワードローブだが、さつき自身が袖を通したものと
なると意外に少ない。むしろ「女性らしい装い」をしているのは、それこそ自分の親に会
うときぐらいじゃないだろうか。今日も黒い無地のTシャツにジーンズ、さらに長い髪の
毛を後ろでしばっただけと、まったく化粧っ気のない格好をしている。
「どうせ、選んだ服を着るのは俺なんだろ?」
「もちろん!」
 アイドルも逃げ出すぐらいの、とびっきりの笑顔をみせるさつき。そう、ここにある服
のほとんどはさつき自身が着るためのものではなく、さつきが俺に着せるために買い集め
たものだ。俺を女装して楽しむというちょっとどころではないほどゆがんだ趣味を持つさ
つき自身は、今しているようなラフで男っぽい格好をすることが多い。だが、かわいいも
の、おしゃれ、女性らしいファッションが嫌いというわけではなく、むしろ好きな部類に
入るというのがややこしい。年に数回見せるかどうかの「さつきの本気」は、それこそち
ょっと歩いただけで芸能事務所から多数スカウトされるほどのかわいさで、今の格好はそ
れがあまりにも鬱陶しくて避けるためという面もある。だからといって、俺を女装させる
必要はないと思うのだが……。
「よし、やっぱ今日のコンセプトは『深窓のお嬢様風ロリィタ』で決まりね!」
 うんうん唸っていたさつきは急に大声を上げて、辺りに散らかっていた服から一着のワ
ンピースを取り上げた。続いてチェストから何枚かの布きれを取りだし、俺に突きつけた。
「じゃ、カズくん。これを着てね」
 突きつけられた布きれの正体は、言うまでもなく女性用下着。シルク独特の柔らかな光
沢を持つ繊細なレースの塊は、さつきが身にまとったらどれほど美しいものだろうか。実
際、たまに身に着けたところを見せてくれることもある。しかし、どちらかといえば俺が
セクシーな女性用下着で迫った方が彼女は性的興奮を覚えるというのだから、世の中まま
ならない。
 大きくため息をつき、手早く脱ぎ去っていく。何度も肌を重ねた間柄なので、とくに恥ずかしがる必要もない。
女装SS総合スレ 第10話
109 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/22(火) 07:14:44.56 ID:qYGhBYNF
【その3】
「ホント、カズくんの肌はすべすべでいいわぁ……」
 恐らくこんなことだろうと思って、昨日念入りにいわゆるムダ毛の処理をした俺の太も
もを撫でながら、さつきがうっとりした様子でつぶやく。そのソフトなタッチに俺の股間
も硬さを帯びてくるが、彼女は「まだだぁめ」とぴしゃりと拒絶した。
 お預けを喰らいながらもショーツを履き、コルセットと同様の効果を持つビスチェを装着する。
「はい、今日のお洋服は細身だから、これでしっかり締めておかないとね〜」
 まるで古新聞をまとめるかのように、ぎゅうぎゅうとすさまじい力でビスチェの後ろ紐
をしめあげていくさつき。女性の力とはいえ渾身の力で締め上げられたウェストは、きゅ
っとくびれあがり、なめらかな曲線を描き出した。
「次はこれね」
 続いて渡されたのは、グレージュと呼ばれるやや茶色みを帯びた薄い灰色地に、紺色の
シックスシンストライプが入った厚手のタイツ。これをつま先の方まで小さくまとめたあ
と、片足ずつ勢いよく滑りあげる。腰まで引き上げると締めつけの強い股の部分が余った
ままになっているので、端っこを持ってガニマタになってから一気に引き上げて股下にあ
わせる。このままだと微妙なねじれやよれ、しわが出るので、裾から手を入れて太もも部
分を伸ばしながらしわを取るようにシャカシャカと手を動かしてポジションの微調整。す
ると、ストライプにねじれがよれが一切ない、まるで着用例のような美しいタイツの脚線
美が生まれていた。
「カズくん、すっかりタイツ履くの上手くなったね。わたし、こんな綺麗に履けないよ」
 何度も女装をさせられているうちにタイツやストッキングが上手く履けないのが気にな
って、ネットなどで見た綺麗なタイツの履き方を参考に何度も練習した結果がこれなのだ
が、その履き方を女性であるさつきに褒められるととても複雑な気分になる。
「はい、これも忘れずにね」
 渡されたささやかなパッドをビスチェのカップにねじこむと、ようやく下着の準備は終
了。しかし、ここからが長いのだ。続いて渡されたタイツより少し色味が濃いグレージュ
にシックスシンストライプが入ったワンピースに体を通し、さやかに背中のファスナーを
上げてもらう。
「やっぱロリィタの華は重ね着よね」
 既にワンピースを着たにもかかわらず、さらにワンピースを手渡してくるさつき。今度
のものは、濃いワインレッド地に似たようなシックスシンストライプが入った、すねの半
