トップページ > エロパロ > 2014年04月04日 > M14HWmbO

書き込み順位&時間帯一覧

2 位/143 ID中時間01234567891011121314151617181920212223Total
書き込み数001210000000004000000000017



使用した名前一覧書き込んだスレッド一覧
愛人契約
名無しさん@ピンキー
To LOVEるでエロパロ part16

書き込みレス一覧

To LOVEるでエロパロ part16
649 :愛人契約[sage]:2014/04/04(金) 02:06:52.50 ID:M14HWmbO
本当は同じ人物が連続で投下なんてしたくないんだけど
三ヶ月待っても他に投下する人が誰も出て来ないから
マイルールを破って>>640の続きを投下します



愛人契約 第十一話
今回の標的は沙姫と凛と綾
To LOVEるでエロパロ part16
650 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:07:34.05 ID:M14HWmbO
全ての愛人達を、恋人にする。
リトがそう宣言した時、喜ばない女は居なかった。
元より正妻だったララと春菜は勿論、唯や美柑も満面の笑みで頷く。
「そうね。私達、もうどこか彼の恋人の一人であるつもりで居たけど」
「よく考えたら、今はまだ、ただの浮気相手だったんだよね」
本質的には浮気ではないが、名目上はそうなっている。
地球の、しかも日本の法律においては、リトが結婚出来るのは一人だけ。
今のところ婚約者の地位は春菜のものになっているが、逆を言えば、
将来的にリトの子を孕んで良いのもまた、春菜だけなのだ。
デビルーク星の戸籍の方から見ても、リトと子を為せるのはせいぜいララのみ。
それ以外の女達は、リトの子は産めてもあくまで妾にしかなれず、
生まれる子供は非嫡出子にしかなり得ない。
晴子などは「一人でも立派に育ててみせます!」と意気込んでいたし、
リトの方も出来得る限りで全員を扶養するつもりで居たが、
それはそれとして、法律上や体裁上の都合は解決していなかった。
「でも、全員を恋人にするって言っても、具体的にどうするんですか?」
回答は分かり切った上で、敢えてティアは聞いた。
リトの答えは明瞭だった。
「今のままで良いんだよ。このままデビルーク王位を継承してしまえば。
 その後で俺は、地球側に交渉して、地球を正式に銀河統一連合に迎え入れる。
 法律もその時にすり合せて、銀河全体で、一夫多妻制を施行するんだ」
元よりそれはモモが以前から言っていた提案ではあったが、
それを改めてリトが口にした事実は大きい。
以前はハーレム計画にすら乗り気でなかったリトが、
今、自分の意思で、ハーレムを作ろうとしているのだから。
「でもさぁ、地球ってまだ、宇宙と全然交流無いに等しいワケじゃん?」
「だよね。まずは地球に宇宙人の存在とか周知させるトコから始めないと」
リサとミオが、現実的な課題を口にする。
この問題は地球人である彼女らより、モモやヤミの方がより強い懸念を持っていた。
「地球は現在、他の星々と違って、星単位ですら統一を果たしていません。
 例えば、デビルーク星を統治している王は一人だけですが、
 地球の場合はこの日本や、アメリカや、中国や、ロシア……
 三桁にも及ぶ政権がそれぞれ独立して機能しています」
「地球が今まで銀河統一連合に参入出来ていなかった理由も、そこにありますね。
 参入出来ていなかったと言うより、一言で言えば、見向きされていないんです。
 交渉するにあたっての窓口がどこの誰になるのか、明確になっていませんから」
聞けば、地球より遥かに多種多様な種族が混在していて、
それにも関わらず全体で統一国家を形成している星など、いくらでもあるらしい。
翻って、霊長類という単一の種族が実質的に全域を支配していながら、
その霊長類の中ですら政治や思想の統一が成されていない地球と言う星は、
思考能力の足りない野蛮な未開種族としか、宇宙からは見られないとの事だ。
かつてザスティンやギドが、地球人を格下に見ていた理由もここにある。
彼等にとって地球人は、当時は共食いをするザリガニと同等にしか見えなかった。
To LOVEるでエロパロ part16
651 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:08:12.49 ID:M14HWmbO
地球の法律を変える為には、地球を銀河統一連合に加盟させる必要がある。
地球を銀河統一連合に加盟させる為には、地球の国家間を統一させる必要がある。
地球の国家間を統一させる為には、地球人に宇宙の真実を伝え、
狭い地球の枠組みの中での「国境」などという概念を、まず失くさせねばならない。
そんな簡単な三段論法の末に、リトは結論を導き出した。
その結論も結局、最初から目の前に提示されていたものだった。