ばぐらいまであるロング丈のドレス。スカート部分は3段になったティアードスカートに
なっている。一度、何かの気まぐれでさつきが着たのを見たが、少し古風なデザインなが
らフリルがふんわりと揺れる美しいもので、彼女が「本物のお嬢様」であることを再確認
したものだった。その、ちょっと思い出深い服を、まさか自分が着ることになるなんて夢
にも思わなかった。いや、彼女が着ているところを見たとき「着させられるんだろうな」
と、どこか頭の片隅で考えていたのは間違いないが。
女装SS総合スレ 第10話
110 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/22(火) 07:15:30.87 ID:qYGhBYNF
【その4】
「さて、お洋服着終わったし、次はメイクよね♪」
 さぁさぁ背中を押されるように、ドレッサーの前に座らさせられる。ここで彼女に化粧
をほどこされる……訳ではなく、用意されたメイク道具を使い自分で化粧をしていく。ロ
リィタ服だけど、いわゆるクラシックロリィタだから普通のロリィタ服と違って濃くなら
ないように気をつけないといけない。そういう風に、服によってメイクを変えないといけ
ないというところまで気が回るようになった自分がなんとなく悲しくなってくる。
 だが、悲しくなっていても話は進まないので、手早くメイクを進めることにする。毛穴
を隠すファンデーションとフェイスパウダーで透き通るような肌を作り、ブロウペンシル
で女性らしい眉毛を描き出す。次に自己主張が激しくならない程度にアイライナーを引い
てマスカラでまつ毛を立て、淡いピンク色のリップで唇を彩る。
 手早くフェイスメイクを終え、髪の毛をすべて押しこむような感じにしてプール帽のよ
うなウィッグ下地のネットをかぶる。次にアジャスターを調整しておいたウィッグをかぶ
り、前髪や後頭部、生え際などを調整しつつブラシで髪型を整える。かぶってから気がつ
いたが、きょうのウィッグは薄く青みがかった黒のロングストレートで、前髪は眉毛にか
かる程度の長さにまっすぐ切りそろえられた、いわゆる姫カットというヤツだ。ウィッグ
をつけたあとは、右側頭部にドレスハット、胸にコサージュを飾り、肘まで覆う白いロン
グのレース手袋でコーディネートを仕上げる。仕上げに空中に軽くスプレーした香水のミ
ストをくぐるように通り、甘くやさしい香りを全身にまとってようやく本日のドレスアップが終了した。
女装SS総合スレ 第10話
111 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/22(火) 07:16:15.36 ID:qYGhBYNF
【その5】
「お靴とバッグは玄関に用意してあるからね〜」
 自分の身支度もするのだろう。俺のメイクアップが終わるのを見計らい、
さつきはウォーキングクローゼットから出ていった。
 玄関に用意されていた靴は、フロント部分がリボンの編み上げになったすねの中ほどぐ
らいの丈の黒いブーツだった。リボンをほどかなくても履けるよう、後ろにファスナーが
ついているのがありがたい。玄関に備え付けられたスツールに腰かけ、ブーツに脚を滑り
込まる。ファスナーを一気に引き上げてしっかりブーツを固定してから立ち上がると、10
cmほどあるヒールのせいか普段よりも視界が高くなった。
「ふぅん……悔しいけどさつきの見立てはバッチリだなぁ」
 さつきの準備が終わるまで、玄関に備え付けられている姿見の前でスカートの裾をつま
んでお嬢様っぽいおじぎをしたり、ふわりとスカートが浮き上がるようにその場で回って
みたりと、改めて今日のコーディネートを確認する。本気を出したさつきにはかなわない
かもしれないが、俺もそこらの女の子には負けないぐらいかわいくなったと確信できる
 バッグを両手に持って澄ましたポーズをとって、それをナルシスト気味にうっとりと眺
めていると、いつの間にかさつきがそばに立っていた。どうやら、かなり前から鏡の前で
ポーズをつける俺の様子を楽しそうに眺めていたらしい。
「今日のお嬢様スタイル、お気に入りみたいね」
「あ、いや、別に気に入ってる訳じゃ……」
「ふうん……そういうことにしといてあげるね」
 にやにや笑うさつきの格好は、お嬢様っぽいファッションに身を包んだ俺とは対照的に
スラックスにシャツ、ベストにジャケットと、パリッとしたスーツでバッチリ決めていた。
もちろん「2着買うと1着タダに」みたいな安いものではない、素人がパッと見ただけでも
わかるほどいい仕立てのモノだ。
「さて、準備もできたことだし、早速出かけよ〜ね」
女装SS総合スレ 第10話