「まずは俺が、デビルーク王になる。それから、地球に宣言するんだ。
 宇宙には地球人の知らない星や文明、異星人が多く存在してるって。
 だから地球も、宗教や政治で対立なんかせず、まずは一つの国家になろう、って。
 高校生の俺がそんな事を声高に主張しても、誰も聞く耳持たないだろうけど、
 宇宙と地球の架け橋となった存在になってからなら、説得力は段違いだろ?」
その時には説得力の駄目押しとして、巨大宇宙船で地球に凱旋もしよう。
最初こそ、その威容は威圧的とすら捉えられ、地球人達を恐怖させるかも知れない。
だが、そのくらいのインパクトが無ければ、各国政府を動かす事は困難だ。
今でさえララやヤミといった宇宙人達が、地球人に紛れて生活しているが、
彼女らがある日突然「私は宇宙人です」と宣言したところで、
各国首脳がそう簡単に信じ、統一に向けて動き出してくれるとは考えにくい。
ララ達の存在は、ただの頭のおかしい人としか見られまい。
「ついにリトさんが本気になりましたか。
 リト・デビルークを襲名なさる日も、そう遠くありませんわね」
未来の王の勇ましい姿にうっとり見惚れるモモの隣で、
御門は冷静に、もう一つの課題を提示した。
「でもリト君、王になるのは良いとして、執政とか外交出来るの?」
「うっ、それは……」
大人の意見は、まだ幼稚なビジョンしか見えていなかったリトには重かった。
当面はギドの下で見習いをし、数年は勉学に耐え忍ばねばなるまい。
その期間内に出来る限り、政治家としての実力をつける必要がある。
「外交なら、得意そうな人が何人か居ますけどね」
モモは品定めするように、リトの愛人――否、恋人達――を見回した。
営業慣れしているルンやキョーコは元より、
今ここに居ない林檎など、渉外がこなせそうな人物は少なくない。
何となくのイメージであり、実際に彼女らがそういう業務をしている場面は
一度も見た事が無いが、少なくともリトよりは大いに有望だろう。
モモがそう言うと、次いで美柑が、唯が、ララが声を上げる。
「じゃあ私、デビルークの宮廷料理人にでもなろうかな」
「王ともなると、生まれてくる子供に教育係も必要よね」
「それは新田先生とか、リトママ辺りが適任じゃないかなぁ」
そこから、女達は各々の役割を分担し合い、リトを手助けする方策を考え始めた。
「ねぇねぇ、王宮お抱えの医者としてなら、御門とティアが最適じゃない?」
「アタシ、一応雑誌記者だし、公文書とか演説の作成出来るかも」
「確かに秋穂さんなら適任ね。近衛兵の統率はヤミさんに、メアさんも有りだわ」
「美柑ちゃんだけだと給仕は大変だろうから、私も手伝うわ」
「西連寺さんがやるなら、私も。それなりに料理は出来るし」
To LOVEるでエロパロ part16
652 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:08:53.46 ID:M14HWmbO
リトの恋人達の中で、王の財力に甘えようなどと考える者は、一人も居なかった。
それぞれリトの妻になれる事に幸福を感じてはいたし、
専業主婦になる事が嫌というわけではなかったが、
彼女らは自立心や克己心において、いずれ劣らぬ者達でもあった。
リトとしては、彼女らを部下や配下のようには扱いたくなかったのだが、
本人達が働く意欲を出しているのなら、適材適所の采配はしてやるべきだ。
今日ここには来ていない沙姫や凛、綾を除いて、何故かリサやミオのような、
リトと体を重ねた事の無い者達までもが、やる気を見せている。
「来賓のもてなしなら、ミオの右に出る人は居ないんじゃない?」
「一応接客業のバイトしてるしね、私。しかもメイドだし」
「じゃあ私は幽体離脱を利用して、諜報活動とかしちゃいましょうか」
「お静ちゃん、あんまり物騒な事言わないでよ……」
「ところで御門先生って、そんなにリト君の事好きだったんですか?」
「うーん、何て言えば良いのかしらね。私、理想が低くないから。
 私のお眼鏡に適う、結婚しても良いかなって思える男は、
 今んところ結城君しか居ないのよねぇ」
「じゃあ御門先生は医療方面担当って事で、確定ですね」
現在海外に居る林檎を除き、珍しくほぼ全ての恋人達の都合がついたその日、
ララのラボの中は、将来の展望と計画に向けて、誰もが心躍らせていた。
唯一ナナは「じゃあアタシは王宮の動物の世話くらいしてやるか」と、
あくまでリトの恋人の一人になるのではなく、部下としての立場で言っていたが。
To LOVEるでエロパロ part16
653 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:09:34.37 ID:M14HWmbO
……しかし。
ギドからの緊急連絡が入ったのは、まさにその時だった。
『大変な事んなったぜ、テメーら。結城リトは居るか?』
「何でしょう、お父様。リトさんならこちらに居ますが」
応答したモモは、何故今日に限ってギドが音声通信をしてきたのか怪しんだ。
以前、次期デビルーク王位継承権の事について連絡してきた時は、
言葉の行き違いがあってはならないからと、わざわざ文書で送信された。
それ以降、モモは密かに、そして定期的に、
リトの愛人契約の進捗状況をギドに連絡していたが、
その時も文書によるやり取りしか無かった。
ギドの声を聞くのは、今日が実に久し振りとなっていた。
ホログラフィーを併用したリアルタイム音声通信の向こう側、ギドは嘆息した。
『……オイ結城リト。
 今更慌ててズボン履いてる暇あったら、とりあえず落ち着いて俺の話聞け』
「わっ、ごっ、ごめんなさい! いやあの、えっと」
ララのラボは今やララの私室ではなく、リトとその恋人達の寝室を兼ねている。
元々仮想空間内に構築した部屋でしかなかったから、
プログラムを弄れば、間取りの拡張は容易い事だった。
リサ、ミオ、モモ、ナナを除く全員が、さっきまでここで絡み合っていたから、
リトに限らず、殆ど全員裸のままだった。
春菜や唯は慌ててシーツを手繰り寄せて体を隠していたが、
御門やメアは、ギドに見られている事も意に介していない。
『お盛んなのは結構だがな、結城リト。
 出来れば今すぐお遊びは止めて、改めて愛人獲得に乗り出した方が良いぜ』
「愛人獲得、って……。いや、でももう、人数は揃ってんじゃ」
『それが、そうもいかなくなったんだよ』
ギドは立体映像越しに一同を見渡し、ややあって美柑に視線を合わせた。
『テメーが結城美柑か。結城林檎は居ないのか? まぁ良いや』
「あの、私やお母さんに何か用ですか?」
『別に用は無ぇよ。むしろテメーとその母親こそが、一番用無しなんだよ』
カチンとくる言い回しだったが、ギドが苛ついているのは分かる。
彼がイライラしながら話していた理由も、直後にリト達は思い知る事になった。
突然こんな話になれば、誰だって多少は苛ついただろう。
To LOVEるでエロパロ part16
654 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:10:09.14 ID:M14HWmbO
翌日は日曜日だったが、リトはすぐさま天条院沙姫に連絡を取った。
今までも何度か彼女の別荘やプライベートビーチに遊びに行った事はあったが、
リトの方から連絡を取る事は、極めて珍しかった。
そして彼は、駅前で沙姫と落ち合った。
ララや美柑が心配して同行したがったが、リトはそれを断った。
当初愛人契約を結んでくれる者達を探していた頃は、
ララもモモもナナも美柑も協力してくれていたが、
あれは本来、あまり良い事ではない。
リトの都合の為に相手と交渉するのだから、リト本人が動くべきだったのだ。
その頃のリトは愛人を囲う事に気乗りしていなかったが、
自らの意思で、愛人ではなく恋人達を囲うと決めた今ならば、
誰かに後押しして貰うのではなく、自分一人で交渉相手と向かわねばならなかった。
「それで、お話って何ですの?」
沙姫は相変わらず高そうな私服に身を包んでいた。
リトの方は一人で来たが、沙姫はやはり、凛と綾を伴っている。
リトを警戒して一人で会いたがらないのではなく、
沙姫がお供の二人を連れ立って歩くのは、いつもの事に過ぎない。
ただ、凛が私服でありながら竹刀を携行しているのは、
やはりリトを警戒しているせいかも知れなかった。
「その前に、まずは九条先輩と藤崎先輩に、お礼を言わせて下さい。
 挨拶が遅れちゃって申し訳ないんスけど、今回は有難う御座います。
 俺なんかの為に、名目上とは言え、協力関係を結んでくれて」
凛は近衛兵、綾は愛人として、それぞれリトと関係している。
だがその返礼は、もう何十日も前に、リト本人から受けている。
春菜と美柑が「菓子折り持ってった方が良いよ」とアドバイスしてくれたので、
リトはなるべく高そうなクッキーのセットを小遣いで買って、
既に凛と綾、そして沙姫にも、お礼の言葉を伝えに行っているのだ。
結局その時は三人とも「礼には及ばない」と言ってくれていたが。
「本題に入るのを躊躇ったな、リト君。そんなに言い辛い事なのか」
既に済まされている返礼を、今また繰り返したリトに、凛は追及した。
彼女の言う通り、リトは本題に入るのをなるべく先延ばしにしたがっていた。
けれどもいつまでも先延ばしには出来ない。
婚約発表まで、後十日を切っているのだから。
「実は……天条院先輩の協力が必要になったんです」
To LOVEるでエロパロ part16
655 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:10:52.16 ID:M14HWmbO
リトは全てを打ち明けた。
彼の奢りで立ち寄った喫茶店で、全ての話を聞き終えた時、
誰よりも憤慨したのは沙姫その人だった。
だがその憤慨は、リトからの申し出に対するものではない。
彼女は、宇宙人達の器の狭さに憤っていた。
「そんなの許せませんわ!