112 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/22(火) 07:17:01.99 ID:qYGhBYNF
【その6】
 さつきの運転する左ハンドルの車に乗って、ドライブすること約1時間とちょっと。風
景は古民家が多く立ち並ぶのどかな住宅街に変わってきた。どうやら鎌倉方面に向かって
いるらしい。古都独特の細い路地をさつきの華麗なハンドルさばきで通り抜け、着いた先
はヨーロッパの屋敷を髣髴とさせる洋風建築だった。玄関の前には小さな黒板が備えつけ
てあり、色つきのチョークで「準備中」と書かれていた。
「さ、こっちだよ」
「準備中って書かれているけどいいのか?」
「大丈夫大丈夫。問題ないから」
 彼女に手を取られるまま玄関の前に立つと、豪華な木製の扉が音もなく開いた。
「「「「おかえりなさいませ、お嬢様!」」」」
 扉の向こうには揃いの燕尾服風のスーツを着た男性が10人ほど、2列になって並んでうやうやしく頭を下げていた。
「ど、どうも……」
 その迫力にこちらも思わず頭を下げてしまう・
「こちらへどうぞ」
 男性の1人に案内されるまま、ホールの中央に備え付けられた白いテーブルへと赴く。
すると、いつのまにかそばにやってきたもう1人の男性が椅子を引き、座るよう促してく
る。スカートがしわにならないように席に着くと、案内してきた方の男性がテーブルの上
に綺麗に形作られていたナプキンを手に取り俺の膝の上にかけてきた。
「それではお茶をお持ちしますので、しばらくおまちくださいませお嬢様」
 また恭しく頭を下げて、2人の男性は離れていった。落ち着いて彼らの遠ざかる姿を見
ると、男性にしてはどことなく背が低く、また下半身のラインなどがどことなく丸みを帯
びている。これはもしかして……。
「あ、やっぱり気がついた?」
 ニコニコと笑いながらさつきが声をかけてきた。
「やっぱり……って、もしかして?」
「そう、ここで働いている執事はね、本当はみんな女の子なんだよ♪」
 先ほど出迎えた男性――執事も、席に案内してくれた執事も、座るのを手伝ってくれた執事も、本当は女性だというのだ。
「男の子がかわいらしいドレスを着て、かっこいい格好した女の子にもてなされる……とっても淫靡で倒錯してるよね!」
 つまり、俺が男装した女性に「お嬢様」と呼ばれてもてなされている様子を見たいがた
めに、さつきはここまで来たのか。「俺を女装させて楽しむ」という趣味もここまでくれ
ば立派なものだ。飽きれるどころか、逆に関心してしまう。
「それはともかくとして、お客が誰もいないってことは、今日は貸切なのか?」
 辺りを見回し、俺以外席に座っている人がいないことを不思議がると、
「大丈夫、そろそろ一般客もいれることになってるから」
 と、さも当然のように答えるさつき。
「じゃ、今日はわたしもここでちょっとだけ執事やることになってるから」
「執事やるって!?」
「だって、わたしここのオーナーだもん。そのぐらいの自由効くから」
 衝撃の発言。まさかとは思うが、この道楽を実現させるために執事喫茶を作ったのでは
ないか。もっとも、間違いなく半分ぐらいは正解なのだろうが。
「それでは失礼いたします。なにか御用がありましたら、お手元のベルを鳴らしておよび
くださいませ『お嬢様』」
 わざと『お嬢様』の部分を強調して、さつきは恭しく頭を下げて去って行った。まった
く知らない場所に女装して投げ出されてしまい、少しだけ心細くなる。それと同時に、周
囲でせわしなく、それでいて優雅に動き回る執事たちに常に見つめられていると考えると、
恥ずかしさと高揚感が入り混じった不思議な感情が胸の奥に湧き上がってくる。
女装SS総合スレ 第10話
113 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/22(火) 07:17:55.09 ID:qYGhBYNF
【その7】
「失礼します」
 不意に無理に低く作っているように聞こえる女性の声がしたので、そちらの方を向くと
ティーポットを携えた執事がティーカップに紅茶を注いでいた。気がつくと、テーブルの
中央には三段重ねになったティースタンドが置かれていて、それぞれの皿にサンドイッチ
やスコーン、ケーキが並んでいる。いわゆる英国式のアフタヌーンティーセットというヤツだ。
「お茶、ありがとう」
 精一杯女の子っぽい声を作ってお礼を言うと、
「いえ、これが執事として当然お勤めでありますゆえ。お礼など不要です、お嬢様」
 一切のお礼を拒否して、またも恭しく頭を下げて去っていく執事。白いカップに口紅の
跡が残らないように気をつけながら、紅茶を一口含む。
「――――!」