 今更になって、妹さんやお母様では、愛人に認められないなど!」
「ちょっ、先輩、声大きいって」
周囲の客達が、沙姫の怒声に振り返る。
だが常識的に考えれば、血の繋がった妹や母親が、愛人になれるわけがない。
そもそも、たかが高校生ごときが、どうして愛人云々の話をしているのか、
周囲の客達にとってはそちらの方が不思議な程だった。
「ギド……ララのお父さんも、先輩と同じ事言ってましたよ。
 今まであの人、俺の愛人獲得の進捗を、数日おきに連合に提出してたそうで。
 美柑や母さんは初日から愛人リストに入ってて、
 その頃は何も文句をつけられなかったのに、何で今頃……って」
進捗と言っても、実は当初からリトの愛人リストは、そう変わっていない。
実際に肉体関係を持ったのがいつであるかは別として、
建前だけの愛人なら、今回の話が始まった初日には、
もうかなりの人数が揃っていたのだ。
後はそこに、メアやティアが追加されただけに過ぎない。
つまり、当初からリストに加わっていた美柑や林檎が、
今更になって否定されるというのは、お門違いも良いところだった。
何より沙姫が憤っているのは、血縁者とすら結婚してもおかしくない宇宙の民が、
どういうわけかリトに対してだけはそれを許さない、と言ってきた事だ。
妹や母親とは、真の愛は育めないとでも言いたいのか、宇宙人は。
それでは地球人の固定観念と何ら変わらないではないか。
「そんなワケでとりあえず、俺、後二人も地球人の愛人作らなきゃなんです。
 もう俺の知り合いで、残ってるのが天条院先輩くらいなもんで。
 婚約発表終わったらいくらでも殴ってくれて良いんで、
 今だけでも協力してくれませんか?」
沙姫が協力してくれたところで、まだ愛人枠は後一人空席のままだ。
それについてはどう埋めれば良いものか、未だにリトには分からない。
しかし少なくとも、埋められる席が一席だけでもあるのなら、
そこはさっさと埋めてしまって、懸念事項を少しでも減らしたかった。
タイムリミットは後十日も無いのだ。
To LOVEるでエロパロ part16
656 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:11:40.00 ID:M14HWmbO
いくら何でもこれは断られるだろうな、と半ば諦めていたリトに、
しかし沙姫は、しばし逡巡した後でこう答えた。
「よろしいですわ」
「えっ?」
「なって差し上げます。あなたの愛人に。名前貸しだけで良いんでしょう?」
「そ、そうですけど……いや、良いんスかマジで!?」
リトは驚愕しているが、凛と綾は澄ました顔だ。
沙姫ならこう答えるだろうと、彼女らは最初から分かっていた。
彼女らの冷静な反応を見て、リトも改めて思い出す。
思えば沙姫は、こういう女だった。
日頃の高飛車な物言いに隠れているが、本来沙姫は、面倒見の良い女だ。
素性や正体を知らぬままリコの世話をした事もあったし、
かつては虐められていた綾を助けた事がある。
最近はめっきり減ったが、以前はリトやララ達を誘って、
別荘やビーチに連れて行ってくれた事もあったものだ。
「良かったな、リト君」
「沙姫様を愛人に出来るのですから、光栄に思って下さいね」
「九条先輩、藤崎先輩……は、はいっ! 有難う御座います、皆!
 俺、何て言ったら良いか……」
ただし、と沙姫は言葉を割り込ませた。
「ただし、条件があります」
「条件?」
「今日でも、明日でも構いませんわ。ザスティン様と一度お話させて下さい」
交換条件がそんな事で良いのかと、リトは首を傾げた。
しかし、彼女がザスティンを好いているのは、リトも知っている。
名目だけとは言っても、他人の愛人になる事を受け入れた沙姫にとって、
本命であるザスティンに伝えておきたい言葉は、いくらもあるに違いなかった。
すぐさま、リトはザスティンの携帯電話に連絡を入れてみた。
To LOVEるでエロパロ part16
657 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:31:54.61 ID:M14HWmbO
ザスティンは貧乏だが、暇人ではない。
漫画家志望として、また結城才培のアシスタントとして、
日々睡眠時間を削りながら生活している。
今も新しい投稿作の原稿作成に勤しんでおり、とても外出する時間は無い。
しかし客人を招くくらいなら出来ると、彼はリトの申し出を快諾してくれた。
もてなしは何も出来ないが、それで良いなら、との事だ。
ザスティンの住まいがボロいアパートだと聞いた沙姫は、
もし同居人が居るならそれらは出払っていて欲しいと、急に言い出した。
一軒家なら兎も角アパートでは、三畳一間もあり得ると思っての事だろう。
そうなると同居人は、嫌でもその場に居合わせる事になる。別室が無いのだから。
年頃の女の子が、惚れた男相手に、出来れば余人に聞かせたくない話をする。
その事情が分からぬ程鈍感でないリトは、ザスティンに無理を頼んで、
ブワッツとマウルには一時的にアパートから出ていて貰うように言った。
お陰で沙姫はザスティンと二人で話せる……とは、ならなかった。
ザスティンのアパートは郊外にあり、土地勘が無ければ辿り着けない。
リトの案内無しでは、沙姫はザスティンに会えなかったのだ。
後は「君を沙姫様と二人きりにするとロクな事になりそうにない」と、
凛や綾が同行する事になるのは、極めて自然な流れだった。
「ここですよ、先輩達」
「まぁ、ここがザスティン様のお住まい……何と風光明媚な事でしょう」
恋は盲目とはこの事だ。
どこをどう見たら、このボロアパートが風光明媚に見えるのか。
沙姫にはこの木造の安普請が、趣のある景観に見えるらしかった。
「おーいザスティン。天条院先輩連れて来たぞ」
玄関前でそう声をかけると、呼び鈴を鳴らすまでもなく、ザスティンが出てきた。
玄関のすぐ横に台所があるような狭いアパートだから、
呼び鈴どころかノックすら必要無いような環境なのだ。
「お待ちしてましたよ、リト君。沙姫さん達も、どうぞ上がって下さい。
 たった今片付けが終わったところです。狭い場所で申し訳ありません」
普段原稿を書くのに使っているらしい卓袱台は脇にどけられ、
インクやペン先、トーン等の雑多な道具がその上に固められている。
来客があるからと一応シャワーは浴びていたらしく、
ここ最近のザスティンにしては清潔な外見をしていたが、
普段の彼は数日おきにしか入浴しない、不衛生な男になり下がっている。
それが証拠に、Tシャツの肩にはスクリーントーンの切れ端がついたままだ。
洗濯もろくにしていない事が分かる。
万年床らしい布団が男三人分、折り重なって窓際に詰められていた。
畳は普段布団が敷かれている部分だけを除き、日焼けして古びている。
座布団は三人分しか無く、そこに女達三人を座らせれば、
必然リトとザスティンは畳の上に正座という格好になった。
To LOVEるでエロパロ part16
658 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:32:26.25 ID:M14HWmbO
「それで、沙姫さん。私にお話とは、一体何でしょう?」
沙姫の想いに気付いてもいないザスティンは、邪気の無い顔で問うた。
まさかこれから、自分が愛の告白をされるなど、夢にも思うまい。
自分は邪魔者になるから退室しようとしたリトだったが、それを凛が制止した。
「待ちたまえ、リト君」
「え、でも、九条先輩。俺達は出てた方が」
「そうですわ、凛。結城リトどころか、出来ればあなた達にも、その……
 いえ、決してあなた達が邪魔と言うのではなくて、ただ、やっぱり……」
告白するのに、周りにギャラリーが欲しいと思う者は、そうは居ない。
沙姫は普段は快活で活動的だが、恋の局面になると、途端にしおらしくなる女だ。
その事をリトは十分知っているし、凛や綾は尚更熟知しているだろう。
どうしてこの局面で凛がリトを呼び止めたのか、誰にも分からなかった。
彼等は明らかに、この場では邪魔者だった筈だ。
「私の勘だよ。多分君は、ここに居た方が良い。
 その方が沙姫様の為になると思うんだ」
凛が何を考えているのか、リトには分からなかった。
沙姫の良き理解者である綾ですら、まだ凛の言葉の根拠が読めない。
それは当然の話で、今の凛の言葉の意味を理解するには、
沙姫という女を知っているだけでは駄目なのだ。
リトという男の事も知っていなければならない。
凛はそこまでリトと親しいわけではないが、かつての美柑との接触、
また凛自身が魔剣に寄生された時のリト自身の男気から見て、
リトがどういうタイプの人間であるか、多少は心得ている。
それにリトは、以前沙姫が家出をした時、必死になって沙姫を庇っていた。
彼の熱意と誠意は、今の沙姫とザスティンの為には、必要なファクターの筈だった。
そして、凛の思惑が分からないまでも、沙姫は凛を信用している。
凛がこう言うのなら、多分リトは居た方が良いのだろうと思い、
彼女はそのままザスティンと話を進める事にした。
「あ、あの……わた、私は、ですね……ザスティン様……の事が……」
予想通り、沙姫は途端にしどろもどろになった。
恋をしている時の沙姫の淑やかさは、春菜にも負けない程だ。
普段からその調子なら凄い可愛いのに、とリトは失礼な感想を抱いた。
「頑張って下さい、沙姫様」
「ファイトです、沙姫様!」
凛と綾が、控えめなボリュームで声援を送る。
「頑張って、天条院先輩」
別に沙姫がザスティンとどうなろうと関係無い立場なのに、
リトも一緒になってエールを送った。
この誠意。やはりリトが居合わせたのは正解だろう、と凛は思った。
だが彼女がリトに求めていた本来の役割は、まだ先だった。
To LOVEるでエロパロ part16
659 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:32:59.39 ID:M14HWmbO
沙姫は意を決し、一度深呼吸して、それから思いの丈を口にした。
「ザスティン様! ワタクシ、以前より貴方をお慕い申しておりました!
 ワタクシとお付き合いなさって下さいませんか!」
よく言った。
リトは内心拍手をしてやりたい気分だった
……ザスティンが予想外なボケをする瞬間までは。
「お、お死体? 突き合う? 何やら物騒な話ですが、どういう意味ですか?
 失礼ながら私、難しい日本語はよく分からないものでして」
歴戦の剣士ザスティンは、思わず殴り飛ばしたくなる程の鈍感さを発揮した。
慌てて綾が辞書を引っ張り出し、ザスティンの前でページを繰る。
「お死体ではなく、お慕い! あなたを愛してるって事ですよ、ザスティン様!」
「それにサーベルで突き合うとかじゃなくて、交際したいって事だよ、馬鹿」
綾とリトに責められ、ザスティンはキョトンとしたまま、少したじろいだ。
「沙姫さんが私を愛してらっしゃる? 私と交際したがっている?
 ハハハ、まさかそんなワケないでしょう」
この期に及んで腹立たしい天然さだ。
そう言えば初めてリトと出会った頃のザスティンも、
ララの嘘を真に受けるくらいの頭の悪さを見せ付けたものだった。
彼は基本的に、智将にはなれないタイプらしい。いやそれ以前の問題だが。
「本人が目の前でそう言ってんのに、どうしてワカんねぇかなぁ」
「いやしかし、あまりに唐突過ぎませんか?