 おいしいと声が出ないというのは本当なのかもしれない。葉っぱが違うのだろうか、あ
るいは淹れ方が素晴らしいのだろうか、これほど清々しいほどの香味を持つ紅茶は初めて
飲んだかもしれない。もちろん、香りだけじゃない。味も紅茶独特の渋みを残しつつも、
砂糖とは違うほのかな甘みを持っていて、今まで飲んでいたものは一体何だったのかと思
うほどだった。
 紅茶がこれほどおいしかったのだから、ティースタンドにあるサンドイッチやスコーン
はどれだけのものだろうか。気になって仕方なくなり、ティースタンドに手を伸ばそうと
したその時、
「いけません、お嬢様」
 寸でのところで、突然現れた執事にスコーンを取ろうとした手を制止させられた。
「このような雑事、お嬢様の手をわずらわせる必要はございません。
 ティースタンドの軽食をご所望でしたら、お手元のベルで私どもをおよびくださいませ」
 紅茶のおかわりを淹れるのも、ティースタンドに並んだ軽食を手に取るのも、すべて執
事に任せろ、ということらしい。それどころか、勝手にトイレに立つことすら厳禁だそう
だ。雑事はすべて執事がこなし、かつなにかのときにすぐ対処できるためとはいうが、こ
こまで徹底されると逆に感心してしまう。
 執事に取ってもらったスコーンを手で小さくちぎり、クロテッドクリームをつけて口に
入れる。素朴な焼き菓子とこってりとしたクリームがマッチして、これまたうまい。もし
女装していない状態でこれを目の前に出されたら、ばくばく食べていただろう。
 しばらくお茶と軽食に集中していて気がつかなかったが、気がつくと店内に空席は見当
たらず、上品そうな女性や俺と同じようにロリィタ服に身を包んだ子などがそれぞれ楽し
そうに執事と会話しつつ、お茶を楽しんでいた。本来女性だけしか入ることが許されない
聖域に立ち入っているような気がして、どこか申し訳なくなってくる。
女装SS総合スレ 第10話
114 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/22(火) 07:18:46.84 ID:qYGhBYNF
【その8】
 一通り紅茶と軽食を楽しみ余韻を楽しんでいると、不意に下半身にこみ上げてくるもの
がある。コルセット腹部を押さえつけているのに、調子に乗って紅茶を飲み過ぎたせいだ
ろうか、猛烈な尿意が襲いかかってきた。今すぐ立ってトイレに行こうと思ったが、先ほ
ど執事に言われたことを思い出して、テーブルに備え付けられていたベルを鳴らす。しば
らくして1人の執事がゆっくりとした歩調で近づいてきた。さつきだ。
「なにかご用ですか、お嬢様」
 なんで呼んだか俺の様子から既に察しているのだろう、さつきは笑いをかみ殺すように、
ゆっくりとした口調で問いかけてきた。
「あの、その……」
「なんでございましょう、はっきりとおっしゃってくださいませお嬢様」
 普通ならばそんなことは聞かないだろうに、何をしたいのか何度も俺に問いかけてくる。
「ええと、おしっこを……トイレは……」
 振り絞るように尿意を伝えると、やはりこみ上げる笑いをこらえながらさつきは頭を下
げてから椅子を引き、こちらでございますとトイレに誘導してくれた。
 崩れた化粧を直すための鏡台など、男子側にはない設備が多数備えつけられた豪華な空
間は、なんで女性用トイレが「化粧室」と呼ばれているのかを理解させるのに十分な施設
だった。もちろん、それぞれの個室はトイレとは思えないほど広々としていて、逆に落ち
着かないのでは、と思えるほどだった。
 その個室の1つに飛び込みおしっこをしようとしたのだが……普段ならばズボンとパン
ツだけの下半身が、下着やタイツ、さらには重ね着したロングドレスと、簡単に露出でき
ないような状態になってしまっていた。仮に両手を使ってスカートをまくりあげたとして
も、今度はタイツを脱ぐことができない。
「どうしよう、どうしよう……」
 急いでドレスを脱ぎ捨てようとしても、背中のファスナーには手が届かない。一瞬届い
たが、今度はレースの手袋が滑ってファスナートップがうまくつかめない。焦れば焦るほ
ど尿意が高まり、尿意が高まるほど焦ってどうしたらいいかわからなくなっていく。
「あ……」
 ついにこらえきれず、目の前が真っ白になる。音もなく、じんわりと湿り気を帯びてゆ
く股間。まさか、この年になって、おもらしをしてしまうなんて……。
「大丈夫ですか、お嬢様」
 どうすればいいのかわからなくなり、なすがままおしっこを漏らし続け、小さな女の子
のようにすすり泣くことしかできなくなった俺の前に、心配そうな顔をしたさつきが現れた。


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