 私がいつ、どうして、沙姫様に慕われるようになったと言うのです。
 そのような徳を積んだ覚えはありませんよ」
ここでザスティンが「徳」という言葉を用いた理由は、後々分かる事になる。
彼は実の所、沙姫という女の素晴らしさを認めていた。
その上で、そんな女に自分が好かれる筈が無いと、思い込んでいた。
「天条院先輩の家の車がトラブった時、ザスティンが助けたんだろ?
 それ以来ザスティンに惚れ込んじゃったらしいぞ」
「まさか、そんな事で?
 あの程度の事では、とても沙姫さんに愛されるに値しませんよ」
「何か天条院先輩の事認めてるっぽいけど、
 ザスティンってそんなにこの人と接点あったっけ?」
「ララ様から、沙姫さんの人となりは聞いてますから。
 面倒見が良く、友人にも慕われていると。
 校外清掃のような、本来多くの生徒達が面倒臭がる行事においても、
 率先して体を動かすような誠実さも持ってらっしゃるともね」
あのララがそんな風に沙姫を評価していたとは意外だ。
ララの場合、尊敬しているわけでも何でもなく、素直な感想を言っただけだろうが。
To LOVEるでエロパロ part16
660 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 02:34:05.76 ID:M14HWmbO
「兎も角、このように人徳のある方に愛されるなど、
 私にとっては身に余る光栄ですよ。
 信じろと言うのは無理な話です。私ではとても釣り合いません」
なるほど、だからさっき「徳」がどうとか言ったのか、とリトは納得した。
だがそれで納得出来ないのは、沙姫本人だ。
「そんな、ザスティン様! 私は貴方の考えているような女ではありません!」
言わなくても良いのに、沙姫は自らの落ち度をペラペラ話し始めた。
「貴方の仕えるララにだって、何度となく対立しようとした事がありますわ。
 このような賤しい私が、貴方様に愛を告白するなど、思い上がった真似を……。
 むしろ私の方こそ、ザスティン様にはとても釣り合わないのですわ」
「そんな事言ってて、マジでザスティンにフラれたらどうするんスか」
加熱暴走気味に陥りかけている沙姫を、リトは他人事ながら案じた。
「お願いします、ザスティン様! 私を抱いて下さい!」
またいきなり凄い事言い出したなこの人、とリトは脱力した。
先程までのしおらしさはどこへやら、一度火のついた沙姫は、
いつも通りの積極性と行動性を言動に露わにしていた。
「私の身も心も、ザスティン様のモノにして欲しいのです!
 本来なら、例え名目だけとは言え、結城リトの愛人になる事も憚られます。
 結城リトが嫌なのではなく、誰の愛人であろうと、私には受け入れられません。
 名目だけとは言え、そして一時的とは言え、他の誰かから、
 この私が結城リトの女であるなどと思われる事が、耐えられないのです。
 けれども宇宙の都合も分かるつもりですし、個人の都合で我儘は言えません。
 だから、愛人として彼に名前は貸しますから、せめて……
 体と心だけは、あなた一人のモノにして欲しいのです」
「むむっ……そうまで本気で想って頂けるとは、光栄の極み。
 あなたの想い、確かに受け取りましたよ、沙姫さん」
「では……!」
「しかし、沙姫さん。私はララ様にお仕えする身です。
 そのララ様の婚約者となるリト君も、私にとっては主のようなもの。
 名目上とは言え、主の側室の一人に、手を出すワケにはいきません」
「嗚呼、何と美しい忠義の心! 私、ますます貴方に夢中になってしまいますわ!」
「なりません、沙姫様。私は生涯を主に尽くすと誓った身。
 リト君の側室に唾をつけるような事だけは、とてもとても……
 例い神が赦そうとも、私自身が自分を赦す事が出来ません!」
To LOVEるでエロパロ part16
661 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 03:15:13.05 ID:M14HWmbO
……耽美過ぎる。
いつからこのSSはシェイクスピアの戯曲みたいな事になったんだ。
リトは四畳半のボロアパートの中で繰り広げられるこのやり取りに、
いい加減辟易してきた。
そしてここからが、凛がリトに求めていた役割の、本領発揮だった。
「だぁーもううるせぇなっ!」
ビクッ、とザスティンと沙姫が反応する。
「ザスティン! お前、天条院先輩の事は嫌いなのか?」
「そんなワケありませんよ。彼女は素晴らしい女性だと思います。
 このような方ともし本当に婚姻出来るなら、私の人生は至福のものとなるでしょう」
「だったらそれで良いじゃん! とっとと付き合えよ!
 何を俺をダシにして告白断ろうとしてんだ!」
「いえ、決してリト君をダシにしようとしたわけでは……」
いつもは気弱なリトだが、ここぞという場面では男気がある。
そう見抜いていたからこそ、凛はリトに期待していた。
その期待は、どうやらうまくハマりそうだった。
ザスティンは珍しく怒っているリトの剣幕にたじたじだ。
「しかしやはり、リト君の側室に手を出すワケには……」
「だったらこうしましょう、ザスティン様!
 彼の婚約発表が終わってからなら、私は彼との愛人契約を破棄出来ます。
 そうなれば、あなたと私の間の障害は何一つ……」
「天条院先輩!」
「は、はひっ!」
リトの剣幕に、沙姫も思わず居住まいを正す。
「俺が迷惑をかけてるのは重々承知してますけど、先輩もガッツが足りないっスよ。
 婚約発表が終わるまでとか、そんなまどろっこしいのはナシです。
 本当にザスティンが好きなら、今すぐにだって、愛し合う権利が二人にはあるんだ。
 俺は文句なんて当然言わないし、誰にも文句は言わせない。
 先輩は今からでも、ザスティンとキスなりハグなりした方が良いって!」
「そ、そんないきなり……まだその……やっぱり、早い、ですわ」
「抱いてとか言ってた人が今度は何言ってんスか。急に尻込みしちゃって」
「私は何も、今すぐザスティン様と交際したいと言ったワケでは」
「付き合うのに、今すぐも後からもあるもんか。
 今の先輩とザスティン見てると、ちょっと前までの俺を見てるみたいだよ。
 お互い相手を大切に思ってるのに、決まり事とか世間体に縛られてさ。
 でも俺は、ララと春菜ちゃんを、同時に抱いた。美柑とだって寝た。
 世間的にはこういうの、浮気とか、近親相姦とかって言って、許されない事だ。
 でも、そんな俺だから、今だからこそ分かるんだ。
 お互いが相手を大切に思ってるなら、好き合う事は、誰にも止める権利は無い。
 主の側室だからどうとか、釣り合わないからどうだとか、そんなの言い訳だ!」
それは、実妹とすらヤリまくっている、リトだからこそ言える真実だった。
そして何より、かつて春菜を高嶺の花とし、声さえかけられずに居た彼だからこそ、
想いを遂げる権利があるのにそうしない男女の愚かさが、実感として分かっていた。
相思相愛だと分かるまでのリトと春菜は、今の沙姫とザスティンに劣らぬくらい、
馬鹿馬鹿しくも青臭い、まどろっこしい関係だったものだ。
To LOVEるでエロパロ part16
663 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 13:28:02.74 ID:M14HWmbO
>>661の続き


「リト君の言う通りですよ、沙姫様」
そう言った凛の顔には、微笑が浮かんでいた。
「愛し合う事は罪悪ではありません。特に今回の場合、リト君自身が認めている。
 沙姫様がリト君の愛人であれ、ザスティン様がリト君の部下であれ、
 そんな事は何の障害にもならないのです」
「そうですわ、沙姫様! さぁ、今すぐザスティン様の胸に飛び込んで!」
勢いに乗って、綾まで背中を後押ししようとする。
焚き付けられた沙姫は、躊躇いを残したまま、潤んだ瞳でザスティンを見つめた。
「ザスティン様……私の想い、受け取って下さいまし……」
「沙姫さん……」
またしても耽美な雰囲気が二人の間に流れ始めた。
これ以上はさすがに同席するわけにはいかないとして、
凛は綾を伴い、座布団から立ち上がろうとした。
リトも同じ考えだった。
だがここで、ザスティンが余計な事を口走った。
「分かりました、沙姫さん。全力であなたを、生涯愛し続けます。
 ですが一つだけ、不遜ながら訂正を求めたい部分もあります」
「訂正、ですか?」
「はい。リト君は人徳のある人です。
 あのララ様が見初め、モモ様が魅了され、ナナ様も惹かれる相手です。
 そんなリト君との愛人関係を、忍耐の対象のようには言って欲しくないのです」
「それでは……この私に、結城リトをも愛せと仰るのですか?」
「そういうわけではありません。
 しかし、彼の事を悪しざまに言うのだけは、お止め頂きたいのです」
そういうの、もう良いから……と言いかけたリトの前で、
沙姫は立ち上がり、ザスティンの胸にもたれかかって答えた。
「勿論ですわ、ザスティン様。先程は私の物言いに落ち度がありました。
 私こう見えて、彼の事は悪い人だとは思っていませんのよ。
 それに、つい今しがたの彼の熱い説得……私、心を打たれましたわ」
公然と浮気相手が何人も居るとか、妹とすらヤっているとか、
リトの言った事はただのヤリチン宣言にも等しかったのだが、
これでも意外と感受性と共感性の強い沙姫は、すっかりリトを認めていた。
「それでは、我々はこれで。お暇しよう、二人とも」
もういい加減退席すべきだとしてドアノブに手をかけた凛を、
またしても止める声が上がった。
「待って、凛!」
「……何でしょう、沙姫様」
「あ、えぇと……聞きにくい事なんだけど……」
あなた、セックスってした事ある?
沙姫は突拍子もなく、そんな質問を親友にぶつけた。
To LOVEるでエロパロ part16
664 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 13:28:44.05 ID:M14HWmbO
最初は沙姫がザスティンに告白するだけだった筈なのに、
また随分と大事になってきたものだと、リトは思った。
「それじゃ、たっぷり楽しんできて下さいね、皆さん」
語尾に意味深なハートマークをつけたようなイントネーションで言うと、
モモはたった今手配してきたばかりの新品の布団一式を残して去って行った。
彼女がそんなものをザスティンのアパートに運び入れたのは、
せめて清潔な布団の上で事を致したいと言った、凛と綾の意見による。
リトは彼女らの意見を汲み、モモに頼んで布団を調達して貰った。
つまり……今からこの部屋で、リトは、凛と綾と、事を致すというわけだった。
「天条院先輩は本当にそのままの布団で良かったんスか?」
「ザスティン様が日頃使っておられるお布団ですから。
 むしろザスティン様の温もりが伝わってくるようですわ」
部屋の隅に纏められていた男三人分の布団の内、
ザスティンの布団だけが敷かれ、沙姫はそこに嬉しそうに寝転がった。
その隣に、たった今モモが運んできた新品の布団が寄り添っている。
「ところで綾。何も君まで付き合う事は無いんだぞ?」
「そ、そんなワケにはいかないわ……凛一人にだけ、我慢させるなんて」
つい先程の事だ。
沙姫に男性経験の有無を問い詰められ、凛は赤面しながら首を横に振った。
続けて同じ質問を受けた綾もまた、首をブンブン振ったものだ。
それは当たり前の事で、そもそも彼女ら三人は親友なのだから、
誰か一人が男と付き合うような事になりでもすれば、
それは三人の間ではすぐさま情報共有され、秘密にされる筈が無かった。
凛や綾が男と付き合った事があると、沙姫が一度も聞いた事が無かった時点で、
それはつまり、凛も綾も恋愛をした事が無い、というのも同義だった。
そう確信している上で、それでも念の為、沙姫は聞いたのだ。
全ては、初めて男と交わる瞬間の不安を、少しでも和らげたいが為に。
To LOVEるでエロパロ part16
665 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 13:29:45.84 ID:M14HWmbO
沙姫は言った。
経験者の意見を聞ければ、少しは不安も薄れたかも知れないのに、と。
だったら俺の恋人を誰か呼びましょうか、とリトが提案した折り、
ザスティンが「え、まだ凛さんも綾さんもリト君に抱かれてなかったんですか」
などと余計な事を言ってしまったのが、今の状況のキッカケだ。
「てっきりもう、リト君はこのお二人を愛してらっしゃるとばかり思ってました」
ザスティンは改めてリトに謝った。
「俺がそう見境なく誰にでも手を出してると思うなよ……
 いや、そうとも言えないのがお恥ずかしい限りなんだけど」
「しかし凛さんも綾さんもリト君の愛人なのですから、
 もっと早くに抱いて差し上げていても良かったのでは?」
「九条先輩は愛人じゃなくて近衛兵。つーか、藤崎先輩だって別に……。
 俺は、俺の事を好きだって言ってくれる子とヤってきただけで、
 そうでない人にまで手を出した事は……や、無いとも言えないな、やっぱり」
自分と火遊びで関係を持っている秋穂や、
当初は交わる事に躊躇していたティアを思うと、
どうにもはっきり言い返せないな、と項垂れるリトだった。

「とりあえず、沙姫様の為だ。よろしく頼むぞ、リト君」
「で、出来るだけ優しく、して下さいね……?」
凛と綾は、覚悟を決めた表情でリトの前に立った。
初めてのセックスは痛いだろう。怖いだろう。
その不安は沙姫にも、凛にも、綾にも共通していた。
ならばせめて、挿入というのがどんなものか、沙姫に見せてやりたい。
そうする事で沙姫が少しでも安心出来るとは言い難いが、
せめて覚悟を決める一助になるならと、凛はリトに体を委ねる事を決めた。
凛一人に負担はかけられないからと、綾も参加すると言い張った。
つまりここからは、リトと、凛と、綾による、公開セックスだ。
沙姫とザスティンに見守られる中で、三人は交わる事になる。
それを見届けた沙姫が最後の覚悟を決め、ザスティンに身を預ける段取りだった。
「本当に無理しなくて良いんだぞ、綾。私だけで十分役目は果たせるんだし」
「だっ、大丈夫! 凛一人にだけ辛い思いなんてさせないんだから!」
「ふぅ……さっきザスティン様が沙姫様に言った事をもう忘れたのか?
 リト君の事を忍耐の対象のように言うのは良くないよ。
 それに私は、別段我慢しようとしているワケじゃないんだし」
「……え?」
凛は、誰も予想し得なかった言葉を吐いた。
「私、リト君の事好きだし」
To LOVEるでエロパロ part16
666 :名無しさん@ピンキー[sage]:2014/04/04(金) 13:32:37.57 ID:M14HWmbO
一旦終了、近日中に続き投下します


本当はこのまま十二話までいきたかったんだけど
連投規制がしつこ過ぎて、昨夜は一時間待っても解除されなかった程で
投下がぶつ切りになるという情けないところをお見せしてしまいました


※このページは、『2ちゃんねる』の書き込みを基に自動生成したものです。オリジナルはリンク先の2ちゃんねるの書き込みです。
※このサイトでオリジナルの書き込みについては対応できません。
※何か問題のある場合はメールをしてください。対応します。